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平成22年5月 定例会見/庁議報告ほか

会見日時:平成22年5月7日(金) 11:15 〜 11:44
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○幹事社
 おはようございます。5月の定例記者会見をお願いいたします。
 まず、知事から本日の庁議報告を。

○知事
 庁議案件からは1件。
 いわゆる基金事業における民間提案公募制度ということについてお話させていただきます。
 私は、産業・雇用、これを県政の最重要課題と位置付け、喫緊の課題であります雇用の場の確保等につきまして、今年度、「緊急雇用創出対策事業」及び「ふるさと雇用再生特別対策事業」を最大限活用し、市町村とも連携しながら、約6千人の雇用機会の創出を図ることといたしております。
 この中で、特に「重点分野雇用創造事業」については、今年度限りとされているわけです。したがって、集中的に活用していく必要があると考えまして、新たに基金事業を活用した雇用創出プランを民間企業等から広く募集する、「民間提案公募制度」を創設することといたしました。
 今回、募集いたします事業プランは、1つとして重点分野雇用創出プラン、2つとして地域人材育成プラン、3つとして正規雇用化支援プランの3分野で、総額13億円余りを設定しており、民間提案枠としては、北海道・東北地域で最大規模で実施することにより、民間企業等のアイディアを雇用機会の創出に積極的に活用していくことといたしました。
 既に、4月28日より募集を開始しておりますが、連休中でもございましたので、来週からは各地で説明会等も行うこととしております。県内の民間企業等の皆様にこの制度を積極的にご活用いただき、離職を余儀なくされた方々や学卒の未就職者等の方々に対して、早期に雇用の場を創出・提供するよう、全力で取り組んでいきたいと考えております。
 以上、庁議案件からは1点、ご報告とさせていただきます。

○幹事社
 ありがとうございました。
 続いて、幹事社質問が3つありますので、続けてお願いいたします。
 1つ目は、中央政界におきまして、「たちあがれ日本」、「新党改革」など、第三極を掲げる新党が次々と発足しまして、「みんなの党」が支持率を伸ばすなど、新党に対する関心が高まっております。知事は、このような状況をどのように見ておりますか。
 また、「日本創新党」については、地方の声を吸い上げるというスタンスをとっておりますが、どのように考えておりますでしょうか。
 また、(知事と)親交が深い中田元横浜市長が代表幹事となっておりますが、三村知事に入党の打診とか、政治活動をともにするような呼び掛けはあったんでしょうか。
 2つ目は、八戸圏域の大規模断水に関わる導水管漏水事故を巡って、県と八戸圏域水道企業団、工事請負業者が復旧費用について3者で合意いたしました。今回の決着を振り返って、知事の所感を伺いたいと思います。
 また、県は、間接支援という形をとりましたけれども、このことについての見解を伺いたいと思います。県が、ある一定の責任を認めたというような見方でよろしいのでしょうか。
 最後が、りんごの移出・小売業者が産地を混在したまま、りんごを販売した問題がありまして、本県の産地ブランドの信頼性を損なう可能性があります。
 知事は、今回の件をどのように考えて、また、今後、どのような対応をされるのかを伺います。
 以上、3点、お願いいたします。

