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更新日付:2013年2月22日

第二百七十三回定例会提出議案知事説明要旨(平成25年2月)

第二百七十三回定例会提出議案知事説明要旨(平成25年2月)

 本日ここに、県議会第二百七十三回定例会が開会され、平成二十五年度当初予算案をはじめ各般にわたる議案について御審議いただくに当たり、県政運営に関する基本的な方針について、申し上げたいと思います。
 東日本大震災からの創造的復興を目指し、平成二十四年度を「復興元年」と位置づけ、様々な取組みを進めてきたこれまでの間、県民の皆様の御努力、そして、議員各位、国、市町村をはじめ多くの関係者の御理解と御協力により、雇用や観光など様々な分野で復興に向けた明るい兆しが見られていることについて、心から感謝申し上げます。
 この良い流れを維持・向上させ、「東北の元気、日本の元気を青森から」との思いを更に強く持ち、引き続き、創造的復興を果たすべく積極果敢に取り組んでまいります。
 私は、これまで一貫して、暮らしやすさではどこにも負けない地域づくり、すなわち生活創造社会の実現を目指して歩んでまいりました。
 具体的に申し上げれば、安定した雇用に支えられ、日々の暮らしが充実し、家族みんなが健康で、安心して、生まれ育った土地で生きていける社会の構築に向け、全身全霊を傾けて取り組んできました。
 このような中、昨年七月に県民を対象として実施した「郷土に関する意識調査」等では、青森県に対するイメージは、平成十三年に行った調査に比べ、「貧しい」、「閉鎖的」、「暗い」といったマイナスイメージが大幅に低下した一方で、「快適」、「豊か」、「安全」、「親しみの持てる」といったプラスのイメージが上昇する結果となりました。
 また、本県の有効求人倍率は、世界的な金融危機や、戦後最大の国難と言われる東日本大震災などの影響を受けながらも、昨年五月には、二十年ぶりに〇・六倍台まで回復し、現在もその水準を維持しています。
 これまで進めてきた「雇用」、「暮らし」、そして「命」の安心確保に向けた取組みの方向性に間違いはなかったものと確信を深めたところであり、今後も積極的な施策展開を図ってまいりたいと考えております。
 また、私は「日本の元気を青森から」という信念のもと、青森県が元気になる新たなシステムづくりとイノベーションに積極果敢に取り組み、国に対しても、様々な機会を捉えて日本の活力アップを見据えた政策提案をすべきであると考えています。
 しかし、その際、自県の都合ばかりを主張していては、良い結果は生まれません。公の視点での議論を徹底し、青森県民だけではなく、多くの国民の利益につながると認められればこそ、国の制度を動かすことができると思います。
 これまで、「保健・医療・福祉包括ケアシステム」をはじめ、「良医を育むグランドデザイン」に基づく医師確保対策、「環境公共」や「防災公共」の理念、「農林水産業の六次産業化」、「県産材エコポイント制度」、「橋梁アセットマネジメントシステム」といった提案が、国の施策に採り入れられたほか、知事就任以来、力を入れて取り組んできた「攻めの農林水産業」が、国の平成二十五年度予算編成の基本方針において掲げられるまでに至りました。
 そして今、県内各地では、農山漁村地域における「地域経営」システムの構築に向けた取組みが進められています。
 私は、本県の得意分野である農林水産業において、農林水産物の生産はもとより、加工、流通・販売、観光などのサービス分野までを含めた六次産業化により、地域全体の収益性のアップや、県民所得の向上、雇用の確保に全力で取り組んでまいりました。
 また、安全・安心で優れた農林水産物を育む「日本一健康な土ときれいな水づくり」を、地域が連携して進めるための仕組みの構築にも取り組んでいます。
こうした取組みを着実に進めることで、農林水産業に従事する方々は、将来を見据えて、安心して経営していけるようになり、そして、自らの経営だけではなく、地域のあり方にも積極的に関与していけるようになります。
 これこそが「地域経営」が目指す姿であり、私が進める「攻めの農林水産業」の最終目標であります。
 先駆的に取り組んでいる経営体では、高齢化が進む地域において、農作業の受委託を進めるとともに、自らも加工分野に参画しながら、小売店と連携・協働し、販路の確立を図るなど、六次産業化が着実に進められています。
 また、障害者雇用を進めるほか、地域コミュニティの活性化にも取り組むなど、様々な分野で地域の中核として活躍しています。
 そして将来、これらの経営体が、子育てや高齢者の支援をはじめ、「保健・医療・福祉包括ケアシステム」の一端を担い、さらには地域において、再生可能エネルギーの活用にも取り組むなど、地域の持続可能性を高める上で重要な役割を担うことを期待しています。
 平成二十五年度からは、町村部の商店街においても、同様のシステム構築に向けて、モデル的に取り組むこととしており、少子高齢化とともに人口減少が進む本県において、地域資源を活かし、雇用を創出し、若者の定住を促進し、人を呼び込む、そうした活力あふれる持続可能な青森型社会を目指しています。
 こうした取組みは、本県のみならず、地方都市共通の大きな課題へのチャレンジであり、その解決に向け、地に足を着けてしっかりと進めていきます。
 他方、国政においては、日本経済を大胆に再生させるため、政策の基本哲学を「縮小均衡の分配政策」から「成長と富の創出の好循環」へと転換させ、「強い経済」を取り戻すことに全力で取り組むこととしています。
 その際、経済成長が著しいアジアの富の取り込みは必須であります。
 一例を申し上げれば、現在、アジア・北米航路のコンテナ船の約三割が津軽海峡を通過しています。
 長期的な視点において、中国の市場経済化、ロシア極東の開発が更に進んだ場合、北東アジアのモノの流れは劇的に増え、そして、その先には、北極海航路の商業利用の可能性も見えてきます。
