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平成18年 年頭記者会見

会見日時:平成18年1月4日(水) 11:30 〜 11:50
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○幹事社
 明けましておめでとうございます。
 庁議の報告と新年にあたっての所感をお願いします。

○知事
 明けましておめでとうございます。
 まず、所感のほうを申し上げまして、その後庁議の報告をしたいと思います。

 改めまして、明けましておめでとうございます。
 県民の皆様、県政記者会の皆様方におかれましては、今年も県政推進に御協力方よろしくお願いします。
 さて、自主自立の青森県づくりを進めていくために、県民の皆様とともに、暮らしやすさのトップランナー、「生活創造社会」の実現を目指し、様々な取組を進めてきたところであります。
 厳しい財政環境の下にあるわけですが、今年も、「施策の選択と重点化」を徹底しつつ、「生活創造社会」を実現する上で最も大切な「人財」や本県の喫緊の課題であります「産業・雇用」などの分野における取組みを強化し、暮らしやすさのトップランナーを目指して、引き続き全力投球して参りたいと思います。

 来年度の当初予算につきましては、現在、編成作業を進めているところでありますが、先般策定した「中期財政運営指針」に掲げております、早ければ平成 20年度までの元金ベースでの黒字化、元利ベースではこの2年間なんとか達成してきたわけですが、悲願であります元金ベースでの黒字化達成に向け、県債発行の抑制等を着実に進めるとともに、「生活創造推進プラン」の着実な推進を図るため、重点推進プロジェクト(わくわく10)を中心に施策の選択と重点化を更に徹底して参ります。

 中でも、「産業・雇用」面につきましては、地域の資源を有効に活用しながら、本県の強さや比較優位の分野を徹底的に伸ばしていくことが、何よりも重要であると考えております。
 このため、引き続き、「攻めの農林水産業」に取り組み、消費者が求め、必要とする安全・安心で良質な農林水産物やその加工品を強力に売り込んでいくとともに、環境・エネルギー産業の関連分野の創出など、豊かな地域資源や優れた人財、様々な分野での最先端をいくローカルテクノロジーといった本県が有します地域力というものを産・学・官・金融の新たな連携の中で戦略的にコーディネートし、新たな産業・新たな仕事を創る仕組みづくりに取り組んでいきたいと、そう考えます。

 また、東北新幹線「八戸・新青森間」については、平成22年度末の完成を目指して工事が進められておりますが、新青森駅までの開業により、首都圏を中心とした地域との交流が一層拡大することが期待されております。
 このため、新青森駅開業を展望しつつ、この開業効果を最大限に生かしていくために、昨年末に「新幹線効果活用企画監」を新設したわけでありますが、今年は新たに専担組織を庁内に設け、観光推進の観点はもとより、「産業・雇用」の分野等も視野に入れた取組に全力で取り組んでいきたいと思います。

 また、県立美術館が、7月13日に開館を迎えるわけでございますが、これは「生活創造社会」実現に向けた推進拠点ともなるものであり、このため、優れた美術品の鑑賞機会を提供することはもちろん、様々な芸術に取り組むことにより、県民に感動を与え、こどもの感性と創造性を育む美術館としたいと考えております。
 隣接いたします三内丸山遺跡と一体の文化観光拠点として運営することにより、国内外から多くの方々が集う文化の拠点として、また都市型観光の拠点として、県内各地域の活性化に大いに寄与できる美術館としたいと考えます。ぜひ、記者の各位、また県民の皆さんも御来館いただきたいと思います。

 また、元旦には、「平川市」と新「南部町」が誕生したほか、新しい新「弘前市」、「おいらせ町」の誕生が今後予定されています。この合併により本県の市町村数は3月には40団体となる見込みですが、県の元気回復のためには、合併市町村をはじめ各市町村が魅力と活力ある地域づくりを進めていくことが大事であります。
 県としても、既存の県単独補助事業の統合等も行いながら、新しい発想に立ちました市町村による自主的な地域づくりを支援する補助制度を創設するとともに、新市・町(新しい市、新しい町)の建設計画の実施に必要な県職員の派遣、さらには、市町村とともに地域づくりを進めていくことができます、仮称でございますが、地域県民局を試行的に県内3カ所に設置し、「元気な青森づくり」の推進に取り組んで参りたいと思います。

 さて、こうした個々の取組を進めていくことはもちろんですが、自主自立の青森県づくりを進めていくためには、人財、あえて人に財(たから)という字をあてておりますが、人財の育成が何よりも大切であることを改めて感じているところであります。
 「生活創造推進プラン」においても、「人財」を、生活創造社会を支える財産として位置づけているわけでありますが、学校教育はもちろんのこと、産業人教育や起業家育成もしかり、今年は、「元気青森人の創造」をスローガンに、「人財育成」を全面に打ち出し、県民、市町村とも一体となって取り組んで参りたいと思います。

