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知事記者会見(定例)/平成30年11月6日/庁議報告ほか

会見日時:平成30年11月6日火曜日 11時15分~11時38分
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事

〇幹事社
 まず知事から庁議案件をお願いいたします。

〇知事
 庁議案件に関する報告に先立ちまして、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録について、一言申し上げたいと思います。
 去る11月2日、官房長官記者会見におきまして、政府は今年度のユネスコへの推薦候補を「奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島」に決定するとの発表があり、残念ながら「北海道・北東北の縄文遺跡群」はユネスコへ推薦されないこととなりました。
 本県及び関係自治体では、これまで文化庁の指導の下、政府からユネスコに推薦書正式版を提出していただけるよう作業を進めており、登録に向けた準備を着実に整えてきたところであります。
 このことから、万全の準備を進め、世界遺産登録を確実なものとするため、文化審議会世界文化遺産部会での決定を踏まえ、縄文遺跡群をユネスコの推薦候補へ早急に決定していただけるよう、関係各方面に強く働きかけを行っていきますとともに、今後とも文化庁の指導・助言を得ながら、4道県及び関係市・町との一層の連携の下、全力で取り組んでまいりますので、引き続きのご支援ご協力を本当によろしくお願いします。
 では庁議案件につきまして、まず青森県基本計画についてでございます。
 本日の庁議におきまして、県の新しい基本計画であります「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」(案)が決定されました。
 この計画は2019年度から5年間の県政運営の基本方針となるもので、グローバル化の進展や第4次産業革命など、本県を取り巻く社会経済環境が大きく変化している中で、これまで以上に世界に向けて攻めの姿勢で取り組んでいきますとともに、人口が減少していく中にありましても、県民が安心して働き、暮らしていける地域を目指していく、その進むべき道筋を明確に示したものであります。
 また2025年の超高齢化時代の到来を見据えまして、「青森県型地域共生社会」の実現に向けて、今後、地域におけるつながりや助け合いが大変重要になってきますことから、サブタイトルを「支え合い、共に生きる」としたところであります。
 県では、これまで県民一人ひとりの豊かな生活を支える経済的な基盤となります「生業づくり」に重点的に取り組み、本県の強みである農林水産業や観光分野など、経済を回す取り組みが着実に成果を挙げてきました。その一方で、若者・女性の県外流出、県民の健康づくりなどの引き続く課題や、労働力不足、2025年超高齢化時代などの顕在化してきた大きな課題に直面しております。
 新しい基本計画では、現行の「青森県基本計画未来を変える挑戦」の理念を継承し、引き続き「生業づくり」を積極的に進めますとともに、「生業」によって得られた成果を地域社会全体の生活の質の向上につなげていく、「生業と生活が好循環する地域へ~世界が認める青森ブランドの確立~」を2030年の青森県の目指す姿として掲げています。
 その実現に向けて、前例にとらわれることなく積極果敢に取り組んでまいりますので、県民の皆さま方のご理解ご協力をよろしくお願いする次第でございます。
 なお、今後の予定といたしましては、本日の庁議決定を受けまして、いわゆる基本計画条例に基づき、11月下旬に開会します11月定例会に議案として提案をし、県議会のご審議をいただくこととなっております。
 最後になりますが、新しい基本計画の策定に当たりましては、青森県総合計画審議会委員の皆さま方の熱心なご議論をいただきましたほか、2回にわたるパブリックコメント実施により県民の皆さま方からのご意見、県議会でのご議論、市町村からのご意見等をいただき、これらをしっかりと計画に反映させたところでございます。
 今回の計画決定にご協力いただきました皆さま方に、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 次に、平成30年版環境白書について報告がございました。
 平成29年度の本県の環境は、水環境、大気環境については、一部環境基準を達成していない項目がありましたものの、概ね良好な状態で推移しております。また、平成28年度の一般廃棄物のごみ総排出量や平成27年度の温室効果ガスの排出量につきましては、それぞれ前年度と比較して減少しております。特に1日1人当たりの生活系ごみ排出量は678gとなり、平成32年度の目標値680gを初めて下回るなど、県民の皆さまの環境意識の高まりを実感しているところであります。
 本県の豊かで四季の彩りが美しい環境を守り、次世代に引き継ぐためには、県民一人ひとりが環境問題についてより一層関心を高め、具体的に取り組んでいくことが大切でございます。この白書がその契機となることを期待いたします。
 引き続き、地球温暖化対策、資源循環対策、環境教育・学習の推進など、持続可能な低炭素・循環型社会の形成に向けまして積極的に取り組みをしていきますとともに、自然環境の保全を図っていきたいと考えております。
 続きまして、2019年版の青森県民手帳の販売についてでございます。
 青森県統計協会では、今年も青森県民手帳を発行し、10月下旬に販売を開始いたしました。
 表紙のカラーにつきましては、青森県にちなんだ豊富な6色を取りそろえ、さらに今年は、布のような手触りの紺色のカバー、こぎん刺しがプリントされました限定版のこぎん刺しバージョンも作成するなど、年代・性別を問わずに使っていただけるように工夫をしております。なお、このこぎん刺しバージョンにつきましては、実は販売が好調で、既に多くの書店で売り切れる状態となっております。その点はお詫びを申し上げます。700円と高いんですけれども、先に売れました。
 県民手帳はスケジュール帳としての機能のほか、県の主要な統計データ、ふるさとの主な行事や各月の旬の食材など、青森県の魅力を県内外に発信する情報が満載されております。
 また、昨年、大変好評を博しました販売促進キャンペーンを今年も行っております。1箱30缶入りの県産りんごジュースが50名様に、また県産品ギフト詰め合わせセットが10名様に、それぞれ抽選で当たります。県民手帳は県内の主な書店、コンビニエンスストア、ホームセンター、スーパーなど、県外ではロフト渋谷店など、ここですごく売れるんですけれども、販売をしておりますので、県民の皆さま方はもちろん、県外の皆さま方にもご活用をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、こぎん刺しバージョンは売り切れているところがほとんどのようですので、報告をしておきます。
 以上です。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 代表質問に入ります。代表質問は2問です。一括してお伺いします。
 1点目は消費税増税についてです。来年10月からの消費税引き上げについてのご所感をお聞かせください。
 2点目は、高額な返礼品が問題となっているふるさと納税についてです。総務省が制度見直しを検討していることへのご所感をお願いいたします。
 