 こうした状況を鑑みると、本県及び北海道が抱える津軽海峡は、将来、世界の物流ネットワークの中心を担う可能性を秘めているのです。
 そのため、国に対しては「海洋国家」たる日本として、国際的な物流ネットワークにおける国家としての戦略構築の必要性と、津軽海峡の重要性を訴え、北東北の物流のゲートウェイである八戸港や青森港、七里長浜港など県内港湾の利活用促進により、日本経済の成長に貢献していきたいと考えています。
 「地方が光れば日本が輝く」と信じ、今後とも国益、県益にかなった政策の立案に努めてまいります。
 さて、知事就任当時を振り返れば、岩手県との県境における大規模な不法投棄事案が発生しておりました。
 不法投棄現場に足を踏み入れた私は、現場から汚染が拡散することによって、県民の生活や健康が脅かされることがあってはならないとの意を強くし、全量撤去を決断いたしました。
 あれから九年の歳月を経て、撤去作業が終盤に差しかかっている現在、当時を思い出し感慨深く受け止めておりますが、最後まで気を抜くことなく原状回復に取り組んでまいります。
 また、当時、財政再建団体への転落が危惧されていた本県財政については、決して青森県を潰してはならないとの思いから、県民の皆様から御理解を得るための情報共有活動を徹底した上で、財政改革プランを策定し、財政健全化への歩みを始めました。
 その途上にあっては、国の三位一体改革等により、本県財政の生命線である地方交付税が大幅に削減されるなどの障壁もありましたが、事前の備えがあったからこそ、これまで何とかやりくりをしながら、行政サービスの水準を維持・向上することができたものと認識しております。
 これらの経験から、私は、たとえ困難な道のりであっても、トータルとして県民の利益にかなうのであれば、批判を恐れず率先して課題を克服することが大切であると学びました。
 引き続き、財政規律を堅持しつつ、本県の将来を見据え、解決すべき課題については、安易に先送りすることなく、しっかり対処するなど、常に県民目線での県政運営に鋭意努めてまいりたいと考えております。
 さて、今年は、蒔いた種が実を結ぶ時期と言われている巳年でありますが、奇しくも平成二十五年度は、「青森県基本計画未来への挑戦」の最終年度であります。
 そこで私は、「平成二十五年度「選択と集中」の基本方針」の策定に当たり、「東日本大震災からの創造的復興の推進」と「基本計画の最終年度を迎えるに当たっての一層の取組強化・総仕上げ」の二つの視点を基底に据えつつ、具体的な取組みにおいては、可能な限り「部局及び地域県民局間の連携強化」と、「情報の受け手側に立った効果的かつ効率的な情報発信」に努めることといたしました。
 以下、平成二十五年度の重点施策について、四つの戦略キーワードに沿って、その概要を御説明申し上げます。
 第一のキーワードは、「雇用の創出・拡大」であります。
 本県の昨年十二月の有効求人倍率は〇・六倍と、復興需要や浸透しつつある東北新幹線全線開業効果も相まって高い水準で推移しておりますが、今後の動向は予断を許しません。
 雇用の安定や創出を図り、若者をはじめとした人口の県外流出を防止するためには、地域資源を最大限活用した産業基盤の強化と、県外・海外との取引拡大を進め、生業(なりわい)づくりと所得の向上を図っていくことが重要と考えます。
 そのため、人口減少・高齢化に対応したライフイノベーション産業や食産業などの次世代成長産業の創出に全力を挙げて取り組みます。
 また、青森から世界を見据え、ヒトとモノの交流を促すため、主にアジア地域をターゲットとしたインバウンド対策・輸出対策の強化に努めます。
 第二のキーワードは、「低炭素・循環型社会の実現に向けた取組の強化」であります。
 恵まれた自然環境にある本県は、省エネ推進や再生可能エネルギーの導入促進には格好のフィールドと言っても過言ではありません。エネルギーを取り巻く環境変化や再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始を契機として、風力、太陽光、地中熱、木質バイオマスなど本県が有するポテンシャルを最大限活用し、産業振興を図りながら、低炭素・循環型社会の実現を目指します。
 これまで申し上げた、医療・健康・福祉に係るライフ分野、農林漁業に係るアグリ分野、そして、環境・エネルギーに係るグリーン分野は、我が国が抱える課題であるとともに、この課題を克服することで、経済発展が見込める成長分野であります。
 そして、これらは、私たち青森県の得意分野でもあり、既にそれぞれ具体的な推進戦略を策定し、実行に移しているところですが、これらに観光国際戦略の積極的な展開も加え、県内企業の大宗を占める中小企業の振興にしっかりと取り組んでまいります。
 第三のキーワードは、「あおもり型セーフティネット」であります。
 県民の命と暮らしを守るためには、健康寿命の延伸に向けた取組みや、県民一人ひとりが安全で安心して暮らすことのできる環境づくりを進めていく必要があります。
 そのため、がん・生活習慣病対策や自殺対策、地域医療サービスの充実に全力を挙げて取り組みます。
 併せて、社会全体で子育てを支え合う環境づくりや、「防災公共」の推進をはじめとした防災対策、雇用のセーフティネットの構築に引き続き取り組んでまいります。
 第四のキーワードは、「志を持ち、青森県を創造する人財の育成」であります。
 少子高齢化が進み、本格的な人口減少社会を迎えた本県にあって、自主自立の青森県づくりを進めていくためには、これからの青森県を担う人財の育成が最も大切であります。
 そのため、世界的な視野で思考し地域で行動する「グローカル・マインド」を身につけた人財や、地域資源を活用し新たな分野に果敢に挑戦する人財など、目標に向かって意欲的に取り組む人財の育成を進めます。また、女性や高齢者などの潜在的能力が最大限発揮される場の創出に取り組みます。
