ホーム > ようこそ知事室へ > 知事記者会見録 > 臨時会見/Xバンドレーダーに係る共同記者会見について

臨時会見/Xバンドレーダーに係る共同記者会見について

会見日時:平成18年3月30日(木) 17:50 〜 18:30
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事、福島つがる市長

○知事
 沖縄を訪れた際、「命どう宝(ぬちどうたから)」という言葉を知りました。これは命こそ宝という意味と聞きました。太平洋戦争唯一の国内地上戦である沖縄の戦いにおいては、数多くの沖縄県民の方々、そして私たち青森県民が、まさに宝とも言うべき命を失いました。
 沖縄の平和祈念公園において、多くの戦没者の方々のご冥福を祈り、二度とこのような惨劇をこの国で繰り返してはならないと、私自身も固く決意した次第であります。
 私は今、青森県知事として、命を大切にする心を育む県民運動を、たくさんの方々のご協力を得て推進しております。そのきっかけは、長崎での小学生同士の痛ましい出来事でありました。私としては、小さな、地道な取組みを続けていくことで、また、この運動に子ども達をはじめ、一人一人の県民の方々が参加してくださることで、いずれは平和を希求する大きな流れが醸成されていくことになるのではないかと心に期しております。

 さて私は、政治家の大切な仕事のひとつに、国民の、私の場合は県民のでございますが、生命をしっかりと守るしくみを作るということがあると確信しております。その気概なくして政治を語るべきではありません。しかしながら、国を守ること、国民の生命を守ることが、現実として容易ならざることが、私たちは世界の歴史に学ぶところであります。 私たち日本は、これまで国家として四方が海であるという条件に恵まれてきました。かつて、元寇という危機がありましたが、私たち日本は海に守られることで国内での騒擾(そうじょう)や戦乱は多くあったにしても、国際関係論的にいえば、対外的には比較的平和を維持しやすい状況がありました。しかり、軍事的イノベーションは状況をまさに一変させるに至りました。私はこういった状況下における国防の重要性を認識するところであります。

 その一方、私は青森県知事として、本県つがる市における内なる不安定を極力回避すること、つまり、県民の民生の安定を極めて重要なものと考えるのであります。
 本日お見えくださっております、市民を代表するつがる市長さんの憂うるところを、我が憂いとして民生安定をきっちりと図っていかなければならないと考えるのであります。民生の安定、また、市民、県民の理解と協力なくして国防は始まらない、そう考えるのであります。そのことはまた、国においても同様の認識をいただきたいと強く考えるところであり、今日もその訴えをして参りました。

 そういった思いのもとで、以下対応してきたことをお話したいと思います。
 資料をお願いいたします。

 昨年10月31日に国から県に対して、また、12月2日には木村防衛庁副長官から私に対して、Xバンドレーダーの日本における最適な展開地を検討するに当たり、航空自衛隊車力分屯基地が有力な候補地となっているとの説明がありました。

 これに対して私からは、早目早目に、適時適切に情報提供を行い、地元の意向を踏まえて説明責任を果たすことを求めたところであります。

 その後、12月7日から16日までの日程で、Xバンドレーダー配備に係る米軍の現地調査が行われました。国によりますと、Xバンドレーダーの配備について日米間で協議され、3月に取りまとめる予定の最終報告に盛り込まれるとのことでありました。

 その後、つがる市においては、市議会議員全員協議会で国による説明が行われ、また、車力地区住民に対して、国による説明会が開催されております。

 県としては、去る2月8日に、それまでの動きを踏まえれば、現時点において、Xバンドレーダー配備と国民保護や被害対処との関連、Xバンドレーダー配備に係る技術的、設備的事項等に関する知見を得ておく必要があるとの考えの下に、専門家へ検討を依頼することとし、Xバンドレーダー検討会を設置したところであり、先般3月2日にはXバンドレーダー検討会から私に対して検討結果報告書が提出されました。

