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令和2年度5月補正予算について[臨時]

会見日時:令和2年5月11日月曜日 14時00分~14時20分
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事

〇知事
 明日5月12日に開会されます県議会第95回臨時会に提出を予定しております補正予算案につきまして、お手元の資料1「令和2年度5月補正予算案について」に基づきご説明申し上げます。
 今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と医療提供体制の強化を図るとともに、事業継続に困難を来している事業者等に対する支援や地域経済の回復に向けた対策を行うのに要する経費等について、去る4月7日に決定されました「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~」に基づく国庫補助事業を活用しつつ、所要の予算措置を講ずることといたしました。
 歳出の内容につきましては、施策体系ごとにまとめた資料2をご覧いただければと思います。今回の対策については、
「1 感染拡大防止策と医療提供体制の整備」、
「2 雇用の維持と事業の継続」、
「3 官民を挙げた経済活動の回復」
の3つの施策体系とし、4ページにありますとおり一般会計と病院事業会計を合わせた新型コロナウイルス感染症対策関連経費総額は46億6,000万円余となります。
 まず、「1 感染拡大防止策と医療提供体制の整備」では、PCR検査体制の強化、入院病床や軽症患者等を受け入れる宿泊施設の確保、県立学校や社会福祉施設等における感染予防・拡大防止対策などに要する経費として30億9,805万円余を計上しております。
 次に、「2 雇用の維持と事業の継続」では、地域住民の日常生活に欠かすことのできない地域公共交通を維持するための支援などに要する経費として7億1,990万円余を計上しております。
 最後に、「3 官民を挙げた経済活動の回復」では、県内飲食店の利用促進や県産農林水産物の消費拡大などに要する経費として8億4,204万円余を計上しております。
 なお、国の施策に対応しつつ、感染拡大防止策など速やかに対策を講じる必要があることから、補正予算を臨時会に提案することといたしました。
 私からは、以上であります。

〇記者
 今回の補正予算のうち、県費単独事業13億円余りありますけれども、この県単事業に込めた思いをお聞かせください。

〇知事
 先日の専決処分において、市町村向けに3億円プラス10億円の補助事業を実施したのと同じで、地域交通を守ることなど、さまざま急いでやらなければいけない事業や経済対応策で準備が必要になってくるもの等を含めて、何回もお話ししているんですけど、やるべき時のための準備を丁寧にしておかなければいけないところと、今と明日の対策、経済もそうですが、今の対策の部分と明日の対策の準備というところをきちんとやっていこうということです。
 まだ、もっとやらなければならないことはいっぱいあると思っています。例えば、航空分野が壊滅していますけど、今はまだ推移を見ながら段取りをして、必要になれば、また6月の議会や専決等、色々な対応が出来ると思っています。それを臨機応変にやっていこうと考えていますが、今はさまざまな仕込みの段階であると考えていただければと思います。

〇記者
 安倍総理から長丁場になりそうという話もあり、ただ一方で14日には解除の機運も出てくるという話もある中で、今回の補正予算に込めた知事の思いを教えていただけますでしょうか。

〇知事
 先ほどの話と繋がるかもしれないですが、今回の予算は、何よりも県民のみなさまの命と暮らしを守ること、地域経済の今と今後の復活に向けて、実行すべき対策を丁寧にやっていこうと。国の緊急経済対策による国庫補助を現時点で最大限に活用しながら、あとで国の対策が2次・3次と追加になったときにも、連動できればと考えています。例えば、V字回復や先ほどお話した航空関係について、今後国からの補助金があった場合はそれを活用し、また、ない場合でも、もう思いっきり、今本当に必要なことと明日のために段取りすべきことをそれぞれ実施し、感染症対策の部分とコロナウイルスにより影響を受けた経済のための段取りを進めていくとご理解いただければと思います。個別に言えば、PCR検査数を増やすこと等、それはまた、色々と聞いていただければと思います。

