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令和2年度当初予算案について[臨時]

会見日時:令和2年2月20日木曜日 14時00分~14時45分
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事

〇知事
 令和2年度当初予算案について、お手元の資料「令和2年度当初予算案の概要」に基づき御説明いたします。
 まず、今回の予算編成についての基本的な考え方を申し上げます。
 令和2年度当初予算の編成に当たっては、「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」を踏まえ、人口減少克服を本県の最重要課題と位置付け、若者・女性の県内定着・還流の促進や、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりを強力に進めることとし、多様なしごとづくりや、各産業の競争力強化、労働力確保への対応など、「経済を回す」仕組みづくりに重点的に取り組むほか、2025年以降を見据えた「青森県型地域共生社会」の実現、県民の健康づくりなど、各種施策に総力を挙げて取り組むことといたしました。
 以上の結果、年間総合予算として編成した令和2年度一般会計当初予算は、規模としては、6,816億円、令和元年度当初予算対比166億円、2.5パーセントの増となり、2年連続のプラス予算となりました。
 また、これまでの財政健全化努力により、財源不足額(基金取崩額)については、平成29年度以降4年連続で収支均衡を実現するとともに、県債発行総額についても可能な限り抑制し、持続可能な財政基盤の確立に向けて前進することができたところであります。

 次に、令和2年度の重点施策について、お手元の別資料「令和2年度『選ばれる青森』への挑戦推進事業の概要」に基づき御説明いたします。
 令和2年度は、「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」の2年目を迎えます。
 そして、最重要課題である人口減少克服に向けたアクションプランとなる「第2期まち・ひと・しごと創生青森県総合戦略」のスタート年となります。
 これまでの第1期戦略における取組により、「経済を回す」仕組みづくりの成果が着実に現れている一方、人口の流出が続き、合計特殊出生率は全国平均並みに回復しているものの、少子化にも歯止めがかかっていない状況にあります。
 このため、令和2年度では特に、若者・女性の県内定着やUIJターンなどによる県外からの還流と、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりに、各部局連携して取り組むとともに、これまで以上に「世界へ打って出る」ことを強く意識し、縄文遺跡群の世界文化遺産登録の実現を見据えた各種取組、東京オリンピック・パラリンピック大会開催効果の獲得、ICTの利活用による利便性の向上などを進め、併せて、基本計画に掲げている「経済を回す」などの視点を重視し、令和2年度の「選ばれる青森」への挑戦推進事業を構築しました。
 総額は、327億円となり、昨年度と比べ16億円の増額となっています。
 このうち最も重要視している「若者・女性の県内定着・還流促進」について、ご説明します。
 「経済を回す」取組の成果が現れ、創業・起業者や新規就農者が着実に増えているなど、多様なしごとや魅力ある雇用の場づくりが進んできており、「青森は確実にいい方へ変わってきている」と考えています。
 このことを、若者や保護者世代の方々にしっかりと伝え、一人でも多くの若者・女性の県内定着・還流につなげていくことをめざし、ライフステージに応じた切れ目ない重層的な取組を、全庁一丸となって進めていきます。
 本人へのアプローチとして、小・中学校から高校、大学へと進んでいく段階に合わせて、県内のしごと・暮らしの情報発信や理解促進、県内就職支援などにきめ細かく取り組むほか、県外大学生や県外転出者等の移住・Uターンの促進、女性の県内定着促進、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりに取り組みます。
 併せて、子どもの進路選択に影響の大きい保護者・教員への働きかけ、県内企業の採用力向上、ふるさと青森への愛着形成、魅力ある生活環境づくりなど、県内定着志向の醸成に向けた周辺環境づくりにも取り組みます。
 こうした方向性を踏まえ、令和2年度の戦略プロジェクトでは、5プロジェクト合計20.4億円の取組の重点化により、「選ばれる青森」への挑戦推進事業を進めていきます。