〇知事
 来年10月の消費増税についての受け止め方ということですが、消費税率の引上げにつきましては、これまでも実は申し上げてきたんですけれども、地方の現場を預かる立場として、持続可能な社会保障制度の構築に向けた安定的な財源確保という観点とともに、地域経済の影響などにも十分配慮をすることが重要であると考えているところでございます。
 国におきましては、社会保障制度の詳細な設計でありますとか、消費税率の引上げに伴う経済対策などについての具体の検討が進むものと思っているわけでございますけれども、先ほど申し上げました視点から、今後の動向を注視していきたいと思っております。
 ふるさと納税は高額な返礼品がいろいろと課題となっているとか、いろいろお話、意見があるようでございますけれども、このふるさと納税制度の趣旨に沿ったより良い運用がなされるよう、総務省において制度の見直しが検討されているということについては承知しているところでございます。
 ふるさと納税制度は、ふるさとや地方団体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にする重要な仕組みでございます。各地方団体においてもそれぞれの実情に応じ、工夫を凝らしながら、国からかなり強い要請があったわけでございますから、こういったことも踏まえ、こう申しあげるのが適当かどうかですけれども、税(の仕組み)でございますから、あくまで、責任と良識を持って取り組んでいくことが、制度の健全な維持、発展につながるものと考えるところであります。
 以上です。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 各社さん、何かあればお願いします。

〇記者
 また冒頭の話に戻って恐縮なんですが、「縄文」は残念ながら見送りとなってしまいました。知事ご自身の率直な受け止めと、どうして上がらなかったかというその理由をどういうふうに受け止めているのか。また、もし何か足りないところがあってこれから取り組みたいと思うことがあれば、どうしていこうと思っていらっしゃるのか、改めてご所感からお願いします。

