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更新日付:2018年3月28日 青森県環境保健センター

青池はなぜ青い?

こちらも御覧ください。
  • 2017年5月2日の青池

青池はなぜ青いんだろう?
みなさんは、そんなことを考えたこと、ありませんか。
実際に見た青池の色は、テレビで見た青池の色と違うような気がするけど、気のせいかな?
と感じたことはありませんか?
"青池はなぜ青いのか"、青池の呈色機構を研究している、青森県環境保健センター 主任研究員 花石竜治がみなさんの疑問・質問にお答えします。

Q1)青池は、「青いインクを流したようだ」といわれることがあるようですが、 何かが水に溶けて青いのですか?

A1)青池の水はほとんど透明で、水中に色が着いた物質が存在しないので、 何か(例えば銅イオンなど)が水に溶けて、あるいは何かが水の中に漂っていて、青いのではない と考えています。

  • SS(浮遊物質量)を測定した後のガラス繊維ろ紙の写真
    (左:青池、右:鶏頭場ノ池(けとばのいけ))
 これは、SS測定のために、湖水をろ過した後のろ紙の写真です。
 左が青池、右が青池の北隣にある "青くない" 鶏頭場ノ池(けとばのいけ)湖水の残渣です。
 青池には、水に不溶性の物質がほとんど存在しないことがわかります。また、青池の湖水をろ過したろ紙には着色もないことがわかります。

Q2)「水中の酸素の量が極端に多いために青い」という説があるとネットに出ていま したが、青池が青いのは、 水中の酸素が多いからですか?

A2)実際、青池の水を採取して分析すると、 酸素の濃度はそれほど高くはない のです。
酸素を水に溶かしていくと、もうこれ以上、水には溶けないという限界の濃度があるのですが、それに比べると結構低いようです。もしかしたら、青池の水が湧き水だということと関係しているかもしれない、と考えています。
酸素の説がどこから出てきたかは分かりませんが、液体の酸素はかすかに青い色をしていると化学の教科書にありますので、そこから連想したのかもしれませんね。

Q3)ネットで「青池」と検索した写真では、色々な青色の「青池」が出てきました。テレビで見た青い「青池」だけじゃなくて、群青色のような「青池」もあったんですが、いろいろあるのですか?

A3)2016年にも何度か現地調査を行って青池の色を観察したのですが、お昼頃は明るい青色で、朝は淡い青色、夕方は群青色でした。青池は、正午頃、特に春から夏にかけて、鮮やかな青色です。

Q4)青池の青い色は、 季節や時刻によって変わるのですか?

A4)そうですね、のちほど説明いたしますが、我々の研究では、青池の青色の原因は水本来の青い色が現れているという結果です。それには、その色の元になる太陽の光の入り方・出方が大事と考えています。科学用語で言えば「太陽高度」ということになりますが、 太陽高度が季節や時刻で変わるため、青池の青い色が変化する と考えています。さらに、晴れて直射日光が青池に当たるのか、雲りで太陽光が雲で散乱されて青池に当たるのかでも、青い色が変化すると考えています。こちらの写真を御覧いただくと、太陽高度によって青池の青い色が変化していることがおわかりいただけると思います。

  • Aoike20160721
    2016年7月21日11:42 太陽高度 69.85°
  • Aoike20160829
    2016年8月29日11:43 太陽高度 58.67°
  • Aoike2016101201
    2016年10月12日14:41 太陽高度 23.75°
  • Aoike2016101202
    2016年10月12日15:35 太陽高度 16.35°
  • Aoike2016101301
    2016年10月13日9:19 太陽高度 34.69°
  • Aoike201611302
    2016年10月13日11:53 太陽高度 40.94°

Q5)色々な青色の青池があるなかで、 いつ頃の青池が好きですか?

A5)私は、 夏至を挟んだ2ヶ月(5月下旬~7月下旬頃)の正午頃の青池が好き です。鮮やかな青色を見ることができます。この期間でも、朝は割合明るい青色で、午後遅くなると群青色になり、夕方には暗い青色になります。展望台が青池の北北西に位置している影響もあると考えています。

Q6)色々な青色の「青池」を楽しんで欲しいということですね?

A6)そうですね。季節と時刻で変わる青い色を、国定公園としての青森県の観光スポットの面白さとして、是非「青池リピーター」になっていただき、楽しんでいただきたいものです。
 写真や映像で見る青池もきれいですが、静けさの中で時折聞こえてくる鳥のさえずりや、風が木の葉を揺らす音に耳を傾けながら、青い水の中に沈んでいる木々や、湧き水が池の表面に作るさざ波を見つめ、青池を全身で感じていただきたいと思います。
 写真を撮った後に、少しの間、その場で静かにたたずんでみてください。
 青池の近くは漁業が盛んな場所でもあり、また深い山も控えていますので、四季折々の山海の美味を堪能され、季節によって変わる青池の青を楽しんでください!

