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知事記者会見(臨時)/令和3年5月27日/「北海道・北東北の縄文遺跡群」イコモス勧告を受けて

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知事記者会見録

会見日時:令和3年5月27日木曜日 10時00分~
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事



〇知事
 「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、世界遺産一覧表への記載が適当であるとの評価結果がイコモスから勧告されました。
 縄文遺跡群が示す顕著な普遍的価値が国際的にも認められたことを嬉しく思いますとともに、世界遺産登録に向け大きく前進したと受け止めています。
 勧告内容につきましては、引き続き精査を行ってまいりますが、現時点では私どもの主張がほぼ認められたものとなっており、適切な評価をいただいたものと捉えております。あえて申し上げれば、満点ないしはそれに近いといっても良いのかも知れないと、そういう評価というふうに受け止めたところであります。
 ここまで4道県の皆さま方をはじめ、たくさんの方々にご支援をいただきましたことを心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 また、私ども青森県とともにこれまで登録推進の事業を進めてこられた、関係自治体の皆さまのご尽力にも併せて敬意を表したいと思います。
 7月に開催されます世界遺産委員会において、確実に世界遺産登録が決定されるよう、引き続き関係自治体との連携のもと、国とともに、着実に取り組んでいきたいと思います。
 本当に今日はありがとうございました。

〇記者
 一夜明けまして、改めて、どういう局面で実感みたいなものがこみあげていらっしゃるか、教えてください。

〇知事
 昨日は、本当に大きな前進、一歩ということで、ものすごく嬉しく、感無量でした。
 ほぼ満点に近い評価ではありますが、7月に向けて、対応や体制をきちんと整えていかなければいけないということ。また、7月以降も含めた、対応や体制づくりを4道県ともやり取りするなど、今一歩踏み込んだ対応、体制づくり等をしっかりと進めなければいけない。そうした新たなる決意のもとに7月を目指していこうという思いです。

〇記者
 まさに、知事がおっしゃった部分ですけども、他の遺産の例を見ていますと、登録された年にすごく観光客が増えますが、その後、なかなか厳しいなどという状況もあります。
 登録後を見据えて、今後、どのようにして遺産の理解を広めていく考えでしょうか。

〇知事
 7月に順調に登録になったとしても、新型コロナウイルス感染症への対応、対策等の世界的課題もあります。
 ここまで時間がかかったものですから、呼び掛ける体制とか、修学旅行、教育旅行だけではなく、例えば観光の面をとってみても、(キャンペーンなどを行うための)さまざまなシステムができていますので、それをもう一度再起動させる。
 また、ずっと言い続けてきましたが、世界遺産としての価値は、平和に生きる、自然と共生して定住してきたこと等、いろんな意味で我々や人類として理想とすべき非常に大切なものがあるわけです。そうした普遍的価値をより理解していただくことが大事だと思っています。例えば、三内丸山遺跡ですと、六本柱がすごい、すごく広い、出土品がものすごいということだけではなく、人類や我々の文化史の中で持っている普遍的価値について理解してほしい。多くの方から指摘していただいた、世界の共通認識として持つべき価値というものをどう知っていただくかが最大のテーマとなるでしょうし、訪れてくださる方々に対して、今まで作ったシステムをさらに活用していけると思っています。
 白神山地でもそうでしたが、常々言われてきたのは、世界遺産は、保護だけではなく、活用することが継続していくことだということです。そのことを改めて決意していかなければいけないという思いです。

