ホーム > ようこそ知事室へ > 知事記者会見録 > 知事記者会見(定例記者会見)/令和5年10月5日/庁議報告ほか

関連分野

更新日付:2023年10月16日 広報広聴課

知事記者会見(定例記者会見)/令和5年10月5日/庁議報告ほか

知事コメント動画

  • 知事コメント動画はこちら

知事記者会見録

会見日時:令和5年10月5日木曜日 11時15分~12時00分
会見場所:県庁西棟8階中会議室
会見者:宮下知事

〇幹事社
 定刻になりましたので、定例会見を始めます。
 まず、知事から庁議案件の報告をお願いします。

〇知事
 本日の発表事項の説明をさせていただきます。

【令和6年度当初予算の編成について】
 まずは、本日、庁議で令和6年度当初予算の編成方針を決定しましたのでご説明します。
 青森新時代の実現に向けた施策の本格的なスタートとして、主要な項目は3点です。
 1点目は、まず少子化対策として「青森モデル」の確立を目指し、子ども・子育て支援を充実させていきます。
 2点目は、若者のしごとづくりと所得向上、子どもを生み育てる環境づくり、健康づくりと医療水準の向上を最優先に、次期青森県基本計画に掲げる各種施策を重点的に実施していきたいと考えています。
 3点目は、本県の将来を見据えた教育改革を積極的に推進するとともに、各分野でのDXを加速します。
 加えて、物価高騰の長期化を見据えた取組の促進など、県政の諸課題にも積極的に対応していきます。今般、物価高騰対策本部会議の中で取り上げたもの以外については、こちらの方でも取り上げていきたいと考えています。
 同時に、県政の重要施策の着実な推進や緊急的な課題に対する機動的な対応が可能となるよう、持続可能な財政運営をこれからもしっかりと目指していきます。

 具体的な指示事項としては、主要テーマを「子ども・子育て支援」と「物価高騰対策」として、これらについて特別な要求枠を設定し、全庁を挙げて取り組んでいきます。
 また、重点枠事業費の要求枠を10億円増額し、総額50億円とし、教育改革の推進やDXの加速をはじめ、次期基本計画に基づく取組を早期に展開していきたいと考えています。
 さらに、社会資本整備(公共事業関係費)や施設等整備についても大胆な発想で検討するよう指示しています。
 事業構築に当たっては、前例にとらわれることなくダイナミックな発想で、アウトプットよりもアウトカムを意識して作業するよう指示しました。事業を行った結果、どういう世の中になるのかということを意識して事業構築するよう指示しました。
 ソフト事業は、市町村と共に県全体で広がりのある取組の実施や、市町村や広域連携の重要政策には思い切った協力も検討していきたいと考えています。
 また、財政規律の維持について常に意識しながら、新規事業を立案するだけではなく、思い切って既存事業を廃止することも必要ですので、そのあたりも積極的に提案するよう指示しました。
 いよいよ本格的な予算の編成ということで、政策がさまざまスタートすることになります。県民の皆さまの期待も大きいと感じていますので、しっかりと取組を進めていきたいと考えています。

【中小企業者等LPガス・特別高圧電気価格高騰対策支援金について】
 続きまして、こちらは5月補正の事業となりますが、「中小企業者等LPガス・特別高圧電気価格高騰対策支援金」の申請受付を開始しました。LPガスについては、毎月30立方メートルを使った場合には1万5千円程度の補助(※LPガスの支援には上限がありません)、特別高圧電気については最大425万円程度の補助となります。国では都市ガス、低圧電気、高圧電気の補助を実施していますので、国の支援が行き届いていない部分を県でフォローするということで、国の交付金を活用した事業になっています。
 申請者の主たる事業所のある地域を管轄する商工会または商工会議所等が窓口となりますので、そちらに申請していただきたいと思います。

