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臨時会見/平成21年度当初予算案について

会見日時:平成21年2月18日(水) 14:00 〜 15:00
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○知事
 平成21年度当初予算案の概要についてご説明申し上げます。

 まず、今回の予算編成についての基本的な考え方を申し上げます。

 本県財政は、平成15年11月の財政改革プラン策定以降、徹底した行財政改革に取り組み、生活創造社会実現のための重点施策の推進や、新幹線鉄道整備費負担金等の県政が抱える緊急課題に係る財源を確保するとともに、平成20年度当初予算では元金ベースでのプライマリーバランスを実質的に黒字に転換させるなど、財政構造改革を着実に前進させてきたところであります。
 こうした改革努力にも関わらず、過去数年にわたる地方交付税総額の削減や社会保障関係経費の増加等により多額の財源不足が生じ、依然として厳しい財政運営を余儀なくされております。

 平成21年度当初予算の編成に当たっては、平成20年12月に策定した「青森県行財政改革大綱」に基づき財政健全化努力を継続するとともに、県税収入が急激に落ち込むなどの厳しい歳入環境にはあるものの、国の第二次補正予算に呼応した平成20年度2月補正予算と一体で編成することにより、生活者や地方重視により措置された国の対応を総動員して、本県の厳しい経済・雇用情勢と県民生活の安心確保のため最大限対応することといたしました。
 また、「青森県基本計画未来への挑戦」の推進を図るため、「平成21年度 選択と集中 その基本方針」に掲げた「あおもりの未来づくり」、「雇用の創出・拡大」、「あおもり型セーフティネット」、「東北新幹線全線開業対策」の4つの戦略キーワードに基づく施策の重点化に努めるともに、地域県民局による地域づくりの推進にも適切に対応することとしたところであります。

 以上の結果、年間総合予算として編成した平成21年度一般会計当初予算は、規模としては、6,912億円、平成20年度当初予算対比マイナス166億円、2.3パーセントの減となったものの、平成21年度当初予算と一体編成した国の第二次補正予算関連の平成20年度2月補正予算を合算した規模としては、7,180億円余、平成20年度当初予算対比102億円余、1.4パーセントの増となったところであります。
 また、元金ベースでのプライマリーバランスについては、地方交付税の原資となる国税収入や地方税収入の大幅減に伴い新たな赤字地方債が多額に生じたことから再び赤字へ転じるといった厳しい状況に至ったものの、この特殊要素を除いた実質的な元金ベースでのプライマリーバランスでは黒字幅の維持・拡大を図ることができたほか、財源不足額(基金取崩額)については前年度当初比で大幅に圧縮するなど、「青森県行財政改革大綱」に掲げる財政健全化目標の実現に着実に取り組み、新たな改革に向かって確かなスタートを切ることができたところであります。


 次に、「青森県基本計画未来への挑戦」に基づいて、平成21年度における重点事業についてご説明いたします。

 平成21年度に予定している主な施策及び関連した施策等について、ご紹介いたします。
 
 先程もご説明しましたが、現下の厳しい経済・雇用情勢に対応し、県民生活の安心確保をはかっていくため、平成21年度の予算編成に当たっては、国の第二次補正予算に呼応した平成20年度2月補正予算と一体で編成することとしたところです。
 その結果、補正予算を合算した規模としては、総額で7,180億円余となり、20年度当初予算に比して約102億円、1.4%の増となりました。

 その結果、経済・雇用や県民生活の安心に関連する予算としては、21年度の重点事業のうち
  ・雇用の創出・拡大関連が約93億86百万円
  ・あおもり型セーフティネット関連が約33億45百万円
国の第二次補正予算に対応する予算の事業実施分が約138億19百万円
そして、特別保証融資制度貸付金の新規融資分として96億74百万円
 以上、総額 約362億24百万円規模の施策を実施することとしています。
 これらの施策を進め、県民の雇用と安心を守るため、しっかりと取り組んでまいります。

 その内容について、ご説明します。
 まず、21年度の県の重点事業として「雇用の創出・拡大」に取り組みます。
 県民の雇用を確保し、良質な仕事の場を創るため、例えば、
 ・攻めの農林水産業のステップアップ
 ・農商工連携の強化
 ・あおもり型産業・地域中小企業の成長促進
 ・エネルギー産業のクラスター化
などに取り組みます。

