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更新日付:2023年9月4日 広報広聴課

知事記者会見(臨時)/令和5年8月29日/第13回核燃料サイクル協議会

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知事記者会見録

会見日時:令和5年8月29日火曜日 13時00分~13時45分
会見場所:都道府県会館101大会議室
会見者:宮下知事

○司会
 本日はお集まりいただき、ありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから、本日の核燃料サイクル協議会に係る知事記者会見を行います。
 それでは、宮下知事から本日のサイクル協議会についてご説明申し上げます。

○知事
 皆さん、本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日、第13回核燃料サイクル協議会が開催されました。その概要についてご報告します。
 核燃料サイクル協議会につきましては、これまでも、核燃料サイクル政策に係る重要な節目において、本県の要請を受け、国が開催してきました。
 今回、新知事の就任ということもありまして、大きな節目に当たって、私自身の言葉で、青森県の現状等を関係閣僚にお伝え申し上げまして、改めて国から原子力・核燃料サイクル事業についての考え方、今後の見通しについて伺いました。
 本日は、松野内閣官房長官(以下、松野官房長官)、高市科学技術政策担当大臣(以下、高市大臣)、西村原子力防災担当大臣、永岡文部科学大臣(以下、永岡大臣)、西村経済産業大臣、池辺電気事業連合会会長(以下、池辺会長)にご出席いただきました。
 私からは、冒頭、原子力・核燃料サイクル政策について、私自身の基本認識をお伝えした上で、以下6項目について、11件の確認と6件の要請を行いました。
1点目が 原子力・核燃料サイクル政策の推進について
2点目が 原子力施設の安全性の確保について
3点目が 特定放射性廃棄物の最終処分と搬出期限の遵守について
4点目が 地域振興と立地地域との共生について
5点目が 原子力防災対策について
6点目が 使用済燃料対策について

 この具体的な内容については、スクリーンの方に私から確認した事項、それから要請した事項について記載しています。記者の皆さまには資料をお配りしておりますので、こちらは省略いたしまして、私の方からは、各関係閣僚、大臣等から、どういったコメントがあったのかということを中心にお伝えします。これは読み上げになりますし、また皆さんメモを取るのも大変かと思いますので、もし分からない点や聞きづらかった点があれば、質疑の際に改めて申し上げます。

【原子力・核燃料サイクル政策の推進について】
 まず1点目の「原子力・核燃料サイクル政策の推進について」、まずは西村経済産業大臣から、
・原子力・核燃料サイクルの推進は、我が国の基本的方針として、引き続き堅持していく。
・軽水炉サイクルの実現に向け、六ケ所再処理工場やMOX燃料加工工場のしゅん工は最も重要な課題であり、安全性の確保を大前提に、しゅん工目標の達成と操業に向けた準備を、官民一体で進めていく。また、回収したプルトニウムを再利用するプルサーマルについては、2030年度までに少なくとも12基でのプルサーマル実施を目指し、事業者と連携しながら一層推進していく。
・高速炉は、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減や、資源の有効利用等に資するものであり、高速炉サイクルの実現に向けて、今後とも開発を推進していく。
・原子力利用の基盤である技術・人材の維持・強化は、重要な課題であり、長期的な目線に立って、しっかりと取り組んでいく、という旨の発言がございました。
 また、高市大臣からは、
・我が国は、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を堅持しつつ、核燃料サイクルを推進することとしている。
・今後とも、プルトニウム保有量の適切な管理と利用に取り組んでいく、という旨の発言がございました。
 また、永岡大臣からは、
・核燃料サイクルの確立や原子力の安全性の向上に向け、研究開発の推進や高いレベルの人材の確保・育成は重要である。
・今後とも、地元とよく相談しながら、引き続き取組を進めていく、という旨の発言がございました。
 最後に、池辺会長からは、
・原子燃料サイクルについては、再処理事業の着実な実施や、プルサーマルによるプルトニウムの適切な利用など、総合的かつ整合的にしっかりと対応していく。
・引き続き、六ケ所再処理工場の確実な審査対応と早期しゅん工に向け、日本原燃をオールジャパン体制で支援していく。
・プルサーマルの早期かつ最大限の導入を目指すとともに、2030年度までに少なくとも12基のプルサーマル実施を目指すため、情報共有、事業者間でのプルトニウム交換などを計画的に進めている、という旨の発言がございました。
 私自身のこの論点についての受け止めを申し上げますが、これまでの見解どおりの確認ということであったと認識しています。