 では、庁議関係についてお話申し上げます。
 まず、平成15年度でありますが、青森県県民経済計算について、担当部長から報告がありました。
 平成15年度の日本経済は、前半はやや足踏みがみられましたが、世界経済が徐々に回復する中で緩やかに回復し、国内総生産は名目で0.8パーセント、実質では3.2パーセントの成長となりました。
 こうした中で、青森県経済は、製造業においては国内需要の増加に伴い生産額が増加いたしましたが、農業で、ご存知のとおり、水稲の記録的な冷害により生産額が大幅に減少したこともあり、全体として低調に推移した結果、平成15年度県内総生産は、名目で4兆2,481億円、実質で4兆5,224億円となりました。
 この結果、経済成長率は名目でマイナス0.9パーセントと3年連続のマイナス成長ですが、実質においては0.3パーセントプラスと、3年ぶりのプラス成長となりました。

 県経済は、実質で3年ぶりのプラスとなったものの、依然として厳しい状況が続いております。県としては、厳しい財政環境にはありますが、限られた財源を効果的に活用し、地域経済の活性化と雇用の確保などに努めて参ります。15年度の統計ではありますが、触れさせていただきました。

 続いて、健康福祉部から、医師確保のためのグランドデザイン策定の報告がございました。
 このことにつきましては、記者の皆さんにも策定のお話をしていたところでございますが、内容は私が参画した3年間にわたっての東京、大阪、福岡等での医療関係者との懇談会や私立医科大の理事長さんの講演、昨年度の青森県医師確保対策調整会議などを通して得られた知見が集約されております。
 そうした意味で、私としては自らが策定にかなりの部分携わったという思いがあります。

 このグランドデザインの意味するところは、青森県に医師不足をもたらしているのは、「負のスパイラル構造」ともいうべき悪循環構造に原因があり、何としてもこれを3つの戦略に基づいてプラスの構造に転換させていきたい、そういう思いであります。
 私としては、3つの戦略について具体化を図りたいと思っており、特に医師がプロフェッショナルとしてキャリアを形成していける青森県づくりということは、私どもがこれから最大のテーマとします「人材育成」そのものであり、県として強力に推進すべきものと考えています。
 また、県とともに県民への医療の提供に責務を有するのは、具体的には市町村であるわけですが、構造転換のためには、その主体的取組を誘導していくべき必要があると感じております。

 このようなことから、来年度には、海外と連携した臨床教育事業、あるいは、へき地における卒前教育モデル事業など4事業群から成ります「医育機能充実事業」を核とした施策を展開し、市町村の取組みを引き出しつつ、グランドデザインが示す構造転換を実現したいとの強い思いを抱いているところであります。

 続いて、警察本部長から、平成17年中の交通死亡事故の発生状況とメルマガによります子ども声かけ事案等の情報発信について報告がありました。
 交通死亡事故の抑制につきましては、私も県交通安全対策会議の会長として交通安全運動等に取り組んで参ったところでありますが、死者数が昭和40年以来 40年ぶりに二桁台に抑制されましたことは、非常に大きな成果であると考えます。関係機関・団体の皆様、そして県民の皆様方に感謝申し上げたいと思います。

 しかしながら、数字的には評価されつつも、高齢者の死者の方が全体の死者数の約半数を占めたこと、減少したとはいえ依然として酒酔い運転やシートベルト非着用の死者がかなりの割合で発生していることなど、課題も多いわけです。
 まだまだ多くの方が交通事故の犠牲となっていることは痛恨の極みであるわけです。折しも、平成18年度からは第8次青森県交通安全計画が始まりますので、この度の二桁台抑止をステップとして、次期計画での新たな死者抑止目標の実現に強力に取り組んで参りたいと思っております。
 なんと申しましても、交通安全の主役は県民の皆様方お一人おひとりでございます。誰一人として欠けることなく交通安全に取り組んでいただくことをお願い申し上げる次第であります。

 また、子どもを犯罪から守るための対策として新たに子ども声かけ事案等情報メールマガジンの運用を開始したとの報告もございました。安全で安心な青森県の実現に向け非常に心強い内容でございました。たくさんの県民の皆様方がこの「口コミメルマガ」に参加されることをお願い申し上げたいと思います。

 私からは以上、所感と庁議関係の報告をさせていただきます。

○幹事社
 幹事社から質問させていただきます。
 原子力関係の事を巡っては、2月にアクティブ試験の開始が予定されるなど、今年も大きな節目の年になるかと思うのですが、アクティブ試験について、県はどのような姿勢で臨まれるのか、また、安全協定の検討に入られる時期など今後の県の対応の見通しについて改めてお聞かせください。
 また、年明けの早い時期に原子力安全・保安院の院長さんの元に要請に行かれるということでしたけども、それはいつ頃になりそうでしょうか。