Q7)青池の近くには、他に青く見える池はないのですか。青池のある十二湖にはたくさんの池があるみたいですけど、青池だけが青く見えるんですか。

A7)青池がある十二湖には、実際には30以上の池が存在します。青池のように青い池として、 青緑色から青色を示す沸壷ノ池(わきつぼのいけ)がありますが、それ以外はありません。例えば、青池の北隣に鶏頭場ノ池という大きな池がありますが、この池は緑色です。これから研究してみないと分からないこともあるのですが、青池は、鶏頭場ノ池と化学的な成分が多少異なること、また、青池は水深約9メートルの湖底の岩が見えるほど透明なため、水の本来の青い色が見えると考えています。

  • Ketoba20161013
    鶏頭場ノ池 2016年10月13日

Q8) なぜ青池は「青い」と考えていますか?  簡単に教えてもらえませんか。

A8)

  • 青池実地での湖内光吸収スペクトルと室内実験で得られた各試料の光吸収スペクトルとの比較
 これは、青池実地での湖内光吸収スペクトルおよび青池湖水、超純水、鶏頭場ノ池湖水の室内測定による吸収スペクトル測定結果です。
 青池実地の光吸収スペクトルと室内測定の青池湖水の光吸収スペクトルが一致し、更にこれらが超純水の光吸収スペクトルと一致したことから、実験室で測定できない青池湖水の光挙動などの影響は否定されました。

 太陽の光には、色々な波長(という色の成分のようなもの)が混ざっていますが、 太陽の光が水に差し込み、赤い色の光が水分子に吸収され、残った色が青い色として見えてくる 、ということだと考えています。
 3色カラーセンサー法による測定では、実測値としての赤色光強度が、水深が深くなるにつれて減衰する傾向が確認されました。
水の光吸収スペクトルにより呈色を計算したところ、光路長18 m(青池の最大水深の2倍)では、赤色が消失し、青色光及びその半分の強さでの緑色光が残りました。
  • 3色カラーセンサー法による測定及びその解析結果
    (R:赤、G:緑、B:青色の光強度)

水には、もともと赤い色の光を吸収する性質 がありますが、 青池の水 は、濁りが少なく、色を持つ物質の濃度が極めて低く、ほとんど透明なため、この 水の性質が際立ってくる と考えています。

それに加えて、青池は湖底が白い岩で、上から差し込んだ光が湖底で反射され、青い色が際立ってくると考えています。

Q9) 色々な条件が揃って初めて、青池が青く見えるんですね。

A9) 次の三つの点が重要な原因と考えています。
(1) 青池の水深が約9 m という深さであること
(2) 底が白い色の岩石(十二湖凝灰岩)でできていること
(3) 周りをブナ原生林に囲まれてきれいな湧き水を湛えていること

これらの条件などが、正に 『奇跡的に』 に揃ったために、青池は青いのだと考えています。

Q10) 「青い」といえば、北海道美瑛町の「青い池」も有名ですが、「青い池」と「青池」、違いはあるのですか?

A10) 北海道美瑛町の「青い池」は、湖水に漂う、ケイ酸アルミニウムが成分の鉱物粒子が光を散乱(散らせること)することによって青色に見えていると言われています。青森県の青池は、 色を持つ物質が溶けていないことと、散乱する微粒子も濃度が極めて低いということで、水本来の性質が現れていると考えています。

最後に、青森県環境保健センターから:

 “青池はなぜ青いのか” は、研究中のテーマであり、今後も研究を継続していきます。みなさんの御意見、疑問・質問を研究内容に反映させていただきたいと考えていますので、どんどんお寄せください。お待ちしております。

<2017年度の学会発表>
 秋田県仙北市で2017年9月28日(木)から10月1日(日)に開催された、日本陸水学会第82回大会(仙北市田沢湖大会)で、花石主任研究員が「白神山地山麓十二湖青池の呈色機構に関する研究」と題したポスター発表を行いました。
<研究論文リスト>
ここまで読んでいただいて、"青池に行ってみよう!"と思われた方は、こちらへどうぞ
青森県観光情報サイトアプティネット(津軽国定公園「十二湖」)
 余談ですが
 夏場に、青池の表面に薄い霧が発生することがあります。
これは、湖水表面が冷たく、大気が暑くかつ湿度が高いために霧が発生したものと考えられます。
  • 2017年8月18日の青池

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