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更新日付:2023年12月8日 林政課

森林病害虫防除

 青森県では、松くい虫被害並びにナラ枯れ被害が発生しています。
 森林病害虫による被害が拡大した場合には、農林水産業をはじめ、本県のかけがえのない自然景観や観光資源などにも大きな影響を与えてしまいます。
 このような影響を未然に防ごうと県では、被害を受けた木の早期発見と適切な駆除に取り組んでいます。
 

松くい虫被害について

(1)松くい虫被害とは
 体長1mmにも満たないマツノザイセンチュウ(以下、「センチュウ」という。)が樹幹内に入って爆発的に増殖し、樹液の流れを止めてしまうことによって急速にマツを枯らす伝染病です。

(2)発生のメカニズム
①初夏:センチュウを体内に有した体長2~3cmのマツノマダラカミキリ(以下、「カミキリ」という。)が健全なマツの小枝の皮を食べる時に、カミキリの体内からはい出したセンチュウがマツの樹体内に侵入します。
②夏から秋:マツの樹体内でセンチュウが増殖してマツが衰弱していきます。衰弱したマツにカミキリが産卵をします。
③春から夏:樹体内で育ったカミキリにセンチュウが乗り移り、枯れ木から脱出するカミキリ成虫によって持ち出されて被害が拡大していきます。

matsumechanism
マツ材線虫病(松くい虫)被害の仕組み

ナラ枯れ被害について

(1)ナラ枯れ被害とは
 日本、台湾、インド等の東南アジアに広く分布している体長5mm程度の「カシノナガキクイムシ(以下、「カシナガ」という。)」がナラ類の幹に穴を開けて侵入して産卵する際、病原菌である「ナラ菌」を持ち込むことにより感染する伝染病です。
 ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと、道管が目詰まりを起こすため、通水障害を発生し、枯死に至ります。
 ナラ枯れは、比較的高齢で大径の樹木が被害を受けやすく、東北地方ではミズナラ、コナラ、カシワ、クリの4種で被害が確認されており、特にミズナラが枯死しやすいことがわかっています。

(2)発生のメカニズム
①初夏:健全なナラ類にカシナガの雄が穿入し、集合フェロモンを発散します。このフェロモンに誘引され、多くの成虫が集中的に穿入します。
②夏から秋:雌が持つ菌を貯える器官(菌のう)から樹木内に、ナラ菌や酵母菌が侵入します。ナラ菌が樹木内にまん延すると通水機能が失われてしまい、葉が枯れ始めます。枯れ始めてから1~2週間で、ナラ類は急激に枯れていきます。この時期に雌は樹木内で産卵を行います。
③秋から冬:孵化した幼虫は、樹木内にある酵母類を餌として成長していきます。このとき、ナラ類の根元には大量のフラス(木くず)が発生します。成長した幼虫は蛹となり、樹木内で冬を過ごします。
④春から初夏:冬を越した幼虫は春に羽化し、ナラ菌を持って新たに健全なナラを探して飛び立ちます。

naramechanism
ナラ枯れとカシノナガキクイムシの関係

県内の松くい虫被害及びナラ枯れ被害の状況と今後の被害対策について

県内の松くい虫被害及びナラ枯れ被害の状況については、「青森県民有林における松くい虫及びナラ枯れ被害の状況と対策について」に掲載しています。

被害の拡大を防ぐために

 被害の拡大を防ぐためには、被害の早期発見と適切な駆除が重要となります。
 ・枯れたマツ類や枯れかかっているマツ類
 ・枯れているナラ類、根元に大量のフラス(木くず)が溜まっているナラ類
 これらを見かけた場合には、お近くの県民局までご連絡をお願いします。
松くい虫被害に関する情報提供のお願いPDFファイル[444KB]
ナラ枯れ被害に関する情報提供のお願いPDFファイル[1621KB]

 また、マツ類やナラ類の伐採・移動・利用については、県が策定した留意事項の遵守をお願いします。
〇留意事項について(別ページ)このリンクは別ウィンドウで開きます
青森県マツ類及びナラ類の伐採・移動・利用に関する留意事項(令和5年12月8日改訂)PDFファイル[253KB]
・マツ類に係る留意事項位置図PDFファイル[836KB]
・ナラ類に係る留意事項位置図PDFファイル[839KB]

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