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更新日付:2018年3月28日 青森県環境保健センター

青池はなぜ青い?

2017年度の研究記録

1.2017年度研究計画の立案
 2017年度の研究計画を立てるに当たって
(1)  光を測定する3色カラーセンサーに併せて、より詳しい情報が得られるスペクトル法を試みて、「赤色光吸収」を直接的な実測で示すことを目標jにして、測定機器を自作し、データ解析手法を確立すること。
(2)  従来の3色カラーセンサーによる測定システムの改良及びデータ解析手法を確立すること。
(3)   精密な光吸収スペクトルの測定(室内実験)
(4)   青色呈色のシミュレーション
(5)   全国規模の学会での研究成果公表
ということを計画しました。
(1) ~(2) を青池の実地で調査し、(3) は青池の湖水を実験室に持ち帰って測定しました。
    2.測定装置の自作
    (1) 「青池実地光吸収スペクトル測定装置」
     近年の電子技術の進歩により、小型の「ミニ分光器」が市販されているので、これを用いて青池湖内における光吸収スペクトルの測定装置を自作しました(6月)。
     スペクトルとは、グラフのことで、横軸に光の波長を、縦軸に光の強弱を描いたものです。光の波長とは、専門的な言葉ですが、分かりやすく言えば、色の色調成分を数値で示したようなものです。
     詳細については、今年度に出版予定の「十二湖青池の呈色機構に関する研究(第二報):自作した吸収スペクトル測定装置のハードおよびソフトウェア」を御覧ください。
     画像を下に示します。
(2) 「3色カラーセンサー光測定装置」の改良
 (1) でもそうでしたが、測定器を青池に沈めるために、垂下と通信を兼ねるLANケーブルを使用しており、それを全長5.4メートルの釣り竿で、展望台から青池に垂下できるようにしました。この釣り竿は、磯釣りの遠投用のものです。「3色カラーセンサー光測定装置」については、センサー部を組み直し、湖面に対して垂直にセンサーが上を向くように、今年度はセンサー部の下部に鉄合金製の鎖を装着しました。画像を下に示します。
3.実地調査
(1) 第一回実地調査(6月21日)
 この調査時の青池の画像を示します。
  • 2017年6月21日の青池
[調査結果]
 「青池実地光吸収スペクトル測定装置」と、改良した「3色カラーセンサー光測定装置」を試運転しました。その結果、前者については、装置は良好に動作し、後者は水深1メートルまで、センサー部を沈めることができました。「3色カラーセンサー光測定装置」では、深いほど、赤色光が弱まる現象が認められました。
 また、実験室へ持ち帰った湖水のサンプルについて、光吸収スペクトルを精密測定装置で測定したところ、可視領域(色に関係する波長の領域)では青池の湖水は、超純水とほとんど同じ吸収スペクトルを示すことが分かりました。

[課題(とその後の解決)]
 「青池実地光吸収スペクトル測定装置」では、太陽光の暗線(大気中の酸素分子による光吸収)の影響を受け、完全な結果は得られませんでした。これは、第二回以降の調査では、スペクトル計算式を工夫することにより、結果として得るものに影響しないようにすることができました。

(2) 第二回実地調査(7月5日~6日)
 7月6日正午前の青池の画像を示します。
  • 2017年7月6日の青池
 「青池実地光吸収スペクトル測定装置」では、7月6日の11時台の太陽高度が高い条件下で、測定ができました(実験室での測定結果と同じ可視領域光吸収スペクトルを示しました)。

(3) 第三回実地調査(8月17日~18日)
 8月17日の正午前の青池の画像を示します。
  • 2017年8月17日の青池
 霧が発生した青池の画像(8月18日9時52分)を示します。
  • 2017年8月18日の青池
     霧は、湖水表面が冷たく、大気が暑くかつ湿度が高いことで発生したものと考えられます。我々の調査では前回の第二回実地調査が初めての観測でした。

    [調査結果]
     夏になって、青池湖面の水位が低下したためと考えられますが、「青池実地光吸収スペクトル測定装置」では、ぎりぎりの条件での測定になりました。
     「3色カラーセンサー光測定装置」による測定も行い、センサー部を1.5メートルまで沈めることができ、結論を確認しました。


    [測定風景]
     観光客として東京からお越しになって、宿が同じだった方が撮影した我々の調査風景の画像を示します。
  • 2017年8月18日調査風景
(4) 第四回調査(9月1日)
 9月1日の正午前の青池の画像を示します。
  • 2017年9月1日の青池
[調査結果]
 この日は今年度初めての晴天の条件でした。「青池実地光吸収スペクトル測定装置」は、光が安定せず、また水位が低く、満足した結果は得られませんでした。
 一方、「青池実地光吸収スペクトル測定装置」は、センサー垂下の方法を工夫して、水深2.5メートルまで沈めることができました。現地ですぐに結果を見ることができるシステムで、水深が深くなるにつれて、赤色光が弱くなる現象が、これまでで最も確かに認められました。なお、このときの測定データは数学的解析が可能なほど精度が高いものでした。

4.採水し実験室に持ち帰った検体の光吸収スペクトル測定
 3.(1)でも言及しましたが、実地調査4回で得た青池実地光吸収スペクトルと、採水し実験室に持ち帰った青池湖水は、可視領域でほぼ同じ光吸収スペクトルを示しました。
 実験室内での精密測定では、可視領域で、青池湖水は超純水とほぼ同じ光吸収スペクトルを示しました。またこの可視領域では、水分子の水素原子が重水素に置き換わった「重水」は、光吸収はありませんで、これは水分子の可視領域の光吸収が分子の振動状態によるものということを示唆すると既に報告されています。言い換えれば、水による赤色光吸収は、水分子そのものの性質であるということです。
 また、同一日に採取した「鶏頭場ノ池(けとばのいけ)」(青くないですが、水源が青池と言われています。)のスペクトルは、波長の広い範囲で吸光度(光の吸収と見なせる数値)があり、これは懸濁物質(SS)の影響(光散乱)と考えられます。

5.光調査を総合しての結論
 以上の青池関係の光吸収スペクトル測定結果を書いてみると

  「青池実地光吸収スペクトル」
=「青池湖水の室内実験での光吸収スペクトル」
=「超純水の室内実験での光吸収スペクトル」

となり、結局、青池では、可視領域において、超純水と同じ光吸収をしていることが分かりました。

 このことは、青池湖水が極めて清澄で、光の挙動について「水本来の性質が際立っている」という仮説を支持するものと考えています。
 詳しい内容を記した論文は、「青森県環境保健センター年報」2017年度版で公表しています。

6.青色呈色のシミュレーション(公表まで今しばらくお待ちください。)

7.学会発表
 2017年9月28日から10月1日に、秋田県仙北市で行われた「日本陸水学会第82回年会」で、2016年度から2017年度(途中経過)までの研究成果を公表しました。
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