 具体に少しお話してまいりますが、攻めの農林水産業ステップアップでは、「青森の販売力結集事業」において、大都市圏や県内における統一キャンペーンの企画・実施を通じ、民間活力による販売体制の構築を図ります。
 また、集落営農組織の法人化や企業化を支援し、地域営農システムの確立を目指します。
 農商工の連携の強化のためには、知的財産支援センターを設置し、知的財産の発掘や企業が事業化する過程のアイディア、研究、試作等の各段階ごとに、きめ細かな支援を行い、知的財産を活用した新事業、そして付加価値の創出を促進します。
 また、非常に大きい額になりますけれど「農商工連携ファンド造成資金貸付金」で、総額28億円の基金を造成し、中小企業者と農林漁業者との連携による創業や経営革新を支援してまいります。

 農林水産業の生産力強化ということにつきましては、「あおもりの水田フル活用推進事業」において、飼料用稲や米粉用稲、大豆への転作を進めるための支援等を行います。
 また、全国ブランドである本県産にんにくの優良種苗の供給体制の整備や病害虫防除体制の確立、高品質で低コストな乾燥貯蔵技術の開発等に取り組んでまいります。
 また、環境公共の関連になりますけれど、「山・川・海をつなぐ『水循環』協働活動展開事業」など、環境と共生するわれわれ全国に発信しているわけですが、環境公共のあり方というものを進めてまいります。

 あおもり型産業や地域中小企業の振興ということにつきまして、前々から進めていますが、「あおもりウェルネスランド構想ステップアップ事業」において、医療や健康福祉関連産業の創出・育成に向けた支援を行います。
 また、例えば「青森ものづくり人財確保支援モデル事業」では、これは実は県内に来ております誘致企業とか大変に要望があったのですけれど、県外の大学工学部に在籍している本県出身者を対象に、製造業を主とした県内誘致企業への就職を支援していきます。帰って来いよ青森作戦というところであります。

 「ITER教育環境整備事業」において、世界的な学術・技術の研究拠点づくりに取り組み、先端技術の集積を促し、エネルギー産業のクラスター化を図ります。
 また、再生可能エネルギーの利用分野でありますけれど、電気自動車やプラグインハイブリットカーそういったことをわれわれ前々から進めているわけですが、かなり大きな枠を取りました。「EV・pHVタウン構想推進事業」において、これら電気自動車などの先駆的な普及・導入を図り関連技術の蓄積、そこがまたものづくりに関わってくることでありますが、そこを進めてまいります。

 また、ご案内のとおり縄文、かなりいいところまで頑張ってきておりますので、「JOMONステップアップ事業」また、われわれ独自の事業といたしまして、これ新幹線にも関連してくるんですけれど「ユビキタス」などを実施し、こういった事業展開をいたしまして交流人口を増やして雇用の場を作っていきます。

 また、交流ネットワークの基盤整備、約50億円近いところでありますけれど、いろんな県内から情報ありますし、まだネットワークが完成していない道路につきましても、県内各地からの交流というものもありますし、こちらで作ったもの海外へ出すということもありますので、それぞれの交流ネットワークの道づくりについても、しっかりと予算を措置させてもらいました。
 
 続いて、県が21年度に重点的に取り組むこととしている「あおもり型セーフティネット」この分野につきまして、3つの分野として、
 ・あおもりの安全・安心総合対策
 ・就業支援
 ・環境対策
に取り組み、県民が安んじて暮らしていける地域社会づくりを進めます。

 まず、青森安全・安心にかかる総合対策31億円ですが、「新型インフルエンザ総合対策事業」や「抗インフルエンザウイルス薬備蓄」を実施し、危機管理体制・医療体制の整備やまん延防止などの対策強化を図ります。
 また、ちょっと大きい財源を投入しますけれど、いよいよ三次医療、弘前大学の高度な救命救急センターの施設の整備を支援しますし、ドクターヘリ、また周産期医療の関連等予算を措置しました。

 就業支援においては、「非正規労働者ステップアップ支援事業」や「障害者雇用推進パッケージ事業」、こういった形を通して青森での就業支援を進めてまいります。

 環境対策では、「あおもり低炭素社会推進事業」や「ごみ減量・リサイクル強化対策事業」を含めての予算措置をさせてもらいました。

 以上、平成21年度の県の重点事業のうち「雇用の創出・拡大」、「あおもり型セーフティネット」についてご説明しましたが、ここで、国の二次補正予算に対応する事業についてご説明いたします。