 最後に、各地域県民局が行う地域づくりについてであります。
 それぞれの地域が持つ特長、個性を活かした生業(なりわい)づくりに向け、地元と連携しながら進めてきた地域別計画に掲げる取組みについて、その成果を踏まえつつ、次なるステージに向けた総仕上げに取り組みます。
 さて、こうした取組みの推進を五年間支えてきた「青森県行財政改革大綱」についても、平成二十五年度が最終年度となります。
 「行財政基盤の安定なくして県政なし」
 私はこれまで、この信念に基づき、行財政改革に邁進してまいりました。
 その結果、行政サービスの水準を維持しつつ、臨時財政対策債を除く実質的な県債残高を減少基調に向かわせるとともに、震災前には実質的な収支均衡予算を達成するなど、一定の成果をあげたところですが、持続可能な財政構造の確立のためには、中長期的に収支均衡を見通せる状況が必要であります。
 これからも安定した行財政基盤の確立に向けて、引き続き、現行の行財政改革を確実に仕上げていくとともに、新たな基本計画に基づく政策を支えるため、平成二十六年度以降も不断の努力をもって行財政改革に取り組んでまいります。
 さて、平成二十五年度は、五月に種差海岸を含む地域が三陸復興国立公園の指定を受けることが見込まれているほか、十二月には、白神山地が世界自然遺産登録二十周年を迎える記念の年となります。
 種差海岸は、司馬遼太郎氏が作品「街道をゆく」の中で、「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした」と絶賛している景勝地であります。
 東日本大震災では、この美しい海岸線にも津波が押し寄せ、漂着物が散乱している状態でしたが、地元高校生ボランティアによる清掃活動の甲斐もあり、現在は、復興の象徴となるに相応しい、元の美しい姿を取り戻しています。
 一方、白神山地は、ブナ原生林が世界最大級の規模で残され、生態系がほぼ手つかずの状態にあること等が評価され、鹿児島県屋久島とともに、平成五年に我が国で初めて世界自然遺産に登録されました。
 太古の昔から、森は巨大な「緑のダム」として豊かな水を蓄え、それが清流となって里を潤し、海に流れて豊かな漁場を生み出してきました。
 また、森林は炭酸ガスを吸収し酸素を供給する、なくてはならない役割を果たしており、白神山地のブナ林も、動植物のみならず、我々人間にも日々大きな恩恵をもたらしてくれています。
 このように今年は、本県の魅力を国内外にアピールできる絶好の機会であります。
 もとより本県には、豊かな自然があり、そして、そこから生み出される山・川・海の恵みである美味しい食があります。
 また、各地の祭りや伝統芸能に見受けられるように、縄文の昔から多くの先人達が築き上げてきた文化と伝統が息づいています。
 私は、こうした本県の魅力を全国に発信することにより、新たな「青森ファン」を獲得し、青森の賑わい創造を通して、県経済の活性化を図っていく所存であります。
 地道に、そして丁寧に、ものづくりに勤しむ県民性、誰も成し遂げたことのないことに取り組む、進取の気性に富んだ県民性など、私たちが先人から受け継いだこうした優れた精神を持ち続け、希望を抱き、未来へ向かって挑戦し続ける限り、青森県は、自立する地域を創っていくことができると確信しております。
 議員各位並びに県民の皆様方の御協力と御支援をよろしくお願い申し上げます。
 次に、提出議案について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、議案第一号「平成二十五年度青森県一般会計予算案」について申し上げます。
 本県財政は、平成十五年度の財政改革プラン策定以降、十年に及ぶ行財政改革の断行により、極めて厳しい歳入環境の中にあっても、財源不足額(基金取崩額)の圧縮や県債発行総額の抑制に努め、財政構造改革を着実に前進させるとともに、生活創造社会の実現に向けて、県政が抱える諸課題に積極的に対応してきました。
 平成二十四年度当初予算においては、東日本大震災の影響等により、実質的な収支均衡予算を達成した平成二十三年度当初予算に対し、財源不足額が拡大するなど、財政健全化に向けた動きは足踏みを余儀なくされましたが、その一方で、平成二十四年度を「復興元年」と位置づけ、震災をバネにした県民の暮らしと本県産業の更なるレベルアップを積極的に推進することといたしました。
 平成二十五年度当初予算の編成に当たっては、平成二十年十二月に策定した「青森県基本計画未来への挑戦」と「青森県行財政改革大綱」が最終年度を迎えることから、その総仕上げとして、持続可能な財政構造の確立に向け、財政健全化努力を継続するとともに、「平成二十五年度「選択と集中」の基本方針」に掲げた四つの戦略キーワードに基づく施策の重点化と部局間の連携強化により、震災からの創造的復興をはじめ、国内外との交流促進、地域資源を活用した産業基盤の強化と雇用の創出など、本県の重要課題に果敢に取り組むことといたしました。
 また、国の緊急経済対策にも呼応しながら、施策効果を最大限に発揮するため、国の補正予算等関連の平成二十四年度二月補正予算を一体で編成したところであります。
 以上の結果、年間総合予算として編成した平成二十五年度一般会計当初予算は、規模としては、六千九百九十五億円、平成二十四年度当初予算対比八十億円、一・一パーセントの減となったものの、一体として編成した平成二十四年度二月補正予算を加えた「実行」予算ベースの規模としては、七千二百五十七億円余と、平成二十四年度の「実行」予算ベース対比百六十六億円余、二・四パーセントの増となりました。
 また、財源不足額(基金取崩額)と県債発行総額については、財政健全化努力を継続し、可能な限りの圧縮・抑制に努めたところであります。
 以下、平成二十五年度の主要施策について、四つの戦略キーワードに沿って、その概要を申し上げます。