 それでは、各戦略プロジェクトの具体的な取組について、令和2年度、特に力を入れていきます「住みたいあおもり」若者・女性プロジェクトからご説明します。
 高校生・大学生の県内定着促進では、保護者・教員に対する取組や、企業の採用力向上の取組を強化します。
 若者向けワークショップ等により「青森は変わってきている」ことの意識を喚起するほか、本県の暮らしやしごとに対する若者、保護者・教員の理解促進に向けた各種プロモーションを展開します。
 県内企業の採用力強化に向けては、インターンシップの充実、県内就職の情報発信強化、若者目線での県内企業の採用力育成に取り組みます。
 このほか、県立高校に就職支援員を新たに配置し、高校生の県内定着支援に取り組みます。
 女性の県内定着促進については、誰もが働きやすい職場づくりの実践事例の県内企業への波及や、男性の家事参画促進などに取り組みます。
 また、女性の活躍の場を広げるため、女性人財のネットワーク形成に向けた「奥入瀬サミット」の開催支援、あおもり女子就活・定着サポーターズ「あおもりなでしこ」などと連携した、女子学生等に対するキャリア形成支援を行います。
 移住・Uターン促進については、市町村等と連携した「合同移住フェア」の開催や、効果的な情報発信、圏域単位での受入態勢整備の支援等に取り組みます。
 また、女性や首都圏等からのUIJターンによる創業・起業を促進するほか、IT人財の定着・確保を図ります。
 魅力ある生活環境づくりに向けては、本県の文化芸術資源を活用した体験プログラムや学習プログラムを作成し、積極的に活用・情報発信していきます。
 結婚・妊娠・出産・子育てしやすい環境づくりについては、市町村、民間団体との連携を強化し、結婚を希望する男女の出会いやマッチング支援、若いうちから将来の生き方等のライフプランを考える機会の提供に取り組みます。
 また、結婚や子育てを応援する企業を拡大させるため、「あおもり働き方改革推進企業」のさらなる増加に取り組むほか、安心して子育てできる環境づくりに向けて、潜在保育士の掘り起こしや短時間勤務による就業の検討・促進、ハイリスク妊産婦への支援や、生活困窮世帯等の子どもの学習機会の確保などに取り組みます。

 続いて、「選ばれる青森」食と観光成長プロジェクトです。
 食の商品力を極めるため、付加価値の高い商品づくりや効果的な情報発信等により、5年連続で特A評価となった「青天の霹靂」、来年度全国デビューを迎える「ジュノハート」、さらには「あおもり和牛」や「新サーモン」など高いポテンシャルを持つ県産品について、認知度向上・ブランド確立に取り組みます。
 また、食の販売力を極めるため、大手量販店等との通常取引の拡大やEC市場への参入促進、エープレミアムや、台湾・香港で構築したネットワークを活用した西日本エリアやアジアなどの国内外市場への販路拡大を図ります。
 立体観光の推進については、多様な交通手段の充実による誘客促進として、効果的なセールス活動による外国クルーズ船の寄港拡大を図るほか、青森空港の利便性向上に取り組みます。
 また、昨年7月に就航した青森・台北線や、およそ5年半ぶりの新規国内路線として就航するFDA青森・神戸線について、利用促進に取り組み、交流人口のさらなる拡大をめざします。
 観光消費の拡大では、夜の観光イベントの開発や情報発信、県内の5美術館が連携したアートツーリズムによる県内周遊の促進に取り組みます。

 続いて、多様なしごと創出プロジェクトです。
 魅力ある雇用の創出について、5G(ファイブ・ジー)や、AI・IoT等を活用した新たなビジネスの創出に取り組むほか、ライフスタイルの変化に対応した時短・簡便食品の商品開発を支援します。
 また、海外ビジネス展開の促進に向けて、台湾でのビジネスマッチングや、県内企業による先駆的な海外ビジネスへのチャレンジ支援、県産工芸品の海外への販路拡大に取り組みます。
 多様な労働力確保では、各産業分野における労働力不足に対応するため、潜在的な労働力の活躍促進に向けて、就職氷河期世代への就職支援、県内企業と求職者の双方にワンストップで対応する総合支援センターの設置、農林水産業の多様な担い手の確保・育成、シェアリング・エコノミーの考え方を活用した人財のマッチングに取り組みます。
 外国人材が活躍できる環境づくりに向けては、引き続き、アスパム内の国際交流ラウンジにおける相談支援を行います。
 生産性向上と働き方改革では、デジタル技術やECサイトの活用による県内企業の競争力の強化、ICT技術の活用による農林水産業、建設業等の業務効率化や省力化に取り組むほか、県内企業のAI・IoT等先端設備の導入促進に向けた人財育成を支援します。

