ホーム > プレスリリース > 2021年 09月 > 令和3年度病害虫発生予察情報特殊報第1号を発表しました。

更新日付:公開日:2021年9月22日

令和3年度病害虫発生予察情報特殊報第1号を発表しました。

内容

ネギハモグリバエ別系統の発生について

1 作物名 ねぎ

2 病害虫名 ネギハモグリバエ(別系統) Liriomyza chinensis Kato

3 発生経過
(1)令和3年8月4日に中南地域のねぎ栽培ほ場において、ネギハモグリバエによる著しい食害痕
や葉の白化症状が確認された(写真1)。この被害状況は従来のネギハモグリバエ(以下、A系統)
と異なり、他都府県で発生が認められているネギハモグリバエ別系統(以下、B系統)による食害と
類似していた。
(2)このため、採取した幼虫を羽化させ、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜
花き研究部門に遺伝子解析を依頼したところ、本県では初確認となるB系統と同定された。
(3)B系統は、平成28年に京都府で確認されて以降、全国的に発生が認められており、東北地方で
は本県を除く5県で既に発生が確認されている。

4 被害の特徴等
(1)B系統はA系統に比べ1葉当たり幼虫数が多く、集中的に加害する傾向にある。
(2)B系統による初期の食害は、A系統と同様に不規則な白線状であるが、食害が進むと近接した
複数の食害痕が癒合し、葉が白化する(写真1)。
(3)B系統の寄主範囲は解明されていないが、A系統はねぎのほか、たまねぎ等のネギ属植物を加
害する。
5 形態及び生態
(1)B系統はA系統と形態的な差異が認められず、外観による識別は困難である。
(2)幼虫はうじ虫状で、成長すると体長約4㎜に達する(写真2左)。蛹は体長約3㎜の褐色、俵
状である(写真2中央)。成虫の体長は約2㎜で、胸部と腹部は黒く、その他の部分は淡黄色である
(写真2右)。
(3)両系統とも成虫は葉の組織内に産卵し、ふ化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害す
る。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表又は土中で蛹になる。

6 防除対策
(1)現在のところ、ネギハモグリバエの系統による違いで薬剤感受性が異なるとの報告はないた
め、薬剤防除に当たっては、「ネギハモグリバエ」又は「ハモグリバエ類」に適用のある薬剤を使用
する(表1)。なお、抵抗性害虫出現防止のため、同一系統薬剤(IRACコードが同じ剤)の連用を避
ける。
(2)生育初期に寄生された場合は被害が大きくなるおそれがあるため、早期発見に努め、発生初期
から防除を徹底する。
(3)被害葉及び収穫残さはほ場内に放置せず、適切に処分する。

日程

2021年09月22日

関連ホームページ

添付資料

お問い合わせ

青森県病害虫防除所
青森県病害虫防除所
所長 栁野 利哉
017-729-1717

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • twitterでフォローする