〇記者
 満点に近い評価をいただけたとおっしゃっていましたが、どういったところが決め手になったと思いますか。

〇知事
 まず、一つ一つの項目(についての評価)がイコモスから来ていますが、顕著な普遍的価値というものが、筆頭にあげられると思います。1万5千年前に遡る農耕以前における定住生活のあり方とか、先史時代の複雑な精神文化を示すということ。それから完全性、真実性が担保されていることなど。
 長い浪人期間(推薦されなかった期間)もあったものですから、どういったことが課題になるかということをものすごく学習したんですね。それに対して、丁寧に整えて準備してきた結果、真実性が担保されていると、イコモスが言ってくれたことが一番嬉しかったです。
 そういった長い苦労があった分、欠けているところ、段取りしなければならないことも確実に詰めてこられたと思っています。
 ですから、努力が報われたところが満点に近い評価に繋がったというんでしょうか。さまざまな失敗例を見る中で、我々が失敗しないために、各遺跡とも苦労や見えない努力をものすごくしてくれました。

〇記者
 世界文化遺産ですけども、どうしても、日本の歴史の中では政治の中心、文化の中心が西日本に偏っている部分はあると思いますが、北海道・北東北からほぼ登録に近い文化遺産を出したということは、県民にとっても誇りになると思いますが、知事はどのようなご認識でしょうか。

〇知事
 昨日も話しましたが、私どもが子どもの頃の教科書は、弥生、大和朝廷がこの国の歴史の始まりであったわけです。それが、あちらこちらで貝塚が発見されたりするなど、いろいろありました。
 私どもの北海道・北東北の縄文遺跡群がある4道県は、(縄文時代)1万年間を完結(網羅)できるものすごい文化圏。しかも、人類にとって理想とすべき普遍的価値を持ったもの。そして、各遺跡の調査などによって、きちんと1万年間をつなげて示すことができるということが、非常に重要な部分だと思っています。
 今回登録されることによって、この国にもう1つ大きな歴史の1万年の大舞台があったんだということを、価値として認めていただきたい、認めていただけると思っています。
 その意味で、イコモスの評価は非常にありがたく嬉しかったです。

〇記者
 立ち上げてから17年ですか。長かったとお思いでしょうか。

〇知事
 長かったというか、当初から、地下にあり、残っていないものでチャレンジしていくということの厳しさ、難しさはありました。途中から、ヨーロッパを中心とした海外からの高い評価を感じることはありましたが、やはり長かったという思いはあります。
 長かったですが、長いゆえにさまざまな課題点や、減点要因について、他の失敗例も参考としながら、地下に潜って見えないものを理解してもらうことの準備、地下から地上に出して、想像してもらうための時間だったと思っています。今度は、この価値を長く伝えていくという努力が必要だと思っています。

〇記者
 7月(世界遺産登録決定)は確実にいけるという自信のほどはいかがですか。

〇知事
 会議が開かれなかったり、延長されたりと、いろいろありましたが、7月に向けての準備を着実にやりながら、登録後は、知ってもらい活用することや、価値を更に高めていくための工夫・取組が必要になってくると思っています。

〇記者
 世界遺産を核にした豊かなコミュニティづくりというものを文化庁が推奨していると思うのですが、改めて、世界遺産を踏まえた時にどういう青森県にしていきたいと考えているでしょうか。

〇知事
 白神には自然遺産がありますが、縄文も自然と一体となった文明、文化というふうに思います。
 青森県においては、これからの世界の文明、文化、哲学、そのあり方に縄文的普遍性が必要だということをしっかりと訴えていく。そういった素晴らしい豊かな環境の中において、しっかりとここで生きていける、生きる価値というものを私ども青森県において目指し、見出し、そしてその価値を発信するなど、共通の意識を県民の皆さま方と持っていなければいけないと思っています。

〇記者
 新しい青森駅の県の入居スペースは、世界遺産センターとして整備していくような形になるのでしょうか。

〇知事
 工事がまだなので、何とも言いようがないところがありますが、場所的に重要な発信をするところになっていくと思っています。

〇記者
 まずはイコモス勧告で、この後、7月に向けてということになりますが、正式に登録になった場合に、4道県という広いエリアでは先ほどからおっしゃっている活用といった面でもますます連携していく必要が出てくると思うのですが、何か具体的な構想などあればお伺いしたいです。