【原子力施設の安全性の確保について】
 続きまして、2点目の「原子力施設の安全性の確保について」は、まず西村経済産業大臣から、原子力事業者に対しては、原子力規制委員会の審査に的確に対応し、安全対策工事を着実に実施するとともに、自ら安全を不断に追求していく組織体制の整備を進めるよう、引き続き指導していく旨の発言がございました。
 また、池辺会長からは、発電所運営における自主的安全性向上の取組として、昨年10月に設置した安全マネジメント改革タスクチームの仕組みを活用し、継続的に安全マネジメントの品質を高める活動を行っている旨の発言がございました。
 2点目の論点につきましても、私自身としてはこれまでの方向性の確認ということだったと認識しています。

【特定放射性廃棄物の最終処分と搬出期限の遵守について】
 3点目の「特定放射性廃棄物の最終処分と搬出期限の遵守について」、まずは、西村経済産業大臣から
・青森県を特定放射性廃棄物の最終処分地にしないとの約束を引き続き遵守する。
・文献調査の実施地域の拡大を目指し、最終処分に向けた取組を加速させることにより、早期に最終処分地に関する目途がつけられるよう、最善の努力を尽くしていく。
・日本原燃で貯蔵されている高レベル放射性廃棄物については、事業者において地元との搬出期限の約束を遵守するよう、国として指導する、という旨の発言がございました。
 池辺会長からは、
・青森県を特定放射性廃棄物の最終処分地にしないことの確約は引き続き遵守する。
・発生者としての基本的な責任を有する立場から、最終処分の実現に向けて、国・NUMOとの連携を強化しつつ、文献調査の実施地域の拡大に取り組んでいく。
・青森県に搬入されたガラス固化体の搬出期限については、事業者として責任を持って遵守し、そのための取組についても検討する、という旨の発言がございました。
 重要論点でありますが、これまで同様の見解を政府、経済産業大臣からいただいております。また、池辺会長からは、搬出期限を遵守する旨の発言、そして今回新たに「そのための取組についても検討する」旨の発言がありました。

【地域振興と立地地域の共生について】
 続きまして4点目「地域振興と立地地域の共生について」、まずは西村経済産業大臣から、青森県はエネルギー・原子力政策において極めて重要な地域であり、立地市町村をはじめ、周辺市町村や青森県の持続的な発展を図っていくことが重要と認識している。このため、要請を踏まえ、国や立地自治体、事業者などが一体となり、地域と原子力施設の共生に向けた方策を検討する会議体を早期に設置したい、という旨の発言がございました。
 また、池辺会長からは、
・青森県の発展に貢献するため、地域振興への協力にしっかりと取り組んでいく。
・協力の内容や新たな会議体を含めた進め方については、我々事業者としても、有効な協力ができるよう、今後、国や県としっかり相談して進めていく、という旨の発言がございました。
 この論点については、西村経済産業大臣から新たな協議会の設置についての確約がございました。立地自治体を中心に本県全体の発展のために、この会議を中心に進めていきたいと考えています。

【原子力防災対策について】
 続きまして5点目の「原子力防災対策について」は、西村原子力防災担当大臣から、
・避難道路や放射線防護対策施設、オフサイトセンターの整備などの原子力災害対策や原子燃料サイクル施設を含む「東通地域の緊急時対応」の取りまとめに当たっては、関係省庁や関係自治体と連携し、原子力防災体制の充実・強化に着実に取り組んでいく。
・引き続き、国も前面に立ち、原子力災害対応のさらなる実効性の向上を図っていく、という旨の発言がございました。
 国から、こうした形でオフサイトセンターの整備等についての具体的な言及がございました。今後必要となる大間原子力発電所および使用済燃料中間貯蔵施設に係るオフサイトセンター等について、これを契機として、国とともに議論を進めていきたいと考えています。