○知事
 去る12月28日、原子力安全・保安院の薦田審議官から私に対しまして、再処理施設の高レベル廃液ガラス固化建屋及び第1ガラス固化貯蔵建屋東棟の崩壊熱の除去性能を確保するための構造変更については、12月27日に国による使用前検査が終了したこと、また、総合確認試験開始までに処置が必要な不適合等の是正措置が完了したこと等の報告があり、また、日本原燃株式会社兒島社長からも同様の報告があったことから、県では総合確認試験の実施については、了としたところでありました。
 日本原燃株式会社においては、現在、総合確認試験の準備作業を行っているところであり、私としては、今後実施されます総合確認試験の状況等を注視していく必要があると考えております。
 また、アクティブ試験に係る安全協定については、今後とも、総合確認試験の状況やそれに係る国及び事業者の対応等を厳しく見極めつつ、県民の安全と安心を確保するという立場から、安全確保を第一義に対処して参りたいと考えておりますし、先日もお話し申し上げたわけですけども、現状こういう状況であるわけでございますから、具体的な手続きには入るべきではない、という28日に話した状況と同じなわけですけども、そのことをあわせて申し上げておきたいと思います。
 また、保安院の方の件でございますが、今週は日程が立て込んでおりますので、来週以降また向こうと調整しながら可能な限り早めにということで考えております。

○幹事社
 では、各社からお願いします。

○記者
 医師確保のグランドデザインについて、環境整備の4事業群とおっしゃいましたが、4事業群とはどういったものか教えてください。

○健康福祉部長
 内容が、非常に多岐にわたる部分がございますので、後ほど、お集まりいただいて、部の方でレクチャーさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○記者
 4事業群とは、おそらく、現在やっていらっしゃらないことだと思います。詳しい内容に関しては結構ですが、いつ頃をめどに着手されるのかということだけ教えてください。

○知事
 予算編成において、具体に嵌め込んでいって、取りかかっていきたいと考えていますし、我々とすれば、弘大や、あちこちの医大の先生とやりとりしたりして、並行していろんな事を進めているわけです。体系としては、具体に予算を配置しながら、きちんとしたものを、これから医学生をめざしている方々、現在医学生である方々、臨床研修中の方々に、早め早めに示して、本県において医師として活動してみたいという気持ちを引き出したい、ということです。

○記者
 できるだけ早くということですか。

○知事
 この事業としての予算の数字はまだですが、実際にはもうやっているということです。

○記者
 隣県の岩手県では、海外から研修医をリクルートして医師不足を解消しようということです。同じ「東北の医師不足県」として、若干アプローチの仕方が違うと思いますが、その点について、知事の感想がありましたら、お願いします。

○知事
 岩手県は岩手県の進め方、ということです。あとで健康福祉部長の方から説明があると思いますが、私どもは、沖縄などを参考にしたのですが、長期的展望に立って年数をかけてじっくりと、ここで医師になってみたい、ここで医師として育ってみたい、という仕組みをつくっていこうという、スロー&ステディというか、きっちりやって、スパイラルをプラスにもっていきたい、ということを考えています。私どもも、短期的な部分としては、ご存じのとおり、いろんな医大その他含めてお話しをして、こちらに来ていただく仕組みは、国内においては進めているところですが、やはり、抜本の仕組みを、沖縄が年数をかけて行ったように、していかなければ、最終的には、スパイラルとして保っていけない、人材を育成していけない、ともに医師として、そこで良医としてやっていただけない、ということを感じていまして、やるのであれば根本的なところから、というのが、私どもの考え方です。

○記者
 (岩手県の)増田知事は昨年暮れの記者会見で、北東北三県の連携について、今春から課長級の三県の人事交流を次長級に格上げしたいというような話をおっしゃってましたけども、知事はそれについて賛同していらっしゃるのか、賛同していらっしゃるとすれば、次長級の会合でどういう協議を進めていこうと考えてらっしゃるのかお伺いしたいのですが。

○知事
 検討中です。

○記者
 前向きに?

○知事
 後ろ向きではないということ。

○記者
 狙いについても一言お願いします。

○知事
 百石町長の時も、よその世界を見てくることはいいことだといって、3町及び県と人のやりとりをしたことがあるんですけども、次長クラスという最終的な責任にほぼ近い立場の方々が、他地域の施策その他を見ることによって相互理解を深めるというのは大事なんじゃないのかなと思います。


−以上−

過去の記者会見録

平成16年度 平成17年度 

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