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第二百三十九回定例会提出議案知事説明要旨(平成16年9月)

 本日ここに、県議会第二百三十九回定例会の開会に当たり、提出議案について御説明申し上げる前に、議長のお許しを得て、台風第十八号による強風被害の概況等について御報告申し上げます。

 まず、御報告に先立ち、このたびの災害により被災されました方々には心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早く安定した生活に戻られるようお祈りいたします。

 さて、日本海を北東に進んだ台風第十八号の影響により、本県では、今月八日早朝から昼前にかけて、深浦町で最大瞬間風速三十六・四メートルを記録したのをはじめ、県内各地で三十メートルを超える強風に見舞われました。

 今回の台風による被害総額は、百六十五億円余に達しているところでありますが、このうち、農林関係の被害額が百四十五億円余と最も多額なものとなっており、とりわけ、りんごの被害が大きく、その落果量は八万三千トン余、被害額は百三十九億円余に達しており、平成三年の台風第十九号による災害以来、最も大きな被害となりました。

 加えて、本年は、八月中旬の台風第十五号、同月末の台風第十六号により、合わせて十二億円余に上るりんご被害を受けており、こうした中にあって、農家の方々におかれましては、懸命に品質の良い売れるりんごづくりに努力され、収穫を目前にしていたところ今回の災害に見舞われたものであり、その御労苦を拝察するに胸が痛くなる思いであります。

 県といたしましては、災害の発生後、被害実態の把握に努める一方、九日に「平成十六年台風第十五・十六・十八号による農作物等災害対策連絡会議」を設置したほか、十日には、山内県議会議長と本職が農林水産省に出向き、防風網整備等に係る農業生産総合対策条件整備事業の本年度割当額の増額や被害状況の推移に応じた天災融資法の発動等について要望してまいったところであります。また、落下りんごについては、県内の八十を超える小売店で速やかに販売していただいたほか、十一日には、都内大手スーパーでトップセールスを実施したところであります。

 なお、現在、落下りんご処理対策、防除対策、緊急就労対策及び中小企業対策を内容とする災害対策関連経費について、鋭意、計数等を精査している段階にありますが、早急にとりまとめの上、今定例会に補正予算を追加提案いたしたいと考えております。

 次に、上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、議案第一号「平成十六年度青森県一般会計補正予算案」について御説明いたします。

 今回の補正予算は、公共事業関係費及び国庫補助事業費等について、国からの割当見込額に基づき、事業費の補正を行うほか、市町村合併に伴い必要となる臨時的な事業の実施の支援に要する経費、ユビキタスネットワーク社会に向けた新しい情報通信技術の利活用方策に係る調査・検討に要する経費、弘前エリアにおける都市エリア産学官連携促進事業に係る研究成果の普及啓発等に要する経費、青森シャモロックの食鳥処理施設の整備費に対する助成に要する経費等について、それぞれ、所要の予算措置を講ずることといたしたものであります。

 また、本年度の組織改正に伴う歳入歳出予算の組替措置を講ずることといたしました。
 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも二億三千百三十余万円となり、これと既決予算額とを合計いたしますと、平成十六年度青森県一般会計の予算規模は七千六百八十七億三千百三十余万円となります。
 以下、計上の主なるものについて御説明申し上げます。

 まず、公共事業関係費について申し上げます。
 一般公共事業費については、国からの割当見込額に基づき、県道改築事業費、街路事業費等の道路及び都市計画関係事業費を中心に二十三億二千六百二十余万円を減額計上いたしましたが、減額計上した道路及び都市計画関係事業費の多くは、国庫補助事業である緊急道路整備事業費等に振り替えられたものであります。
 また、国直轄事業負担金については、道路国直轄事業負担金、河川海岸国直轄事業負担金等について、それぞれ増減調整のうえ、一億九千二百余万円を計上いたしております。

 次に、公共事業関係費以外のものについて、款を追い、御説明申し上げます。
 総務費については
 企画費において、いつでも、どこでも、何でも、誰でもがネットワークに接続し、情報の自在なやりとりを行うことができるユビキタスネットワーク社会に向けた電子タグ等の新しい情報通信技術の利活用方策に係る調査・検討に要する経費百五十万円を計上いたしました。