 第一は、「雇用の創出・拡大」についてであります。
 私はこれまで、「攻めの農林水産業」の推進や「あおもり型産業」の創出・育成といった施策を通じて、時には私自ら先頭に立ち、本県の比較優位資源を国内外に強力にアピールするとともに、アグリ、ライフ、グリーンなどの成長分野を中心とした産業振興に取り組んでまいりました。
 この結果、農業産出額は平成十六年から八年連続して東北一位を維持しているほか、大手量販店との通常取引額は、これまで築き上げてきた強固な信頼関係により平成十八年度から大幅に増加しております。
 また、農産物の生産と加工・販売の一体化などの六次産業化に取り組む農業経営体数は九百九十九経営体で全国七位となり、食料品の生産指数も上向きで推移するなど、本県食産業のポテンシャルが着実に発揮されてきていると認識しています。
 さらに、ライフ分野においては、弘前大学が研究開発したプロテオグリカンを活用した美容健康商品が、産学官連携の取組みにより続々と製品化されているほか、平成二十四年度には、医療大手企業との事業連携により、医療機器を搭載したヘルスプロモーションカーの運行実証が始まるなど、産業創出の芽が着実に膨らんでおります。
 本格的な少子高齢社会、人口減少社会を迎える中、地域が元気に輝くためには、これら本県の持つ地域資源を戦略的かつ効果的に活用して産業基盤を強化するとともに、交流人口の拡大や、国内外との取引拡大を通じ、雇用の創出を図っていくことが重要であると考えます。
 まず、「次世代の成長産業の創出」に関しては、
 地域資源を活用した成長産業を創出するとともに、本県の強みである食産業の充実・強化を図るほか、創業・起業支援や企業誘致の促進に加え、地域産業の活性化を図ることといたしております。
 このため、ライフ分野関連産業では、医療福祉機器開発に向けた研究開発支援や、地域医療の課題解決に向けたヘルスケアサービスモデルの構築、地域資源を活かした健康・美容分野における商品開発への支援等を行うほか、情報産業の活性化と新事業創出のため、県内IT企業間及び他業種・他産業との連携に対する支援等に取り組むことといたしております。
 また、「地域経営」を推進するため、農林水産物の中間加工の強化に必要な機械設備の整備に対する支援を行うほか、業務用加工食品の実需者のニーズ調査や情報交流、商談会等を実施することといたしております。
 さらに、企業誘致については、本県への立地可能性の高い業種をターゲットとして、企業誘致専門員による企業アプローチの強化等を進めるほか、地域コミュニティとしての商店街の活性化を図るため、商店街と大学生との連携による商店街活性化プランの策定等を行うとともに、個々の商店街の課題解決のための主体的な取組みを支援するなど、地域産業の活性化を推進してまいります。
 なお、青森県産業技術センター弘前地域研究所について、施設の老朽化を解消し、時代の変化や高度化する中小企業ニーズに柔軟に対応できる施設とするため、移転改築を行うことといたしております。
 次に、「世界を見据えたヒトとモノの交流促進」に関してであります。
 はじめに、国内においては、北海道新幹線開業を見据え、道南及び首都圏等との交流推進を図るとともに、三内丸山遺跡をはじめとする「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録へ向けた魅力発信等を行うほか、白神山地の世界遺産登録二十周年を契機とした観光力の強化を図ります。
 まず、平成二十七年度末の北海道新幹線開業を目前に、津軽海峡交流圏における域内外との交流拡大を図るためには、同交流圏のブランドイメージの構築や県民の気運醸成、民間の自発的な活動が不可欠であります。
 このため、北海道新幹線の本県唯一の駅となる仮称「奥津軽駅」の開業を見据えた地域資源の磨き上げ、受入態勢の整備や当駅を起点とした県内各地域への周遊を促す取組みのほか、二次交通モデルの実証、広域観光ルートの開発及び情報発信等、関連事業を「λ(ラムダ)プロジェクト」と位置づけ、関係部局及び地域県民局連携のもと、集中的に取り組むことといたしております。
 また、平成二十五年度は、三内丸山遺跡をはじめとする「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」が、平成二十七年度の世界遺産登録の実現に向け、我が国代表としてユネスコ世界遺産センターへの推薦を決めていただく正念場の年を迎えます。
 このため、世界遺産登録推薦書案の作成のほか、国際的合意形成の促進、気運醸成、戦略的な情報PRに加え、県内外における新たな青森の縄文ファンの獲得に向けたプロモーション等を強力に展開することといたしております。
 さらに、我が国初の世界自然遺産登録から二十周年となる白神山地の保全と活用の持続的な推進を図るため、生物多様性地域戦略を策定するとともに、県内及び首都圏における各種記念イベントの開催、旅行商品の造成支援及び鹿児島県屋久島とのコラボレーションによる観光PR等を実施するほか、中南地域県民局及び西北地域県民局において、地元食材を利用した加工品の開発や観光コンテンツの創出等を行うことといたしております。
 このほか、種差海岸階上岳県立自然公園が三陸復興国立公園として指定されることを契機に、地元市町と連携し、地域の自然環境特性等の情報発信や、記念イベント及びプロモーション活動等を展開することといたしております。
 次に、海外対策としては、成長著しいアジア地域を主なターゲットとした、ヒトとモノの交流を促進いたします。
 私はこれまでも、りんごをはじめとする県産農林水産品の輸出拡大、青森・ソウル線を活用した誘客対策等に全力で取り組み、成果をあげてまいりました。
 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による風評被害等により、輸出量、外国人観光客入込数ともに、一時、大幅に減少しましたが、その後、官民一体となって懸命の努力を行った結果、現在は震災前の水準が見通せるところまで回復してきております。