 国からは、去る3月3日に防衛施設庁渡部施設部長から私に対し、移動式のレーダーシステムであるXバンドレーダーの日本における最適な展開地を検討するに当たり、有力な候補地である航空自衛隊車力分屯基地について、米軍による現地調査が行われ、日米間で協議を重ねてきたところ、
・国としては、航空自衛隊車力分屯基地をXバンドレーダーの最適な展開地とさせていただきたいと考えていること、
・Xバンドレーダーの展開が我が国の防衛上重要な役割を占めることにかんがみ、県をはじめ地元の皆様の御理解と御協力を賜りたいこと、との説明がありました。

 また、展開計画の概要として、
・平成18年夏以降同年12月末日までの間に展開を開始すること、
・航空自衛隊車力分屯基地内の常時駐留人員が約50名〜60名程度で、この人員をローテーションにより維持するため、日本に展開する人員の総計は約100名〜130名程度であること、
・主要装備は、アンテナ・ユニット1台、エレクトロニクス・ユニット1台、クーリング・ユニット1台であること、
との説明がありました。

 その際、これらの事項に関してさらなる説明を求めたところ、
・日本に展開する人員の総計の約100名〜130名程度のうち、米軍人は10名程度であり、その他の人員は、Xバンドレーダーの整備、警備等を行う、米軍の委託を受けた民間業者の社員であること、
・米軍人は、米軍三沢基地等既存の施設が生活の場となることが考えられること、
・民間業者の社員については、つがる市などの近傍に住居を借りることになると思われること、
・米軍三沢基地との関係については現時点で不明であるが、米軍三沢基地がXバンドレーダーの補給中継等、管理運営をサポートするための基地となる可能性はあること、との説明があったところであります。

 これに対して、県からは、
・県としては、現状を越える基地機能の強化については容認できないとの考えに立っており、今後とも基地の設置、運用に対するこの基本的考え方に立って対応して参りたいと考えていること、
・在日米軍再編は、すぐれて外交及び防衛という国政に関わるものであるが、県としては、基地の設置、運用に伴って本県における民生安定が損なわれることがあってはならないと考えていること、
・Xバンドレーダー配備については、地元への影響がどのようなものであるのか、地元自治体の意向がどのようなものであるのか等も含め、今般、Xバンドレーダー検討会から提出された検討結果報告書に係る知見を踏まえ、検討して参りたいと考えていること、
・今後、県民の安全・安心に重点を置いた対応の観点から、県議会での議論をはじめ、県民説明会の開催等、慎重に手順を踏みながら対応して参りたいと考えていること、
・今後とも、国においては、早目早目に、適時適切に情報提供を行い、地元の意向を踏まえて説明責任を果たすことを求めること、を申し述べたところであります。

 その後、県としては、11月定例県議会及び2月定例県議会を経て、3月24日に県議会議員全員協議会を開催していただき、県民を代表する県議会議員各位の御意見を伺ったところであり、さらには3月25日に地元つがる市において、3月26日に青森市において全県を対象として、Xバンドレーダー配備問題に関する県民説明会を開催したところです。県議会議員全員協議会及び県民説明会においては、国及びXバンドレーダー検討会からそれぞれ責任ある立場で、
・Xバンドレーダーの展開計画の概要等について
・Xバンドレーダー検討結果報告書の概要について説明し、御意見を伺うなど、これまで、慎重に手順を踏んで対応して参りました。

 県議会からは、県議会議員全員協議会を経て、「自由民主党」会派からは、「配備に協力して参りたいと考えている。しかしながら、Xバンドレーダー配備に係る安全性の確保、民生安定対策等についての地元の不安の声に十分配慮し、県民の安全・安心に係る必要な事項について、国に対して確認を行い、総合判断していただきたい」旨、「公明・健政会」会派からは、「Xバンドレーダーの配備については了とする。配備される地域の安全性の確保及び地域の民生安定対策等に特に配慮する必要があることを十分留意の上、総合判断していただきたい」旨、それぞれ文書で意見の提出があったところであり、また、「新政会」会派からは、「Xバンドレーダー設置は必要であると考える。つがる市あるいはその周辺住民の理解を得るとともに、日米地位協定の見直しを国に強く求め、県民の安全と福祉の向上に努めることを強く求める」旨の回答があったところです。