○知事
 まず、1点目でございます。
 いろんな政党が立ち上がっている状況につきましては、政治家が国家・国民のために、それぞれ強い意志をもって行動しているという状況であるのかなと思っています。
 また、中田前(横浜)市長の関係ですが、特に、入党の打診はございません。ただ、ご案内のとおり、中田さんとは、政治の付き合いという以上に、ごく普通に友人としての付き合いがございますから、いろんなことにチャレンジする中田宏でありますから、頑張れやというふうに見つめていきたいと思っております。
 地方の声でございますが、これは、いつもいろんな場所で話させていただきますけども、各政党、各グループにおかれましては、地方の声ということにつきましては、しっかりと聞いていただくということ。(地方は)現場の中の現場ということでありますので、そうしていただきたいと考えているところです。
 続いて、水道企業団の関係です。
 これまで、3者の間でいろいろ議論がなされておりましたが、結果として、話し合いによる円満な解決が図られたことは、誠に喜ばしいことと考えております。
 特に、工事請負業者において誠実な対応をしていただいたということを思っております。
 水道企業団への引渡しから約20年経過して発生した事故でありますが、八戸圏域において多くの方々が大変不便をなされたことにつきまして、私も正月で、地元に帰っていましたが、本当に大変不便をなされたことについては、県としても重く受け止めますとともに、住民生活に直結したインフラ施設における日頃のメンテナンスとバックアップ体制はもちろん、住民の方々への広報など、いわゆる事故発生後の対応など、危機管理の重要性ということを自分としても再認識をしました。
 県におきましても、道路や河川をはじめとしたインフラ施設を多数抱えており、日頃のメンテナンス等、危機管理をしっかりと行うこと。そのことで、県民の皆様方の生活を守っていきたいと考えるところでありました。
 また、県が間接的な支援をとったことに関してのご質問がございましたが、これは、いわゆる法的な責任に基づく解決ではなく、3者が誠意をもって対応した結果であるというふうに考えているところです。
 りんごの案件ですね。
 今回の事案は、りんご移出業者の法令遵守に関する認識が極めて甘かったことにより発生したものと考えておりますが、本県農林水産物を代表するりんごにおいて、このような問題が起きましたことは、本県の優れた農林水産物を県内外、国外にも積極的に売り込んでいくという私どもの「攻めの農林水産業」を展開している中にありまして、誠に遺憾であり、極めて残念なことと考えます。
 違反した事業者には、問題点を厳しく受け止め、猛省と速やかな業務改善を強く求めておりますほか、さらに、私どもとして表示状況調査を継続しているところでございます。
 県としては、今後、適正な表示に向けて一層の徹底を図るよう指導いたしますとともに、消費者や量販店、市場等へ、県の取り組みにつきまして情報発信を行いながら、安全・安心で高品質な農林水産物の提供に引き続き努力し、県産品に対しましての消費者の皆様方の信頼確保に努めていきたいと考えております。
 以上、3点、それぞれお話させていただきました。

○幹事社
 ありがとうございました。
 そうすれば、各社から質問をお願いいたします。

○記者
 日本創新党のお話だったのですが、今後、何らかの形で連動していくというふうな可能性というのはないでしょうか。

○知事
 ありません。
 今、青森県知事として、このふるさとの様々な課題を全力で解決していかなければならない(という思いで)、行財政改革も含めて、産業あるいは雇用対策、あるいは命を守る医療福祉とか、いろいろなことをやっているわけでございますし、そういったことを全力で私は現場で果たしていくべき立場であると考えています。

○記者
 もんじゅが、14年ぶりに再開しましたけども、再処理工場を抱える(本県としては)核燃サイクルの中で大きい関わりだと思うんですが、もんじゅの再開についてのご見解と、そういった中、再処理工のレンガ回収が中断していて、10月のしゅん工は厳しいと思うんですが。この段階での知事の再処理工場への見解というのを改めて伺いたいのですが。

○知事
 もんじゅ(については)、昨日コメントを出したので、その通りですが、この高速増殖炉は、長期的なエネルギー安定供給や地球温暖化対策に貢献できるものとされています。国策であります核燃料サイクル政策ということに安全確保を第一義として協力してきております我々、青森県といたしましては、この高速増殖炉原型炉でありますもんじゅの性能試験再開は、核燃料サイクル政策における1つの前進であると認識をしています。
 (ガラス溶融炉の)レンガ回収の話等がございました。要するに、いつも同じことを言って申し訳ないんですが、これまでもガラス固化試験について、じっくりと腰を据えて取り組むよう、要請をしてきているところでありまして、このレンガの回収等につきましては、ガラス固化試験再開に向けた一連の作業であり、また、点検ということになるわけですが、今後とも、このことについては、いわゆるスケジュール優先ではなく、安全最優先に進めていただきたいと考えています。これは、同じ思いでございます、これまでと。

○記者
 参院選が近づいていますが、参院選への対応について今の状況でご見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○知事
 特に、現状で、どうこうということではなく、前回(の記者会見で)、お話したとおりでございまして、自分として、その頃までには考えさせていただくということです。

○記者
 りんごの産地の混在問題なんですが、先日、業界団体と弘果さんの方で自主内部調査を行って、結果を公表するといいながら公表しないで、県の調査に委ねるということを示したんですが。この業界自体に自浄能力があるのか。それとも、チェック能力があるのかということが問われている事態だと思うんですが、それに対する知事の所感と業界に対して要望することがあればお願いします。