【奥入瀬自然博物館について】
 続きまして、「奥入瀬自然博物館」を期間限定で開館します。奥入瀬という地域全体をフィールドミュージアムとして、手つかずの自然が織りなす数々の造形美、自然が創り出したBGMとも言える清流のせせらぎ等の世界に誇れる作品群を、国内外のたくさんの方々にご鑑賞いただくという試みです。
 つまりは、交通規制を実施して、グリーンスローモビリティという電気自動車を走らせて奥入瀬を楽しんでいただくということです。10月23日から29日までの1週間、ちょうど紅葉の見頃の時期と重なりますので、ぜひ多くの県民の皆さまに楽しんでいただきたいと思います。

【あおもりマッチングシステム「AI(あい)であう」運用開始1周年の実績】
 続きまして、結婚を希望する男女の出会いを支援するあおもりマッチングシステム「AI(あい)であう」の運用開始から、1周年となりましたので、実績をご紹介させていただくとともに、改めてPRさせていただきます。
 「AI(あい)であう」は、いつでもどこでもお相手検索ができるということ、AIが相手を紹介してくれるということ、県が運営しているということで安心してご利用いただけます。
 これまでの利用者登録数は累計で720人、お見合い成立数が延べ689組、そのうち交際成立数が延べ269組、結婚して退会された方が10人ということで、徐々に成果も出始めています。ぜひ結婚をお考えの皆さまに登録いただきたいと考えています。

【「やってみよう、てまえどり!キャンペーン」実施について】
 続きまして、「やってみよう、てまえどり!キャンペーン」についてです。食品ロス削減のための取組として、消費期限や賞味期限が近い商品の積極的な購入を促す「てまえどりキャンペーン」を実施しています。商品棚の一番前から商品を取るという取組です。10月1日から31日までの1か月間、県内のスーパー等計12社、153店舗が参加しています。
 対象商品に貼られたキャンペーンシールを集めて応募いただくと、抽選で500名の皆さまに青森県産米「はれわたり」が当たります。皆さまからのたくさんのご応募をお待ちしております。
 日頃の買い物の仕方を少し工夫するだけで、食品ロスの削減につながりますので、ぜひ皆さんも「てまえどり」を実践し、食品ロスの削減にご協力いただくようお願いいたします。
 私も、アイスクリームを奥の方から取る癖がありましたが、手前から取るようにします。アイスクリームは対象商品ではありませんが、そのような癖をつけていきたいと思っています。

【スマートムーブ通勤月間について】
 続きまして、県では、10月を「スマートムーブ通勤月間」とし、毎年県内の事業所を対象に、参加を呼び掛けています。
 「スマートムーブ」とは、公共交通機関の利用や、車の運転時におけるエコドライブの実践、あるいは徒歩や自転車での移動など、その時々に合わせた「エコで賢い移動方法」を選択するライフスタイルのことです。
 昨年度の通勤月間にも、多くの事業所の皆さんにご参加いただき、全体で約6万8千キログラムのCO2削減効果を達成することができました。ご協力ありがとうございました。
 今年度も、より多くのCO2排出削減効果を実現できるよう、10月はスマートムーブに取り組んでいきますので、各企業の皆さまのご参加をお待ちしています。詳しくは県ホームページをご覧ください。
  
【質疑応答】
〇幹事社
 ありがとうございます。それでは質問に移ります。
 1点目、いわゆる「2024年問題」について、トラックドライバーなどの業種における労働時間の規制開始が来年4月と、半年後に迫っており、全国知事会においても「物流の2024年問題」解決に向けた緊急要望を行ったところです。また、知事は先般、県内の運送会社と対話集会を開くなど、この問題を喫緊の課題として捉えていることと思います。そこで、農林水産物の生産が盛んな青森県においては、首都圏などの大消費地向けのトラック輸送が主流になっていると思いますが、特に農林水産分野において、どのような対応が必要と認識しているかお聞かせ願います。

〇知事
 農林水産分野という以前に、そもそもこの労働法制そのものが労働者から仕事を奪うということに大きな懸念を抱いています。農林水産分野に限らず全ての分野、関連するあらゆる分野において荷主側の支援、あるいは荷役に対する意識改革が必要だと考えています。
 本県の本質的な課題は、距離だと認識しています。首都圏を含む大都市圏までは陸路で最も遠い距離にあるという本質的な課題があります。
 労働時間が規制されれば、当然距離を生み出すことができませんので、そこをどうにかしていかなければならないと考えています。
 960時間の規制は無理だとしても、1日15時間という労働時間の規制に例外があり得るのかどうか。そして、それが合理的な形で要望ができるのかを突き詰めていきたいと考えています。
 いずれにしても、政府においては、労働制度の枠組みを超えた対応が必要ということも改めて認識していただきたいと考えています。