 また、県民生活費において、青森県の次代を担う子どもたちが、命を大切にし、他人への思いやりを持ち、たくましく生きていけるよう、県民一体となった「命を大切にする心を育む県民運動」を推進するための普及啓発等に要する経費二百六十余万円を計上いたしました。

 さらに、市町村振興費において、市町村合併に伴い必要となる臨時的な事業の実施を支援するための市町村合併支援特別交付金二億六千万円を計上いたしました。

 民生費については
 児童福祉費において、平成十六年六月の児童手当法の改正に伴う児童手当特例給付の支給対象の拡充に要する経費三億四千十余万円を計上いたしました。  

 環境保健費については
 医薬費において、救急救命士が気管挿管を行うことができるようにするため、医療機関が行う実習に要する経費に対する助成に要する経費百六十余万円を計上いたしました。

 農林水産業費については
 農業費において、青森シャモロックに係る生産から出荷までの一貫体制を構築するための食鳥処理施設の整備費に対する助成に要する経費一億六千三百七十余万円を計上いたしました。

 商工費については
 商工費において、弘前エリアで、医薬・化粧品、医療・健康分野等における新たな産業創出を図るための都市エリア産学官連携促進事業に係る研究成果の普及啓発等に要する経費百二十万円を計上いたしました。

 土木費については
 道路橋梁費において、国道二七九号風間浦村易国間地区における電源開発株式会社との共同研究による落石監視システムの構築に要する経費九千万円を計上いたしました。

 公債費については
 公債費において、北東北三県が共同発行する住民参加型ミニ市場公募債、愛称「北東北みらい債」の発行及び広報に要する経費九百二十余万円を計上したほか、地方財政法に基づき、当該共同発行地方債の元利償還金に対する連帯債務について所要の債務負担行為を設定いたしました。
 以上が、歳出予算の概要であります。

 次に、歳入について申し上げます。

 今回の補正予算の主なる財源といたしましては、歳出との関連等において、国庫支出金、繰入金、県債等について、それぞれ増減額を調整のうえ計上したほか、普通交付税二億二千六百九十余万円及び繰越金八億六千三百二十余万円を計上いたしました。
 以上が、「平成十六年度青森県一般会計補正予算案」の概要であります。

 このほか、上程されました議案の主なるものについて御説明申し上げます。
 議案第二号から議案第十号までは、特別会計八件及び企業会計一件の予算補正に係るものであります。
 条例案については、議案第十一号から議案第十六号までの六件を提案いたしております。

 その主なるものとして、
 議案第十一号「青森県県税の特別措置に関する条例の一部を改正する条例案」は、半島振興対策実施地域等における外形標準課税の対象法人に対する事業税の所得割に係る不均一課税の税率を定める等の改正を行うものであります。
 議案第十四号「青森県病院事業条例の一部を改正する条例案」は、本年十月の運用開始を予定している総合周産期母子医療センターに設置する周産期個室の入院室料を定めるとともに、分べん料の額を改めるものであります。
 議案第十五号「青森県県営住宅条例の一部を改正する条例案」及び議案第十六号「青森県特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例案」は、県営住宅及び特定公共賃貸住宅の入居者及び同居者の駐車場の利用について、使用料を徴収するためのものであります。

 その他の議案は、議案第十七号から議案第二十八号までの十二件、報告案件は三件であります。
 その主なるものとして、
 議案第十七号「市町の廃置分合の件」は、平成十七年一月一日から、十和田市及び上北郡十和田湖町を廃し、その区域をもって十和田市を設置するものであります。
 議案第十八号「市町村の廃置分合の件」は、平成十七年二月十一日から、西津軽郡木造町、同郡森田村、同郡柏村、同郡稲垣村及び同郡車力村を廃し、その区域をもってつがる市を設置するものであります。
 議案第二十一号「青森県教育委員会委員の任命の件」は、青森県教育委員会委員類家德昌氏及び三浦昭子氏の任期が来る九月三十日をもって満了いたしますので、後任の委員として三浦昭子氏を再任するとともに、福島哲男氏を新たに任命いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 議案第二十二号「青森県公安委員会委員の任命の件」は、青森県公安委員会委員橋本昭一氏の任期が来る十月七日をもって満了いたしますので、後任の委員として橋本八右衛門氏を任命いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 議案第二十三号「青森県土地利用審査会委員の任命の件」は、青森県土地利用審査会委員の任期が来る十月二十五日をもって満了いたしますので、後任の委員の任命について御同意を得るためのものであります。