 続いて、未来へつなぐ地域のゆりかごプロジェクトについてです。
 「青森県型地域共生社会」の実現をめざし、生活関連サービスの担い手育成のため、市町村と地域住民のつなぎ役として、地域活動等を支援する「中間支援組織」の活躍促進に取り組みます。
 また、観光視点の地域づくりに向け、青森ベイエリアの賑わいづくりや地域における観光マーケティング人財の育成に取り組みます。保健・医療・福祉体制の充実に向け、「青森県型地域共生社会」の理解を深めるための県民向けプロモーションや、高齢者のつどいの場の機能強化、子どもの居場所づくりの促進、医療的ケア児の支援体制の整備に取り組みます。
 交通ネットワークの形成、買物支援の推進に向けて、Maas(マース)の考え方を活用した移動支援の検討や、地域公共交通の再編・利用促進等に取り組みます。
 また、商店街と宅配事業者等の連携による出張販売事業や、産直施設を核とした高齢農家の集荷等の支援などに取り組みます。
 多様な主体・人財の参画・協働では、地域の担い手確保・育成に向け、農福連携の促進、「プロボノ」人財の発掘などに取り組みます。
 また、地域外に住みながら継続的に本県に関わる「関係人口」の創出・拡大に向けた受入体制の整備等に取り組みます。

 最後に、健康ライフ実現プロジェクトについてです。
 県民の健やか力向上では、上手な医療のかかり方についての普及啓発、AIを活用した特定健診受診率の向上に取り組むとともに、職場における健康づくりの意識啓発を行います。
 がん・受動喫煙防止対策として、職域におけるがん検診受診環境の整備や、事業所等における受動喫煙防止の周知徹底を図ります。また、大腸がん検診について、検診モデルの普及等により、市町村の未受診者対策を支援します。
 「食」と「運動」による健康づくりについて、塩分摂取量を抑える「だし活」に加え、塩分排出を促進する「だす活」の取組の促進や、りんごの食習慣づくりを進めるとともに、スポーツを活用した健康づくりでは、ウォークビズ県民運動の推進による働き盛り世代の運動習慣の定着、楽しい体育の実施による子どもの体力向上と肥満防止に取り組みます。
 こころの健康づくりについては、高齢者の心の健康づくりやSNSを活用した若年層への相談対応、県及び市町村が一体となった自殺防止対策推進体制の整備を進めます。

 以上、5つの戦略プロジェクトの概要です。

 次に、基本計画に掲げる4分野の事業については、合計、291事業、302.8億円となっています。

 分野ごとの取組について説明します。
 産業・雇用分野では、「新サーモン」の生産技術の普及・指導などによる生産体制の強化、林業の担い手育成・確保のためのアカデミー開設準備、地域主体による地域エネルギー資源を活用した産業創出など、安全・安心、健康分野では、地域防災活動への女性の参画促進、防犯情報発信ツールの開発、高齢者の交通事故リスクに係る理解促進のほか、青森県地域医療構想の実現に向けた、津軽圏域新中核病院の整備等の支援などを行います。

 続いて、環境分野では、自然の保全と適正な活用に向け、海外からの誘客促進も見据えた、世界自然遺産白神山地の国内外への魅力発信、農業生産者や県民の意識向上による水循環システムの保全に取り組むほか、低炭素・循環型社会づくりに向け、「COOL CHOICE あおもり」を合言葉とした県民の気運醸成と実践の促進に取り組みます。

 最後に、教育・人づくり分野では、グローバル社会を生きる力の育成に向け、本県と台湾の高校生による相互交流や、韓国済州特別自治道及び台湾台中市・台南市との友好交流を推進します。

 そのほか、高校奨学金における通学費等に係る経済的負担軽減のための返還免除制度の創設、学校業務の補助のためのスクールサポートスタッフの増員、2025年に開催される第80回国民スポーツ大会・第25回全国障害者スポーツ大会の開催準備等に取り組みます。