〇幹事社
 2点目ですが、今日も2回目の放出が始まっている処理水の海洋放出についてです。
 中国が日本産の水産物の輸入を停止するなど、県内のホタテをはじめとする水産業への影響が懸念されています。知事は先般、「青森県ホタテガイ流通緊急支援パッケージ」を発表し、国内外での対策を打ち出したところですが、現在の県産ホタテ漁業者等に対する支援の進捗と、対応等を進めている中で見えてきた課題や、新たに必要と考えている支援策などについて、お聞かせ願います。

〇知事
 緊急支援パッケージについては、まだ進捗していません。これから順次取り組んでいきたいと考えています。
 現状、見えてきた課題があるとすれば、国内の流通に関して、これまで日常的にホタテが各家庭の食卓に並ぶことがなかったと思います。そのような環境の中で、中国へ輸出していた分を果たして本当に国内で消費できるのか、単純に足し算や掛け算、割り算をしていく中で、国内消費できるのかを非常に心配しています。
 また、輸出した両貝冷凍(貝殻つきのまま冷凍する加工方法)用のホタテなどが仮に日本に戻ってきたとしても、そもそも加工技術や加工施設などが国内にないわけですから、現状、輸出していた分をどうするかについても、非常に難しい対応になると考えていますし、国内の消費に回すことの難しさを今、感じている状況です。
 これからの対策という点については、少なくともパッケージでお伝えしているように県内で取引されているスーパーなどにしっかりと売り込んでいくことと、既に始めている県産品フェアの中でホタテを主力として扱っていくこと、さらには学校給食の中でホタテを取り扱っていくことです。そして、販路という意味では、台湾を中心に新しい輸出先を見つけることと、最後は全国、全世界を視野に入れた輸出先を確保していくことだと考えています。
 先月の中旬に発表して、本日までにそれほど進捗していないということは私自身としても非常に難しい状況にあると認識していますが、議会終了後、直ちに「陸奥湾ホタテガイ総合戦略チーム」を立ち上げて、その中で議論をし、対策を加速していきたいと考えています。

〇記者
 来年度予算の編成方針について、主要テーマとして子ども・子育て支援と物価高騰対策の予算を別枠で確保するということだと思いますが、この2つの政策課題を選んだ理由を改めてお聞かせください。

〇知事
 本県の最重要課題と認識しているということでご理解ください。

〇記者
 子ども・子育て支援と物価高騰対策がなぜ最重要課題なのか、それぞれについてもう少し詳しくお聞かせください。

〇知事
 物価が上がって生活が苦しいというのは、事業者のみならず全県民が今感じていることだと思いますし、そのことで先行きに不安を持っている方々も多くいらっしゃることから、物価高騰対策については、生活という意味での最重要課題の1つであると認識しています。
 そして、本県の未来を考えた時に、人口減少にどう立ち向かっていくのかという中では、子ども・子育てに関する課題や、少子化をどう克服していくのかということが大きな課題であると認識していますので、この2本を最重要テーマとしています。

〇記者
 子育て支援に関して、来年度から各種経費についての本格的な無償化に向けた予算措置が始まると思いますが、一旦、無料にしたものをまた有料に戻すというのは現実的に難しいと思いますので、再来年度以降の予算でも子育て無償化というのがある程度必要になってくると考えます。これは来年度だけではなく、再来年度以降も基本的に続いていく予算枠ということで捉えてよろしいでしょうか。

〇知事
 当然そうだと思います。中長期的な財政の見通しの中でスタートする予算になります。そのことは、無償化だけでなく、あらゆるところで、自治体の予算として基本的なことだと私は考えています。

