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更新日付:2025年4月14日 上北農林水産事務所
上北農林水産事務所(農村整備庁舎)- 農業農村整備の概要
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農業・農村の持続的な展開を支える農業農村整備
1 基本的な考え方
本県の農業農村整備は、農業生産の基盤である農地・農業水利施設等の整備・管理や、県土・自然環境の保全、良好な景観の形成等の多面的機能の保全を通じた農村協働力の維持向上などにより、国民に対する食料の安定供給や農村の活性化、環境保全などに重要な役割を果たしています。
しかしながら、人口減少や高齢化の進行に伴う担い手不足や農村集落機能の低下、頻発化・激甚化する自然災害への対応に加えて、流域治水やSDGsへの貢献、農業DX(デジタル技術の活用による農業の変革)の推進等の新たな施策への対応が求められるなど、農業・農村を取り巻く情勢は変化し続けており、それらに対応した新たな施策展開の必要性も高まっています。
このような社会情勢の変化に対応し、本県の農業・農村の持続的な発展を支える農業農村整備を推進するため、「青森県農業農村整備中期推進方針(期間:2024 年度~ 2028年度)」を策定しました。本推進方針では、「青森新時代『農林水産力』強化パッケージ」のうち、農業農村整備分野での重点的に取り組むプロジェクトと継続的な取組について、「生産力強化」、「防災力強化」、「地域力強化」の3つの柱により、施策を展開していきます。
2 施策体系

生産力強化
~担い手の規模拡大と所得向上を支える基盤づくり~
担い手の規模拡大と所得向上を支える基盤整備の推進
(1)スマート農業の実装を可能とする基盤整備の推進
・生産性向上や維持管理の省力化を図るため、自動走行農機やICT水管理システムなどのスマート農業技術の活用を可能とする基盤整備を推進します。
・スマート農業の導入を促進するために必要なRTK-GNSS基地局の設置など、環境整備を進めます。
(2)基盤整備を契機とした担い手への農地集積・集約化の加速化
・担い手への農地集積・集約化や、生産コストの削減を図るため、農地の大区画化等の基盤整備を推進します。
・担い手の経営規模拡大や効率的かつ安定的な農業経営の確立を図るため、基盤整備を契機として、農地中間管理機構とも連携しながら、担い手への農地集積・集約化を加速化します。
収益性の高い農業経営を支える基盤整備の推進
(3)高収益作物などへの転換を推進する水田の汎用化・畑地化
・地域の営農戦略や需要に応じた収益性の高い農業経営を支えるため、これまでの水田での稲作中心の営農体系から野菜や果樹などの高収益作物の導入を可能とする水田の汎用化・畑地化を推進します。
・水田の畑地利用への円滑な移行を促し、畑作物の需要に応じた生産を促進するため、普及部門と連携して基盤整備を推進します。
(4)高品質・安定生産を支える農地の高機能化
・農作物の安定生産を支えるため、畑地帯の総合的な整備を進めます。
農業農村整備のDXの推進
(5)農業農村整備プロセス全体でのICTの活用
・産業全体が人手不足に直面する中で、生産基盤を着実かつ合理的に整備していくため、農業農村整備プロセス全体(調査設計、施工、維持管理等)でのICTの活用を推進します。
防災力強化
~安全・安心な暮らしを守る農業・農村づくり~
農業水利施設の長寿命化対策の推進
(6)農業水利施設の機能の維持・発揮に向けて機能保全計画に基づく適期の更新整備を推進
・老朽化が進行する農業水利施設について、農業用水の安定的な供給や豪雨時における排水の確保などを図るため、機能保全計画に基づいた適時・適切な対策を計画的に実施し、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を推進します。
(7)施設更新に併せて省エネルギー化や対策後の維持管理の効率化を推進
・脱炭素社会の実現やエネルギー価格の高騰時においてもその影響を最小限に抑えるため、農業水利施設の省エネルギー化を推進します。
・ストックマネジメントの効率的な推進を図るため、機能診断結果や補修・更新履歴等の情報を蓄積し、一元的にデータを管理・運用できるデータベースの整備を推進します。
農村地域の防災・減災対策の推進
(8)防災重点農業用ため池の地震・豪雨対策の実施
・農業用ため池の決壊により、浸水が想定される区域の住宅等を守るため、防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画に基づき、防災工事等を進めます。
・青森県ため池サポートセンターにおいて、定期的にパトロールや管理者への指導助言等を行い、ため池の適正な保全管理に係る取組を支援します。
(9)農地や農業水利施設を活用した流域治水の取組推進
・頻発化・激甚化する豪雨・地震等の自然災害に適切に対応し、安定した農業経営や農村の安全・安心な暮らしを支えるため、農業水利施設の長寿命化や排水機場の更新・整備等を進めます。
・気候変動による災害の激甚化・頻発化を踏まえ、ダムの事前放流等による洪水調節容量の確保や、水田の雨水貯留機能を強化する田んぼダムの取組を推進します。
地域力強化
~多様な主体が活躍できる農村づくり~
農村の有する多面的機能の維持・発揮
(10)多面的機能の維持・発揮に向けた地域の共同活動や営農活動を推進
・農業・農村が有する多面的機能を適切に維持・発揮させるため、多面的機能支払交付金により多様な主体で構成された組織が行う、水路の泥上げや農地法面の草刈などの地域資源の基礎的保全活動や、植栽による景観形成などの農村環境の良好な保全といった地域資源の質的向上を図る共同活動、老朽化した施設の長寿命化対策などの地域活動について支援します。
・高齢化や人口減少が深刻な中山間地域において、中山間地域等直接支払交付金などにより、耕作放棄地の発生防止や解消を図り、適切な農業生産活動の維持を通した多面的機能を増進する活動を支援します。
(11)地域の共同活動の継続に向けた持続可能な組織体制づくり
・地域の共同活動の継続と拡大を図るため、関係団体と連携し、活動組織の事務負担軽減や、保全活動組織の合併及び広域化等を支援します。
土地改良区の運営基盤の強化
(12)施設管理の主体を担う土地改良区の統合整備や男女共同参画の推進による組織の運営基盤の強化
・土地改良区における男女共同参画に向けた環境づくりや、事務統合や再編整備に向けた取組を支援することにより、土地改良区の運営基盤の強化を図ります。
・土地改良施設の維持管理の負担軽減に向けて、ICTを活用した省力化技術の導入や、電力等を必要とする施設の省エネルギー化を推進します。
多様な主体の協働による農村環境の保全・再生の推進
(13)多様な主体の協働による農村環境の保全・再生の推進
・地域住民や農林漁業者、事業者などとの協働により、山・川・海をつなぐ健全な水循環の確保に向けた総合的な対策に取り組みます。
・地域の多様な主体と協働し、農業の生産基盤や農村の生活環境などの整備を通じた環境の保全・再生に取り組みます。
地域の特色を活かした農村の振興
(14)老朽化した農業集落排水施設の集約・再編や農道の保全対策の推進
・農村生活を支えるインフラを確保するため、老朽化した農業集落排水施設の統廃合や農道の保全対策等の取組を推進します。
(15)農業生産基盤と併せ農村生活環境を総合的に整備
・中山間地域等において、地域の特色を活かした農業経営を実現し、所得の確保を図るため、地域の営農ニーズに応じたきめ細かな農業生産基盤の整備と農業集落道などの農村生活環境を総合的に整備します。
・規模拡大等が困難な中山間地域において、生産性の向上と農作業の省力化を図るため、スマート農業技術等の省力化技術の導入が可能となる基盤整備を推進するとともに、スマート農業の実装などを促進するための情報通信環境の整備を進めます。