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平成21年8月 定例会見/庁議報告他

会見日時:平成21年8月3日月曜日 11時16分から11時46分まで
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○幹事社
 おはようございます。
 本日の庁議案件について知事からお願いします。

○知事
 よろしくお願いします。
 まず庁議案件ですが、“自然にも深呼吸”「奥入瀬渓流エコロードフェスタ」開催についてです。
 ご案内のとおり、今年度も交通・観光への影響が非常に大きい奥入瀬渓流の道路で(2日間車両を)通行止めとするものですから、早めにお知らせすることとしました。
 十和田八幡平国立公園「十和田湖・奥入瀬渓流」は、明治時代、“歌人”大町桂月(おおまちけいげつ)が「住まば日の本(ひのもと)、遊ばば十和田、歩きゃ奥入瀬三里半」と詠んでいるとおり、古くから日本を代表する景勝地です。
 その奥入瀬渓流の自然環境保全を目的に、また本来の自然美や渓流美を味わっていただくために、本県では、今年も秋の紅葉時期にマイカーの交通規制を実施します。
 今年は、10月31日土曜日、11月1日日曜日の2日間であります。「奥入瀬渓流エコロードフェスタ」として、新たにマイカーの交通規制に合わせた様々なエコツアー(ウオークツアー)を企画しています。
 エコロードフェスタは、本県だけでなく、環境省や地元十和田市、NPO団体など、多くの関係機関の連携・協力を得て準備を進めており、今年度は内閣府の「地方の元気再生事業」にも採択されています。
 国内の国立公園では、上高地(かみこうち)や尾瀬(おぜ)のように、マイカーの交通規制に取り組み、自然環境保全と観光振興を両立させている例があります。
 奥入瀬渓流においても、マイカーの交通規制だけではなく、同時にエコツーリズム視点での活動を官民一体となり継続的に取り組むことで、奥入瀬渓流の自然の奥深さや様々な魅力をより多くの方々に知っていただく機会になればと考えています。
 来年は、東北新幹線全線開業の年です。
 自然を尊重し、自然に感謝し、自然を活かしたこれまでとは違う奥入瀬渓流観光の新たなメッセージを、全国に発信できるよう、関係機関一丸となって取り組んでいきますので、県民の皆様をはじめ関係各位のご理解・ご協力をお願いいたします。
 特にメディアの皆様方には、最初に申しましたとおり、交通・観光への影響があるものですから、早めにお知らせいたしましたので、何卒、報道等ご協力いただければと思います。
 私からは、庁議案件以上です。

○幹事社
 ありがとうございました。
 それでは、幹事社質問を3つさせていただきます。
 最近、状況の変化がありましたので、それを加味して質問させていただきます。
 まず1点目は、政権選択がかかっている衆院選が8月30日に投票となりますけれども、知事は今回の選挙に何を望みますか。また、ご自身の選挙対応はどのようになさいますか。事務所開き等にもご出席されているようですが、それも含めてお願いします。
 2点目は、知事のよき理解者であり、支援者でもあった津島雄二さんが引退されましたが、知事の所感と今後の県政への影響について伺います。
 また、その後継の候補としまして、津島淳さんが決まりましたけれども、世襲をめぐって賛否があるようですが、(知事の)お考えを伺います。
 3点目は、県立屋内スケート場の計画につきまして、県は今後どのように取り組んでいきますか。また、行財政改革との関係はどうなりますか。
 事務的勉強会を設置される方針だそうですが、その時期等はどのように考えていますか。