〇記者
 長丁場というお話もあり、これからも色々と対策を進めないといけないと思いますが、今の段階でコロナウイルスの影響の大きさについて、どのように考えているか、また今後、臨機応変にどのように対応していくかというところをお答えいただければと思います。

〇知事
 まず、感染症の影響というところでは、一度陰性であった方が17日後に陽性判明する場合など、通常のインフルエンザや前回の新型インフルエンザ等はすぐに陽性が判明したのですが、コロナウイルス感染症に関しては、潜伏期間が長いものと感じています。ゆえに、今回はすごく慎重かつ丁寧に、網を掛けて対策をしないといけないと思っています。だから、あとで「なんでそんな経費かけて段取りしたの?」と言われるかもしれないですけど、感染症として発症までの期間が長いというところで、非常に影響が大きいと思っていることから、検査体制も充実させていき、入院病床数99床からの拡大であったり、軽症者を受け入れるホテルの確保等をやっていきます。本県の発症者は、全員軽症であり、どんどん退院して、現在は6人の方が入院されている状況ですけど、とにかく長い期間で油断ならないと言いますか、感染症対策として長い期間で見ていかなければいけないと思うんです。その部分に対して、今やるべきことのほかに未来に繋がることもやっておこうと。
 東日本大震災の時は、相当観光や物販、青森県の農林水産物の販売等、経済に影響を受けました。例えば、インバウンドであったり。十和田湖への観光客が99%減ったと聞いたときは、ショックでした。本当に震災時はひどかったので、踏ん張ってここまで伸ばしてきました。しかしながら、今回、一発でやられた。航空便が無いのでしょうがないですし、また、お互いに安全・安心が確立されてないから、どうしようもない状況です。V字回復と気軽に言われておりますが、今までやってきたものすごく丁寧な段取りや営業があった上での成果、例えば、海外からの観光客が500%、最終的には600%に増えたものが、今回で0になった訳です。震災の時と同じパターンで観光客を戻せるわけではないから、その対策をすごく考えているんですけれども。
 あらかじめさまざまな仕込みを予算化しなくても、色々なことを段取りして、それを丁寧に発信していく、例えばリモート観光のように、来れるようになったら、「こういう風に回ったらすごく楽しいですよ。やりましょうよ。」と準備しておいて、それを今度は具体化するために、足を運んで、みんなでそれぞれの地域に行くなど、これまでの倍以上の営業・段取りをする必要があり、そういうことをやっていかなければいけないと思います。その仕込みをスタートした予算という思いです。
 疾病としても長期的に見ていかなければいけないと思っています。すぐ発症しないがゆえに、長く見ていかなければいけませんし、対策を怠ってはいけません。対策を頑張って現在入院6名までになったにしても、常にクラスターを発生させないよう抑え込む算段を考えなければいけません。その、ノウハウとシステムをやるためのさまざまな武器としてのPCR検査体制の強化や軽症者を受け入れるホテルの確保等、そういうことをやっていく上で一番の肝心の経済対策をしようと思っています。特に本県は農林水産業がものすごく宝であり、UIJターン等をやってきたわけです。その結果、どんどん本県に帰ってきてくれたわけじゃないですか。今までりんごもたくさん売ってきましたし、ホタテも香港でバンバン売ってきましたが、今回は、そう簡単に回復出来るという訳ではなくて、物流の立て直し、営業系統の立て直しや出口のやり直し等、全部必要になってくるわけです。その対策をスタートする予算だと思っていただければありがたいです。
 だから、「そんな簡単にV字回復と言わないでくださいよ」と。ここからゆるやかに、しかし確実に回復させるためのスタートであり、そういう決意と覚悟をした予算です。まだ色々とやらなければいけないことはあり、航空対策をしていないので、あとで予算を作らなければいけないと思っています。

