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第二百四十七回定例会提出議案知事説明要旨(平成18年9月)

 本日ここに、県議会第二百四十七回定例会の開会に当たり、上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、議案第一号「平成十八年度青森県一般会計補正予算案」について御説明いたします。

 今回の補正予算は、公共事業関係費及び国庫補助事業費等について、国からの割当見込額等に基づき、事業費の補正を行うほか、平成十九年度に本県で開催される地域ICT未来フェスタの開催準備に要する経費に対する負担金、本県田子町及び岩手県二戸市の県境における産業廃棄物不法投棄現場において、廃棄物の本格撤去のための選別・保管ヤードを整備するのに要する経費、クリスタルバレイ構想の一環として、新方式のフラットパネルディスプレイ技術を活用し、医療用ファイバースコープを共同開発するのに要する経費、本県に隣接する秋田県八峰町で発生した松くい虫による被害の拡大を未然に防止するため、秋田県と共同で新たに防除帯を設置するのに要する経費等について、所要の予算措置を講ずることといたしたものであります。
 このほか、本年度の組織改正に伴う歳入歳出予算の組替措置を講ずることといたしました。
 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも五十八億七千二百五十余万円となり、これと既決予算額とを合計いたしますと、平成十八年度青森県一般会計の予算規模は七千二百八十億五千五百三十余万円となります。

 以下、計上の主なるものについて、款を追い、御説明申し上げます。
 総務費については
 企画費において、平成十九年度に本県で開催される地域ICT未来フェスタの開催準備に要する経費として、実行委員会に対する負担金二百四十万円を計上したほか、東北新幹線八戸・新青森間開業時にJR東日本から経営分離される並行在来線八戸・青森間の鉄道資産取得に向けて、資産評価の手法等の検討・調査を行うのに要する経費八百四十万円を計上いたしました。
 また、県民生活費においては、議案第十三号で提案しております「青森県青少年健全育成条例の一部を改正する条例案」による新たな規制措置についての周知等に要する経費百五十余万円を計上いたしました。
 民生費については
 社会福祉費において、障害者自立支援法に基づき、低所得者の障害福祉サービスの利用を促進するため、利用者負担額を軽減するのに要する経費二千六百六十余万円を計上したほか、都道府県単位で全市町村が加入する後期高齢者医療広域連合の円滑な設立を推進するための市町村等関係機関との連絡調整等に要する経費百万円を計上いたしました。
 環境保健費については
 環境衛生費において、本県田子町及び岩手県二戸市の県境における産業廃棄物不法投棄現場において、廃棄物の本格撤去のための選別・保管ヤードの整備に要する経費一億八千四百万円を計上したほか、所要の債務負担行為を設定いたしました。
 農林水産業費については
 農業費において、ながいも等特定野菜の価格が大きく低下した際、生産者に対し補てん金を交付するための交付準備金の造成に要する経費三億九千三百八十余万円を計上いたしました。
 また、林業費においては、松くい虫による被害の拡大を未然に防止するため、本県深浦町及び秋田県八峰町の県境から本県側六キロメートル区間の特別予防監視区域における深浦町津梅川から南側二キロメートルの防除帯の設置に要する経費について、去る八月二日付けで専決処分したところでありますが、防除効果を一層高めるため、県境における秋田県との共同による防除帯の設置及び松林の環境改善等に要する経費二千五百二十余万円を計上いたしました。
 さらに、水産業費において、大型クラゲの出現状況の把握、情報提供及び沿岸に漂着した大型クラゲの状況・分解過程の調査等に要する経費三百三十余万円を計上いたしました。
 商工費については
 商工費において、新方式のフラットパネルディスプレイ技術を活用し、企業、公設試験研究機関等による医療用ファイバースコープの共同開発に要する経費九千八百九十余万円を計上いたしました。
 教育費については
 社会教育費において、三内丸山遺跡をはじめとする本県の縄文遺跡群の世界文化遺産登録を目指す県の取組みに呼応し設立された、民間主導の推進組織の設立初期に要する経費に対する負担金百万円を計上いたしました。
 公債費については、北東北三県が共同発行する住民参加型市場公募債、愛称「北東北みらい債」の発行及び県民への広報に要する経費九百八十余万円を計上したほか、地方財政法に基づき、当該共同発行地方債の元利償還金に対する連帯債務について所要の債務負担行為を設定いたしました。
 諸支出金については、
 平成十八年二月から平成十九年一月までの本県及び全国の地方消費税収入の見込みに基づき、地方消費税清算金四十八億三千八百七十余万円、地方消費税交付金八億四千百五十余万円を計上いたしました。
 以上が、歳出予算の概要であります。