〇記者
 こうした新しい政策課題などがある中で、収支均衡を保つために、先ほど事業のスクラップというお話もありましたが、事業の縮小や廃止を決める上での知事ご自身の判断基準があればお聞かせください。

〇知事
 無駄だと思うものは徹底的に削減していくことだと考えています。

〇記者
 例えば費用対効果とか、観点としては何かありますか。

〇知事
 費用対効果ももちろんですが、全県的な広がりがあるか、将来にわたってアウトカムとして世の中が変わっていく見通しがその事業を進めていくことによってあるのかなど、さまざま廃止の基準があると考えています。

〇記者
 段階的な子育て無償化の見通しについて、知事が議会答弁の中で、今般の子育て応援金の給付に絡めて、子育て費用の無償化を来年度から本格的に実施する前に、本年度分としてできる限り実施したいという気持ちがあったと説明されています。予算編成方針でも特別枠を設定されていますが、現状で固まっている、あるいは検討されている事業スキームなどがありましたら教えてください。

〇知事
 これからです。これから始めるというアナウンスをさせていただいています。

〇記者
 それに関連して、物価高騰についての補正予算で各種施策が講じられることになりますが、本日の資料の中に「持続的な対応」という表現が盛り込まれています。それは今までやっているもの、あるいは補正に盛り込んでいるものなどと、何か違いがあるのでしょうか。

〇知事
 特に違いはありませんが、給付を前提にするということではなく、事業構造の転換を前提にすることの予算だと理解してください。そして、今年度の5月補正予算や今回の9月補正予算でさまざまな物価高騰対策を実施していきます。そうしたところの効果も見極めながら事業構築をしていきたいと考えています。

〇記者
 知事がかねてから県財政で貢献するとおっしゃってこられましたが、特別枠を設定されていることを踏まえて、改めてこの予算でどう表現していきたいかというのをお聞かせください。

〇知事
 県財政の県経済に対する貢献を予算でどう表現するかということですが、県民の皆さまが今、必要な政策、そして県民の皆さまが将来にわたって必要とする政策、これを今までの前例にとらわれずに大胆な形で事業として提案をしていくことだと考えています。
 いつも、こういうことを言うと具体性がないとか抽象的だと指摘されますが、それはそういうもので、今、私が事業を言ってしまえば、それを皆さんが報道して来年度の予算になるような話につながりますので、基本コンセプトだけをまずはお伝えしておきます。

〇記者
 予算に関連して、基本計画重点枠事業費を前年度比で10億円積み増しすることについて、10億円とした根拠をお聞かせください。

〇知事
 特に10億円とした根拠はありませんが、昨年度以上に力を入れたいという気持ちの表れだと捉えてください。

〇記者
 今回の予算の編成にあたって、三村前知事との予算編成の違いをどういったところで出していかれるかお聞かせください。

〇知事
 予算編成の進め方の指示事項とした事業構築にあたっての5つの項目が、まさに違いなのではないかと考えています。ただ、違いということにあまり意味はないと思います。

〇記者
 9月議会の冒頭で、再エネの新税を含む再エネとの共生構想を念頭に置いた発言をされた際に、議会から丁寧な説明をしてほしいと、議会側が報道で知るようなことはいかがなものかというような発言が県議会議員からありましたが、知事としての受け止めと、今後はどうしていきたいかなど、そういうものがあればお聞かせください。

〇知事
 県議会の中以外での県議会議員のコメントについて、私は申し上げることはございません。当然ですが、一般論として、県議会には議案を通じて丁寧にご説明させていただくという方針は、これまでも、これからも変わるところはございません。

〇記者
 重点枠事業費の50億円について、この50億円を具体的に何に充てるとか、どういうものに使うというのは、今のところはまだ決まっていないのでしょうか。

〇知事
 それを決めるのが予算編成です。

〇記者
 重点枠事業費の財源について、50億円というのは昨年度から10億円積み増しということになりますので、財政規律を保ちながら財源を捻出するということもありますが、知事としてどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 本県は決算ベースで7千億円を超える財政規模となります。重点枠事業費に10億円を計上することは、さまざまな調整の中でできることだと考えていますので、特にこの10億円のために何かを削るということではないと考えてください。
 税収そのものについても、増収等を見越している部分も当然あるでしょうし、そのやり繰りの中で捻出させていただいています。
  