 このほかの取組のポイントについて説明します。
 令和3年度の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、イコモスによる現地調査への対応、県民のさらなる気運醸成、国内外へのプロモーションの展開等、登録実現に向け、万全の体制で臨むとともに、登録後を見据えた、観光客の受入態勢充実に取り組みます。

 東京オリンピック・パラリンピックについては、本県においても、6月に聖火リレー、8月にパラリンピック聖火フェスティバルが開催されることから、関係市町村と連携しながら、県民に夢と感動を与えられるイベントとなるよう、準備・運営を進めていきます。また、大会開催効果を最大限獲得するため、国外からの誘客促進を始め、さまざまな分野における取組を行います。

 ICTの利活用による「くらし」や「しごと」の利便性向上に向けては、最新のICTを疑似体験するフェアの開催や、ICTを活用した業務見直しに取り組む市町村の支援を行うほか、森林調査における先端技術導入検討など各産業分野での取組を促進します。また、教育現場におけるICT環境の整備に向けて、システムの整備・導入等の支援を行います。

 続いて、地域県民局の主な取組について説明します。
 東青地域では、観光と食を組み合わせた周遊ルートづくりと情報発信、中南地域では、若手農業者と集落営農組織による労働力補完モデルの構築、三八地域では、地域ぐるみで取り組む、ものづくり企業等の人財確保と若者定着支援、西北地域では、社会福祉法人による地域貢献活動を促進するためのモデル実証、上北地域では、若者を中心としたネットワークの形成と地域活動支援、下北地域では、磯焼け場での「うに」の周年生産モデルの構築・実証など、各地域県民局が、それぞれの地域の課題を克服し、強みを磨き上げるための事業を進めることとしています。
 また、引き続き、県内市町村の総合戦略に基づく取組を強力に支援するため、元気な地域づくり支援事業費補助3億円を確保しました。

 第2期を迎える「まち・ひと・しごと創生青森県総合戦略」については、政策分野の見直しを行い、「~『経済を回す』~魅力あるしごとづくり」、「出産・子育て支援と健康づくり」、「若者の県内定着・還流と持続可能な地域づくり」の3分野に再編することとし、これまで説明してきた事業を、この3分野に沿って整理すると、全体で、441事業、293.4億円となっています。

 また、TPP等対策関連事業は、これまで説明してきた事業など3分野で112事業、131.9億円となっています。

 なお、これまで説明してきた事業の実施に当たっては、持続可能な開発目標、SDGs(エス・ディー・ジーズ)の理念を踏まえることとしています。

 以上が、令和2年度「選ばれる青森」への挑戦推進事業の概要です。県民の皆さんが「ここに生まれてよかった」「ここで暮らして良かった」と思えるような青森県づくりに取り組み、一人でも多くの若者・女性から、学ぶ場所・働く場所・生きる場所として「選ばれる青森県」をめざします。将来の青森県、そして、子どもたちのために、全力で取り組んでいきますので、県民の皆さんのご理解、ご協力をお願いします。

 最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
 新型コロナウイルス感染症対策については、これまで相談体制の整備等を図ってきたところですが、国内の発生状況や国における対応も踏まえ、本県においてもさらに万全の対応体制をとるために、去る2月17日、私を本部長とする「新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部」を設置したところです。
 私としては、感染を拡大させないということに全力を尽くしていかなければならないと考えており、今後、事態の推移に合わせて全庁を挙げて機動的にさまざまな対応を図っていくこととしております。この一環として、今般、緊急を要する経費について、予備費にて対応することといたしました。
 具体的には、保健所における相談体制の強化及び環境保健センターにおける検査体制の強化を図るとともに、外国人旅行者や在住外国人が適切に感染予防できるよう外国語表記のリーフレット等を作成することとしました。
 いずれにしても、今後の推移を見極め適時適切に対応してまいります。