 一方、「社民・農県民連合」会派からは、「Xバンドレーダー配備に反対する」旨、「日本共産党」会派からは、「レーダー配備は認めるべきではない」旨、無所属議員からは、「青森県内の配備を認めるべきではない」旨、それぞれ文書で回答があったところであります。

 地元つがる市長からは、3月28日の市議会議員全員協議会終了後、私に対し、今後の対応として、国に対して要請し確認する事項等については、県と連携しながら確認していきたいとの要請がありました。

 私としては、地元つがる市長の要請を受け、また、これまでの県議会における御議論や県議会議員全員協議会での御意見、県民説明会における御意見等を踏まえれば、Xバンドレーダー配備に係る安全確保、民生安定対策等について、国の考えを確認する必要があるものと考え、本日3月30日、額賀防衛庁長官に対し、私とつがる市長から、地元としての6項目に係る要請及び確認をいたしました。
1点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う道路管理上及び道路交通上の安全確保」については、国からは、「国としても安全確保に万全を期する」との確認がなされました。
 2点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う電波照射に係る周辺住民等の安全確保」については、国からは、「立入制限区域を設定するとともに、周辺住民の安全確保に万全を期する」との確認がなされました。
 3点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う治安維持上も含む住民の生活環境等への悪影響の排除」については、国からは、「国として責任を持って対応する」との確認がなされました。
 4点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う国から地元への最大限の民生安定対策等」については、国からは、「地元に対する民生安定対策について最大限努力する」との確認がなされました。
 5点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う国から地元への雇用創出や物資調達等による最大限の地元振興」については、国からは、「国としても最大限努力する」との確認がなされました。
 6点目の「Xバンドレーダーの配備・運用に伴う農林水産物等の風評被害に係る的確な対応」については、国からは、「実際に農林水産物等に何らかの被害が生じ、因果関係が認められる場合には、国が損害を補償する」との確認がなされました。
 以上6点の詳細につきましては、会見終了後、天童管理監からレクチャーをさせます。

 そこで、私としては、Xバンドレーダー配備に係る安全確保、民生安定対策等について、責任ある立場の額賀防衛庁長官から確認できたことは、重いものと受け止めたところです。
 また、本日3月30日午後、地元つがる市長から、「地元からの要請、確認に対する国の回答は評価できるものであり、要請のあったXバンドレーダーの配備に対しては条件を付して協力することと判断した」旨の意向を確認したところであり、先程、三役・関係部長会議を開催し、Xバンドレーダー配備問題について慎重に協議したところです。

 以上の諸々の経緯を踏まえてのXバンドレーダー配備問題に係る県としての考え方は、次のとおりであります。

 「現状を越える基地機能の強化については容認できない」場合に該当する事例としては、これまでの県議会における答弁に照らしますと、航空機の追加配備や飛行回数の増大につながる事例が考えられるところですが、それ以外の事例がどうなのかについては、個々の事案ごとに議論があり得るところでありますことから、個々の事案ごとに総合的見地に立って検討する必要があります。