 まず、経済・雇用関連について。
 「ふるさと雇用再生特別対策事業」、これは県と市町村それぞれある訳ですが、パートやアルバイト、派遣社員など、いわゆる「非正規」を含む求職者の方々の雇用機会を創出する事業を実施してまいります。
 例えば、県内産直施設において、食品表示の適正化や県産品に係る情報発信を事業であるとか、あるいは「奥津軽トレインアテンダント配置事業」、具体的に言いますと津軽鉄道関連のキャンペーンということですが、地域特産品の販売等を行う客室乗務員を配置するなど、県実施分としてこういった事業等39事業で228人の長期的雇用ということですが、創出する事業を実施します。

 また、「緊急雇用創出対策事業」では、離職を余儀なくされた非正規労働者や中高年齢者などの失業者の方々を対象として、次の雇用までの短期の雇用・就業機会を創出・提供する事業を実施し、生活の安定を支援します。

 振り込め詐欺対策の要員でありますとか、農繁期の人手不足を補う「農業サポーター整備事業」、森林関係の除伐採や枝打ちを行う事業など実施し、延べ52事業793人の雇用を創出を図ることとなっております。
 
 私共と市町村とこういった形で21年度で延べ2,300人程度の雇用を見込んでいます。

 続いて、安心な県民生活を実現するための、子育て支援、妊婦健康診断、あるいは障害者自立支援のための事業を実施するほか、45億円になりますけれど県単で生活支援道路等の整備や交通安全施設の整備を進めてまいります。

 以上、21年度当初予算、国の第二次補正予算への対応、合わせて総額362億円規模の事業を行い、緊急の課題である「経済・雇用」、「県民生活の安心」にしっかりと取り組みます。

ここまで、「産業・雇用」と「安全・安心」に関する予算についてお話ししてきましたが、昨年12月に策定した「青森県基本計画 未来への挑戦」を推進し、生活創造社会を目指すため、
 ・人は財だ!青森県
 ・しごと創造!青森県
 ・とことん安心!青森県
 ・新幹線でぐぐっと青森県
を戦略キーワードに、非常に分かりやすいものにしようといたしまして、施策を重点化・集中化して取り組むこととしています。
 
 全ての基礎である人財を育成する「あおもりの未来づくり」、最も重要な課題である「雇用の創出・拡大」、安心に暮らすための「あおもり型セーフティネット」、2010年に開業する予定の「東北新幹線全線開業対策」を選択と集中、重点的に進めることとし、また地域県民局それぞれに地域の方々とユニークな事業を提案してきておりますが、それを予算措置させてもらいました。こういった選択と集中を通して、生活創造社会を目指していくことになります。265事業、165億9,280万円ということになります。

 先程、「雇用の創出・拡大」、「あおもり型セーフティネット」につきまして、ご説明申し上げましたが、続いて「あおもりの未来づくり」、「東北新幹線全線開業対策」についてお話ししていきたいと思います。 

 「あおもりの未来づくり」では、県民一人ひとりの能力を高め、その能力を十分に発揮できる環境づくりを進めるため、4つのジャンルに予算を措置することことになりました。
 ・あおもりの未来をつくる人財の育成
 ・あおもりの今をつくる人財の育成
 ・人財育成のための仕組みづくり
 ・教育環境の改善
に取り組みます。

まず、あおもりの未来をつくる人財の育成という分野ですが、「小・中・高等学校連携教育推進事業」では、家庭と連携した生徒指導や学習指導についての実践研究、ネットいじめに対処する教員養成などにも取り組みます。「教師が子どもに向き合える学校づくり推進事業」では、経営コンサルタント等の協力を得て、学校の業務改善に取り組みます。

 あおもりの今をつくる人財の育成については、「ものづくり企業人セミナー開催事業」では、製造業の経営・生産管理者や企画・営業担当者を対象に実践的なセミナーを開催し、企業人のスキルアップを支援します。また、このところ非常に注目を浴びていますが、「組込みソフトウエア産業振興戦略事業」では、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指す方々を対象に、実践的技術者講座を開講します。

 人財育成の仕組みづくりのため、「地域ぐるみで子どもを育む基盤形成事業」や「あおもりスポーツ拠点づくり推進事業」などに取り組みます。

 更に、教育環境の改善のため、青森工業高校や田名部高校の耐震改築、八戸西高校などの体育館の耐震診断、耐震補強を実施します。

 続いて、新幹線の部分であります。平成22年12月に迫った東北新幹線全線開業に向け、
 ・東北新幹線全線開業効果拡大 という分野、
 ちょうど6月19日に迫ってきましたが、
 ・太宰治生誕100年記念事業
・交流ネットワーク拡大
 ・国際交流拡大・航空路線強化
に取り組みます。