〇記者
 知事は東日本大震災以来の危機感と常々おっしゃっておりましたが、経済関係者の方の話を聞くと、「東日本大震災を超えた」とか「リーマンショックの時を超えた」とか色々な評価を聞きます。知事は今の状況をどう考えているかお聞きしたいと思います。

〇知事
 誤解してほしくないのですが、東日本大震災の時はドカンと喰らって、その後の感染対策ということはなく、攻めまくるしかなかった。今回はそういう攻めまくる前に、さまざまな感染対策をし、安全・安心の確立をきちんと示さなければいけないと思っています。観光等、風評被害はまだ出ていないですが、例えば、物販をするにしても、ウイルスの連鎖をしないように安全・安心を示していく必要があると思います。本県は大丈夫だったとしても、例えば東京が大丈夫ではなかったら、本県には来れないですよね。立体観光も成り立たないし、東京や大阪が落ち着かなかったら、例えば、国際路線とか辛いじゃないですか。お互いのやりくりですから。そういうことについて、国を挙げて安全・安心を示していくことが大事であると思います。
 私も震災の後に色々あった中、台湾に行き、ネゴシエーションして、数値を示して、安全・安心を確立し、10日目くらいにレッドゾーンが解除になって、本県は思い切りやることができたじゃないですか。でも、今回はそういったことができない。ウイルスというものを抱えながら経済対策するという意味において、次の手の打ちにくさは大変だと思っています。リーマンショックは金融の問題であったというのもありましたけれど、今回は「アフターコロナ」、要するに今後どういう対策が出来るのかというところで、さっき旅行の話をしたのも含めて、今までと違う訳です。ただ「来てください。」と言うのではなくて、安全・安心を確立したうえで、「国内・県内の旅行が戻り、国内がこうなった。それで海外もこうなっていく。」というようにシステムで示し、ちゃんとシミュレーションした上でやっていく。ただ、その安全・安心の示し方と積み重ねの度合っていうものが非常に難しいと思っています。リーマンショックや東日本大震災の時と比べ、今回は独特なものだと思っています。それも、すぐ発症してすぐ治るというわけではない、このコロナウイルスというものの影響の積み重なりによるものだと思っています。
 それでも、力を合わせれば戦い抜けると思っており、「この間、青森県民のみなさまありがとうございます。」と私が言いましたが、休業の方も含めて、みんな連休中色々と守ってくれたじゃないですか。

〇記者
 今回の補正予算では、医療面とか経済面での支援がありますけれども、文化面への支援がまだないように思えます。例えば、愛知県では、文化団体あるいは法人に対し、応援金という形で支給しておりまして、青森だとねぶた師等がいると思いますが、知事は文化面への支援はどのように考えてますでしょうか。

〇知事
 県全体というよりも市町村枠として、今までも3億円の「未来を変える元気事業費補助金」により文化的な取組について支援してきましたが、先日の専決処分において、プラス10億円の予算枠を取りました。そういう名前にはなっていますけれども、この補助金の中で、市町村固有の祭りや伝統行事等にも活用できるようになっていますので、それぞれの市町村で活用していただければと思います。

〇記者
 補正予算と同時に知事の給与の削減もなされるということですが、どのような思いでいるか教えていただけないでしょうか。

〇知事
 ものすごく行財政改革の厳しい時、事実上の破綻の中でどうするかといったときに、「私もこうしてやりますので何とかお願いします」とやらさせていただきました。補助金やさまざまなものを削減せざるを得ない時に、きちんと示したあの当時と同じ思いです。「同じ生業という形で自分自身もそれだけ重く受け止めて頑張りますので、またさまざまな形で応援してください。」と。もちろん行財政改革の時と状況は違うかもしれないですけれども、事実上支出するという点では似たところもありますし、また、さまざまなご苦労をいただくということについては同じだと思いますので、そういう気持ちでやらさせていただきました。ただ、あの時は条例ではないため、勝手に削減が出来ましたけれども、今回はちゃんと条例案として提出した上で議決をいただかないと対応できないので、この議会に提出させていただきました。

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