〇記者
 事業のスクラップ&ビルドをしながら捻出していくという形でしょうか。

〇知事
 スクラップ&ビルドとはまた別の話で、元々予算編成する際には、来年度の税収も含めた歳入が大体どのくらいかというのをまずは基本的に考えます。その歳入がどのくらいかと考えた時に、大体大枠でその重点枠事業費にはこれくらいを使える、あるいは特別な要求枠にはこれくらい使える、そして一般的に、既に義務的な経費となる人件費などもありますので、そういうものでどのくらい使うかということを算出した上で、可能な範囲で10億円というのをプラスできるということになりました。
 予算編成の前に何かをスクラップ&ビルドをしているということではありません。

〇記者
 予算の関係で「DXの加速」とおっしゃっていましたが、単なる「デジタル化の推進」との違いを教えてください。

〇知事
 端的に言うと、デジタル化というのは世の中の変革を伴わないものです。DXというのはデジタル化したことによって何か世の中が変わっていくということの違いがあると一般的に言われています。私たちもDXを推進することで青森での生活が便利になる、青森に若い人たちがたくさん来るようになる、高齢者などの普段デジタルになじみのない人たちでも生活が豊かになるなど、そういうことを念頭に入れてDXという表現をしています。

〇記者
 今月平内町長選が予定されており、現職の方、新人の方が出馬を表明しています。これに関連して、自治体の首長選に対する知事のスタンスについてお伺いします。
 三村前知事に関しては、この定例会見の場で、基本的に首長選は地域の方々の判断の問題ということで中立を貫いてこられました。
 知事は市長時代からさまざまな選挙で応援弁士を務めてこられましたが、知事という立場になると臨むスタンスも変わってくると思います。三村前知事と同じように中立を貫くのか、それともどちらかの方を応援するような形になるのか、その理由もお聞かせいただければと思います。

〇知事
 これは非常に大事な話だと思いますが、今どう考えているかということについてお話しさせていただきます。
 6月の知事選挙では、自分を応援してくれる方、そうではない方がそれぞれいらっしゃいました。そういうことを振り返っていくと、一体何だったんだろうなという思いがあります。つまり、誰がどの候補者を応援しているかということが報道されると、それを見て「そうだったのか」と思うようなことがありました。
 そういうことを考えていくと、やはり地域のことは地域で決めるものであり、私自身が応援するかどうかを表明すること自体が、あらゆる選挙で必要のないことなのではないかと考えています。

〇記者
 中立を保つという理解でよろしいでしょうか。

〇知事
 中立というのは少し上から目線で、関与している感じがします。突然聞かれたので適切な言葉が見当たらないのですが、少なくとも地域のことは地域で決めるということ、そしてその結果を尊重するということが私の正しい振る舞いなのではないかと考えています。

〇記者
 表現としては、「関与しない」という言い方でよろしいでしょうか。

〇知事
 「関与しない」と言ってしまうと、関与することが前提のような感じがします。首長選挙については地域が決めるべきことであり、そして私は地域の有権者が決めたことを尊重するという立場であるということでご理解いただきたいと思います。

〇記者
 分かりました。平内町長選に関しては、知事がご当選されてから初めて(無投票以外の)割れるような選挙になっています。新人の方に関しては、山本むつ市長や山﨑外ヶ浜町長などが応援に駆け付けています。そちらに関しても、今おっしゃったような地域の方々の判断を尊重するというお立場で理解してよろしいでしょうか。

〇知事
 もちろんです。それはそのとおりと受け止めてください。

〇記者
 八戸市の駅弁メーカー吉田屋の食中毒について、患者の確認が広く全国に広がっていることについての受け止めをお伺いします。
 また、中核市ですので八戸市保健所が主に対応にあたっているわけですが、これについて県としてこれまで何らかの助言や協力等をしたのか、あるいはこれから何かしていくお考えがあるのかを伺います。