 Xバンドレーダー配備が「現状を越える基地機能の強化については容認できない」場合に該当するかどうかに関しましては、県といたしましては、
 Xバンドレーダーは、警戒監視用レーダーであり、迎撃体等の武器を伴うものではないこと、航空自衛隊車力分屯基地内の常時駐留人員が約50名〜 60名程度で、この人員をローテーションにより維持するため、日本に展開する人員の総計は約100名〜130名程度であり、このうち、米軍人は10名程度であり、その他の人員は、Xバンドレーダーの整備、警備等を行う、米軍の委託を受けた民間業者の社員であり、米軍関係者の中核はレーダーを操作運用する高度な電子技術を備えた技術専門家集団と考えられるものであること、米軍三沢基地との関係については現時点で不明であるが、米軍三沢基地がXバンドレーダーの補給中継等、管理運営をサポートするための基地となる可能性はあること、また、航空自衛隊車力分屯基地からは、日常の支援などに便宜を得ることができると考えられるものであること、Xバンドレーダーを利用することにより、着弾予想地点をより早く、より正確に、すなわち、極めて短時間で正確に算定することが可能となるものであること、これにより、当該地域住民に対する警報の発令、当該地域における住民の避難や被害拡大防止措置、警察、消防、自衛隊等による住民等の避難誘導や被害拡大防止措置の早期着手が可能となるなど、国民保護や被害対処に貢献するものであること、Xバンドレーダーの配備・運用に伴う道路管理上及び道路交通上の安全確保、電波照射に係る周辺住民等の安全確保、治安維持上も含む住民の生活環境等への悪影響の排除並びに農林水産物等の風評被害に係る的確な対応が国により図られるとともに、Xバンドレーダーの配備・運用に伴い、国から地元への最大限の民生安定対策及び雇用創出や物資調達等による最大限の地元振興が図られるものであること、等を総合的に勘案すれば、今般、国から要請があった、Xバンドレーダー配備は「現状を越える基地機能の強化については容認できない」場合に該当するものではないと判断するに至りました。

 私は、県民の命と財産を守ることが県知事として最大の使命であるという強い決意を持って県政運営に当たっているところであります。このような強い決意の下、県としては、基地の設置、運用に伴って本県における民生安定が損なわれることがあってはならないと考えており、引き続き、国に対し、早目早目に、適時適切に情報提供を行い、地元の意向を踏まえて説明責任を果たすことを求めるとともに、地元自治体と連携しながら、国に対して対応を求めた、Xバンドレーダーの配備・運用に伴う道路管理上及び道路交通上の安全確保、電波照射に係る周辺住民等の安全確保、治安維持上も含む住民の生活環境等への悪影響の排除並びに農林水産物等の風評被害に係る的確な対応、Xバンドレーダーの配備・運用に伴う国から地元への最大限の民生安定対策及び雇用創出や物資調達等による最大限の地元振興等について、国の対応を厳しく見極めて参りたいと考えております。
 私から以上であります。

○つがる市長
 報道各社の皆様方には、大変お忙しいところご苦労様でございます。
 さて、昨今話題となっておりました、米軍のXバンドレーダー配備について、本日、額賀防衛庁長官及び木村防衛副長官とお会いし、つがる市として、次の点について国に対し要請し、確認いたしました。

 まず、一つ目は、米軍のXバンドレーダーシステム配備後、新たな米軍の機能強化はしないこと。また、運用システムの改編がある場合、事前につがる市に情報を提供すること。
 二つ目として、米軍Xバンドレーダーシステムの配備に伴い、あらゆる事件、事故の防止に努めるとともに、事件、事故及び環境被害等が発生した場合、責任をもって適切な措置をすること。
 三つ目といたしまして、市の施策事業については、民生安定、生活環境、住民福祉及び産業振興等に対して、誠意をもって助成措置するとともに、地域の負担軽減を図る新たな交付金等を早急に実施すること。

 これに対し額賀長官からは、国においても誠意をもって尽くす旨回答をいただいたところであります。

 つがる市としては、これまで、議会関係あるいは市民を対象として、延べ8回にわたり防衛庁等から説明員の出席を求め、実施して参りました。
 私としては、まず、今日の国際情勢を考えるとき、決して同レーダーがアメリカ本土のみを防衛するものではなく、我が国の安全にも大きく寄与すること、また、色々住民等から配備に対する不安や疑問があった中で、国側においても、風評被害問題や治安対策等に対し、誠意ある回答を得たこと、加えて、市の各種振興施策についても、民生安定事業に対し国の財政支援が見込めること、等々考慮した結果、Xバンドレーダーシステムの配備について、条件を付して協力することと判断いたしました。
 以上でございます。

