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更新日付:2017年1月25日 県民活躍推進課
青森県女性ロールモデル 小枝美知子さん
苦しい時、「苦しい」と言ってみましょう。周りの優しさに力が湧いてくるはずです。

小枝 美知子さん(五所川原市)
【プロフィール】
県内で初めて、鉄道に乗車して観光案内や地域情報の発信等を行うアテンダントとして活動を開始し、リーダーとしてメンバーを牽引しながら、津軽弁を交えた観光案内、四季折々のイベント列車の企画等数多くの取組を行い、津軽鉄道のファンを鉄道愛好家の枠を越えて獲得。平成26年3月には、アテンダントのメンバーとともに「特定非営利活動法人津軽半島観光アテンダント推進協議会を設立し、津軽半島の魅力を県内外の人々に広く伝え続けている。
平成28年度青森県いきいき男女共同参画社会づくり表彰「女性のチャレンジ賞」受賞。
小枝美知子さんの主な分野 「NPO・ボランティア」
チャレンジのきっかけは?
地元のことを知らない自分
ビジネスホテルのフロント係として勤務していた頃、週末に訪れる家族連れのお客様に、地元の観光地について尋ねられることが多かったのですが、住み慣れている地元のはずなのに、あまり上手く答えられない、ということがありました。こんな自分をものすごく恥ずかしく感じ、ボランティアガイドの講習を受講するなど、行動を開始しました。
その後は、フロントでのお客様とのやりとりだけではなく、もっと密にお客様と関わり合って、地域の魅力を伝えて行きたい、という思いがふくらみ、退職を決意しました。そしてこのタイミングで、地元紙へ「奥津軽トレインアテンダント」の求人が掲載され、父が「この仕事、どうだ?」と勧めてくれました。その言葉に、「これまでの経験が生かせるのではないか」と感じ、思い切って応募。
こうして、アテンダントとして活動する一歩を踏み出しました。

これまでのみちのり
前例なし、手探りの活動が続く。
2009年、津軽鉄道に乗車し、津軽半島の魅力をお客様に伝える「奥津軽トレインアテンダント」として、私を含め7名が選ばれました。トレインアテンダントは、青森県内に前例がないため、何をどうやっていけばいいのか、右も左も分からない状態で、当時のメンバーとお客様の案内の仕方や内容等を一から考えていきました。アテンダントだからといって、標準語でお客さまへアナウンスするのではなく、この地ならではの「津軽弁」を全面に出したご案内をしようというのも、この時みんなで辿りついた私たちの活動姿勢でもあります。
2012年に「津軽半島観光アテンダント」へ改称。PR範囲を7市町から10市町村へ拡大し、「自分たちにできることは何か」をより深く考えるようになり、今まで以上に取組みの範囲を広げて活動していきました。ものすごく印象に残っているのが、「五所川原立佞武多への参加」にチャレンジしたことです。台も含めると5.6メートルある立佞武多を自分達で制作し、五所川原の代表的な祭りである立佞武多で運行する、という試みです。「やりたい!」と言ってみたものの、立佞武多の作り方については、さわり程度の知識で、原画や骨組み、紙貼りといった行程はほとんど経験したことがなかったので、またしても右も左も分からない状態です。アテンダント発足当時から、一からメンバーで考えて活動してきた私達は、普段から「助けてほしい」となかなか言えずにいました。
でもその時、「わからない」と口にしてみたら、たくさんの地域の人達が協力してくれました。「なんぼでも手伝うよ!」といってくれて。プロの立佞武多師が作り方を教えにきてくれたり、地域の方が紙貼りを手伝ってくれたり……。立佞武多運行後に実施した「線路上運行」ではたくさんの方が津軽鉄道沿線にいらっしゃって、地域の方々のありがたみを感じたイベントとなりました。
現在の活動状況や今後の目標など
地元の人々との絆が生まれた。
こうして、アテンダントとして2009年から活動を始めてきたわけですが、振り返ると毎日が精一杯でした。始めのうちは、男性が圧倒的に多い鉄道業界に突然やってきた私たち「アテンダント」に、地元の人々も戸惑っている様子でした。それでも、活動を通じ、地元の方々と共にする時間を重ねるうちに、会わないでいることがお互い気になっている、そんな関係を築いてこられたことが本当に嬉しく思います。
津軽半島の縁の下の力持ちへ。
NPOとなってからは津軽半島全体の魅力を更にたくさんの人々に知ってもらうため、ツアーやイベントの企画をしてきました。それでも未だ、「津鉄のアテンダント」というイメージが強く残っているのを感じています。
今後は、数年前から開始し、徐々に申込み者数が伸びている観光ガイドの活動をもっと増やしたいですね。「津軽半島といえば、観光アテンダントだよね!」と多くの方々にいってもらえたら、すごく嬉しいです。ツアー等で来たお客様をご案内する際に訪れる各施設の方々とは、顔見知りのことが多いです。だからこそ、津軽半島観光アテンダントとしての役割を強化し、これからも津軽の各施設、各地域とお客様の繋ぎ役として「津軽半島の縁の下の力持ち的な存在」になっていきたいと強く思います。
これからチャレンジする女性へのメッセージ
悔しくて、後悔した日もたくさんあった。
私は、一つの会社で長く頑張ってきた人間ではありません。あの時こうすれば良かったんじゃないか……あの時の自分の選択はただの「逃げ」だったんじゃないか……と後悔をして過ごした日々もありました。自分に腹が立つこともたくさんありました。それでも、その時の自分にはそれが精一杯の答えであり、選択でした。過去の選択があったからこその出逢いもあります。自分に自信が持てなくても、それでも考えながら前に進み続ける。その時はもがいて苦しんでいても、ふと後ろを振り返ると道ができていて、案外登れたなあって思えたりするものです。
苦しい時は、「苦しい」と声に出そう。きっとみんなが助けてくれる。
考えているだけでは進みません。人生って明日、何が起きるか分からないものです。だからとりあえずやってみましょう。やりたかったらやってみましょう。やらずに後悔するよりも、やって後悔した方が確実に自分の力になっていきます。失敗したっていいじゃない。
私はこれまでも、そしてこれからもたくさんの壁があると思いますが、周りの方の力も借りながら、一つ一つクリアして、新たな山を登っていきたいと思います。前に進みたいと思って行動している限り、少しずつでも進化しているはず。日々の小さなものから大きなものまで、何かしら目標を立てて過ごしましょう。
平成28(2016)年12月取材
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