〇知事
 まず受け止めとしては、私自身も全国にこれだけ広がっているということについては驚いていますし、非常に残念な思いであります。そのため、同社および八戸市保健所は、原因究明も含めて、消費者に対して丁寧に説明をしていく必要があると考えています。
 現状、県としてどのような状況なのかは、健康福祉部長からご説明いたします。

〇健康福祉部長
 ご質問にございましたとおり八戸市が保健所を設置しているので、基本的には八戸市が主体で対応しています。県としては県全体を見る観点で、県が所管する事業者に対する確認なども行っています。
 加えて八戸市保健所で検査ができない部分がありましたので、これは県が設置する保健所の方で検査に協力をする、あるいは八戸市保健所が業者に立ち入り検査に入る際には県の職員・監視員も同行させまして、八戸市に対して助言を行っております。引き続き八戸市に協力してまいります。

〇記者
 今、知事のお話にも少々答えがあったと思いますが、この一連の問題が発覚してから半月以上が経過したものの、吉田屋はこれまで記者会見等もしておらず、説明責任をしっかり果たしているとはなかなか言えない状況かと思います。
 こうした点も踏まえて、知事として同社にどういった対応を求めていきたいでしょうか。

〇知事
 直接、一事業者に知事が対応を求めるということは、権限も含めて、難しいことであると考えています。しかしながら、今おっしゃっていただいたように、これほど大きな問題となっているにもかかわらず、しっかりとした説明責任を果たしていないというのはそのとおりだと思います。今後、事業者が説明責任を消費者あるいは県民に対して果たしていくことに期待しています。

〇記者
 県職員の福利厚生の一つである扶養手当についてお伺いします。
 先般、北海道の札幌地裁で、同性のパートナーがいる北海道の元職員の方が、パートナーが配偶者として認められずに扶養手当が支払われないのは憲法違反だと訴えた訴訟がありました。地裁は訴えを退けましたが、全国で見ると既に10を超える都道府県が同性パートナーであっても扶養手当を支給できる運用をしている、ないしは今後検討するという考えを示しています。
 青森県は現在、支給対象外としていますが、LGBT理解増進法施行といった社会情勢も踏まえて、今後こういった点を前向きに検討するお考えはないか、知事のお考えを伺います。

〇知事
 現時点では、職員の方からそういった要請はありませんので、今後そういう声があればしっかり検討することになります。今回の札幌地裁の判決も踏まえて検討していくことであると考えています。

〇記者
 幹事社質問に出た2024年問題に関連してお伺いします。
 以前、全国知事会の中で労働時間の規制、例外について検討の余地があるのではないかとおっしゃっていたかと思います。その例外があり得るのかという発言で、具体的に今後、どのように検討を進めていくのか、例えば有識者を呼ぶのか、あるいは県庁内で検討をするのかなどのお考えをお聞かせください。

〇知事
 物価高騰対策本部の中で議論を進めるということを表明しておりますので、県庁の内部でしっかりと議論を重ねていきたいと思います。
 結局、時間を埋めるために距離を縮めるとすると速さを出さなければなりませんが、高速道路の速度というのは変わらないわけですからそんなことにはならないでしょう。仮にこれを変えたとしたら、今度は危険になっていくし、いろんなことが起こるわけですから、この距離はどうやっても埋まらないのではないかと考えています。
 確かに大手では中継点を作ったりもしていますし、国は協業化と言ってそれぞれ受け渡しも含めて協業してやったらいいとは言うものの、それは産業構造そのものが変わる場面になってしまうのではないかと考えています。その準備を果たしてきたかというと、確かに大手ではできた部分もあるかもしれませんが、中小の運送事業者はそもそもそういうことができる環境にはないという部分もありますので、960時間という法定の時間は難しくても、1日に走る距離の時間は変えられるのではないかと考えています。
 ただし、その要望が本当に合理的な要望なのかということをよく考えて、言うべきタイミングがあれば言っていきたいと思っています。
 それから本当に大事なのは運賃だと思います。適正な運賃が確保できるような仕組みづくりが本当は必要だと考えていますが、なかなかそういうところに至っていないと感じています。