【使用済燃料対策について】
 最後6点目ですが、「使用済燃料対策について」、まずは西村経済産業大臣から、
・今後も安定的に原子力発電を利用していくため、しゅん工に向けて最終段階にあるむつ中間貯蔵施設の事業開始について地域を挙げて協力していただきたい。
・全国的に見ても、貯蔵能力の拡大に向けた具体的な取組の進展は重要な課題と認識しており、事業者間の一層の連携強化を進めることも使用済燃料対策の柔軟性を確保する上で大きな意義がある。
・この課題に対して、立地自治体の意向も踏まえながら、国も事業者とともに、前面に立って主体的に取り組んでいく、という旨の発言がございました。
 続きまして、池辺会長からは、原子力事業者としては、地域の皆さまの理解をいただきながら、必要な対策を安全かつ計画的に講じていく旨の発言がございました。
 これに対する私の受け止めですが、西村経済産業大臣にむつ市の中間貯蔵施設への高い期待と政府全体にその存在感があることを認識しました。貯蔵能力の拡大や事業者の連携については、立地地域の意向を踏まえるという旨の発言がありましたので、私としては、従来どおりの対応であると考えています。
 本日、RFS(リサイクル燃料貯蔵株式会社)より、リサイクル燃料備蓄センター保安規定の変更認可について一報がありました。これについての見解は、明日、同社より説明を受ける予定になっていますので、それを受けて、その際に皆さまにお伝えします。
 以上、一連のやり取りがありました。

 最後に、私から改めて、松野官房長官に対して、(1)原子力・核燃料サイクル政策の推進が我が国の基本政策であり、安全確保を第一に、政府一体として取り組んでいくという決意、それから、(2)特定放射性廃棄物の最終処分については、一刻も早い最終処分の実現に向け、政府一丸となってその取組を加速化させていただきたいと、そのことについての決意、さらに、(3)原子力施設と地域の共生の実現に向け、政府一体となって取り組んでいただきたいということ、その決意、3点について改めてお伺いしました。
 これに対し、松野官房長官からは、
・我が国の原子力政策にとって、核燃料サイクルを確立することは重要な課題であり、中核となる六ケ所再処理工場のしゅん工目標実現と操業に向け、政府の総力を挙げて、事業者と一体となって取り組んでいく。安全性の確保を第一に、しっかりと核燃料サイクル政策を進めていく。
・特定放射性廃棄物の最終処分について、これまで関係閣僚と青森県知事との間でなされた「青森県を最終処分地にしない」旨の約束については、現内閣においてもしっかりと継承している。最終処分は必ず解決しなければならない課題であり、政府一丸となって、かつ、政府の責任で、最終処分の実現に向けた取組を加速していく。
・青森県には原子力施設が集中して立地しており、これらの施設が地域と共生していくことが重要であり、その実現に向け関係省庁が連携して取り組んでいく。
・今後も、原子力政策については、安全確保を第一に、政府一丸となって、ぶれることなく進めていく、という旨の発言がありました。
 一連のやりとりについては以上です。
 この後は、皆さまからの質問に応じてお答えさせていただきます。

○司会
 それでは質疑応答に入ります。質問のある方は挙手をしていただければ、マイクをお持ちいたします。

○記者
 資料の最後に中間貯蔵に関わる共同利用案の話が記載されていますが、これは実際にサイクル協議会で知事がご発言された内容でしょうか。

○知事
 いいえ、これは特に発言していません。

○記者
 経済産業大臣からは、使用済核燃料対策について、事業者間の一層の連携強化を進めることも柔軟性を高める上で大きな意味があるということがあったと思います。これはむつ中間貯蔵の共同利用を暗に示しているのではないかと思うのですが、知事の受け止めはいかがでしょうか。

