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更新日付:2025年2月21日 青森環境管理事務所

光と色の不思議と水が青いわけ

 太陽の光は、虹の色でよく知られているように、7色の光の混色(色が重なり、混ざること)です(図1)。7色の光が混ざると白色光と言いますが、色がない光として見えます。
  • 太陽光は七色の混色
    図1 太陽光は7色の混色。
 次に、物体に色がついて見えるとはどういうことでしょうか。ここでのキーポイントは7色が混ざった太陽の光から、ある色が取り除かれて、残った色が混ざって見えているということです。この「取り除かれて」ということは、物体によって光が吸収されることを意味します。どの色を吸収するかは、その物体の性質によります。
 例えば、図2に示したように、黄色から赤色の光が吸収により取り除かれるときを考えましょう。
  • 残った色が見える
    図2 物体にあたった7色の混色の太陽光から、黄色から赤色の光が吸収されて、残った青みがかった色が見える。
 図2のとおり、黄色から赤色の光が吸収された結果、残った青みがかった混色が見えることになります。
 さて、次に水の青色について解説します。海や湖の多くは青色をしています。実は、水という液体は、本当は青い液体です。海や湖の専門的な参考書には「純水、これを我々は日常生活の中では無色であるように扱っているが、実際は青い液体などである」という記述があります。これについて次に解説します。
 水の性質としては、まず黄色から赤色の光を吸収する性質があります。これを図3に示しました。
  • 水は青く見える
    図3 水は赤色光を吸収し、残った色が青く見える。
 7色の混色の太陽光から、黄色から赤色が水により取り除かれて、残った光は緑色から紫色の混色となります。ヒトの目は、紫色の光を弱く感じますので、残った光は青色に見えます。これが水が青い理由の一つです。
 もう一つ、水には重要な性質があります。それは水が青色光を強く散乱(四方八方に散らせること)する性質です。これを図4に示します。
  • 水は青色光を散らせる
    図4 水は青色光を強く散乱する。
 図4のとおり、7色の混色の太陽光が水に入ると、その水は青色から紫色の光を強く散乱します。先ほど書いたように、ヒトの目は紫を弱く感じるため、水により散乱された光は青く見えるわけです。
 それでは水の中を太陽光が通るとどんな色に見えるかについて解説しましょう。まず赤色光が吸収され、残った色が青く見えます。それと同時に、散乱された青色光が見えます。これらの「二つの効果」で、水が青く見えます。
 ここで、重要となる水の中を太陽光が通る距離について解説します。深い海や湖は、水底で反射(はねかえってくること)される光は、水面から入って、水底に届き、また水面から出て、我々に見えます。すなわち、おおよそ水深の2倍以上(「以上」としたのは、斜めに水が進んだ時に、距離が2倍以上になるからです。)の距離を、水の中で通過することになります。そして、水の中で通過する距離が長いということは、水により赤色光がより多く吸収されます。同時に、散乱される青色光は、水の層が厚くなると重ね合わせになってより強くなります。つまり、これらの現象によって、青色がより強く見えると考えられます。これをコンピュータで計算してみると次のようになります。
 いま、ほぼ真上から太陽光が水に当たったとします。条件としては、青森でしたら夏至(6月21日ごろ)の11時30分ぐらいの時刻を考えます。これは一年で一番、太陽の高さが高い時です。水の底から光が反射されると考えて、水を見たときに見える色の「二つの効果」を計算してみました。その結果を図5に示します。
  • Aoike20160721
    図5 水に光が当たった時に見える色のコンピュータによる計算結果。水深が深くなると青色が強くなる。
 この図から、水深が深くなると青色が強くなることが分かります。水深1 mでは青色は弱く、普段我々が使う水の量として、バケツにくんだ量ではほとんど色が付かないことがよくわかると思います。そして、水深が深くなると青が強くなります。コンピュータの計算は、予想どおりの結果となりました。
 もう少し、水の青色のメカニズムについて解説しましょう。先ほど、水底から光が反射されること、水が青色光を散乱させることについて触れました。
 まず水底での光の反射です。図6に示します。
  • Ketoba20161013
    図6 水底で光が反射されるときの7色。
 この図では、水底での反射は色による違いはなく、すべての色を同じ強さで反射すると仮定します。つまり、水底を見た限りでは、色がついていない(白色から灰色の範囲)と考えます。太陽光が水面から水底、そして水底で反射し、水面を通過し、ヒトの目に見えるまで水中を通るときに、赤色光が吸収されますので、ヒトが水面を見たとき、残った色が青く見えます。
 次に、水が青色光を散乱する現象を図7に示します。
  • 散乱光
    図7 水が青色光を散乱するときの7色。
 図7に示したように、水の中で青色光が四方八方に散乱されて、水面が青く見えます(青色光散乱)。このとき、太陽光が、水面から水中、また水面へと進みますから、この中で赤色光の吸収も受けます(赤色光吸収)。このように、水による散乱では、湖面が青く見える理由が二つあることから、水底で単純に反射するよりも、青が濃くなります。

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