 開業効果の拡大ですが、首都圏におけるキャンペーンやマスコミ各社へのプロモーションなど、東北新幹線全線開業のプレキャンペーンを大きな額ですが展開してまいります。 また、「冬のあおもりツーリズム推進事業 」では、JRやJALとタイアップした広告宣伝等を展開します。

続いて太宰関連ですが、津軽鉄道の芦野公園駅を舞台に小説『津軽』を題材にした野外劇、県民参加型で前に県立美術館でもやってたものをバージョンアップするんですけれど、県立美術館や近代文学館で太宰治関連の特別展を開催します。

 そして、交流ネットワークの拡大を図るため、「青い森鉄道マイレール推進事業」や「航空ネットワーク戦略的拡大事業」を実施し、そして国際交流関連航空路線の強化ということについては「国際観光誘客促進事業」従来の誘客推進事業というものをしっかりと進めるとともに、庁内ベンチャーで非常にいい提案がありまして「韓国情報発信力強化事業」といったもの等で今から韓国にすそ野を広げておき、経済の回復とともにまた、青森に訪ねてもらうという仕組みです。 

 こういった事業を推進するに当たっては、県民皆様の参加が必要でして、「結集!! 青森力」ということで、何卒、皆さんのお力を借りて進んでまいりたいと思います。

 地域県民局関連の事業でございます。
 昨年、映画で機運が高まった「上北の乗馬の里形成事業」、未来デザイン会議において提案があった「太宰ミュージアム開館プロモーション事業」、下北の方でいろいろ検討を進めてきた「下北学を活用した観光人材育成事業」、あるいは、「創意と工夫が光る元気なあおもりづくり支援事業」を含め、それぞれ県民局が地域の方々提案してきてくれた事業についても、49事業3億7,160万円余り採用してまいります。

 以上、21年度当初予算並びに国の第二次補正予算関連の取り組みについてご説明しました。
 これらの取り組みをしっかりと進め、「生活創造社会」の実現を目指していきます。


 最後に、地方独立行政法人青森県産業技術センターの理事長の内定についてご説明申し上げます。
 青森県産業技術センターは、工業総合研究センター、農林総合研究センター、水産総合研究センター、ふるさと食品研究センターの4センターを統合して、4月1日にスタートしますが、この度、同センターの理事長の公募を行い、外部有識者による理事長候補者審査会の厳正な審査を経て、理事長内定者を決定いたしました。
 青森県産業技術センターの理事長内定者は、現工業総合研究センター所長の唐澤英年氏であります。
 全国初の農工一体型の法人の理事長には、民間経営感覚や幅広い分野の試験研究に対する理解、更には本県産業などの特性に対する理解が必要であると考えており、これまでの業績や経験を評価し、唐澤氏が理事長として適任であると判断いたしました。
地方独立行政法人青森県産業技術センターが、理事長のリーダーシップのもと、職員が一丸となって県民の皆様の期待に応え、本県産業の振興により一層寄与していくことを期待するものであります。

 私からは以上であります。

○記者
 2点あります。これまで5年間の行革についての評価と、税収の落ち込みが激しく先行き不透明な中で、新行革大綱をどの程度予測通りにできるとお考えでしょうか。
 任期二期目の2回目のある意味折り返しの年の予算ですが、限られた予算の中でどのように知事色が出されたのか。攻めの農林水産業などとよく知事がおっしゃいますが、「攻め」というのは今回の予算のどの辺りにでているのでしょうか。

○知事
 これまでの5年間の行財政改革、ご案内のとおり、本来、当初取り組んだとき、財源の不足額が2,000億円ちょいという計算のもとでスタートした訳ですが、途中で交付税がドカンと減ったりして約4,000億円弱というところであって、その不足額をいうのものを、とにかく這って、這って、這って解消することができたということ。なおかつ、県政史上初の元金ベースでのプライマリーバランスを20年度において8億円ですけれども黒字化して、将来の借金の元金を減らすことに取り掛かることができたということ。
 これはしかしながら、評価ということであれば、大変に県民の皆様方、議会、県庁の職員それぞれが協力し、努力してくださった。その中で達成できたものだと考えている次第です。
 従って、今新しい行革の大綱ということでお示ししたわけですが、私自身、収支均衡ということが本当に必要なこと。行財政基盤の安定なくして県政なしということを、自分自身話し続けてきたわけでございますけれど、まさに収支均衡に向かって、とにかくこれまでの5年でこういうふうにやれたじゃないか、よし、また、集中改革頑張っていこうという思いでございます。
 どういう部分が「攻め」かというと、産業雇用の部分においても思い切って今回県単の事業等を措置しましたが、例えば生活関連の道路45億円とかそういうことを含め、他の分野においてもそういった部分、あるいは農商工連携、これは私どもがずっとやり続けてきましたが、農工ベストミックス新産業創造プラン。これを国が非常にこのアイディアいいぞということで進んだわけですが、この部分を日本で一番大きい枠を作りました。
 今日もVic・ウーマンの会で話をしてきましたが、どんどんアイディアを出してください、一緒にやりましょうと言ってきましたが、そういう意味において攻めの農林水産業のみならず、地場の力における産業起こし、地場を支えるための経済対策等を含めて「攻め」と言えばそういう形で予算対応したという思いがあります。