○知事
 中間貯蔵事業、一般論について大臣がご指摘をしたということだと思っています。
 それに続けて、大臣の方からは、立地地域の理解が前提であるというお話がありましたので、個別のことであれば立地地域や県に何らかの話があると認識していますので、一般論だと私は受けとめています。

○記者
 先ほど個別の項目についてご評価をお伺いしましたが、全体的な評価としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

○知事
 今回の意義ですけれども、まず就任間もない中で、本事業に対する自分自身の考え方、今後の見通しということについて、しっかり関係閣僚にお伝えをするということが大事だと思っています。そのことについては冒頭の挨拶の中で凝縮したつもりです。
 また、今回も改めてという部分はあったんですが、官房長官はじめ関係閣僚からこれまでの考え方について、あるいは今後の見通しについて、責任ある立場でご答弁いただいたということには意義があると思っています。
 さらに、具体的に、地域共生のための協議体をつくるということや、オフサイトセンターの整備についての県内議論の開始、そして中間貯蔵については、国から地域を挙げた協力の要請があったということなどについては、個別の論点として非常に重要であり、意義があったと振り返っています。

○記者
 会議体について、具体的なことがまだ決まっていないとのことでしたが、これからのスケジュール感などをお聞かせください。

○知事
 遅くとも年内には第1回の会議を開いていただきたいと思いますし、それに向けて、県だけではありませんので、立地地域も含めて、議論を進めていきたいと考えています。

○記者
 先ほどの使用済燃料対策の部分で確認です。大臣の発言は一般的なものだというお話がありましたけれども、県としてはあくまで共同利用の案というのが持ち上がったという経緯を踏まえて確認したということでよろしいですか。

○知事
 はい、そのとおりです。2020年の冬にそういったお話があって、当時私は立地する自治体のむつ市長としての立場でしたけれども、突然立ち上がったことに対するさまざまな憶測やさまざまな出来事が青森県外で起こっているということについて、県民の皆さまやむつ市民の皆さまが心配している事も多いだろうということもあり、本件について改めてお伺いしました。
 経産省としては、中間貯蔵施設のあるむつ市ですね、地域を挙げてそのしゅん工に向けて協力してほしいということと、一般論としての中間貯蔵、これから事業者連携していかなければならないということや、貯蔵能力が拡大することは柔軟性が高まるというような認識を示していただいたと、こういうことに尽きるというか、それ以上でも以下でもないということのコメントだったと私自身は振り返っています。

○記者
 共同利用案の部分については、国としての回答は特段無かったということでしょうか。

○知事
 おそらく国の方も、青森県やむつ市の見解というのを十分理解してるんだと思います。我々として、立地協定の大前提があるということも理解していると思いますし、そういう意味では、共用化案そのものが青森県の中には、今の時点では、存在していないということは理解していただいた上での回答だったと振り返っています。

○記者
 最終処分に関してですが、電事連の会長から、取組を検討するという発言があったということですけども、そこをどのように評価しておられるかということと、現状の搬出期限が迫っている状況を、どのように受け止めていらっしゃるかということ、新たな業界としての取組にどういったものを期待したいかについてお願いいたします。

○知事
 取り組むということを明確に伝えていただいたということについては、非常に評価ができると、一歩前進したかなと考えています。
 搬出期限が迫っていることへの見解ですが、30年から50年という貯蔵期間を設定し、最初の30年が迫っています。これについては、イエローゾーンというか、黄色信号が灯ってきているということなので、やはり具体的に文献調査が進んだり、その先の調査が進んでいって、最終処分地の地点が少しずつでも明らかになってくるということには、これからも、国は全面的に主体性を持って取り組んでいただきたいと感じています。
 どういったものを期待したいかということですが、繰り返しになりますが、やはり国としっかり連携して、地点の確定に向けて進めていっていただきたいと思っています。