○知事
 それでは、まず1点目でございます。
 解散総選挙の話でございますが、この日本の国の未来を決める総選挙であると、毎回総選挙とはそういうものですけども、そのように認識しています。何卒、県内有権者の皆様方におかれましては、それぞれしっかりと考えて投票していただきたいと思います。
 また、私としては、現場を預かる身として、財源なくして分権なしということをいつも申し上げているわけですが、(市町村などの)基礎自治体や都道府県を含めた地方への財源の確保ということについて、最大限どういう配慮がされるかということを注目し、また強く望むところです。
 今回、いわゆる三位一体改革以来、行政改革等を含め努力してきた地方自治体でございますが、基本的な地方交付税を元の交付額に戻してもらうこと等を含めて、地方の現場を預かる私どもとしては、そういうことを注目したいと思います。
 また、自分としては、さらに申し上げると、財政規律ということと社会保障ということについては、大変に注目するところです。
 青森県知事として何をしてきたかと言えば、本当にブレること無くという言葉を使わせていただきますけども、年間7,000億円の財政で、(数年かかりましたが)4,000億円の財源不足を解消してきました。それでもなおかつ苦心惨憺(くしんさんたん)している。そういったことを思いますと、一度財政規律が崩れると、それを回復していくためには、大変な努力が必要となります。
 財政規律ということを国政においても忘れないようにしていただきたいと思います。
 それから社会保障ですが、国民には苦い話になるかもしれませんが、日本の国で安心して生きられる社会保障をどのように支えていくかということを、各候補には主張していただければと思います。国民資産が1,300兆円ぐらいあると言われていますが、そういったものが動かなくなっていることも、この社会保障に関係しているのかなと私としては考えています。自分自身も、国民皆保険制度、医療保険制度であるとか、年金制度など将来どうなるんだろうという思いがあります。将来を見据えて、堂々と、財源論も含めて、是非国政で議論していただきたいとそのようなことを考えています。
 また、(選挙)対応ということですが、これまで色んな形で自分自身をお世話いただいた、育てていただいた方もいるわけですから、また場面場面という対応になると思います。
 
 2点目ですが、津島雄二先生の引退ということでございますが、まず自分自身思い出しますのは、中学生か高校生の頃だったと思いますけども、私の祖父が、
津島先生を見て、「天からダイヤモンドが降ってきた。」と私に話していました。(津島氏は)厚生大臣2回、自由民主党政調会長も歴任されていますし、新幹線(与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム)の座長としての働きもそうでありましたが、日本の政治において重要な部分をしっかりと担ってきてくださったと感じています。
 何よりもこの国の税制と、一人ひとりの国民が地域で安心して暮らせる仕組みを進めるゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略)等を含めて社会保障の第一人者としての大変大きな仕事をしてきたと思います。そういった大きな仕事なさった先生でありますし、この度大きな決断ということで、思うところあってのこととは思いますけども、勇退なさるということで、これまでの功績に対し、またふるさと青森県、そして日本への貢献に対して感謝申し上げたいと思います。
 そして今後ともご意見番として、社会全体に対しても、県政に対しましても専門家としてのさまざまなご意見・ご助言等いただきたいと思っています。
 また、自由民主党県連で、(公募という)手続きを経て、津島淳さんが青森1区の候補者となったわけですが、政治というものは「志」の仕事であると思っています。その「志」というものに対して、それぞれの有権者が候補者の資質も含めしっかりと見極めて、判断していくことが一番だと思います。
 
 続いて、スケート場の話です。
 県立の屋内スケート場については、去る7月24日の「八戸市・三戸郡町村会重点事業説明会」での八戸市長からの要望を受け、県としても市と協力しながら、将来に向けて多角的な検討を進めていくこととし、事務的な勉強の場を設けることにしました。
 昨年策定しました「青森県行財政改革大綱」においては、新たな大規模施設の整備につきましては、財政健全化の見通しが立つまでの間、必要に応じて、将来に向けた検討・議論を実施していくこととしています。
 現在、県も市も、徹底した行財政改革を進めているところですが、互いに厳しい財政状況にあり、また地方交付税等の地方財政の動向も極めて不透明ですので、これらに十分留意していかないといけないと考えています。
 また、事務的な検討時期ということですが、この際ですから、メンバーを発表させていただきますと、県は企画調整課など関係課長等、市は総合政策部などの関係部長等ということで調整中です。
 第1回目(の勉強会)は、今月(8月)下旬ぐらいと思っているんですけども、その辺は臨機応変にということで考えています。
 以上です。

○幹事社
 ありがとうございました。それでは各社からお願いいたします。

○記者
 今の質問の関連なんですが、津島雄二先生が勇退されたことで、国とのパイプ(関係)なども含めて、県政への影響というはどのようにお考えですか。

○知事
 パイプ論というのは、いろんな意味であると思いますが、県としては、国の行政関係の皆様方に対してプランを提案し、説明をし、ご理解いただいています。
 例えば、うちの農商工連携が(全国で最初に)認定されたり、以前から我々が提案してきた水循環システムが国の農地・水・環境保全向上対策という事業になったりしました。非常に提案型というものが重要で、そういう意味において、良い意味で地方分権、地方提案型が採用されていくという方向があります。
 我々も、これまでも努力工夫してきましたし、そういった意味での心配といえば失礼かもしれないんですが、我々のこれまでの進め方をきちんとしていくということがあると思います。
 もちろん、先ほどもお話しましたが、財政であるとか、社会保障であるとか、本当にこの国の第一人者ですので、そういったご指導、ご助言をいただくことはあると思います。