○記者
 まず知事にお伺いしたいんですが、今の先ほどのお話ですと、知事として配備を了承するのかどうか、ここのところははっきりとおっしゃっていないように感じましたが、あえてそのようにされたんでしょうか。

○知事
 いやいや、私といたしましては、先程縷々申し上げました、総合的に勘案すれば、今般国から要請のあったXバンドレーダーの配備は、現状を越える基地機能の強化については容認できない場合に該当するものではないと判断するに至った。ということは、容認することは止むを得ない部分であるということを申し上げたというふうに御理解いただきたいところです。

○記者
 繰り返しですが、容認することは止むを得ないという判断に至ったと。

○知事
 はい。
 また、それは、必ず、申し上げますが、地元であるつがる市長さんのお考えと伺い合わせていただいてということであります。

○記者
 あと市長さん、条件を付してという表現を使われましたけど、条件を付してというところをもう少し詳しく。

○つがる市長
 今言いましたように、風評被害、あるいは治安の問題、例えば先ほども知事さんの方から言われましたように、要するに駐在所の問題とか、そういう意味でございます。

○記者
 今日確認された事項が、政府の方から守られている限り。

○つがる市長
 そうでございます。

○知事
 厳しく追及して参ります。

○記者
 今回のレーダーの配備について、基地機能の強化としてはですね、今回のレーダー配備については基地機能強化には当たらないという判断と解釈してよろしいかと思うんですが。

○知事
 いやいや、容認できない場合に該当するものではないと判断すると。
 非常に持って回ったような言い方でありますけれども、こういうところが重要だと思っております。

○記者
 市長さんの方は国に対してですね、これ以上の基地機能強化はないという確認が得られたとおっしゃってるんですが、今回のXバンドレーダーの配備というのは容認されたということなんで、また同じような、今回と同レベルの配備の場合は、それは基地機能強化にあたるという判断になるんでしょうか。

○つがる市長
 やはり、その場合によっては違うのではないかというようにも思います。

○記者
 それぞれのケースにおいて判断するということでよろしいですか。

○つがる市長
 はい。

○知事
 私も、同じ見解です。

○記者
 後ですね、今回国の手順の取りかたがですね、非常にちょっと地元を軽視しているとうそういう指摘もありますが、国の専管事項であるという話もありますが、その国の進め方についてはですね、知事さん、市長さん、どう受け止めていらっしゃるのか。

○知事
 取材に行った方はご存知かと思いますが、額賀長官にその部分は申し入れしております。

○記者
 いえ、国はその。

○知事
 ですから、今日の会談の際に、事前、早目早目のこと等について、そうあるべきであったということ等につきましては申入れしておりますので、御社で行った方に聞いてください。

○記者
 それは今後早期に情報提供してほしいという要請であったかと思うんですが、今までXバンドレーダーに関して、10月からですね今月に至るまでの国の対応はどうごらんになっているのか。

○知事
 実際には、遅め遅めの対応であったということについて長官にはお話したと御理解いただけると思うんですが。

○つがる市長
 確かに12月の調査の要請、あるいは3月3日の協力要請、これに関してはやはり、ちょっと時間が足りなかったのかなあという気もしております。

○記者
 知事が5点挙げられた、現状を越える基地機能強化は容認できない場合に該当するがどうかなんですけれども、少なくとも私にはですね、基地機能強化に当たるかどうかという具体的な説明はないというか、民生安定が損なわれないとか私には聞こえなかったんですけれども、機能強化に当たるかどうかという点に関しましてはどのようにお考えなんでしょうか。

