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更新日付:2021年03月02日 防災危機管理課

冬山遭難事故防止の心得

毎年、八甲田山、岩木山などで、登山・スキー・スノーボーダー等による遭難事故が発生しています。
吹雪による視界不良で、スキーコースから外れて沢に入り込み、遭難するケースがほとんどです。
山での遭難は、残る家族の悲しみはもちろんのこと、地域の方々に迷惑を掛けることになります。
冬山遭難事故防止の心得を遵守し、遭難には十分注意してください。

冬山遭難事故防止の心得

入山前の注意事項

全国的に雪崩による被害が発生しています。雪崩被害の救助は二次被害の危険も伴うため、救助までに時間がかかる可能性があります。入山前には気象情報などを十分に確認し、状況によっては入山をやめる勇気を持ちましょう。

  • 悪天候時の入山は絶対に止めましょう。
  • 家族に行き先、帰宅時間を知らせて出かけましょう。
  • 十分な防寒装備で出かけましょう。
  • 携帯電話、飲料のほか、チョコレート、飴、梅干しなど2~3日分の食料を持ちましょう。
  • オイルライター、マッチ、コンロ(ガス燃料は不適)など、厳寒でも使用できるものを多めに携行しましょう。
  • 雪崩にあった時のために、雪山ビーコンを持参しましょう。
  • 登山計画書を提出しましょう。青森県警察本部地域課のほか、入山する山の管轄警察署、交番・駐在所等で受け付けています。
  • 自分の体力や体調に合わせて、無理をしないようにしましょう。
  • できるだけ2人以上で出かけましょう。

入山時の注意事項

  • 入山時、再度気象情報をよく確かめ、天候の急変が予想される場合は入山を控えましょう。
  • 入山場所の地形を確かめ、大木等の目標物を定めましょう。
  • 沢に入り込まないようにしましょう。
  • 滑走中に視界が悪くなった場合は、動き回らずに天候の回復を待ちましょう。
  • スキー、スノーボードを滑る際には、設定コースから外れ、冒険してみようなどと冬山を甘く見ないようにしましょう。
  • 無理だと思ったら、引き返すことを決断しましょう。
  • 携帯電話等は体で温めて消耗を防ぎ、必要なときに使用できるようにしておきましょう。

もしも遭難したら

  • テントや木の根本などに雪洞を作ってその中で寒さをしのぎ、携行したコンロ等で暖をとり、救助隊の助けを待ちましょう。
  • 携行した携帯電話で救助を求めるとともに、現在地の地形など知る限りの情報を伝えましょう。
  • 捜索のヘリコプターの音が聞こえたら、高台まで行きタオルなどを振って合図をしましょう。

雪崩の原因となる雪庇の箇所や大きさは、その年の天候や地形によって異なります。
また、南八甲田山、猿倉岳周辺では、突風によるものと思われる倒木が複数発見されています。
入山の際は、くれぐれも天候や地形などをよく調べてから楽しむようにしてください。
冬山よりも大切な命、遭難には十分気をつけましょう。

冬山遭難者の生還事例

  • 八甲田山冬山登山に出かけた遭難者2名が、8日間もの間、真冬の八甲田山で猛吹雪と厳寒に耐え、無事生還を果たした事例

 平成13年2月15日午後5時頃、遭難者の家族から「母が勤務する会社から電話があり、青森県の八甲田山に行くといって休暇を取ったが、休暇を過ぎても出勤していないので、遭難しているのではないか。」との通報が青森警察署に寄せられた。警察署では、遭難の可能性があるとして八甲田山付近の旅館等を調査したが、遭難者の足取りがつかめずにいた。このような中、酸ヶ湯温泉から「駐車場に数日前から放置されている車両がある」との情報が寄せられ、2名が同温泉に宿泊し登山に出かけたことが判明した。
 県では、直ちに陸上自衛隊第9師団に災害派遣の要請を行うとともに、陸上自衛隊・警察・消防など約250名体制で捜索を開始した。しかし、山は猛吹雪で荒れ狂っており、数メートル先が見えない中で必死の捜索をしたものの、1日目は発見することができなかった。
 捜索2日目、捜索隊は再び猛吹雪の中で必死に八甲田山を探し回ったが、なかなか発見できずにいた。その日も発見できないまま捜索を打ち切ろうとしていた午後4時35分、遭難者から救助を求める携帯電話が鳴り、1名を無事発見した。遭難してから8日目のことである。もう1名の遭難者も山の中腹に設営したテントの中で救助を待っているとのことであり、一刻も早く救助しなければならなかったが、二次災害の危険もあるため夜間捜索を中止し、翌日の捜索に備えてテント設営場所の特定を急いだ。
 翌日、テントの設営場所を特定した捜索隊は、一気に遭難地点に向かい、18日無事救助、 保護した。

  • 無事生還した要因
    2~3日分の食料を小分けにして食べていたこと。
    冬用のテント、コンロ、装備品等を準備していたこと。
    携帯電話の電源を必要以外はOFFとし、バッテリーが消耗しないように体で保温していたこ と。
    テントは、木立に囲まれた場所に設営したほか、風に飛ばされないよう両端をスキーで固定していたこと。
    万が一遭難した場合に備え、捜索隊が発見しやすい風上の高台を選んでテントを設営していたこと。
    冬山に精通した者が同行していたこと。
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  • 八甲田スキー場のコースで沢に迷い込んだスキーヤー4名が無事生還を果たした事例

 平成13年2月19日午後4時35分頃、八甲田スキー場フォレストコースで寒水沢に迷い込んだ岩手県の男性スキーヤー4名が、携帯電話で遭難を知らせたことから捜索が始まった。 通報を受けた県は、直ちに陸上自衛隊第9師団に災害派遣の要請を行うとともに、翌日の2月20日、警 察・陸上自衛隊・消防団など約200名体制で、地上隊と自衛隊ヘリにより捜索を行ったところ、午前7 時18分、通報した遭難場所と違う場所で自衛隊ヘリが遭難者を発見、保護した。

  • 無事生還した要因
    携帯電話を所持していたこと。
    動き回らず、雪洞を掘ってビバークしたこと。
    八甲田山を知っていた者が同行していたこと。

一旦荒れ狂った山の景色は、似たような地形が次々と出てくるため、自分の位置がわからなくなりやす く、冬山の猛威は豊富な経験による判断力を鈍らせることになります。悪天候の日の山は、晴れた日の山と全く違う姿を見せる恐ろしい山であることを肝に銘じておきましょう。
いくら山を知り尽くしたベテランが一緒であっても、また、十分な装備品や食料を持参していたとしても、油断は禁物です。

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