○記者
 2点お願いします。今までの話を含め、率直な今回の予算編成の感想と、去年10月予算編成の方針というものを出したと思いますが、そのときからリーマンショックといった金融危機とか、日本のすごい景気低迷とかがあって、状況が変わってきての予算編成だったと思いますが、その辺の知事の当初の話と今回の違いみたいなものは。

○知事
 まあ、秋と冬とですごい季節が変わったというか、日本の企業を含めて、夏の終わり、そして秋がやってきたら、突然厳寒の真冬にというものがやって来て、100年に一度というこのショックの思いが全国的にあると思います。
 それで、予算編成をどのようにやったかというと、うちの場合は私だけでなく、それぞれが、補助金、いろんな制度、県を元気にしていくために、一生懸命みんな走り回ってくれたというか、いろんなところでこちらのアイディアを提案しながらいろんなものを集めてきたという思いがあります。県庁スタッフそれぞれの立場立場で頑張ってくれた。
 しかしながら、何よりも税収。うちだけではないですけれど、税収が極端にこの国全体で下がっていくという中にあって、ご案内のとおり、プライマリーバランスしっかりやろうということで頑張ってきたわけでありますけれど、300億円割り当て、一応、形は赤字の債務という形で300億円(臨時財政対策債のうちの新たな赤字地方債分)来たということで、見た感じの元金ベースでのプライマリーバランスが下がったけれど、しかしその中でも実質の部分で99億円、約100億円プラスを出せたなということ。
 あるいは基金、非常にわれわれもこれまで5年間、これを最大限活用しながら、これを使わないようにするために頑張ってきたわけですが、3桁行くかなあというところで、踏ん張って、踏ん張って、71億円で済んだということ、まず、本当に力を合わせて予算組んだという思いがあります。
 二次補正というもの、地方頑張れという後押しがあったわけで、われわれはこれが本当に早く成立していただきたいし、本当にこれで雇用の部分も含めて、切に二次補正も本予算も早く成立することを願う次第です。

○記者
 100年に一度の経済危機となったことで、知事は前と今回の予算編成で知事の方針というか、考えの転換というものはあったのでしょうか?

○知事
 もちろん、100年に一度の経済危機は雇用危機にも繋がってくるわけだから、その部分をどう強化していくかということについては、それぞれの部局を横断的に、早い時期に例の検討会を立ち上げて、とにかくどうやって支えていくか。あるいは作るというものも大事ですし、企業誘致もこういうときだから頑張らなきゃということで、われわれはそういう意味でも、守りつつ攻められる部分は攻めるという、みんなでそれぞれ知恵、工夫、スピード感を持ってやってきた。
 ただ、本当に秋からこっちの世界がストーンと変わってしまって、100年に一度という表現よりも、分かりやすい表現が必要だと思うが。

○記者
 県財政にもやっぱり影響してきている?

○知事
 だって、税収見てください。まあ、他よりは比率的にはあれかもしれないけれど、税の額でいったら響くでしょ。

○記者
 具体的な事業になるんですが、弘前大学の高度救急救命センターに今回5億円支出されるということで、具体的にはヘリポートと緊急被ばく医療に係る機器の整備ということですけれど、今回の支出に伴って、知事から改めてセンターの役割への期待と、問題になっているのは開設後の運営費の支援の部分が結構大きな課題としてあると思うんですけれど、その県の対応について知事はどういうふうに考えているのかお聞きしたい。

○知事
 要するに三次救急医療。地域病院がいっぱいあるのに、救急医療が抜けたりとか、いろいろ困っている状況があった訳で、そこの圏域に住んでいる人間にとってみれば、本当の高度な救急医療が成立しているのは大事なことで、言い方を変えれば、二次救急を守るためにも三次救急が必要だということで、われわれとすれば腹をくくった。
 また、非常に弘前大学は意欲をもって、地域とともに歩んでいくという弘前大学の強い意志をもって遠藤学長以下お示し頂いたことに対応していくということです。

○総務部長
 運営費につきましては、交付税で三次救急の部分については措置されているということもありまして、弘大の方で関係市町村の方に負担をお願いをされるというふうに聞いています。

○記者
 運営費の支援については、直接県としては対応は考えていないということ?