○記者
 確認ですが、国も事業者もこの課題に対しては、最終処分地の確定に向けて取り組んでほしいということですね。

○知事
 そうですね、一歩一歩、そのように進んでいってほしいと思っています。

○記者
 地域振興との共生に向けた会議体についてお伺いします。知事の中で、今、この会議体でどういうプランを練っておられるのか教えてもらえますか。

○知事
 具体的にはこれからですが、今日も冒頭の会見で申し上げたとおり、長年この事業を引き受けながらも、県民所得がまだ全国で相対的に低くワースト2位という状況、また道路網も含めた社会資本の整備もまだ完成されていないという状況です。こうした施設があれば、道路は基本的にはしっかりと出来ていなければならない思いますが、それもなかなか難しい状況です。医療の水準やその他の生活環境についても、医師不足というところから来るのもありますが、他の県に比べて高い水準を維持できているわけではありません。
 こうしたことについては、しっかりと改めて、立地自治体そして全県を見渡して、こうした計画の中に位置付けることで解決の道筋を国と一緒に作っていきたいと考えています。

○記者
 引き続きこの共生会議に関することなんですけれども、立地自治体や全県を見渡して議論をしていきたいという旨のご発言があったかと思うのですが、この参加メンバーとしては、国や事業者、そして地元とあったとき、この地元というのは、立地自治体である主にむつなのか、それとも津軽や三八など、全県が入るというイメージなのか、どういうイメージでしょうか。

○知事
 まずは少なくとも、立地4市町村には必ず入っていただくことになると思います。
 県内の市町村が全部入るということはないと思いますが、例えば市長会とか、あるいは町村会とか、そういう単位で出席をいただくことになるかと思います。それが委員になるのか、あるいはオブザーバーで入っていただくのかということについては、今後検討していきたいと考えています。

○記者
 中間貯蔵施設について、昨日、原子力規制委員会の保安規定の認可が通りまして、追加対策の工事が終われば、搬入できるということになるかと思います。一方で搬出が見込まれる新潟県の柏崎刈羽原発が、東京電力のテロ対策の不備などで核燃料を移動できない状態で、搬入の時期も見通せないという状況だと思いますが、これについて知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

○知事
 まず認識が少し私と違っていて、これで搬入ができるわけではありません。これから私達、青森県とその立地自治体と安全協定の締結を経なければ、そもそも操業開始ができないというのは、事実関係として指摘をしておきます。
 柏崎刈羽の移動禁止命令との関係ですけれども、それは私自身が答えるべきことではなくて、どちらかというと東京電力がしっかり答えを持って対応していくことだと思いますし、それを経て、おそらく操業開始になるのであろうと考えています。
 いずれにしても、明日、RFSの見解を改めて聞いた上で、お話をさせていただきます。

○記者
 協議会の冒頭の挨拶で、むつ製鉄ですとか原子力船「むつ」にも触れて、国策に翻弄されてきたというお話も強調されていましたけれども、そこは敢えて閣僚に伝えたかった真意みたいなものが、もしあればお聞かせください。

○知事
 やはり地元の地域の苦労の歴史については、分かっていただいているとは思いますが、必ず伝えなければいけないことだと考えています。そして、必ずしも青森県が誘致をし、あるいは立地要請を受けて、現状ある、一連の原子力・核燃料サイクルの事業施設群が機能しているわけではありません。ここまで来るのにも大変な県内を二分する論争があり、簡単ではない話だということは、しっかり私の口から関係閣僚に伝える必要があると思っています。まして、その地域出身の知事ということもありますので、はっきり申し上げる必要があったと感じています。

○記者
 最後に、官房長官にも改めて確認する場面があったと思うんですけども、それも、どうして改めて確認されたのかお聞かせください。

○知事
 こういう言い方がふさわしいかどうか分からないですけれど、我々は巨大官僚機構の中に生きているんですね。つまり、聞くことが決まっていて、答弁の方向性も大体みんなで考えていると。しかし、それを乗り越えて、やはり一政治家として私達がこの事業にどう向き合っていくかということがすごく大事だと思います。そうした中で、改めて自分の決意も述べましたので、官房長官のその決意もお伺いしたということです。それに対しては、本当に真摯に答えていただきましたので、その部分は非常に意義のあることかなと思います。

