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更新日付:2008年10月3日 県民生活文化課

ちょっと昔の青森県04「空から見た臨海工業都市八戸」(青森県史)

青森県最大の工場地帯をご紹介します。   編集  近現代部会調査研究員 宮本利行

八戸港
 1929(昭和4)年5月1日、八戸町・小中野町・湊町・鮫村の4町村が合併し、八戸市が誕生しました。市制施行の大きな理由に鮫港(のちの八戸港)の建設がありました。そのため八戸市は、港湾市長と呼ばれた神田重雄のリーダーシップのもとに、水産都市、工業都市の建設に邁進していくことになります。 
 写真は、新井田川河口に架かる湊橋の上空から撮影した八戸市小中野町です。右下には駒井酒造店が見えます(煙突があるところ)。写真右上に川のように見えるのは、馬淵川の改修により1956(昭和31)年6月に完成した工業港です。工業港をはさんで左右に煙突が見えます。左側の煙突のある工場が、1938(昭和13)年3月操業の日東化学工場(現三菱レイヨン)です。右側の煙突は1958(昭和33)年6月に運転を開始した八戸火力発電所です。

写真 湊橋上空から見た八戸港(1960<昭和35>年5月9日・県史編さんグループ所蔵)

八戸港
 写真は、館鼻上空から撮影した新井田川河口です。半円の屋根のある巨大な建物が第2魚市場です。ここに水揚げされた漁獲物は、この写真ではよく見えませんが、魚市場の後方にある貨物線の湊駅から列車で運ばれました。貨物線はすでに廃線となり、現在は公園や道路として利用されています。
 魚市場上方に見える煙突のある工場が日東化学工場です。最盛期には数千人の社員を抱えた大工場で、八戸市が誘致した企業では当時群を抜いた存在でした。そのおかげで工場周辺や柏崎地区は人口が増えました。1936(昭和11)年12月に創立した柏崎小学校は、日東工場の誘致による人口の増加を見越して建てられたといわれています。けれども、それを明らかにする資料は見つかっていません。

写真 館鼻公園上空から見た八戸港(1960<昭和35>年5月9日・県史編さんグループ所蔵)

日曹製鋼
 「もはや『戦後」ではない」と発表した1956(昭和31)年度の経済白書は、日本の高度経済成長を予期した象徴的なフレーズとなりました。そして八戸市は日本の高度成長とともに臨海工業都市へと飛躍していくことになります。
 工業地帯の立地には、以下の条件が必要です。
 (1)港湾が整備されていること
 (2)安価な工業用地が広大にあること
 (3)豊富な工業用水源があること
 (4)電力の供給が十分であること
 (5)原料となる鉱物資源が豊富なこと
 八戸市は1929(昭和4)年の市制施行以来、工業都市の建設をめざしてきました。そのため上記5つの条件をクリアしようと試みています。
 (1)については、馬淵川の河口付近を河川変更して、新井田川と合流せずに直接海に流し、旧河川は工業港として整備しています。写真の中央に川のように見えるところが馬淵川の変更前河川です。現在は工業港になっています。
 (2)については、写真で見た河川の向こう側に広がる現在の沼館・江陽地区を工業用地として設定しています。昭和戦前の都市計画で区画整理した用地です。

写真 日曹製鋼(1960年5月9日・県史編さんグループ所蔵)

東北砂鉄工場
 八戸に進出してくる企業は、砂鉄資源が豊富にあることから鉄鋼業が中心でした。主な進出企業には、日本砂鉄鉄鋼(1937<昭和12>年)、日本高周波鋼業(1951<昭和26>)、日曹製鋼(1956<昭和31>年)、東北砂鉄鋼業(1960<昭和35>年)などがありました。
 この文章の上の写真をご覧ください。右下で煙を吐いている工場が日曹製鋼です。現在は大平洋金属になっています。また、工業港の向こう側は、ピアドウなどの大規模ショッピングセンターに生まれ変わっています。
 写真の中央下で煙を吐いている工場が東北砂鉄鋼業です。現在、工場は閉鎖され、江陽緑地公園となっています。写真の中央上部に白い建物が見えますが、その建物の後方は、のちに東部終末処理場が建設されるところです。しかし写真が撮影された当時は、日東化学工業の敷地でした。
 第二代八戸市長神田重雄が描いた都市構想(「神田構想」と称されている)は次世代のリーダーらに受け継がれ、八戸市は東北屈指の臨海工業都市となっていくのです。

写真 東北砂鉄八戸工場(1960年5月9日・県史編さんグループ所蔵)

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電話:017-734-9238・9239  FAX:017-734-8063

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