 次に、歳入について申し上げます。
 今回の補正予算の主なる財源といたしましては、歳出との関連等において、国庫支出金、諸収入、県債等について、それぞれ増減額を調整のうえ計上するとともに、県税の増収見込額四十四億七千六百九十余万円及び地方消費税清算金の増収見込額十六億二千九百四十余万円を計上したほか、普通交付税一億七千三百九十余万円及び繰越金五億二千九百五十余万円を計上いたしました。
 以上が、「平成十八年度青森県一般会計補正予算案」の概要であります。

 このほか、上程されました議案の主なるものについて御説明申し上げます。
 議案第二号から議案第七号までは、特別会計六件の予算補正に係るものであります。
 条例案については、議案第八号から議案第十六号までの九件を提案いたしております。
 その主なるものとして、
 議案第八号「青森県認定こども園の認定の基準を定める条例案」は、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」の規定に基づき、認定こども園の認定の基準を定めるものであります。
 議案第九号「青森県立中学校入学者選抜手数料徴収条例案」は、青森県立三本木高等学校附属中学校の設置に伴い、入学者選抜手数料の徴収に関し必要な事項を定めるものであります。
 議案第十三号「青森県青少年健全育成条例の一部を改正する条例案」は、深夜において、保護者が同伴する場合を除き、個室カラオケ営業の営業場所に青少年を客として立ち入らせることを禁止し、古物商等について、正当な理由がある場合を除き、青少年からの古物の買受け等を禁止し、インターネットの利用により得られる青少年の健全な育成を阻害するおそれがある情報から青少年を保護するために必要な措置を定め、正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめることを禁止する等の改正を行うものであります。
 議案第十四号「青森県介護支援専門員実務研修受講試験実施手数料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例案」は、介護支援専門員実務研修受講手数料及び主任介護支援専門員研修受講手数料を徴収し、並びに指定研修実施機関に介護支援専門員実務研修の実施に関する事務を行わせた場合の介護支援専門員実務研修受講手数料の納入等について定めるものであります。
 その他の議案は、議案第十七号から議案第二十五号までの九件、報告案件は六件であります。

 その主なるものとして、専決処分した事項の報告及び承認を求めるの件について御説明いたします。
 報告第一号「平成十八年度青森県一般会計補正予算」は、本県に隣接する秋田県八峰町で発生した松くい虫による被害の拡大を防止するため、防除帯の設置に要する経費について、早急に予算措置を講ずる必要が生じましたが、議会を招集するいとまがないと認め、本職において専決処分をいたしたものであります。

 以上をもちまして、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決、御認定並びに御承認を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、この機会に議長のお許しを得て、日本原燃株式会社六ケ所再処理施設における作業員の内部被ばくに係る教育訓練を含めた不適合等の是正措置、東京電力株式会社東通原子力発電所第一・二号機の重要電源開発地点の指定に係る国への意見回答及び海上自衛隊大湊地方隊余市防備隊所属ミサイル艇三号からの二十ミリ機関砲の不時発射事故について御報告申し上げます。