〇知事
 何というか、外務省に行って、「これは非常にいいから頑張れ」と激励されたりしてね、「よし」という気持ちで。福岡の市場に、朝、行っておりましたところ、何か緊急の連絡だと。「何だ?」と思ったら、はっきり言うと「落ちた」と。
 落ちたというと意味合いは違うんですけれども、要は自然遺産と文化遺産ですから。またしても甲乙つけがたいという言葉が来たんですけれども。
 従って文化遺産としての価値ということについては、官房長官も、(報道されている)記事を見ると、非常に気をつかって言っていただいてくれているようでありまして、我々もまた知事会で踏ん張っていこうということで、お互いに電話を掛け合ったんですけれども。
 決して価値がないということではなくて、我々もそうですし、官房長官のお話ぶりを伺うに、やはり文化遺産として世界遺産に相応しいという思いはあるけれども、今回は何かユネスコの方が「自然遺産の方が」というお話でしたから、そういうことであれば、来年に向かって、早い時期にしっかりと、我々としては世界遺産、文化遺産としての登録に向けての選定ということで向かっていきたいと、むしろ強い決意を4道県でしたところであります。

〇記者
 引き続き縄文遺跡群の話をお願いします。
 今回、官房長官の方で発表はされたのですが、その前段階といいますか、いわゆる決定過程というのが非常に見えにくく、ある日、突然発表というような印象を私は受けたんですけれども。
 そういった選定の過程について、こうして決まったという選定の部分について、知事としてはどのような印象を持っていらっしゃるかということが1点。
 あともう1点、今回の決定までの間に、いわゆる決定権者と言っていいのかあれですが、官房長官の方には働きかけができない段階で発表がされたというふうになっております。先ほど、各方面に働きかけを強めていくというお話がありましたが、そういったところには官房長官も含まれていくのかというところもお聞かせ願えれば。

〇知事
 来年の2月に正式な(決定)という話だったので、ちょっと唐突だった、急だったなという思いはあるんですが、文化遺産同士であれば価値ということでバンバン(説明を)やっていくんだけれども、自然遺産と文化遺産というところが微妙にあったので。むしろ、ユネスコの方で自然遺産をというニュアンスだったので、そういうことかなということでは受け止めています。
 と申しますものの、我々、文部科学大臣や外務大臣と日程調整して、何とか急に取れたので行って(お会いして)、それで、官房長官も本当は今週で調整をしていたということ等もあり、もう一言言いたかったなと。1万年にわたって自然と共生しながら、しかも狩猟という形を採りながらも定住していったとか、いろんな意味において基層文化だということ等を訴えたかったという思いは、今も残っております。
 逆に言えば、来年に向けて、今度は早めにお会いいただくような調整も含めて進めていきたいと思っております。

〇記者
 TPPの関連でいくつかお伺いさせていただければと思います。
 まず1つ目なんですけれども、先週、オーストラリアが手続きを終えて、年末に発効する見通しということになりましたけれども、まずこれについてのご所感、受け止めを伺えればと思います。
 〇知事
 TPPはアメリカが抜けたりとか、いろんなことがありましたけれども、いよいよ発効かというところの思いがあります。
 私ども青森県としては、農林水産業、あるいは農山漁村が、この人口減少に伴う担い手でありますとか、労働力不足、国内消費の減少といった諸課題に直面している中で、TPP11等による関税の削減・撤廃により、外国産農林水産物等の輸入が増加しますと、国内の農林水産物の価格低下でありますとか、産地間競争の激化を招くなど、様々な影響が懸念されるところでございます。これはこれまでも発信してきたんですけれども。
 県としましては、TPP11の影響を最小限にとどめ、農林水産業者や関係事業者の皆さまが将来にわたって意欲と希望をもって経営に取り組むことができ、本県農山漁村の集落がしっかりと守られるよう対処していくことが何よりも大切と考えております。
 そこで、県では平成29年度2月補正予算及び30年度当初予算において、農林水産・商工、観光、食品衛生の各分野にわたり、「TPP等対策関連事業」を盛り込み、その対策に取り組んできているところであります。
 引き続き、関係者の皆さま方と手を携えながら、「攻めの農林水産業」や輸出拡大などに積極果敢に取り組んでいきますとともに、今後の状況を注視しながら、国に対して必要な対応を求めてまいりたいと思っております。
 要するに、うちもご案内のとおり、「思いっきり攻めに攻めている」というと語弊があるんですけれども、青森の素晴らしいものを皆さんに使っていただきましょうということについては、さらにもっと頑張っていきたいと思っています。日欧EPAについても、JALとヤマト運輸から「フランスに拠点を作ったので、キャンペーンをやりましょう」と言われてやってきましたし、また12月に副知事を派遣して青森フェアということも行い、着々と(進めています。)ヨーロッパが急にどうこうということはないにしても、我々としても、アジアのTPP、日欧のEPA、それに備えて、守りだけじゃなくて戦える仕組みもまたしっかりと整えていかなくてはということを決意しているところです。