○記者
 これも選挙に関連するんですが。
 マニフェスト、自民、民主、両党が出されたわけですが、その中で地方が関わる部分として、国の出先機関のあり方について、民主党は基本的に廃止と。それから自民党は、廃止も含めて見直すという言い方をしている。その点、知事はどう感じられるかということ。
 2点目は、国直轄事業について、民主党はこれは4年間で半減するとおっしゃっている。自民党は、地方負担の維持管理費の部分は廃止する、という言い方をしている。その点、知事としては、どう受け止めるか。
 3点目が、財源の問題がありますが、いずれにしても大規模な財政出動を伴なうようなマニフェストになっている、両党とも。その点については、知事はどうお考えになるか。
 その3点をお願いします。

○知事
 いわゆる地方支局、出先については、それぞれ具体にここが必要、ここが不要ということは、勿論言う立場でもないんですけども、例えば、実際の我々が県民局を作ることにおいて、物凄く(市町村との)やり取りが良くなりましたけども、どうしても具体名が出るかもしれませんが、我々、整備局とか農政局でもそうですが、相当現場の実務関係のこととか、具体の施策等を含めてやりとり、かなりがっちりとやります。そのほか、例えば、労働行政の中で、例えば基準局が持っている全国的な犯罪に繋がる案件とかいろんなものがあるんです。そのケースバイケースというものをしっかりと見極めて、どう必要な部分を必要としてご理解いただくのかということだと思うんですが。県、あるいは私の立場とすれば、そのへんの見極めをきちんとすることが重要なのではないかと思います。
 直轄の話がありましたが、場合によっては上手く組み合わせて2割とかありますが、3割の負担で幹線ネットワークとか、そういうことをきちんきちんと、これまで(県外の)他地域ではどんどん進めてきたわけです。我々として、今、ご存知だと思いますが、上北道路にしても、鰺ケ沢道路含めて津軽関連にしても、これから今日の奥入瀬にも関連がありますが、徹底した環境保全をしていくために、非常に難工事であります奥入瀬渓流、青ぶな等含めて、これこそ国でやるべきものだというものってありますよね。今までも提案をし、それを採用もしてもらいましたが、もっとやることをどんどん提案していた最中に、こういう状況になったわけでございます。しかして、我々とすればまた、じゃ、どういうふうな形で事業を展開していくかということ等も含めて、また、どういう方向でどう進むかは、恐縮ですが、どちらの政党もはっきりしない所があるなと思っています。
 全体として肝心なことは、かなりの行革努力をこれまで、国も県も市町村もしてきたわけですが、やはり一定の経済を回すための真水としての事業論ということが、直轄うんぬんということではなくて、何らかの総枠として(予算が)確保されるということ、これを絶対に忘れてはいけない。ある日突然、その事業が、予算の組み替えとかによって、また全国的に廃業というか、商売をやめたり、場合によっては、手形が回らなくなっての事故とか、そういうこと等が起きてくることは、今何とか回復基調にある経済に(悪い)影響を与えると思っています。
 直轄うんぬんの部分から離れますけども、どう必要な部分を見極めて、総枠(予算)を確保していくかということ、そういう議論といいますか、(我々が)話し合えること。結構、国は、地方支部局を通して理解しており、こういうわけでこうだからということは(国に対して)挙がっているわけです。そういった見極めが非常に重要になってくるなと、見極めることが、どの政党の政権になるにしても、今後、本当に重要になると思います。
 要は、現場が経済を回すために、あるいはその地域を守るために、あるいは整わないネットワーク等を整備するために、相当の努力をし続けてきているわけでございますから、そういったことに国として応えることが必要なのではないかと思います。
 財源問題ですが、泣き言を言うわけではございませんが、6年間、財政規律を念頭に、とにかくいろんなことをしなければいけない。地域経済を守るために、行財政改革をして、回せる金はいろんな事業なり、福祉なり、教育なりということで回さなきゃいけない。常に念頭にあったのは、財政規律を守らなければ、青森県が潰れたら全部いく(おしまい)だろうと。とにかくそのことでございました。
 したがって、国政というものは、確かに国債を刷れる立場にあるわけですが、今、非常に憂慮心配していることは、長期金利がチチチと上がりつつある。長期金利が上がるということは、民間も我々も何のために一生懸命経済対策をしているんだということにも繋がるわけで、そういった物凄く絶妙なバランスで、財政運営を常に念頭に、財政規律をおきながら、どの党も国民が幸せになる、そのための政治ということだと思います。そのマニフェストだと思いますが、常にそれを念頭においていただきたきいと。これは、強い想いです。