 そこで、インバウンド対策としては、韓国、台湾、香港及び中国を重点市場と定め、本県の知名度向上や、各国の旅行エージェントとの連携による誘客宣伝活動を実施するとともに、冬季における誘客拡大を図るため、オーストラリア及び東南アジアをターゲットとしたPRや現地旅行エージェントの招へい等に取り組むほか、クルーズ船の寄港促進による東アジアからの誘客を促進するため、船会社等へのセールス活動及び大型旅客船の青森港への入港安全性を実証することといたしております。
 このほか、県内観光コンテンツの掘り起こしや磨き上げ、マスコミ及び旅行代理店等への情報提供を継続・拡充し、更なる本県の認知度向上に努めてまいります。
 また、官民一体となった輸出・海外ビジネスの取組みを促進していくための新たな「輸出・海外ビジネス戦略」を策定するとともに、県内企業の中華圏への輸出拡大を図るため、香港企業を招へいしたビジネスツアーや現地商談会の開催、コーディネーターの設置による支援体制の強化を行うことといたしております。
 さらに、平成二十六年度以降の次期「攻めの農林水産業」基本方針及び次期「青森県総合販売戦略」を策定することとし、安全・安心な県産品の魅力について情報を発信しながら、販売活動の強化に取り組み、より一層の取引拡大を目指してまいります。
 第二は、「低炭素・循環型社会の実現に向けた取組の強化」についてであります。
 私は、知事就任以来、本県の比較優位資源の一つであり、二酸化炭素排出量の低減に即効性のある再生可能エネルギーの導入促進に取り組んできました。
 その結果、風力発電の設備導入量が四年連続で日本一となるなど、着実な成果に結びついていますが、一層の産業振興につなげていくため、今後は地域の産学官金による連携体制の構築や、県内事業者による発電事業への参入促進、販売・施工・メンテナンス分野における事業者の育成に取り組むことといたしております。
 このため、木質バイオマスの利用拡大を図るための導入モデルの検討と普及に向けた課題の整理を行うとともに、地中熱の利用促進及び関連産業の振興を図るため、地中熱利用普及研究会を設置し、県民及び事業者向けのセミナーを実施するほか、住宅用太陽光発電の普及促進を図るため、グリーン電力証書制度を県内外にPRし、企業等との取引を促進することといたしております。
 さらに、中小企業の省エネ対策を推進するため、二酸化炭素削減効果の高い省エネ改修・設備導入を支援するとともに、金融機関との連携・協働により、環境ビジネスマッチングフェアの開催、地球温暖化対策に係る方策の検討等に取り組むことといたしております。
 このほか、ごみの排出抑制、リサイクル促進に向けた県民意識の醸成や省エネの推進を図るため、ごみ処理経費等の将来予測をもとにした市町村におけるごみ処理の最適化方策の検討や、エコ&セーフティドライブキャンペーンの展開、親子を対象とした環境教育プログラムの整備・普及など、低炭素・循環型社会の実現に向けた取組みを強化することといたしております。
 なお、災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムの導入を推進するため、市町村及び民間が行う防災拠点等への再生可能エネルギー等の導入に対して支援するとともに、移転改築を予定している弘前地区健康福祉庁舎をはじめとした県有施設に太陽光発電システム等を導入するほか、風力発電設備を導入する県内事業者が、青森県特別保証融資制度等から借り入れる資金の利払いに要する経費を支援することといたしております。
 第三は、「あおもり型セーフティネット」についてであります。
 これまで私は、県民の皆様が「青森県に生まれて良かった、住んで良かった」と思える社会にするため、命を守る取組みや、暮らしや雇用のセーフティネットの構築など、安全・安心、健康が保障された社会のシステムづくりに取り組んできました。今後も、県民が健やかで安心して暮らしていける生活創造社会を実現するため、これらの取組みをより一層加速させていく所存であります。
 まず、健康づくりと医療サービスの充実については、
 これまで実施してきた、院内がん登録の推進や地域がん登録への移行支援の取組みにより収集したデータ等を踏まえ、弘前大学において、地域レベルでのがんの疫学研究や、がん予防等に取り組む市町村等の人財育成を行う寄附講座を開設するとともに、正しい食習慣をはじめとした生活習慣の改善に向けた取組みを継続するほか、自殺対策緊急強化基金を活用した総合的な自殺対策に取り組むことといたしております。
 また、「良医を育むグランドデザイン」に基づく取組みが功を奏し、平成二十年度に大幅に増加した本県出身の弘前大学医学部入学生が卒業を迎える平成二十六年三月に向け、その後の県内への確保・定着を図るため、医師が本県での勤務を選択するための要因等を分析することといたしております。
 次に、安心子育ての推進と誰もが安心して暮らせる環境づくりについては、
 県内の子育て支援サービス等のモバイル版マップによる総合的な情報発信や、商店街が子育て支援の取組みを拡充するための仕組みの構築など、社会全体で子育てを支え合う環境づくりを推進するとともに、認知症キャラバン・メイトや認知症サポート医に対する研修、若年性認知症者の実態・ニーズ調査等を通じ、地域における総合的かつ継続的な認知症支援体制の構築などの取組みを進めることといたしております。
 次に、災害や危機へ備えた安全確保対策の強化については、
 地震・津波等による災害や、新型インフルエンザ等の危機に対する安全確保対策を進めるとともに、自主防災組織の組織率向上と既存組織の活動の活性化を支援するなど、地域防災力の強化に取り組むことといたしております。