○知事
 1点目とか2点目とか、5点述べたこと、最後は民生安定の話ですけれども、最初の部分については、そのように話したと理解していただきたいのですが。

○記者
 1つ目は当然といえば当然ですけれども、2つ目については民生安定、さらに言えば3点目についても米軍との関わりというところは不明であるということで、基地機能強化に当たるのかどうかという見解についてはどうお考えなのか。

○知事
 現状を越える基地機能強化については容認できないという立場を取ってきたわけですから、当たる、当たらないの話をすっきり言えばいいんでしょうけれども、要するに当たらないものとして、容認するも止むを得ないという判断をした。その判断の前提には、地元つがる市のお考えということを、やはり大変重要視したと。

○記者
 とすると、民生の安定が損なわれなければ、容認、了承できるということになるんですか。

○知事
 航空母艦がどかんと目の前に現れたら民生の安定もへったくれもない。だから、この場合は、と言っている。

○記者
 この場合は、とおっしゃいますと。

○知事
 1から5までお話したことを、私としては説明をしたつもりでございます。
 したがって、現状を越える基地機能強化は容認できないという部分には該当しないと考えるというふうに申し上げているところです。

○記者
 市長と知事それぞれにお伺いしたいんですが、市長はXバンドレーダー配備後、米軍のこれ以上の基地機能の強化はしないと。知事についてもですね、現状を越える基地機能の強化については容認できない場合に該当するものではないというふうにおっしゃったわけですけれども、この解釈、つまり、基地機能の強化に当たるんだけれども受け入れられない場合ではないという解釈なんですか、これは。

○知事
 いやいや、非常に短い話をしろということなんだと思うんですけれども、この場面においては、今回のXバンドのこの場面においては当たらないということを念頭におきながらお答えしていると考えております。

○記者
 だから、基地機能の強化については容認できない場合に当たらないというのは、確かにこの紙のとおりだと思うので理解できるんですが、基地機能の強化に当たらないのか、それとも基地機能の強化に当たるんだけれども受け入れられないというようなことになるのか、その辺を。

○知事
 この場合は当たらない、今まで発言してきた飛行機がどっとくるとか、航空母艦が、例えが悪すぎるけれども、これまでお答えしてきたこととは違うケースであるとして、様々に縷々検討し判断した結果、この場合には、いわゆる基地機能の強化には当たらないものということを主体として判断したところです。

○記者
 当たらないと。

○知事
 分かりやすく言えば。
 ただ、非常にこの場合は表現が重要でありますので、あくまでもやはり地元の市長さんのご意向等も踏まえながらということも、必ず重要なことと思っております。

○記者
 市長ご自身のご認識としては、機能の強化に当たるのか、それとも当たるけれども容認できるものなのか。

○つがる市長
 いや、やはり第1番目に国防、防衛の大きな問題がございます。
 それと、これ以上、あと米軍に来てもらいたくないと、大きくなってもらいたくないというのもまたあります。

○知事
 若干、天童管理監の方から。

○行政改革・危機管理監
 私ども今までですね、県議会で議論になってきているわけでございますけれども、裸といえばおかしいんですけれども、裸でですね基地機能の強化に当たるかどうかということではなくて、県議会で議論になっているのはですね、現状を越える基地機能の強化について容認できない場合に該当するのかどうかというのが、テーマとして来ているわけです。
 ですから、先程知事から縷々申し上げているような形で、この場合は現状を越える基地機能強化は容認できない場合に該当するものではないと判断したということでございますので、裸で、というかそういう形でとらえるのではなくてですね、ということを一言申し上げておきたいと思います。

○記者
 現状を越える基地機能の強化というのは非常に曖昧だと思うんですよ、そもそも。つまりこの、何が基地機能の強化で、何が基地機能の強化ではないのかというところが曖昧なので、今みたいな議論になると思うんですけれども、たしか全協の議論でもですね、山内崇議員がですね、基地機能の強化と防衛力の強化とは分離するべきとの話もあったんですけれども、それで個別に判断するという話もありましたが、これを整理するというお考えはないんですか。