〇記者
 今回の当初予算に命名するとしたらどのような名前になりますか。

〇知事
 令和2年度の当初予算は、人口減少克服を我々青森県の最重要課題と位置づけ、経済を回す仕組みづくりに重点的に取り組むこととしていますが、この取組は、県民の暮らしの中で大切な要素の一つである、経済基盤を支えるためのものでもあります。また、2025年以降の状況の中で、国でも色々な対応が行われていますが、来たる超高齢化社会の対応や、喫緊の課題である県民の健康づくり、幼児教育及び高等教育の無償化をはじめとした社会保障施策の充実、国の防災・減災・国土強靱化のための緊急3か年対策に基づく防災対策など、県民の安全・安心の確保についても、しっかりと対応することといたしております。
 さらに現役世代として、将来世代への責任を果たすために、県の、いわば貯金を減らさずに、借金を増やさない、財政の健全化の取組も堅持したところであります。
 これらを踏まえまして、あえて一言で申し上げれば、県民の暮らしを支え、暮らしを守る予算と考えており、「県民の暮らし安心予算」と位置づけたいと考えているところです。

〇記者
 人口減少が最大の課題ということですが、一方で、青森県長期人口ビジョン等において、人口の流出に歯止めがかかっていない状況が示されています。今回の当初予算では、そのような局面を打開できるようなインパクトのある事業を組めたとお考えでしょうか。

〇知事
 起業する人や新規就農者が増えているとった青森県の変化、働く場の現状、社会保障制度や子育て支援制度が充実しているというような情報を、若い方々にだけでなく、若い方々が職業を選ぶ場面において影響力のある保護者や先生方にも、いろいろな場面でしっかりと伝えるということが、我々には欠けていた、逆に言えば、そのようなものすごく地道な努力をもっとすべきではなかったかと考えております。
 「攻めの農林水産業」においても、水路の点検から始まり、丁寧に土壌分析したり、トップランナー等の農業人材を育成したり、細かいことを積み重ねてきました。
 それと同じで、かつて学校の先生が「みんな東京に行って頑張って一旗揚げよう」ということを呼びかけていたような構図が、今も受け継がれているのではないかと、いろいろな調査をした中で見えてきておりますが、職業選択の場面において強い影響力を持つ先生や保護者の方々にも、この青森を理解してもらいたいと考えます。したがって、ものすごく地道なことを積み上げていくということになります。こうした細々とした施策は意味が無いと思われるかもしれませんが、それは逆で、「攻めの農林水産業」も、観光においても、細かいところから始めることで成果を収めております。
 これまでの財政再建の経験から、「何か一発派手な事業を立ち上げれば上手くいく」というようなことは絶対にないとしみじみ感じているため、青森の現状や青森で働くということについて発信することを丁寧に積み重ねていきたいと考えております。

〇記者
 人口減少対策の中の一つに、仕事づくりとして、5G対策や台湾との連携等が挙げられていたことに関連して、知事の仕事づくりへの思いを教えていただけますでしょうか。

〇知事
 かつては、有効求人倍率が0.3で、高校生たちに残ってほしいと言っても「どこで働くのか?」という状況だったため、まずは即効性のある企業誘致を重点的に行い、500社程度に声をかけました。
 その一方で、本県の得意分野である第一次産業において、利益率が向上し、就農者が増加するような仕組みづくりを行ってまいりました。
 加えて、青森県で起業する人が年間7、8人程度しか居なかった状況から、金融機関と連携したり、人材育成に注力したりすることで、現在では年間100人以上の方々が、青森県になかったような新しい仕事を起すようになり、地域の雰囲気も変わってきております。
 また、観光という分野では、現在厳しい状況にあり、今後どのようにこの局面を切り抜けていくかという話もありますが、このことによって回る経済、産業があり、そこに関わる働き方や、それを機に起業する人もあります。
つまり、青森県は、いろいろな資源や人材に恵まれ、誘致企業には一部上場会社や国際的な特殊技術をもった企業もあることから、青森県では様々なことができる、ということを示せるような産業のあり方を構築してきました。
 たとえば、企業誘致では、数千人規模の自動車メーカーの工場を誘致するという方法もありますが、若者に残ってもらうためには多様性が不可欠です。つまり、この青森県で自分として生きるためには、自分がふさわしいと思う仕事を起せるか、あるいは就けるかということが重要だと考えています。
 IoTや5G関連の業種についても、インターネットを活用することで、東京に本社がある企業の分社を青森県に誘致したり、青森県でそのような業種で起業したりすることも可能です。
 青森県には、様々な資源があり、海岸線が800kmあり、4つの海があるのと同じように、色々な業種がなくてはならないと考え、各ジャンルにおいて確実にそれぞれが自分の人生を実現、表現できる仕事を選べて、起せて、食っていける、という方向性で、これまで取り組んできました。今後ともそのような方向性で、働く場、あるいは起業する場として、選ばれる青森にしていきたいと思っております。