 また、東日本大震災を教訓とし、最適な避難経路・避難場所を確保するため、市町村と一体となった防災公共推進計画を策定するとともに、災害時における緊急車両・重要施設への石油燃料供給体制の整備を図るほか、災害医療に係る人財育成、保健所における資機材整備及び災害時医療情報共有システムの機能検討、重要港湾の防災・減災機能の強化を図るための事業継続計画(BCP)の策定等に取り組むことといたしております。
 なお、県庁舎について、耐震性能が不足しているとともに老朽化が進行していることから、耐震・長寿命化改修の設計に向けた準備を行うことといたしております。
 次に、安全・安心な生活環境づくりについては、
 犯罪や交通事故の発生を抑制するため、次代を担う少年がインターネット犯罪に巻き込まれないための仕組みづくりや、中・高校生を対象とした自転車ルール講習会の開催等に取り組むほか、地域の安全・安心は地域で守る「あおもり型セーフティネット」の定着・拡大を図るため、若い世代の参画による地域活動のロールモデルを創出するなど、地域活動が円滑かつ持続的に実施されるよう支援することといたしております。
 なお、老朽・狭隘化した大間警察署について、移転改築に向けた実施設計を行うことといたしております。
 次に、就労支援の充実については、
 本県における産業・雇用の自立的な循環構造の確立に向け、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、これまで実施してきた事業の検証を行うほか、地域雇用創出の中核となる人財の育成・確保を図るとともに、地域・企業の課題やニーズを踏まえた本県独自の雇用創造プランの策定に取り組むことといたしております。
 また、緊急雇用創出事業臨時特例基金を積極的に活用し、約二千四百人の雇用創出を図るとともに、学卒未就職者等の円滑な就職を図るための職業訓練機会の充実にも、引き続き取り組むことといたしております。
 第四は、「志を持ち、青森県を創造する人財の育成」についてであります。
 私は、知事就任以来、チャレンジ精神あふれる人財を育成するため、様々な取組みを行ってまいりました。
 縄文の昔、小さな丸木船で大海に繰り出した先人達の子孫である青森県民は、技術や知恵はもとより、未知の分野に挑戦する志を持ち合わせていると、私は信じています。
 先般の東日本大震災にあっても、何がなんでも復興してやるんだという意気込みが各地で広がり、ここまで復興を遂げてきました。目標に向かって意欲的に取り組む人財は未来の青森県づくりの礎であります。
 私は、県民の皆様に、ふるさと青森県に更なる愛着と誇りを感じていただくとともに、気概を持ってチャレンジする自助の精神、お互いに支え合いながら物事を成し遂げる共助の精神を培っていただけるよう、青森の元気創出に先頭を切って取り組んでいきます。
 まず、未来をたくましく切り拓いていく人財の育成については、
 国際社会に対応する人財を育成するため、中学生を対象としたイングリッシュキャンプ、シンポジウムを開催するとともに、三沢市と連携し、県内の若手社会人・大学生等を対象としたグローバル人財養成セミナーを開催することといたしております。
 また、職業人として自立し、地域に貢献していけるたくましい高校生を育成するため、地域や職業観について学ぶ取組みを推進するとともに、職業人として必要となる能力の向上と、資格取得に向けた研修等を実施することといたしております。
 次に、人口減少に対応したチャレンジする人づくりについては、
農業、製造業、観光業など、地域産業を支え、牽引する人財の育成が必要であります。特に、女性などが持っている潜在的な力を活かし、活躍できる環境づくりを進めることが重要と考えます。
 このため、地域資源の活用による地域活性化や交流人口の拡大、市町村等が行う移住者の受入態勢整備に対する支援を行うとともに、地域課題の解決に取り組む認定NPO法人の育成支援、地域コミュニティの活性化を図るための公民館機能の活用等に取り組むほか、意欲ある女性が経済や地域の活性化を支える環境づくりを推進するため、女性の活躍によるメリットの「見える化」や、人財育成のモデル事業を実施することといたしております。
 次に、芸術文化・スポーツに親しむ環境づくりについては、
 価値観の変化や高齢化の進展などを背景に、生きがいのある生活や、優れた芸術を鑑賞する機会を提供するとともに、本県スポーツの競技力向上に資する取組みを行うことといたしております。
 なお、スポーツの振興に関連して、「青森県スポーツ振興基盤整備計画」において、老朽化した県有体育施設のうち優先整備することとされた陸上競技場について、移転に向けた実施設計を行うこととしているほか、八戸市等から要望のある県立での屋内スケート場について、将来の整備に向けた諸課題を整理するための基本計画の策定に取り組むことといたしております。
 最後に、各地域県民局が行う地域づくりに関する施策について申し上げます。
 東青地域県民局では、平成二十七年度の仮称「奥津軽駅」開業を見据え、上磯地域の特性を活かした観光客の受入態勢の整備等を行うとともに、県外に流出した若者が将来本県に回帰できる環境づくりと意識醸成に取り組むほか、地域資源を活用した温泉地の魅力づくりと新たなビジネス展開に取り組むことといたしております。
 中南地域県民局では、中南地域の食と農を活用した食育を推進するため、正しい食育の知識を持った農業者の育成・強化を行うとともに、中南地域におけるももの認知度向上と販路拡大、津軽塗をはじめとした伝統工芸産業の振興に取り組むほか、温泉地域への若年層の誘客促進を図るため、魅力ある旅行プランの開発及び情報発信を行うことといたしております。
 三八地域県民局では、被災地等の住宅事情の早期改善と地域材の利用促進を図るため、産学官連携による地域材活用復興住宅モデルを作成するとともに、ビジネス客を対象とした観光コースの作成等による新たな観光客の獲得を図るほか、有望と見込まれる金属粉末関連産業とメンテナンス関連産業の育成・活性化等に取り組むことといたしております。