○記者
 立地地域との共生についてお伺いします。先ほどの質問と被るところがあるのですが、地域と原子力施設が共生していく狙いなどはありますか。知事が思い描く未来像がどういったものかをお願いいたします。

○知事
 冒頭のご挨拶で申し上げたんですが、地域の理解なくしてこの事業は進みません。そして、その地域の理解というのは、地域の発展がその源泉にあるんだろうということをお話させていただきました。従って、誘致した企業が成長発展していくのに合わせて、地域が成長発展していく姿が描けなければ、その誘致が成功したというふうには言えません。まして、この国策である原子力・核燃料サイクル事業が、その事業だけが成功しても、それはある意味成功とは言えず、やはりその事業が成功した上で、地域が発展していく姿を描くことこそ、非常に重要なんだということを改めてお伝えしたということでご理解いただきたいと思います。

○記者
 そのためには、原子力施設の安全性とか計画通りの操業というのも前提にあると思うんですけども、その辺りは一体事業者に対してどういうふうに。

○知事
 計画通りの操業ということよりも、大事なのは安全性だと思っています。安全性が確保できなければ、これは稼働しても極めて難しい状況になるということだと思います。そして、計画が次に大事なのは、やはり行財政計画と大きく連動している部分が、各施設、各立地自治体がありますので、そうした意味では、計画の方も大事にしながら進めていっていただきたいと考えています。

○記者
 使用済燃料対策の部分で大臣の方から、地域を挙げて協力していただきたいという要請があったと思います。青森県では既に原子力政策に協力してきていると思いますが、さらに協力していただきたいというのは、どのような政府側の意図があるとお考えでしょうか。

○知事
 それは、大臣の方に聞いていただきたい部分ではあるんですが、受け止めとしては、中間貯蔵施設については、もう最終局面であると思います。これをいち早く稼働できるように、地域の理解をさらに進めていただきたいということでの要請だったと受け止めています。

○記者
 改めて核燃料サイクルにおける中間貯蔵施設の位置付けというのを伺います。

○知事
 極めて重要な施設だと思っていますし、この再稼働が次々と達成されていく環境の中において、その地位は高まっていくものと考えています。

○記者
 共創会議についてお伺いします。知事がイメージしている参画する事業者というのは何かありますでしょうか。

○知事
 事業者は、基本的に立地している事業者は全て参加していただきたいと考えています。

○記者
 その他に広げるというのもありますけど。

○知事
 まずコアなメンバーから考えていきたいと思いますので、立地自治体、それから立地している事業者を前提に全県のこともしっかり議論させていただきたいので、それにふさわしい自治体の長、あるいは事業者にも参画していただきたいと考えています。

○記者
 政府の方でエネルギー基本計画の方も、見直す時期にそろそろ入るのかなと思いますが、最低限求めることなど今の時点であればお願いします。

○知事
 まず現時点で、エネルギー基本計画に求めることは特にありません。その見直しの時期に合わせて、次の2年間で必要なことについて私達としてしっかりと意見を申し上げていきたいと思っています。

○記者
 冒頭のご挨拶の中で、「核のゴミ捨て場のように扱われることは絶対に許さない」とご発言があったのですが、こちらのご発言にあたってのお気持ちをお伺いします。

○知事
 例えば、高レベル放射性廃棄物が今、六ケ所に1,800本保管されており、さらにこれから中間貯蔵施設が稼働していくと、リサイクル燃料がむつ市に来ることになるでしょう。
 そうすると、やはり最終処分地の話がなかなか進展していなければ、これがたまり続けるのではないかという懸念が、県民にも国民にも広がってくると思います。
 ですから、そういうことも含めて、しっかりと道筋を示していただきたいということをお伝え申し上げましたし、まず何よりもそういう観点でいけば、再処理工場のしゅん工というものについて、政府としてしっかり取り組んでほしいということの意図があってそのように発言をさせていただきました。そのことについては、丁寧に答えていただければと考えています。

○記者
 このように、サイクル計画について政府の姿勢を確認しなければならない背景なのですが、当然稼働していないため回っていない現状はあると思うんですけれども、そこに対する知事の考えはいかがでしょうか。

