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更新日付:2018年3月19日 保健衛生課

ジカウイルス感染症について

 中南米を中心に、ジカウイルス感染症が多数報告されており、平成28年2月1日にはWHOにおいて小頭症と神経障害の集団発生に関する緊急委員会が開催され、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」(PHEIC)が宣言されましたが、その後、WHOは、平成28年11月18日に「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」(PHEIC)に該当しない旨を発表しています。

 ジカウイルス感染症は、デング熱及びチクングニア熱と同様に蚊を介して感染します。
 これまで、日本国内で感染した症例はありませんが、海外の流行地域で感染し、国内で発症した症例が報告されています。

 海外の流行地域において、蚊に刺されてから数日後に、軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛等の症状が見られた場合は、医療機関を受診してください。
 海外の流行地域へ出かける際は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないよう注意してください。
 特に、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。

ジカウイルス感染症とは

 ジカウイルス感染症は、ジカウイルス病と先天性ジカウイルス感染症をいいます。
 ジカウイルス病は後天的に、ジカウイルスが感染することにより起こる感染症で、発疹、発熱、関節痛、関節炎、結膜炎、筋肉痛、倦怠感、頭痛などが主な症状です。
 ジカウイルスは母体から胎児への垂直感染を起こすことがあり(先天性ジカウイルス感染症)、小頭症などの先天性障害を起こす可能性があります。

ヒトスジシマカ(成虫)の活動と国内分布

 ヒトスジシマカの活動は主に5月中旬~10月下旬(南西諸島等の活動期間はこれより長い)に見られ、冬期に成虫は存在しません。
 ヒトスジシマカは、2016年時点で青森市での定着が確認されたため、北海道を除く本州以南の地域に広く分布していることが明らかとなっています。また、幼虫の生息地は、年平均気温が11℃以上の地域と一致しており、温暖化等の影響で分布域が徐々に北上しています。
*青森市では、青森市内の港湾地域で2015年及び2016年に2年連続してヒトスジシマカが確認されたため、定着したとされています。
 なお、2016年10月時点では、青森市以外の青森県内の市町村では、ヒトスジシマカの定着は確認されていません。

感染経路

 ジカウイルスを持った蚊に刺されることによって感染します。
 ウイルスを媒介する蚊は、ヒトスジシマカやネッタイシマカ(日本には常在していません。)です。
 基本的に、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではありませんが、輸血や性行為によって感染する場合があります。また、感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気づかないこともあります。
 妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性があります。
ヒトスジシマカ成虫
*国立感染症研究所作成の「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症」の対応対策の手引き 地方公共団体向け」より

症状

 ウイルスを持った蚊に刺されてから、2~12日(通常2~7日)後に発症し、軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感などを呈します。これらの症状は軽く、 2 ~ 7 日続いて治まります。
 血小板減少などが認められることもありますが、他の蚊媒介感染症であるデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。これまでの研究結果から、ジカウイルス感染が胎児の小頭症及びギラン・バレー症候群の原因となるとされています。

治療法

 現在のところ、特有の薬は見つかっていないため、症状を和らげるなどの対症療法を行います。
 ただ、通常は比較的症状が軽く、特別な治療を必要としません。

予防法

 現時点で有効なワクチンはありませんので、予防にはヒトスジシマカ等の蚊に刺されないようにすることが重要です。
 具体的には、肌を露出しないように、長袖、長ズボンを着用し、裸足でのサンダル履きを避けるようにしましょう。
 また、蚊の忌避剤の利用も有効です。(子供に使用する場合は、必ず大人が付けるようにしましょう。また、説明書の注意書きをよく読んでからご使用ください。)

〇妊婦と妊娠の可能性のある女性の方
 妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症との関連が示唆されていますので、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。

〇流行地域へ渡航される方
 性行為により男性から女性パートナーへ、女性から男性パートナーへ感染した事例が報告されています。性行為感染及び母体から胎児への感染のリスクを考慮し、流行地域に滞在中は症状の有無にかかわらず、性行為の際に、コンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。
 
〇流行地から帰国された方
 性行為により男性から女性パートナーへ、女性から男性パートナーへの感染事例が報告されています。流行地からの帰国者は、症状の有無にかかわらず、虫よけ剤の使用など蚊に刺されないための対策を少なくとも2週間程度は特に注意を払って行うことが推奨されています。
 流行地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず、少なくとも6ヶ月、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際に、コンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。
 流行地域から帰国した妊娠を計画しているカップルあるいは女性は、最低6ヶ月は妊娠の計画を延期することが推奨されています。

医療機関の皆様へ

 平成28年2月15日から四類感染症に指定されたため、届出基準に基づきジカウイルス感染症と診断した医師は、直ちに管轄する保健所に届け出ることが義務づけられています。

 ○届出基準(ジカウイルス感染症)ワードファイル[62KB]

 ○届出様式(ジカウイルス感染症)ワードファイル[63KB]

 ○蚊媒介感染症の診療ガイドラインPDFファイル[2130KB]

 ○ジカウイルス感染症診療Q&A[4367KB]

対策

 デング熱の国内感染症例が、約70年ぶりに報告されたこと等により国は、「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」を策定し、国、地方公共団体が取り組むべき施策について定めています。
また、国立感染症研究所は、「デング熱・チクングニア熱等感染症の対応・対策の手引き地方公共団体向け」を策定し、上記予防指針で示された地方公共団体等が取り組むべき施策の具体的な取組方法等について示しています。
 これを受けて、青森県では、県内(保健所設置市を除く)の輸入感染症例及び国内感染症例を早期に探知し、対応することにより、新規の国内感染症例発生を防止することを目的に、青森県、市町村、管理者が実施すべき事項をまとめた本手引きを平成28年5月に作成しています。
 ヒトスジシマカの生息地域は、温暖化等の影響で北上してきており、青森県では、平成28年に青森市で、デング熱・チクングニア熱・ジカウイルス病の媒介蚊であるヒトスジシマカの生息が確認され、また、地方公共団体向け手引きが改訂されたことから、平成30年2月に本手引きを改正しています。 

 ○青森県デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の平常時から発生時までの対応の手引き(概要)PDFファイル[96KB]

 ○青森県デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の平常時から発生時までの対応の手引き(全文)PDFファイル[2172KB]


 ・蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針PDFファイル[231KB]

 ・デング熱・チクングニア熱等感染症の対応・対策の手引き地方公共団体向けPDFファイル[2566KB]

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【現在作業中】R5の問い合わせ先です
健康医療福祉部保健衛生課感染症対策グループ
電話:017-734-9284  FAX:017-734-8047

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