○知事
 交付税の方に入るということで。

○記者
 限られた予算の中で、印象としてはとても雇用の方に使われて、とてもメリハリがあるのかなあと思っています。その中で雇用創出型ステップアップを含めましていろんなものが出ていますけれど、特に知事が力を入れたと言いますか、納得していると言いますか、進めたいと言いますかそういう事業があれば。

○知事
 雇用分野、ジャンルいろいろあるじゃないですか。非正規雇用の方々を支援するスキームとか、障害者雇用の部分ですとか、それぞれの分野に対して、しっかりとパート、パートをしっかり抑えていくという形で進めたという思いがあるので、個別にということよりは各ジャンルごと。
 非常に地道かもしれないですけれど、企業等から要望があるのが、技術系のかなり水準の高い青森の出身者多いじゃないですか、どうしてこっち来て就職してくれないのか、そういう方々を呼び戻すことも含めて、要は基礎的な部分から経営管理をできる産業雇用の対策の部分を含め、あるいは障害者雇用、あるいは非正規の方々に対する支援の部分を含めて、そういう意味では幅広にいったということ。

○記者
 今の現時点で、この新しいいろんな予算とかそういうので、青森の厳しい雇用問題はこれから全てうまくいくと、ある程度納得していると考えられているのでしょうか?

○知事
 年度が、ほら、3年間続くわけですから、第一弾としてこういった対応。で、状況変化というものは必ず出てくると思うんですよ。私は町長やっていましたから状況変化に強いというわけではないですけれど、なんか動いた、じゃあこうしなきゃということが出てくる。それは国が三次補正やるかどうかわかりませんけれど、われわれとしても常に雇用の部分、これ常に注目しながら、国等に働き掛けながら、あるいは市町村と連携組むことになっていますけれど、NPO等含めて、様々な団体等活用することになっていますけれども、機動的にすぐ対応できるような仕組みを常に保っていなければいけない。
 要するに大きな船は動かすのにだいぶエンジンを暖めておかなければいけないでしょ。われわれも大きな船ではないけれど、商工労働部長中心に作ってあるわけだから、その部隊に常にアンテナをよくして、どういう状況にあるか、どういう方策とか、国の枠を取ってきて使おうやという常に機動的に対応できるように、エンジンに気合かけ続けているところですね。
 今後、更に悪くなると思いたくないが、日本も成長の部分でもマイナス12%(平成16年度の地財ショック)とかとドカーンと来たわけですよね。やっぱり、輸出というもの、われわれもりんごの輸出をしてみて、円高で非常に戦っている訳で、やっぱり輸出関連を中心として、がくんといった訳ですから、どういうのが出てくるか分からない。常にスピードを持って対応できるように、われわれが商工を中心として作ったチームには対応策を常に対応、即対応できるような仕組みで行きたいと思っております。
 とにかくやれる限りのこと、われわれとして、回せる資金、やれる限りのことで、県財政そのものが破たんしたらば、全てもっと悪い状況になるわけですから、そうならないようにしながらも、今回県単も思い切ってということで出せる部分に出したというのはあります。

○記者
 新幹線の開業前年度ということになりますけれど、どのような思いで関連予算の編成に臨まれたかということ、今年度までの施策で得られた成果と、まだ足りないなあというところ、これから力を入れていかなければいけないなあという部分があれば教えていただきたい。