○知事
 先ほど話したように、要望の部分とすれば、攻めの農林水産業ということを展開していく中で、りんごというのは、うちのトップブランドだし、いつ(りんご柄の)シャツ着て(トップセールスを)頑張っている私とすれば、やっぱり、「りんご、青森」というイメージ、大事なんですよね。だからこそ、適正なトレーサビリティ(生産履歴管理システム)に基づいて、適正に行われるということ、すごく大事だと思いますし、それを流通に関わる方々、移出業者の方々も含めて、とても大事なんだということを認識していただければ。やっぱり、商いを正直にやっていくこと、安全・安心で良いものを正直に県外、国外へ(出していくこと)。これまでも、りんごだけではなく、いろんな県産品の販路を作り、商談会をやり、どんどん数字も増やしてきたし、数量も増やしてきたわけですが、だからこそ、生真面目に商売をやろうやという思いです。
 調査、その他の状況は、農林水産部の方から。

○農林水産部長
 自主的な調査結果につきましては、先般の記者会見でも5月の中旬には県の方に報告というふうに発表されておりますので、それの報告を待ちたいと思っていますが、その一方で、県が調査すべき事項については、もう既に調査に着手していますので、自主的な調査結果の報告を待つことなく、調査の方は進行している段階にあります。

○記者
 水道企業団の件ですが、県の間接支援は、法的な責任に基づく対応ではないということですが、何を根拠として間接支援をするのか。

○県土整備部長
 県として具体的に行う事柄ですが、今回、事故のありましたコンクリート水路の補強対策。そして、新井田川、是川ポンプ場取水堰の上流などの護岸工事、この整備を行うということで、それによって水道水の安定的取水の確保に協力するということでございます。

○記者
 法的な責任がないのに、何を根拠に(それらを実施するのか)。

○県土整備部長
 県の法的責任については、企業団との間で法律の専門家の意見も参考にしながら検討を行ってきたわけでございますが、見解の一致をみなかったところでございます。
 しかしながら、企業団には、事故への対応のための経費が発生しておりまして、また、事故発生から時間も経過しているなど、それらを考慮した結果、事態の早期かつ実質的な解決を図るためには、企業団に対して支援が必要であるというふうに考えて、河川管理者としての立場から、企業団の事業に協力をするということにしたものでございます。

○記者
 大間のフェリー問題についてですが、元々6月を目途に、新しい運航スキームを考え、協議するはずだったと思うんですが。現状を見ていて、いわゆる暫定運航を安定継続させるための財政問題で非常に手一杯という感じで、新船の建造とスキームにまで思いが至っていないような気もするんですが。お金の負担よりは、多分、町の行政規模からいって、法務・財務的な問題もあって、かなり手に余るような問題なのかなという気もしないではないんですが。これは、町と事業者の協議を見守った上で県として対応するということなのか。やはり、非常に複雑なスキームが必要だということで、ある程度、県が前面に出て、たたき台というか、案作りに関与されるおつもりなのか、今の知事のご所見を伺いたいと思います。

○知事
 大間・函館フェリーの存続については、航路の存続に向けて昨年の暮れに津軽海峡フェリーと大間町、県、3者によって事務レベルの協議が開催されました。大間・函館航路の存続の必要性とそのための新船の建造の必要性として、新船建造については、6月までに決定すること。そして、新船建造、就航までの間の、今使っている船「ばあゆ」の運営方法についても協議すること。そして、2月以降もフェリーを運航することということが、昨年の12月暮れに確認をされています。
 この協議期間中の運航というものを確保するために、大間町では平成22年度において運航事業者に対して6千万円を限度とした補助を行うこととしました。大間町長から、県に対して支援要請がありましたので、県としても、昨年に引き続いて大間町に対して運航事業者に生じた欠損の2分の1を上限に補助することとして、所要の経費を今年の議会、3月の議会の方でお決めいただいているわけです。
 県としては、航路存続については、航路事業者と大間町の考え方が整理されること、これは本当に大事だと思います。引き続き、大間・函館航路の存続に向けた具体的方策等について、3者による協議等を通じて、大間町等と共に検討していきたいと思っております。

○記者
 それは、あと1月半で成案がまとまらなくても、方向性は決まっているので、継続、ちょっと延長してでもやりたいということなのか。あるいは、もう、あと1月半でまとまる、かなり確かな成算があるという感じなのかどうなのか。