 以上をもちまして、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決、御同意、御認定並びに御承認を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、この機会に議長のお許しを得て、関西電力株式会社美浜発電所三号機二次系配管破損事故について御報告申し上げます。
 去る八月九日、福井県の関西電力株式会社美浜発電所三号機で、破損した配管からの蒸気漏れにより、作業員五名が死亡し、六名が負傷するという痛ましい事故がありました。お亡くなりになった方々に、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に、衷心よりお見舞い申し上げます。

 県としては、直ちに現地に職員を派遣するなど、情報収集に努めてきたところであり、また、東通原子力発電所及び八戸火力発電所の事業者である東北電力株式会社に対し、万全の対応をとるよう要請したところであります。
 さらに、国に対しては、事故原因の徹底的な究明と再発防止対策に万全を期すこと等を強く要請し、事故に係る調査結果を本県に対し説明するよう求めたところであります。
 今回の事故については、国における検討が取りまとめられ、県に対して報告があった段階で、今定例会中にも、県議会議員全員協議会を開催していただき、御報告したいと考えております。また、各地域住民の代表である市町村長及び青森県原子力政策懇話会に対しても説明の機会を設けたいと考えております。

 以上、御報告といたします。

第二百三十九回定例会追加提出議案知事説明要旨

 ただいま上程されました追加提出議案について御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。

 議案第二十九号「平成十六年度青森県一般会計補正予算案」は、台風第十五号、第十六号及び第十八号による暴風等に係る災害対策関連経費について、所要の予算措置を講ずることといたしたものであります。

 ご承知のように、本年八月中旬から九月上旬にかけて立て続けに本県に襲来した台風第十五号、第十六号及び第十八号は、農林水産関係を中心に大きな被害をもたらしました。
 特に、九月八日の台風第十八号による被害総額は、去る九月二十二日、県議会本会議において御報告申し上げたとおり、百六十五億円余となっているところでありますが、とりわけ収穫を目前にしたりんごの被害が大きく、県内全栽培面積の七十五・六パーセントに当たる約一万七千三百ヘクタールに及ぶりんご園地が被害を受け、その落果量は八万三千トン余、被害額は、百三十九億円余となり、平成三年の台風第十九号による災害以来、最も大きな被害となりました。

 このような状況にかんがみ、今回所要の予算措置を講ずることといたしたものでありますが、以下、その概要について申し上げます。
 第一に、落下りんご処理対策として、
 落下りんごの加工適性の向上と腐敗防止を図るための冷蔵保管経費に対する助成に要する経費五千四百八十余万円を計上いたしました。また、落下りんごの果汁の品質を保持するための冷凍保管経費に対する助成に要する経費千百五十余万円を計上したほか、加工仕向けできない落下りんごの適正処理を促進するため、落下りんごの堆肥化及び廃棄処分に要する経費に対して助成することとし、八百十余万円を計上いたしました。
 第二に、防除対策として、
 暴風により被害を受けたりんご樹のふらん病感染を防止するため、特別散布に要する経費に対して助成することとし、四千三百七十余万円を計上いたしました。
 第三に、就労対策として、
 被災農業者の緊急就労を図るため、農業農村整備事業について三億四千三百七十余万円を計上いたしております。
 以上が歳出予算の概要であります。

 なお、このほか、既決予算等による対応として、
 就労対策において、農業農村整備事業における十月以降に発注する工事について、労務比率の高い工種を実施することにより被災農業者の就労機会の確保を図ることとしているほか、緊急地域雇用創出対策事業を活用し、被災地域に配慮することといたしております。
 また、中小企業対策として、一連の台風災害による影響が懸念される中小企業者の金融の円滑化を図るため、「セーフティネット資金」の既存の保証融資枠内に二十億円の台風災害枠を創設することといたしました。

 歳入につきましては、歳出との関連において、国庫支出金、県債等を計上したほか、普通交付税一億五千九百二十万余円を計上いたしております。
 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも四億六千百九十余万円となり、これと既決予算額及び今定例会に既に提出しております補正予算額とを合計いたしますと、平成十六年度青森県一般会計の予算規模は、七千六百九十一億九千三百二十余万円となります。

 以上、提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。

過去の議会説明要旨

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