〇記者
 話題は変わりまして、ライドシェアについてお伺いします。一般ドライバーが自家用車を使って有償で人を送迎するライドシェアについて、菅前総理をはじめ自民党内で解禁に前向きな意見が出ています。一方でタクシー業界は競争激化を警戒して強く反対していまして、国交省も安全確保の観点で問題があるとして慎重な姿勢を示しています。
 青森県の将来的な地域構想のあり方ですとか、過疎地域の生活の足をどう確保するのかといった課題があるかと思いますけれども、ライドシェア解禁についての知事のお考えをお願いします。

〇知事
 解禁されたわけではありませんので、解禁に対する見解はありませんが、ただ1つの方向性としては十分検討の余地があると思います。
 諸外国では、導入しているケースもありますし、日本でそれができないということもないと思います。実際、運送業界、特にタクシー業界は人がどんどん減っていますから、公共交通としての機能が確保される台数やネットワークが確保できるのかということと、そのライドシェアをどう進めていくのかということは密接に関連していくことだと考えています。当然、タクシーの台数が少ないエリアというのはあるわけですから、高齢者の免許返納等とも併せてしっかり考えていかなければならないと思います。

〇記者
 教職員の給与特別措置法についてお伺いいたします。
 公立学校の教員について、時間外勤務手当等を支給しない代わりに、給与特措法に基づいて月給の4パーセントに相当する教職調整額というものが支給されています。給特法をめぐっては東京高裁が一般労働者と同様の割増賃金制度はなじまないという判決を出していますが、教職員確保の観点から、給与特措法の廃止の必要性を知事はどういうふうに考えておられるかということと、教職員の給与のあり方について知事の見解をお伺いします。

〇知事
 給特法の廃止や教職員の給与のあり方ということについては、単純な話ではないと考えており、教員の働き方改革全体の中で議論すべきことだと思います。
 今、青森県教育改革有識者会議の中でも話題になっていますが、やはり人手不足になっており、学校を支えるために皆が負担をしていて、学校外の保護者対応や部活動対応もしなければならないという環境にあり、先生たちが過重労働になっています。したがって、給特法の廃止など、教員の給料のあり方だけを改善しても、そういうところが改善されなければ、今の質問の趣旨にあるような処遇の改善や教員の担い手確保ということには、つながっていかないと考えています。

〇幹事社
 最後に知事から一言お願いいたします。

〇知事
 昨日、鶴田町の相川町長と津軽ぶどう協会の皆さんがスチューベンを持って、表敬に来てくださいました。本当に驚きの甘さで、今年のスチューベンはすごくいい出来栄えだなと思いました。今週末は鶴田でスチューベンぶどう祭りが開催されますので、放送をご覧の皆さまにもぜひ行っていただきたいと思いますし、報道機関の皆さまもぜひ取材をお願いします。
 青森の秋は、本当に実りの秋でありまして、知事に就任して3カ月が経ちましたが、本当にそのことを実感しています。はれわたりや青天の霹靂も試食しましたが、それぞれ特徴があって素晴らしい食味になっています。多少、高温の障害が出ているような気もしますが、味には全く関係ないので、素晴らしい味になっていると実感しました。
 特に今年、全国デビューするはれわたりは、全国の消費者に自信を持って薦められると実感していますし、リンゴの中生種のトキもいただきましたが、非常にみずみずしい出来になっています。
 収穫の秋、実りの秋、そして食欲の秋ということで、県民の皆さまと青森の秋を楽しみながら全国にしっかりとPRしていきたいと考えています。食べ過ぎて、次の会見の時に「天高く知事肥ゆる秋」というふうにならないように気をつけていきたいと思います。
 以上、本日の発表とさせていただきます。ありがとうございました。

過去の記者会見録

令和4年度 令和3年度 令和2年度 平成31年度(令和元年度)  平成30年度  平成29年度  平成28年度  平成27年度  平成26年度  平成25年度  平成24年度  平成23年度  平成22年度  平成21年度  平成20年度  平成19年度  平成18年度  平成17年度  平成16年度 

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • twitterでフォローする