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第二百三十五回定例会提出議案知事説明要旨(平成15年9月)

 本日ここに、県議会第二百三十五回定例会の開会に当たり、提出議案について御説明申し上げる前に、議長のお許しを得て、台風第十四号による強風被害の概況等について御報告申し上げます。
 まず、御報告に先立ち、この度の災害により被災された方々には心からお見舞申し上げるとともに、一日も早く安定した生活に戻られるようお祈りいたしております。

 さて、日本海を北東に進んだ台風第十四号の影響により、本県では、今月十三日から十四日にかけて、青森市で最大瞬間風速三十四・〇メートルを記録したのをはじめ、県内各地域で強風に見舞われ、りんご落果や漁港施設の被災等、農林水産関係を中心に被害が発生いたしました。
 特に、りんごにつきましては、平成三年の台風第十九号による災害以来、最も大きな被害となることが見込まれており、二年続きの価格低迷を打開するため、懸命に高品質りんごの生産に努力されている農家の方々におかれましては、収穫を目前にしての落果被害であり、胸が痛くなる思いであります。

 この間、県においては、暴風・波浪警報を直ちに市町村、消防本部等に伝達し、市町村に防災対策に万全を期すよう指示をしたほか、各部局において十分な警戒体制を敷きつつ被害状況の把握に努めてきたところであり、また、十四日及び十五日には、県議会議員各位の御同行をいただき、本職をはじめ、副知事、出納長による被災地の現地調査を実施したところであります。
 現在もなお、被害状況の把握に努めているところでありますが、市町村、関係団体と連携を密にしながら、今後の事態の推移に応じ、必要とされる対策については、機動的に対応してまいりたいと考えております。

 次に、上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、議案第一号「平成十五年度青森県一般会計補正予算案」について御説明いたします。
 今回の補正予算は、公共事業関係費及び国庫補助事業費等について、国からの割当見込額に基づき、事業費の補正を行うほか、青森・岩手県境における産業廃棄物不法投棄対策関連経費、北東北三県が共同発行する「北東北みらい債」の発行及び広報に要する経費、求人・求職のミスマッチを解消するためのネットワーク開発に要する経費、沖合底曳網漁業の減船に要する経費に対する助成に要する経費等について、それぞれ、所要の予算措置を講ずることといたしたものであります。
 また、本年度の組織改正に伴う歳入歳出予算の組替措置を講ずることといたしました。

 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも八億二千三百二十余万円となり、これと既決予算額とを合計いたしますと、平成十五年度青森県一般会計の予算規模は八千百八十五億七千三百二十余万円となります。
 以下、計上の主なるものについて御説明申し上げます。
 まず、公共事業関係費について申し上げます。

 一般公共事業費については、国からの割当見込額に基づき、県道改築事業費、街路事業費等の道路及び都市計画関係事業費並びに広域河川改修費、河川総合開発事業費等の河川海岸関係事業費等について、それぞれ増減調整のうえ、六億四千二百余万円を減額計上いたしました。
 また、国直轄事業負担金については、道路国直轄事業負担金、河川海岸国直轄事業負担金等について、それぞれ増減調整のうえ、一億千三百五十余万円を計上いたしております

 次に、公共事業関係費以外のものについて、款を追い、御説明申し上げます。
 総務費については
 企画費において、津軽海峡大橋を中心とした津軽海峡軸構想の推進に要する経費二千七百八十万円を減額計上いたしました。
 また、選挙費において、衆議院小選挙区青森県第二区における補欠選挙に要する経費三億三百十余万円を計上いたしました。

 環境保健費については
 公衆衛生費において、重症急性呼吸器症候群(SARS)が県内で発生した場合に備えるため、各保健所に防護用具を整備するなどの関係機関の体制整備に要する経費千四百五十余万円を計上いたしました。
 また、環境衛生費において、本県田子町及び岩手県二戸市の県境における産業廃棄物不法投棄対策費として、環境モニタリング調査等に要する経費三百九十万余円を計上したほか、浸出水処理施設建設工事に係る十六億九千万円の債務負担行為を設定いたしました。

 労働費については
 労政費において、求人・求職のミスマッチを解消するため、インターネット上で求人求職情報等を提供する「ワークわくあおもりJobネット」システムの構築に要する経費四百五十万円を計上するとともに、市町村が行う緊急地域雇用創出対策事業費に対する助成に要する経費一億三十余万円を計上いたしました。

 農林水産業費については
 農業費において、未利用のバイオマス資源を有効活用し、地域農業の振興を図るため、「バイオマス総合利活用マスタープラン」の策定に要する経費四百五十余万円を計上いたしました。
 また、水産業費において、「日本海北部マガレイ、ハタハタ資源回復計画」に基づく沖合底曳網漁業の減船に要する経費に対する助成に要する経費千二百余万円を計上いたしました。

 商工費については
 商工費において、去る五月二十三日に国から認定を受けた「環境・エネルギー産業創造特区計画」を大都市圏の企業及び業界団体に対し情報発信するためのシンポジウム開催等に要する経費千九百八十万円を計上いたしました。

 土木費においては
 道路橋梁費において、国道四号の交通渋滞の緩和やみちのく有料道路の利用促進及び同有料道路と第二みちのく有料道路間の相互利用促進について検討するために実施する、みちのく有料道路の料金割引実験に要する経費二千四百八十余万円を計上いたしました。

 公債費については
 公債費において、北東北三県が共同発行する住民参加型ミニ市場公募債、愛称「北東北みらい債」の発行及び広報に要する経費千四百六十余万円を計上したほか、地方財政法に基づき、当該共同発行地方債の元利償還金に対する連帯債務について所要の債務負担行為を設定いたしました。
 以上が、歳出予算の概要であります。