〇知事
 具体な話にはなっていませんが、例えば、4道県で、登録記念シンポジウムを開催すること等も考えられます。いずれにしても、元々、4道県サミットでスタートしたという経緯もあるので、まずはその場でいろいろと提案して意見交換していくことになると思います。
 今年は、本県が当番幹事県でもありますので、当然、会議のメインテーマとしては、縄文の世界遺産の利活用について話をして、次のステップということになると想定しています。
 今年の4道県サミットの開催は8月31日の予定です。

〇記者
 今回、勧告を受けたということで、今後また、国内、海外含め、いろんなところから観光客の方とかが訪れると思いますが、どんなところに注目して、青森の縄文遺跡を観ていってもらいたいでしょうか。
 あと、岡田専門監も昨日、取材の中で県内に(遺跡が)8つあって、全てを見てもらいたいとおっしゃっていたかと思いますが、全て見ていただくために、県として、一つにまとめて何かを打ち出していくといったことは考えてらっしゃいますか。

〇知事
 世界の方々に来ていただく段取りについては、新型コロナウイルス感染症の影響で国際線が復活していない中で、なかなか言い難いところがありますが、私どもの縄文土器そのものがヨーロッパでも非常に高い評価を受けています。縄文の世界遺産の評価と土器はまた別ですが、そういった、具体な形で残っているさまざまなコンテンツを最大限活用していかなければならないでしょうし、持っている普遍的、精神的に豊かな価値等も含めて、発信していく仕組みを更に強化しなければならない。それと同時に、興味を持っている方々、海外もそうですが、ツアーシステムなどを作り上げる段取りをしていく必要があると思います。逆にいえば、こういう時期なので、準備する時間ができていると考えています。
 海外向けは、若干、遅くなると思いますが、「りんごだけじゃないよ」という形で、いろいろなことを先頭に立ってしっかりと発信していきたいと思っています。
 県内の細かい話で言えば、スタンプラリーなどいろいろありますが、二次交通など、行き来が難しいところもあるので、その仕組みをもう少し整えていかなければならないと思っています。バスだけでは遺跡へ行けないと思いますので。

〇記者
 今まで国内推薦を勝ち取るまで、非常に長い年月があって、ただ、その後は2021年の登録に向けて、ある意味、最短で来たと思います。
 もし夏に登録が決まれば、青森は世界文化遺産と白神の世界自然遺産、2つを併せ持つという、なかなか他にはない県になると思いますが、そのあたりを絡めて、これからどのように発信するかなど、取り組んでいきたいという考えがありましたらお願いします。

〇知事
 発信していくのに、どうしても今、新型コロナウイルス感染症の関係があって、地元の言葉で言えば「いずい」感じがありますが、全ての物事の情報が伝わるには、一定の時間がかかるわけですから、価値を高めるシンポジウムをやるだけではなく、例えば、時期になったら交通旅行業界等を含め、観光的な部分の段取りを示してプロモーションなどしていく。自然遺産と文化遺産の本体2つを持っているという、青森の普遍的価値をよりどころにしながらも、震災以降、インバウンドを6倍に伸ばしたように、我々はそういったキャンペーン等のノウハウを蓄えていますので、それをまた、再起動させていくということです。
 コロナ禍の中ですから、準備時間があるので丁寧に、そして動き出したらワーッと広げて、早期に安定的にいろいろな方々に来ていただくだけではなく、その価値を知っていただくことがすごく大事だと思っています。
 先ほどから話をしている、私どもの普遍的価値というものを知っていただくと同時に、そのことが先々も含めて、日本のいろんな意味での原点がある青森、世界最大のブナ林もあり、そしてこの縄文という生き方、暮らし方もあるということを大きなテーマとして伝えていくことで、交流人口や県内時間の増加につなげていきたいと思っています。
 (世界遺産登録に向けて前進し、)これまで支えていただいて、本当に感謝いたしております。
 ありがとうございました。

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