 西北地域県民局では、地域づくりを担う女性等の更なるステップアップを図るため、新事業、新商品の開発等に係る研修機会を提供するとともに、ナラ材資源の有効活用を促進するための資源量調査や加工方法及び試作品の検討を行うほか、産学官連携による六次産業化を推進するためのネットワーク構築及び加工品の開発等に取り組むことといたしております。
 上北地域県民局では、短角牛の消費拡大を図るため、地産地消を支える流通体制づくりへの支援や積極的な情報発信を実施するとともに、公共牧場の有効活用に向けた新たな放牧システムを構築するほか、北海道新幹線開業を見据え、道南地域からの誘客促進を図るための観光資源の磨き上げやモニターツアーの実施等に取り組むことといたしております。
 下北地域県民局では、下北地域における肉用牛繁殖経営の向上を図るため、下北産肉用子牛の評価に係る調査・分析を行うとともに、クマによるスギの皮剝被害の実態調査と被害木の利用検討を行うほか、海上交通を活用した下北半島への交流人口拡大を図るためのシンポジウムやおもてなしセミナーの開催等に取り組むことといたしております。
 また、市町村の自主的な地域づくりに対する支援については、総額三億円の「市町村元気事業費補助」を実施することといたしております。
 以上が、平成二十五年度の主要施策の大綱であります。
 次に、歳入予算の主なるものについて御説明申し上げます。
 県税については、地方税制改正の内容、本県経済の動向等を踏まえ、千百四十四億八千七百七十万円余を計上いたしております。
 地方交付税については、原資総額の伸び率及び国の算定方針を基礎に、過去の交付実績等を勘案して普通交付税の交付見込額を推計したうえで、当初予算において二千百一億八千七百万円を計上したほか、特別交付税については、三十四億円を計上いたしております。
 県債については、地方債計画、その運用方針等を勘案して積算のうえ、千百二十億七千百四十万円余を計上いたしております。
 繰入金については、「青森県行財政改革大綱」に沿って可能な限りの圧縮に努めたものの、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえた地方交付税等の削減等によって、昨年度当初予算を上回る財源不足額(基金取崩額)が生じたことにより、財政調整基金から十一億円、県債管理基金から七十億円、合わせて八十一億円を繰り入れることといたしております。
 このほか、国庫支出金等については、主として歳出との関連において計上いたしております。
 以上が「平成二十五年度青森県一般会計予算案」の概要であります。
 このほか、上程されました議案の主なるものについて御説明申し上げます。
 議案第二号から議案第十六号までは、青森県公債費特別会計等の特別会計及び青森県病院事業会計等の企業会計に係る予算案であります。
 議案第十七号「青森県生活保護法の保護施設の設備及び運営の基準を定める条例案」、議案第十八号「青森県医療法施行条例案」、議案第二十号「青森県老人福祉施設等の設備及び運営に関する基準等を定める条例案」、議案第二十一号「青森県児童福祉法施行条例案」、議案第二十二号「青森県障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例案」及び議案第二十三号「青森県職業能力開発促進法施行条例案」は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律による生活保護法等の改正に伴い、これまで法令で定められていた基準等について、条例で定めるものとされたことから、それぞれこれを定めるものであります。
 議案第十九号「青森県新型インフルエンザ等対策本部条例案」は、新型インフルエンザ等対策特別措置法が公布されたことに伴い、知事が設置する新型インフルエンザ等対策本部に関し必要な事項を定めるものであります。
 議案第二十四号「青森県低炭素建築物新築等計画認定申請手数料等徴収条例案」は、都市の低炭素化の促進に関する法律の制定に伴い、低炭素建築物新築等計画認定申請手数料等の徴収に関し必要な事項を定めるものであります。
 議案第二十九号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例案」は、国家公務員退職手当法の改正に準じ、退職手当の基本額の特例措置を改める等の改正を行うものであります。
 議案第三十六号「青森県病院事業条例の一部を改正する条例案」は、青森県立中央病院における非紹介患者初診料の額を改めるものであります。
 議案第三十七号「青森県高等学校定時制課程及び通信制課程修学奨励金貸与条例の一部を改正する条例案」は、修学奨励金の貸与限度額を引き上げる等の改正を行うものであります。
 議案第四十六号「起債について許可の申請をするの件」は、社団法人青い森農林振興公社の分収造林事業の再生に伴い負担する必要がある損失補償に要する経費の財源に充てるための起債について、総務大臣に対し、許可の申請をするものであります。
 議案第四十七号「公立大学法人青森県立保健大学がその業務に関して徴収する料金の上限の定めについて認可するの件」は、公立大学法人青森県立保健大学が徴収する学生寮寄宿料の上限の定めについて認可するものであります。
 議案第四十八号「青森県人事委員会委員の選任の件」は、青森県人事委員会委員佐々木忠一氏の任期が来る三月三十一日をもって満了いたしますので、後任の委員として寺尾進氏を選任いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 議案第四十九号「青森県監査委員の選任の件」は、青森県監査委員泉山哲章氏の任期が来る三月三十一日をもって満了いたしますので、後任の監査委員として同氏を再任いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 議案第五十号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算案」は、緊急経済対策に係る国の補正予算等に呼応し、所要の予算措置を講ずるものであります。