○知事
 新幹線についていえば、これまでのということでいえば、非常に早め、早めにいろんな予算枠がついて、グーっと進んだので、来年の12月具体的にハードが早く終わってくれたから間に合うという。それに対して大変に国会議員の方々はじめ、経団連の方々はじめ非常に新幹線予算をとにかく最大限に日本で一番高く確保して来ていただいたことに、まず感謝したいと思っております。
 であれば、われわれも開業対策をどうきちんと進めるかということになりますが、青森そのもの、攻めの農林水産業やってみて思うんですけれど、お客さんもいろんな意味において首都圏とか大都市圏域でどうキャンペーンしていくかということが非常に重要であって、いまプレキャンペーンの予算も従ってかなり大きくとって、将来的には東京をジャックしていこうかということで対応を用意したのですけれど、やはりどう新幹線を開業するという露出度を大きなマーケット、要するに東京などそういうところに示していき、青森に興味をもってもらって来てくれるかということになると思う。
 そういう意味において、JR東日本が、もうおかげさまで、例の周回列車、リゾートハイブリット列車をうちにダーっと8両突っ込んでくれるとか、とにかく一緒にがんがんキャンペーンやろうということをぶちあげてくれていることを非常にうれしく思っている次第ですし、そういった連携の強化。あと、立体観光といっているが、名古屋とか大阪とか飛行機で来て、新幹線ネットワークを使って新幹線効果を最大限に上げるという方法だけれど、そういったこと等についてもわれわれのノウハウとスキルをもっと磨いていかなければいけないと思っております。要するにこれからどう本格キャンペーンにわれわれそのものが対応して、もっと大都市圏域、マーケットにおいて「青森新幹線開業だ。行ってみたい。」に持ち込めるかということを進めなければいけないと思っています。
 せっかくだから決意を。

○商工労働部長
 21年、2010年12月という目標に向けて、さまざまな仕込みがJR等とも話し合いをしながら、大変いい形で準備ができていると思います。あとは県民の皆様がどうやってこの日本国中、あるいは世界からいらっしゃるお客様をお迎えするかというマインドを今、21年で醸成していけるかということに、マスコミの皆様のお力もお借りしながら、高めていきたいと考えております。仕込みはまず、21年分はかなりに盛り込んだつもりでございます。

○知事
 加えて言えば、まるごと情報発信チームというものを庁内ベンチャーで育成し、この4年間、5年間でかなり毎年広告換算値数十億円単位で打ってきたという思いもありますし、桃鉄チームをはじめとしたすごい応援団がなんか一緒にしかけようやということもあり、ほんとに長い間仕込んできたものもありますし、それをどう開花させようかというのも重要であります。

○記者
 先程の救命救急センターの関係で弘大の機能の充実を図るということでしたが、一方で八戸市民病院の救命救急センターの運営補助金が21年度で廃止されるんですが、その理由と、赤字の方を市が補てんしてきたという経緯があるわけで、そのことについて反論も出ているんですが、そういう声があることについて知事はどのようにお考えですか?

○知事
 そのことについて技術的にきっちりと話しできると思うんだけれど。

○健康福祉部次長
 八戸の救命救急センターに対して毎年補助金ということで計上していたわけですけれど、ここ数年補助をした実績がないということはひとつあります。
 もうひとつは先ほど総務部長の方からありましたとおり、三次救急については交付税でしっかり措置されるというそういう意見がありまして、今回補助をやめたということです。

○記者
 限られた財源というお話がありましたけれど、学校の耐震補強に絡んで弘前南高校の体育館の工事が報じられていますけれど、7千万円補修工事の税金の使われ方というのは知事自身はどのように評価されていますか。

○知事
 非常に雨漏りで危険で、確か26年に改築するということだったけれど、雨漏りが危険だったから、そちらを緊急対応をしたということで教育委員会から聞いていたが、誰か来てる?

○教育庁次長
 いま、知事からお話がありましたように、この弘前南高校の第一体育館につきましては、老朽施設ということで、26年度ということでの計画ができておりました。しかし、3年間ぐらい雨漏りがひどくて、生徒700人以上がいる教育活動に支障がある、また安全性の確保という点においても問題があるということで雨漏り補修工事を実施して、それを最優先でやることにしたということです。
 ということで、これは適切な対応だったという風に考えています。

○記者
 その過程の中で耐震性に問題があって、使用禁止ということになったということですが、貴重なお金の使われ方、知事は何かこう問題があったんじゃないかという認識はありませんか?

○橋本教育庁次長
 それにつきましても、その後の過程において、国の方の地震防災対策特別措置法の改正等がありまして、県立施設においても、他の方向を考えていかなければならないということで県教育委員会といたしましては、老朽の改築ということでは順次改築するという予定はあったものの、耐震診断を行ったということで、県民に説明をしてなんとかご理解いただければというふうに考えております。

○知事
 9月補正とかじゃなかったっけ?

○教育庁次長
 これは予算は20年度の9月補正であり、当初予算ではございません。

○知事
 時系列的にいえば、雨漏りがあって直していて、国のあれ(地震防災対策特別措置法の改正等)が出てきて9月補正で調べたら今回こうなったという流れとして伺っていたが。

○記者
 知事としても同様のご認識ということでよろしいでしょうか?