〇記者
 新型コロナウイルス感染症の影響で大韓航空の青森・ソウル線が3月29日から5月31日まで運休となったことについて、知事の所感を伺います。

〇知事
 青森・ソウル線が3月29日から5月31日まで運休となることが、大韓航空から公表されたところであります。理由としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、運航を維持するために十分な需要を確保できないためとのことです。
 県として、また個人的にも、この路線に対しては、世界に開かれた窓として長い間さまざまな取組を行ってきたため、今回の運休については非常に残念に思います。
 しかしながら、この青森・ソウル線は、本県から世界に開かれた窓として、観光客の誘客による本県経済の活性化、国際社会に対応する人材の育成、海外との交流人口の拡大に、大きな役割を果たしてきました。我々青森県にとって、重要な路線です。今後は、この新型コロナウイルス感染症に係る事態の動向を十分に注視しながら、6月に予定されております路線再開、ここに向けまして、大韓航空並びに県内及び韓国の旅行会社と連携を図りながら、準備を進めていくと考えております。

〇記者
 4年目の収支均衡、県債発行額の減少、2年連続のプラス予算になったことについて、知事の財政面の手応えについて伺います。

〇知事
 本県の歳入に対して、それに合わせて最大の効果が得られる施策を取り組んでいくということを意識し、財政規律を丁寧に守っていくことを実践しております。
 一方で、先般の国内の災害を受け、国土強靱化のための3か年緊急対策に係る予算が国から配分されたことについては、しっかりと活用し、川底を整備するなど、丁寧に災害対策に取り組みました。
 それを踏まえた上でも、県債発行は残高を抑えるようにし、これまでの借金を減らすように取組も並行して行いました。
 さまざまな緊急事態は別ですが、一言で言えば、財政規律を丁寧に守り、これからも県政を進めてまいりますということです。特に変わったことをしたということはなく、いつもどおり丁寧に取り組んだだけと感じております。

〇記者
 青森県の人口ビジョンでは72万人を割ると示されております。人口が減少することで、それに伴い税収や経済規模、県のブランド品等、すなわち県全体の財産が減少していくという局面になっていく中で、「収支均衡が未来への責任」と知事は話されておりますが、今後どのように県を未来につないでいこうとお考えでしょうか。

〇知事
 後継者が不足していく農業の場においては、効率化を推進して産出額や所得を向上させたように、人口減少してもなるべく経済が縮小しないような仕組みづくりにこれまで18年間取り組んできました。
 自治体運営においては、人口の減少に伴い職員数も減少することで、対応しきれない範囲が発生しますが、それを複数の自治体で一つの地域という形態として対応するという方法もあります。
 中泊町では、高齢となった農家の方が道の駅に農産物を持って行けなくなったという状況に、農福連携で障害者の方々に農産物を届けてもらい、帰りには道の駅のお総菜や弁当類を農家の方へ届けてもらうという仕組みで対応しました。
 このように、いかにしてコストを削減しながらも、双方が助かり困難な状況を打開していくような効率的な仕組みを構築するか、ということをこれまで丁寧に取り組んできました。

〇記者
 大韓航空の6月の再開に向けて、何か準備していることはありますか。

〇知事
 その件については担当部局からお答えします。

〇企画政策部次長
 運休については残念に思います。運行が再開される6月はすぐ近くであるため、事務的には6月の再開に向けて、アウトバウンド及びインバウンドの対策について、旅行会社と連携しながら、万端に準備を整えていきたいと考えております。
 できるだけ早い段階で、新型コロナウイルス感染症の推移を見守りながら、しっかりと取り組んでいきます。

〇記者
 当初予算には、大韓航空の利用促進に関する施策も計上されておりますが、これらも活用されるのでしょうか。

〇企画政策部次長
 ご指摘の分の予算については活用する方針です。25周年事業等のいろいろな事業につきましては、6月の再開に向けて、改めて組み立て直したいと考えております。

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