 まず、日本原燃株式会社六ケ所再処理施設における作業員の内部被ばくに係る教育訓練を含めた不適合等の是正措置について申し上げます。
 本年八月七日、日本原燃株式会社から原子力安全・保安院に対して「再処理施設における作業員の内部被ばくに係る教育訓練を含めた不適合等の是正措置について」の報告がなされました。
 このことについて、同日、兒島社長から私に対して、
  • 放射性物質の体内取り込みに係わるソフト面の対策として、協力会社を含めた分析員・作業管理者を対象とした汚染トラブルなどに関する教育及び技術・技能認定試験を実施し、今回新たに追加した実技試験において、グローブボックス等を用いた分析作業や放射線管理に関するサーベイ等が確実にできることを確認した。
  • 第二ステップ開始前までに措置を終了するとしていた不適合等については、八月四日までに処置を終了した。特に、体内取り込みに係わるハード面の対策として、「放射能分析用フードの設置」、「測定器の改良」、「試料皿運搬容器の導入」について、七月末までに完了し、運用に入っている。
  • 今後とも、第一ステップまでの経験を活かし、半面マスクの着用範囲を明確にすることで放射性物質の汚染や内部被ばく防止はもちろんのこと、協力会社を含めたヒューマンエラー防止小集団活動を精力的に実施し、緊張感を持って慎重に事業を進めていく。
との報告がありました。
 また、同日、原子力安全・保安院薦田審議官から私に対して、
  • 日本原燃株式会社の教育訓練の内容について確認を行うとともに、現地の保安検査官が教育訓練に立ち会い、今回の教育訓練がより実効性のあるものであり、確実に実行されたことを確認した。
  • 技術・技能認定委員会に立ち会い、分析員として十分な知識を有し、かつ十分な技能を有している者が技術・技能認定試験に合格し、認定されていることを確認した。
  • 同社が第二ステップまでに是正措置を終了するとしている不適合等について、現地の保安検査官により是正措置が全て終了したことを確認した。特に、放射能分析用フードについては、使用前検査の際に、据付及び性能を確認した。
  • 第二ステップ開始前までに行うとしていた教育訓練、不適合等の是正措置が全て終了し、その結果を保安検査官の立会い等により確認できたことから、第二ステップへの移行に支障はないと考える。
  • 日本原燃株式会社における保安活動、品質保証体制の向上等について、第二ステップ開始以降においても、「六ケ所再処理施設総点検に関する検討会」に諮りつつ、確認していく。
との報告があり、今後とも、事業者に対し、責任をもってより一層厳正な安全規制・指導を行うとともに、協力会社を含めた技術・技能認定制度について、厳しく確認し、その状況を県等に節目、節目で報告することとしています。
 一方、県としても、県民の安全と安心に重点を置いた対応の観点から、「半面マスクの着用状況」及び「ヒューマンエラー防止小集団活動の状況」などについて、八月九日、私が原子力センター所長から、直接、確認しました。
 また、同日、私が要請した「協力会社を含めた全社的な安全文化の醸成」に係る実効性の向上を図るため、現地において、兒島社長と協力会社社長等に相互連携の強化などについて改めて要請するとともに、分析作業に従事している社員と意見交換を行いました。
 さらに、八月十一日、私が作業安全等について専門的知見を得るため、「原子力施設に関する技術顧問」から、現場における作業安全の実施状況などについて、専門的な立場から報告を受けました。
 県として、県民の安全・安心の確保のため、これらひとつひとつ慎重に確認したうえで、同日、私から兒島社長に対し、第二ステップに入ることを理解した旨伝えました。さらに、試験に当たっては、協力会社と一体となってトラブルの未然防止や運転要員等の技術的能力の向上を図るよう改めて要請しました。
 また、県としても、長期研修計画に基づき確実に教育が実施されていることを確認するため、日本原燃株式会社に対し、アクティブ試験期間中、四半期毎に長期研修計画の実施状況を県に報告するよう、併せて求めました。
 現在、六ケ所再処理施設においては、第二ステップの試験が行われているところですが、県としては、今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見極めつつ、安全確保を第一義に慎重に対応して参ります。

 次に、東京電力株式会社東通原子力発電所第一・二号機の重要電源開発地点の指定に係る国への意見回答について申し上げます。
 去る三月三十日、東京電力株式会社から国に対し、同社東通原子力発電所第一・二号機の重要電源開発地点指定申請が行われ、これを受けて国から県に対し、八月四日付けで、同指定についての意見照会がありました。
 県としては、国への意見回答に当たり、県議会各会派等、関係市町村長及び青森県原子力政策懇話会の御意見を伺ったところです。
 県としては、これまでいただいた御意見、御要望をも踏まえ、安全確保、防災対策、環境保全対策、広聴広報活動及び情報公開、地域振興策等、立地に伴う様々な課題について国の対応を要請し、異議ない旨、九月一日付けで回答いたしました。
 加えて、東京電力株式会社に対しては、漁業補償交渉への誠意ある対応及び原子力発電所建設に当たっての積極的な地元雇用、地元活用について要請いたしました。
 なお、東京電力株式会社東通原子力発電所第一・二号機につきましては、去る九月十三日、経済産業大臣により重要電源開発地点の指定が行われたところであります。