○知事
 あくまでも、対応は個別のケースということにならざるを得ないと思うんですよ。

○記者
 私は、これは基地機能の強化に当たると思うんです。その大きな理由の一つに、この前の全協でですね、このレーダー部隊が米軍の基地に当たりますという明確な答弁があったんですよ。つまり、今までは三沢にしか米軍基地がなかったのが、つがる市に新たに米軍基地ができるということ。つまりそれは全くなかったところにできてくるわけですから、これは米軍基地機能の強化以外のなにものでもないと思うんですよ。その点の知事の見解はどうですか。

○知事
 施設庁さんも基地機能の強化には当たらないという表現をしてたんです。これは議事録を見てもらえばわかります。

○記者
 それは、民生安定に影響がないのでということはあったかと思うんですけれども、新たな基地ができることになると思うので、どう考えても現状を越えているのではないかと思うんですけれども。そのあたりはどうですか。

○知事
 私ども種々検討し、現状を越える状況とはいえないと、ということは、繰り返し繰り返しになりますけれども、こうして書き記したとおりでありますし。

○記者
 最後の方にですね、国の対応を厳しく見極めて参りたいとありますけれども、防衛庁に要請した内容が、仮にこれから約束が守られなかったりとかですね、この場合には知事として判断をするというような。

○知事
 また判断の話をされても、今先生に、あなたには権限がないとか言われそうですけれども、それは抜きにしても、我々とすれば、厳しくこれは約束事はきちっと履行してもらうということは重要ですよと、これは繰り返し繰り返し、額賀先生にも申し上げてきたんですけれども、地元の理解、協力なくして、国防という非常に大きなものであったとしても地元の理解、協力なくしてこれは始まらないぞということは、お話してきたんですから。

○記者
 今回このXバンドレーダーが配備される。この後何年か後には大湊に、今後は空自の固定式の、地上式の新しいレーダーができる。この前防衛庁では明言は避けましたけれども、車力駐屯基地にですね、PAC−3という新しいパトリオットが配備される可能性もあるという。つまり、それを見ると青森県が重要なですね、日本のBMD計画の中で重要な施設が揃うという形になって、青森県の防衛上の位置付けというのも高まると思うんですけれども、そのあたり何か知事のお考えというのはあるんでしょうか。

○知事
 国家が国民を守るために、生命を、財産を守るために、国家が、我が日本国が様々に創意工夫するというのは、なすべきことであるわけであります。
 しかしながら、私どもは、あらゆる場面場面において、地域の理解、協力なくして防衛、国防ということは始まらないわけですから、民生を安定させる、地域地域の方々が安心できる仕組みということ等について、厳しくこれはケアしていくということになるわけです。

○記者
 先ほどから出ている現状を越える基地機能の強化についてですけれもども、5項目の中の3番目、米軍三沢基地の関係について、可能性としてはあるものの現時点では不明であると、そういった部分を判断をするための5項目のひとつに入れたのは。

○知事
 そういうお話が中にあったわけですけれども、これについて若干ここで言えば、いわゆる拠点化、拠点基地としてなんとかするものではないというのはお分かりいただけると思うんですけれども、拠点化しないものと認識しております。

○記者
 これは不明であっても、該当するものではないと判断する材料になると。

○知事
 拠点化するものではないという話はご案内のとおり出ていたわけでして、したがってこういうことがありましたけれども、拠点にすることはないという認識に立って、私どもとしてどうこうしたわけですし、問題はないと思っております。

○記者
 新たな交付金は必ず創設されて、もらうことができるんでしょうか。

○知事
 今日その件につきまして、額賀長官に対しても再々強く確認したわけでありまして、私どもはそのことが、要するに、つがる市民、市長さんからのお話もございましたし、なされるべきことが非常に重要であると思っております。
 また、大臣の言葉としては、非常に重いものがあったと感じてます。

−以上−

過去の記者会見録

平成16年度 平成17年度 

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • twitterでフォローする