 次に、歳入について申し上げます。
 今回の補正予算の主なる財源といたしましては、歳出との関連等において、国庫支出金、諸収入、県債等について、それぞれ増減額を調整のうえ計上したほか、繰越金七億八千二百三十余万円を計上するとともに、普通交付税九億五千三百六十余万円を減額計上いたしました。
 以上が、「平成十五年度青森県一般会計補正予算案」の概要であります。
 このほか、上程されました議案の主なるものについて御説明申し上げます。
 議案第二号から議案第十一号までは、特別会計八件及び企業会計二件の予算補正に係るものであります。

 条例案については、議案第十二号から議案第十六号までの五件を提案いたしております。
 その主なるものとして、
 議案第十四号「職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例案」は、国家公務員退職手当法の改正に準じ、長期勤続者等に対する退職手当の支給割合を引き下げるものであります。
 議案第十五号「青森県県税の特別措置に関する条例の一部を改正する条例案」は、半島振興対策実施地域等における不動産取得税に係る不均一課税の税率の特例を定める等の改正を行うものであります。
 議案第十六号「青森県漁業協同組合合併促進条例の一部を改正する条例案」は、漁業協同組合の合併を促進するための援助及び助成の対象となる漁業協同組合の合併等の期限を延長するためのものであります。

 その他の議案は、議案第十七号から議案第二十五号までの九件、報告案件は十一件であります。
 その主なるものとして、
 議案第二十五号「青森県教育委員会委員の任命の件」は、青森県教育委員会委員川島卯太郎氏の任期が来る十月九日をもって満了いたしますので、後任の委員として鈴木秀和氏を任命いたしたく、御同意を得るためのものであります。

 以上をもちまして、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決並びに御同意を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、この機会に議長のお許しを得て、農作物異常気象対策及び第五回アジア冬季競技大会の大会経費の収支について御報告申し上げます。
 まず、農作物異常気象対策について申し上げます。
 本年六月下旬から極めて長期間にわたって続いた異常低温と極端な日照不足により、農作物の生育に大きな影響が見られています。とりわけ、水稲については、出穂の大幅な遅れにより登熟が遅れるとともに、七月下旬の記録的な低温により、県南地域を中心に障害不稔の発生割合が高く、収量及び品質の低下は避けがたい状況にあります。

 県といたしましては、気象の推移に応じた栽培管理が励行されるよう、生産指導の徹底を図ってまいりましたが、地域によっては被害が農家経営に大きな影響を及ぼすことが懸念されることから、今月四日に「青森県農作物異常気象災害対策本部」を設置いたしました。
 今後は、引き続き、市町村及び農業団体と連携を密にしながら被害を最小限に食い止めるとともに、一定の品質を確保するため、水稲の適期刈取りなどの生産指導に全力を傾けるほか、被害実態を更に調査の上、必要に応じ被災農家の経営安定対策にも万全を期してまいります。

 次に、第五回アジア冬季競技大会の大会経費の収支について申し上げます。
 大会経費に係る最終的な収支については、組織委員会の解散に伴う一連の清算事務を終えた時に清算結了となり確定いたしますが、現在、組織委員会では、今月末を目途に清算結了する予定で事務を進めており、最終的な収支の見込額をとりまとめましたので、御報告申し上げます。

 大会経費の歳入歳出全体としては、平成十二年九月に公表した大会経費の積算額約三十八億九千四百万円に対し、約三十五億三千五百万円となり、約三億五千九百万円の減となる見込みであります。
 また、このうち県費負担額については、約二十二億七百万円に対し、約十七億千二百万円となり、約四億九千五百万円の減となりました。

 この大会を支えてくださった、県議会をはじめ、OCA(アジアオリンピック評議会)、JOC(日本オリンピック委員会)、各国オリンピック委員会、各競技団体、県内外の企業・団体等、関係者の皆様、またボランティアとしての献身的な活動に加えて、アジア各国から本県に訪れた選手・役員を温かく迎え、声援を送り、心を込めたおもてなしをしてくださった県民の皆様の御支援と御協力に対し、厚く御礼申し上げます。
 以上、御報告といたします。

第二百三十五回定例会追加提出議案知事説明要旨

 ただいま上程されました追加提出議案について御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 議案第二十六号「平成十五年度青森県一般会計補正予算案」は、去る九月十三日から十四日にかけての台風第十四号による暴風及び波浪災害に係る災害対策関連経費について、所要の予算措置を講ずることといたしたものであります。

 今回の台風第十四号による推計総被害額は、今月二十日現在で七十億円余となっているところであり、そのほとんどが農林水産関係の被害額であります。
 とりわけ収穫を目前にしたりんごの被害が大きく、県内全栽培面積の七十四・四パーセントに当たる約一万七千二百ヘクタールに及ぶりんご園地が被害を受け、その落果量は約四万トン、被害額は、六十二億円余となっております。
 大量に落下したりんごを放置すれば、腐敗菌や土壌菌が増殖し、樹上の健全なりんごへ悪影響を及ぼしかねないことから、りんご園地の環境を良好な状態で維持するためには、早急に落下りんごの適正処理を行う必要があります。

 このようなことから、農業協同組合等が実施する落下りんごの堆肥化を促進することとし、今回の歳出予算において、腐熟促進剤の購入及びりんごの運搬に要する経費に対する助成に要する経費二千八百九十万余円を計上いたしたものであります。

 歳入については、普通交付税を計上いたしております。
 その結果、今回の補正予算額と既決予算額及び今定例会に既に提出しております補正予算額とを合計いたしますと、平成十五年度青森県一般会計の予算規模は、八千百八十六億二百十余万円となります。

 以上、提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。

過去の議会説明要旨

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