 最後に、海上自衛隊大湊地方隊余市防備隊所属ミサイル艇三号からの二十ミリ機関砲の不時発射について申し上げます。
 去る九月五日午後七時十九分頃、海上自衛隊大湊基地第六突堤西側岸壁に停泊中の海上自衛隊大湊地方隊余市防備隊所属ミサイル艇三号において点検中の二十ミリ機関砲から実弾四発を含む弾薬十発を陸地に向け不時発射したという事故が発生しました。
 今回の事故について、海上自衛隊大湊地方総監部から県に対する事故発生に係る通報はなかったため、県は、当日午後十時過ぎにニュース報道等により覚知するところとなりましたが、事故の重大性に鑑み、直ちに情報収集を行い、事実確認に努めるとともに、六日午前零時過ぎに海上自衛隊大湊地方総監に対して事故発生について強い遺憾の意を伝え、事故の速やかな原因究明、再発防止、機器の点検整備及び隊員の教育訓練に万全の措置を講ずるよう強く要請し、併せて、県への通報がなかったことについて抗議しました。
 事故発生翌日の九月六日午前十一時に松岡海上自衛隊大湊地方総監が県を訪れ、私に対して今回の事故について陳謝し、事故の概要と対応状況について説明の上、事故原因の究明と再発防止に全力を注ぐ旨の発言がありました。
 これに対し私からは、今回の事故は国民の生命を守り、国民に信頼されるべき自衛隊にとって、あってはならない事故であり、県民の生命を脅かしかねない事態であったことから、県民に大きな不安を与え、自衛隊の安全管理体制に対する不安感を増幅させるもので、誠に遺憾であり、原因究明と機器の点検整備及び隊員の教育訓練に万全の措置を講ずるよう要請し、併せて、県への通報が不適切であった旨厳重に抗議しました。
 また、九月七日には、成田県議会議長とともに防衛庁を訪ね、額賀防衛庁長官に対し、国民の生命を守り、国民に信頼されるべき自衛隊であればこそ、この度の事故は、正にあってはならないことであり、誠に残念である。また、まかり間違えば県民の生命を脅かしかねない事態であったことから、県民に大きな不安を与え、自衛隊の安全管理体制に対する不安感を増幅させていることは誠に遺憾であり、県として、厳しく受け止めている。県に対する通報が非常に不適切であったことについても遺憾である。速やかに原因究明の上、今後このような事故が発生しないよう、機器の点検整備及び隊員の教育訓練に万全の措置を講ずるよう強く要請しました。
 これに対して額賀防衛庁長官からは、事故が起こったことに対する謝罪と被害状況の確認、原因究明及び再発防止に全力を尽くしており、二度とこういうことがないようしっかり対応する旨の発言がありました。
 さらに、九月八日には、木村防衛庁副長官が県を訪れ、私に対して、あってはならない事故が発生し県民に大きな不安を与えたことを心からお詫び申し上げるとともに、誠心誠意全力を挙げて不安払拭に努め、再発防止に取り組むこと、また、当面の対応として、
  • 隊員に対する二十ミリ機関砲の操作マニュアルの教育徹底、
  • 二十ミリ機関砲の再点検、
  • これら二つの対応が完了するまでの訓練自粛
等の対策を行うことについて、説明がありました。
 これに対して私からは、速やかな原因究明と再発防止に万全の措置を講ずるよう重ねて要請しました。 また、県民の不安感が払拭されるよう最善の努力を要請しました。
 今回の事故による被害等については、現段階では大湊基地内に止まっているものの、未だ砲弾の捜索が続いているため、県としては、国に対し、引き続き、被害状況の確認を求めて参ります。
 また、事故原因の究明と再発防止策について、今後、海上幕僚監部の事故調査委員会の調査結果がまとまった段階で国から報告を受け、県として、県民の安全、安心の観点から国の対応を厳しく見極めて参りたいと考えています。

 以上、御報告といたします。

過去の議会説明要旨

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