○知事
 時系列的に説明を受けると、なるほどと。国の緊急何とか対応で9月補正で調べて、だから直したのはこっちでしょ。本来は26年にやる予定だったということを時系列的に考えると、ははぁということだから。
 教育委員会としても時系列的にきちんと分かりやすく説明したらいいのかなと。

○記者
 3点すみませんお願いいたします。
 毎年お尋ねして大変恐縮なんですけれど、今回の予算を一言でいうと何予算ということになりますか?
 2点目がですね、行革大綱と絡むお話だと思うんですけれど、まず一つが給与特例カットについて一般職員の部分を3月末で廃止、継続しないとお決めになった理由。
 3点目が、次期行革大綱は県税の増えることを前提にして、収支均衡というものが図られていると思うんですけれど、税収増というものが景気回復の見通しがない中で、厳しいのではないかと思うんですが、改めて行革大綱作ったばかりなんですけれど、歳出削減とか一層必要になるんではないかと思うんですけれど、そのあたりのご認識をお願いします。

○知事
 1点目は非常にいろいろと、本来は未来への挑戦と行きたかったんですけれど、非常に難しいな。終わった後でちょっと考えて紙を出します。

今回の大綱がどうかってことで、就任当初の行革も交付税がドカーンと倍返しになってというのはあってけれど、悲観論に立って物事を進めるということよりも、そういうこともあり得るということをしっかりと認識しながらも堂々とやっぱり今作った集中改革を進めていくことだと思う。というのは前だって、ある日突然夕方に当時の総務部長が「交付税がドカンと12%減って250億円ずつ毎年来なくなります、どうしますか。」ということがかつてもあったんですけれど、あれも5年に一度だけれど、そういうこともあります。
 今回アメリカが打つ対応策とか、夏場から反転攻勢にでるとかそういう話もあったりして、世界中がしっかりとした対応の中で日本も元に戻るための努力を進めているということはプラス効果が上がってくると思っています。まだ起きないことを悩むのではなく、常に何が来ても対応できるという強い志をもってこの改革を進めていく。というのは5年前、平成16年の地財ショックというものがあったのけれど、その日一晩はさすがの私も眠れなかったけれど、よし、またやろうやと次の日集まってやった。

○総務部長
 給与特例減額ですけれど平成20年度で5年間の期限が自動的に切れるわけなんですが、記者さんのお話があった様に、税収は落ち込んでますし、財政状況は厳しい状況がこれからも続いていくだろうと、そうすると臨時的な給与カットではなくて、より構造的・恒久的な給与の見直しをしていかないといけないのではないかという問題意識から、私どもは定員削減を大幅に進めました。
 また、諸手当を抜本的に見直しをして、全国でも大変厳しい内容の見直しを行っています。
 また、それでも足りない分は管理職職員に対して、5年間カットでやってきましたが、更に3年間お願いするということで、新たな特例減額をやりました。
 この3つを合わせると31億円になる訳でして、今までの臨時の特例減額を上回る額を恒久的・構造的な改革で捻出したと理解をしているところであります。

○記者
 北海道新幹線の建設費の話なんですけれど、新潟県知事とか九州の知事とか皆さん反対の意思を表明していて、新潟県知事なんか払わないというようなことを言ってるみたいなんですけれど、知事の前回の会見でもでましたけれど、今回の予算とはどう絡んでるのか分からないんですけれど、改めて知事のスタンスというか。

○知事
 ルール分は今までも交渉してきたし、うちすごくネゴシエーションしてかかる。何事も具体化しているから、ねえ、今回も。

○青山副知事
 ただ、ちょっと意見がバラバラなんで関係道県調整して。

○知事
 要するに12道県で会を作ってるんだし、それぞれが、国に対して調整、お話していくというのは出てくると思う。

○記者
 各道県がそれぞれのスタンスを発表していく中で、知事としてはどうでしょう。

○知事
 今までも、先に予算を組む前の段階からネゴシエーションして、はっきり言えば値切っていろんなことをやってきて、それを外に出してないだけなんですけれど。
 まあ、こういったいろんな経済情勢の中で、それぞれの新幹線対応というものがあるんですけれど、決められたルールについてはきちんと、やっぱり今のルールはルールとしてあるというのは認識しています。
 常にわれわれはネゴシエーションを続けてきたという実績も経緯もあります。そういったことを受けながらいろんなお話がでてきていますから、例の12道県の協議会があるわけですから、もうちょっと国として考えてくれるべきではないかということを共同提案していくということは当然あり得るということです。
 
―以上―
(記録:財政課)

過去の記者会見録

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