○記者
 最後のお話なんですが。自民、民主両党のばら撒きではないかという指摘については、いかがかでしょうか。その1点でお聞きしたいんですが。

○知事
 それぞれにおいて、どう財源を見出してくるかというところだと思います。非常に誰も言いにくい、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が言ったのか段取りしたのか知りませんが、消費税の話が少なくとも出てきたことには驚きましたし、また、そういう意味において思うところがございました。
 安心して我々が生きていけるために、絶対、社会保障部分にそれを使う。そういったふうに、やはり財源論を伴って、いろいろ段取りはあると思いますが、具体に進めるにあたって、本当に財政規律を念頭においていただきたいということなんです。
 うちだって、創意工夫して、7,000億円の財政で4,000億円(の財源不足を)解消したというお話をしましたけども、要はやっぱり、いろんな工夫を国家としても、これからなさるということだと思います。しかし、その中においても、常に財政規律を忘れないで進めていただきたいと。マニフェストうんぬんとして出すからには、財政についての運営の仕組みについてのそれぞれに考えがあるということだと思いますが、少なくとも、消費税議論が出てきたのは片方だったなということを今、ふと思っています。

○記者
 もう1点だけ。
 国直轄事業のお話のところで、必要性を見極めた上で、総額を確保するという言葉を使われたんですが、基本的には、国直轄は削減して欲しくないという、どちらかといえば、そういった意味(でしょうか)。

○知事
 私共的には(削減してほしくない)。今、実際に全国で下から2番の直轄(事業)の青森です。けれども、今やっと、この何年かかけて上北横断道路にしても、鯵ヶ沢道(津軽自動車道)にしても、今、勉強会が始まりますけども、この青森にはとてつもなく重要な道になると思います。バイパスを通してやることによって、環境保全、国際的観光、あるいは新しいモデルエコとしての仕組みができる。
 国としてやるべき事業というものを、あれでも、これでも、どれでも(残して)とは言っていないでしょう。これ(だけ)はやっぱり必要じゃないですかと。我々としては、(地方局とのやり取りを)かなりきちんとやっています。ガンガンやり取りをした中で、これは直轄でいくべきじゃないでしょうかといった部分について、(削減してほしくない)ということですよ。そうじゃないと、ただ単に、何でもかんでも直轄を残してというふうに報道されるとすれば、私は不幸だと思います。
 そうではなくて、地方局とやり取りをし、我々として事業を積み上げ型でやっているんです。本当に変わったんですよ、仕組みが、変わってきているんです。それにしても、それでも(直轄事業が)下から 2番目の青森県とすれば、必要な部分はしっかりとあって欲しいということであって、何でもかんでもということではないということを一つ(ご理解いただきたい)。

○記者
 ありがとうございました。

○記者
 現在の核燃税の見直しについて、知事のお考えを。

○知事
 事務的に今、いろいろやっています。かなり細かい話になりますが、総務部長から説明させます。

○総務部長
 現在の核燃税は、平成18年の6月に更新されたものです。再処理事業が円滑に進まないと、特に22年度以降に予定されていた税収が大幅に減収になる恐れもございます。
 そういう状況でございますので、現在、核燃税の税率等の見直しについて、関係する方々と協議をさせていただいております。協議がまとまれば、改正条例案を年内に議会にご提案したいと考えております。

○幹事社
 他にありませんでしょうか。
 そうすれば、最後に1つ。(七戸町に建設される)東北新幹線(の駅名が)七戸十和田駅となりました。その点についてどうお考えですか。

○知事
 前の(七戸町の)福士町長さんはじめとして、広域で考えた時に、七戸・十和田という流れというか、想いということはお話を伺っていたわけです。今回、こうしてJR東日本から、正式の決定がありました。実は、これがないとSuica一つにしてもいろいろあれなんで(事務作業が進まない)、ということをJRからも聞いたんですけども、我々としても看板もあげられますし、そういった具体のいろんなこと(に着手)が出来るわけです。
 こうして決まったわけですから、地域としていかにこの影響、協議会で、活用していくか、積極的に七戸十和田駅をそれぞれの地域の大切な駅として、どう活用し、自分達の駅として、マイステーションとして愛情を持って育て上げていくかということ等が問われていくんだと思います。決まったからには、来年の12月に向けて、力を合わせて、この開業に合わせて進めていくということ、私としても決意しますし、また望むところであります。

○幹事社
 ありがとうございました。

-以上-

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