 議案第五十一号「青森県医療施設耐震化臨時特例基金条例案」、議案第五十二号「青森県消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例案」、議案第五十三号「青森県介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例案」、議案第五十四号「青森県自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例案」及び議案第五十五号「青森県緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例案」は、補正予算案に関連し、それぞれに定める事業に要する経費の財源に充てるための基金の設置、設置期間の延長及び対象事業の追加をするものであります。
 その他の議案につきましては、各議案の末尾に記載されている提案理由等のとおりであります。
 以上をもちまして、県政運営に関する基本的な方針を申し述べるとともに、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決並びに御同意を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、この機会に議長のお許しを得て、茂木経済産業大臣への確認・要請について、御報告申し上げます。
 本県としてはこれまでも、核燃料サイクル政策や、本県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない旨の確約などについて、歴代の関係閣僚に確認・要請してきた経緯があります。
 今般、安倍内閣が発足したことから、エネルギー戦略の策定を一任されている茂木大臣に対し、去る一月十七日、私自ら、本県の実情等を踏まえ、原子力発電の位置づけ、核燃料サイクル政策の意義・必要性、本県を最終処分地にしない旨の確約の三点について確認・要請を行いました。
 茂木大臣からは、原子力発電の位置づけ及び電源確保については、
一 原子力規制委員会による安全性確認を前提として、再稼動を進めていく、また、計画中の原発について、大間原発など既に 設置許可がなされているものについては、引き続き建設を進めていくことに問題はない
一 いかなる事態においても、国民生活や経済活動に支障がないよう、エネルギー需給の安定に万全を期す
 核燃料サイクル政策の意義・必要性については、
一 核燃料サイクル政策の意義は何ら変わらない、六ケ所再処理工場や、むつの中間貯蔵施設等についても、竣工に向けて着実 に進められるものと考えている
一 核燃料サイクルについては、国策として引き続き継続して進める
 高レベル放射性廃棄物の最終処分については、
一 青森県を最終処分地にしないとの約束を厳守する
一 国が前面に立ち、取組みを強化してまいりたい
旨の発言がありました。
 私としては、これからエネルギー戦略の策定などに取り組まれる茂木大臣から、国の基本的な考え方について明確にお答えいただいたことを重く受け止めるとともに、今後とも県民の安全、安心を守る立場から、国の対応を厳しく見極め、慎重かつ総合的に対処してまいります。
 以上、御報告といたします。

第二百七十三回定例会追加提出議案知事説明要旨(平成25年2月)

 ただいま上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、議案第五十六号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算案」について御説明いたします。
 今回の補正予算は、県管理道路等の除雪に要する経費、道路、河川などの社会基盤や県立施設等の安全確保・老朽化対策に要する経費、原子力災害発生時に一時的な屋内退避施設となる公共施設等の放射線防護対策に対する助成に要する経費等について所要の予算措置を講ずることとしたほか、現年発生災害復旧費、県境不法投棄対策事業費、青森県特別保証融資制度貸付金等について減額を行うことといたしました。
 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも二百十七億六千七百六十万円余の減額となり、これと既決予算額及び今定例会に既に提出しております補正予算額とを合計いたしますと、平成二十四年度青森県一般会計の予算規模は、七千三百二十三億九百七十万円余となります。
 歳入については、歳出との関連等において、国庫支出金、繰入金、諸収入、県債等について、それぞれ増減額を調整のうえ計上したほか、県税について七十一億千六百五十万円余を計上するとともに、地方消費税清算金について十七億四千四百四十万円余を減額計上いたしました。
 また、普通交付税については、交付決定額と既計上額との差額八十億二千二百三十万円余を計上いたしております。
 以上が、「平成二十四年度青森県一般会計補正予算案」の概要であります。
 このほか、上程されました議案についてでありますが、議案第五十七号から議案第六十九号までは、特別会計十一件及び企業会計二件の予算補正に係るものであります。
 その他の議案については、各議案の末尾に記載されている提案理由のとおりであります。
 以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。

過去の議会説明要旨

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