〇記者
 これから新年度予算の編成時期にもなりますけれども、新年度予算でまたこういった対策も含めて何かお考え、ご検討されているということはありますでしょうか。

〇知事
 予算は継続していくものですから、どの枠でどうするかということになるんですけれども、何らかの予算枠に基づいて、どういう戦略で防ぐ部分と打って出る部分ということについて、総合的な予算編成の中では入れ込んでいくことになると思います。

〇記者
 そういう意味での意気込みを改めて。

〇知事
 「来るなら来てみろ」と言うと喧嘩になるので、お互いにいいものがあるとしても、我々の立場で言えば、「食と命と文化のゆりかご」である農山漁村集落をこれ以上荒廃させてはいけない、再編成をして強くしたいと、ずっとやってきたわけで、これを絶対に守り抜く。そのためには国内対策、経済対策プラス海外対策ということも含めて両輪でしっかりとやっていくしかない。
 政府は、決めたからこうだというのではなくて、最初から約束をしたとおり、影響が最小限になるような施策ということについて、予算枠も含めて具体にいろいろと応援してほしいと思いました。
 我々としては、やはりこの国のゆりかごである集落を守るためには農林水産業の健全な維持ということだと思っています。

〇記者
 分かりました。ありがとうございます。
 最後に1つだけ。先日も報道がありましたけれども、次期選挙への対応についてですけれども、改めて現段階で。

〇知事
 毎回お答えをしておりますが、今の仕事を全力でやっておりまして、現状、いろいろとお答えできる段階にはないということで何卒ご了承をいただきたいと思っています。

〇記者
 また海外に関係する話なんですけれども、外国人労働者受け入れ拡大、入管難民法の改正について、まだ議論されている最中ではあるんですけれども、今の段階での議論の様子を見ての受け止めと、あとは政府に求めることがあればお願いします。

〇知事
 私ども、実際に研修をしてもらって技術の指導等を進めてきています。
 今までの技能実習制度だと、例えば、具体の話をすると、りんごの研修をしていて、冬場はりんごが無い、育成技術を学べない。従って、選果とか、そちらに移そうとすると認められないとなるんだけれども、一貫してりんごを作る過程においては、当然枝切りから始まって受粉があって、もぎとって、それで選果して販売ということになる。その一連の過程を学べるような仕組みになった。農林水産省と何度も話をしたら「いいよ」となった。
 従って、今、議論されている新しい制度についても、青森だけではなくて、産業それぞれの受け入れ側にとっても、来てくれる側にとっても、お互いに分かりやすく、明快に、来て良かったね、来てもらって良かったね、という制度になってくれたらいいなと思う。

〇幹事社
 他になければ終わりといたしますが。

〇知事
 そういうわけで、縄文遺跡群、今更、自分で言うのもあれなんですが。でも、本当に、繰り返し申し上げますけれども、平和な状態でいることと自然との共生ということをすごく大事にした文化というのが、人類にあったということ。このことについては、普遍の価値だと思っています。
 ただ自然遺産と文化遺産の違いということになりますと、やはり、優劣を付けろとかはなかなか言いにくいことでもあったんです。
 今回のことを、我々としては、きっちりと確実に、むしろ受け止める。
 だって、今、自分で行ってないのですけれども、フランスで日仏(交流160周年記念「ジャポニスム2018」)をやっていますけれども、縄文遺跡群に、ものすごく、皆、来てくれて、トレビアンだと言って激励してくれているわけですよね。
 そういったこと等を含めて、やはり出土したもの、大半は潜っているんですけれども、すごいですよ。そういったことをもっと国内でも盛り上げて、今度はしっかりと選ばれて、冷やかされそうですが、来年取るということで前進していきたいと思っています。

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