○知事
 まあ、最終局面でしょうね。どちらかというと今回は。今まで、稼働しなかったからとか、再稼働できていないから、あるいはしゅん工出来ていないから来たというよりは、ほぼ最終局面なんだと思います、各施設ですね。
 そうした中で、改めて姿勢を問うというか、私自身の考えをお伝えし、政府の見解を伺うということに意義があったと思っていますので、今まで動かなかったことへの受け止めは、もはや私にとってあまり意味のないことかなと思います。

○記者
 オフサイトセンターについてお伺いします。大間については大畑高校の跡地、RFSのオフサイトセンターについては、むつ市では市役所にしたいというお考えがあったと思います。RFSに関しては操業の要件が整った状況にあると思うのですが、オフサイトセンターの立地に関わる内閣府との議論は、どういうふうに進めていくか、具体的なお考えがあればお願いします。

○知事
 今日、具体的な回答がありましたので、事務方で早急に議論を進めていきたいと考えています。場所についても、その規模についても、もう一度ゼロベースで検討していきたいと考えています。

○記者
 大畑高校もゼロベースということでしょうか。

○知事
 そのとおりです。

○記者
 来月、内閣改造が予定されているという報道もありますが、関係閣僚が替わった際には、最終処分に係る認識についてご確認されるお考えでしょうか。

○知事
 歴代の知事が、文書で確認していたということもありますので、毎回このように開催するということではなくて、やはり節目を捉えて開催するということがふさわしいと考えています。場合によっては、確認をするということもあろうかと思いますが。

○記者
 使用済燃料対策について、改めて県としての共同利用案について確認します。そもそもとして、この共同利用案については県としても存在しないという認識でよろしいのかどうか、知事のお考えをお願いします。

○知事
 YouTubeチャンネル「むつ市長の62ちゃんねる」に動画が残っていると思うので、この見解をもう一度よく見ていただきたいんですが、端的に言うと、使用済燃料をどういうふうな形で、何年中間的に保管・貯蔵していくかということについては、青森県、それからむつ市、そして東京電力、日本原電の4社によるその立地協定というものがあり、その中で定まっています。それ以外のことについて、現時点で何ら議論が行われているというわけではありません。ですから、共用案が青森県内において存在していないという見解は、私自身は一貫してると考えています。ずっと、そういうふうに申し上げていました。

○記者
 大畑高校の跡地利用、オフサイトセンターに関してなんですが、ゼロベースで考えるというのはどういうことでしょうか。

○知事
 大畑高校に立地をすると最初言っていたときと環境が大きく変わりました。というのは、日本海溝・千島海溝地震津波が発生した場合、大畑地区が大きな影響を受けることが想定されます。沿岸道路である国道279号が津波の被害にあうことを考えると、大畑高校に立地したとしても、災害時にたどり着けないというリスクがありますので、そこは見直す必要があるだろうと考えています。その先、じゃあどこにという話はこれからよく考えていきたいと思っています。

○記者
 周辺三カ町村は、北通りは、よく自分のところでというお話があると思うんですけども、あまり場所についても、ゼロベースでというお話だったんですが、そういうことを勘案されて、考えられているんでしょうか。

○知事
 適地は、その要請に基づいて決めるものではなくて、科学的合理性に基づいて考えていきたいと思っていますので、その辺は少し議論の様子を注目していただければと思います。

○司会
 それでは、最後に知事からお願いします。

○知事
 今回、やはり青森県の担う大きな役割というものを、核燃料サイクル協議会に来ていただいた松野官房長官をはじめ関係閣僚の顔ぶれを見て改めて感じました。これから、私、あと4年弱任期があります。おそらく、この4年間はさまざまな施設で大きな動きがあるかと思います。そうした時に、まず大切なのは、県民の皆さまの理解であると同時に、国民的な世論、合意形成だと思っています。そうしたことにも、しっかりと配慮しながら、大切にしながら、協力していきたいと改めて今日の会議を通じて感じました。
 今日は、皆さん、本当に朝からありがとうございました。

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