○知事
 そこまで細かい内容についてお話する状況かどうかと思うんですが。
 ともあれ、この航路存続・新船建造ということについて、当事者の町と運営している会社との考え方が整理されること、これを早く整理してくださいということ。(これが)重要だということはお伝えをしているという状況です。

○記者
 ありがとうございました。

○記者
 先ほど、庁議の後に新幹線の庁内の会議(=県新幹線開業効果活用推進会議)があったんですけども、その場で開業機運という言葉が出てきたんですが、実際、現状の開業機運というものについて、知事、どう受け止められておられるかということと、今後、開業に向けてどういった施策を考えられておられるかという2点をお願いします。

○知事
 機運は、試験列車が止まったりしたけれども、列車が来たら結構盛り上がったと感じていました。
 というのは、いろんな所、行く先々で「いよいよですね」という声が具体的に出てきた。車に乗ってもそうだし、買い物に行ってもそうだし。「新幹線、楽しみですよね。」という話が、このような仕事なので県内あちこちに行くんですけれども、出てきたなと思って。これは本当に重要なことだと思っています。
 我々とすれば、正月にプレイベントを首都圏でやったけれども、例の東京ジャックということについて言えば、相当、期するところ、思うところありというところで、やっぱり主戦場と言うと変ですけども、一番最初の誘客、お客様に来ていただく首都圏で、どれだけ開業とそれから青森の楽しさを伝えるかということが勝負どころだと思っています。
 我々だけではなく、JRは既にヒロイン募集ということで、ほとんど毎日(TVCMを)流しながら、来るぞ、来るぞということをやっているわけで、JRとも連動しながら、開業に向けての我々の東京ジャック等を中心としたキャンペーンといいますか、これを大切にしながら(開業)初期に、冬場ですから、どれだけのお客様に来ていただけるかということを、観光連盟もそうだけども、財源も投入し、青森キャンペーンをしっかりとやっていくということになると思います。
 やっぱり4つの祭り、青森のねぶたと弘前のねぷたと、八戸の三社大祭の山車と五所川原の立佞武多ということでインパクトがあるし、例の三味線、その他郷土芸能の流し隊があちこちに散らばって、「ワーッ」と盛り上げる、これは、我々としては非常に大きな効果をあげることを期待しています。
 その後でのデスティネーション、次の、次のとやっていくことが大事だと思っていまして、デスティネーションのいわゆるコンテンツ探しも相当いいところまできていますし、(今月には)全国から来て、旅行商品、具体に作っていくための勉強会というよりも、本当のビジネスも始まってきますし、もう一気に盛り上げながら、12月へ向かっていくということだと思っています。
 その点におきまして、各メディアからも大変なご協力をいただいていることを繰り返しになりますが、私としては感謝いたしております。ありがとうございます。

○記者
 りんごのことで追加でお願いします。
 知事のおっしゃっている、大きなブランドに傷がついたということで、価格も低下しかねない状況かと思うんですが、市場への影響についてはどのように考えてらっしゃるんでしょうか。

○知事
 価格は、いろんな要因があってということだし、本当に相当踏ん張って、本当に皆、一致協力して価格を安定というよりも、グッと上げてきたという思いがあります。
 我々としては、きちんとした調査や反省を込めて、改めて青森りんごの打ち出し方というか、さっきお話した生真面目にきちんとコツコツ良いものを作っていること等を含めて、もう一度、新年度に向けてキャンペーン等を含めて、仕組みを整えていくこと、いろんな今回のこういうこと等も払拭していく工夫ということが、お互いに必要だと感じています。
 是非、応援してください。

○記者
 普天間の問題が取りざたされているんですが、同じ米軍の基地を持つ県として、問題をどのように見ていたのか、どうお考えなのかということについてよろしいですか。

○知事
 国防等に関わることでありますが、我々としては、ご案内のとおり、渉外知事会の副会長をしています。我々は基地機能強化に繋がることにつきましては、ご遠慮願いたいということを、これまでもお話し続けてきましたし、その思いということについては変わらないところでございます。

○記者
 総理の対応等については、どのように理解されておりますか。

○知事
 総理自身のお考えに基づいて発言をされ、行動され、現状の状況なわけでございますから、総理として本当に大きな安全保障という観点からも、しっかりとした解決に向かって進まれますことを強く望みます、というところだと思います。

○幹事社
 ありがとうございました。

-以上-

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