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知事記者会見

知事記者会見(定例)/令和7年7月1日/庁議報告ほか

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知事記者会見録

会見日時:令和7年7月1日火曜日 11時00分~12時10分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

〇幹事社
 ただ今から、定例記者会見を始めます。
 まずは、知事から報告をお願いします。

〇知事
【令和7年全国知事会議in青森の開催について】
 令和7年全国知事会議が青森県で開催されますので、ご報告申し上げます。
 開催期間は7月22日から24日までで、主たる会場はホテル青森です。
 ほぼ全ての都道府県知事が青森の地に一堂に会し、国の未来、そして地域の未来に関わる重要な政策について、真剣な議論が交わされます。その中で、国への提言や要望などについて、合意形成が図られます。
 場合によっては、大都市圏と地方との間で厳しい意見のやり取りもありますが、一方で、少子化や人口減少といった課題については、各都道府県知事の共通認識の下、議論が深まることに期待しています。
 今回の会議では、「青森宣言」という形で成果を取りまとめる予定となっております。
 こうした会議は50年に一度の貴重な機会でありますので、報道各社におかれましては、特集などを通して、全国の地方でこのような議論が行われていることを、県民の皆さまに広くお伝えいただきたいと考えています。
 私としても、各テーマにおいて、青森県の事情や将来の見通しを提案に盛り込めるよう尽力してまいります。
 また、限られた時間ではありますが、プレイベントとして、三内丸山遺跡や県立美術館、津軽藩ねぷた村などの視察も予定しています。知事の皆さんは発信力が高い方々ばかりですので、青森の魅力を全国に発信していただけることも期待しております。

【アナログ規制の点検・見直し】
 現在でも、アナログ的な手法で行政を運営している場面が多く見られます。例えば、監視カメラやWEBカメラで確認可能な状況であっても、条例や規則では目視による確認が義務付けられている場合があります。実地検査や定期検査についても同様で、ドローンやカメラによる代替が可能であっても、現地確認が求められるケースがあります。また、監視カメラがあれば、常駐・専任が不要となるようなものまで常駐・専任を求める規制もあります。
 さらに、オンライン講習ができる機会があり、県土の広さを考えると有効な手段であるにもかかわらず、対面での講習を求めているものもあります。また、紙での掲示を求める書面掲示の規制や、公的情報の閲覧を役場でのみ可とする規制などがまだ残っています。
 これについて、一気に見直しを図ることといたしました。例えば、施設の点検では、これまで人が現地に赴いて目視で実施していたところを監視カメラやドローンで代替可能か検討します。証明書等の掲示については、WEBサイトでも掲示できるようにし、庁舎に訪問して閲覧していた公的情報も、インターネットで閲覧できるように見直してまいります。
 現時点で、アナログ規制の条項数は197あり、このうち知事部局が所管するものは147です。もちろん、アナログの方が効率が良い場合もありますので、全てがデジタルになるというわけではありませんが、こうした147の項目について、一斉に点検・見直しを図っていきたいと考えています。
 基本的な考え方としては、デジタルも活用する形への見直しが可能かという視点から検討すること。次に、県民の皆さまの利便性向上の観点で見直しを判断して、高齢者の方など、デジタルデバイドへの対応について配慮すること。そして、事業者や県民の皆さまに新たな負担が生じないように配慮しながら進めていきたいと考えています。
 今年度中に必要な見直しを全て行うこととしており、関係する条例等については、今後の残り3回の議会に提案していきます。規則等については、適宜見直しを行っていきます。
 このような世の中になってきていて、職員の働き方も変えなければならないし、県民の皆さまにとって効率の良い行政運営をしなければなりません。県民の皆さまにも、アナログでご負担をかけているところがありますので、そういったところも含めて、このアナログ規制の点検や見直しが、県民の皆さまにとって便利な青森県庁になれるような「県庁大改革」そして、働き方改革の1つとしても取り組んでいきたいと考えています。

【男性職員の育児休業の取得促進】
 県庁の男性職員の育児休業の取得実績についてです。
 毎年、「女性活躍推進のための青森県特定事業主行動計画」および「第2次青森県特定事業主行動計画」に基づき、実績を公表しています。
 令和6年度の男性職員の育児休業取得率は74.1%で、うち2週間以上取得したのは72.4%です。目標は、あくまでも100%なので、そこに到達しなかったことについては残念に感じています。
 ただ、次のグラフを見ていただくと、取得率は右肩上がりになっており、2週間以上の取得者の割合も上がってきているので、浸透してきていると受け止めています。
 未取得の理由を確認したところ、経済的な理由や、配偶者が終日育児を行っている、親族のサポートがあるので取得不要といった理由や、仕事面で所属に迷惑をかけたくない、今の業務が自分にしかできない、育休後の復職時に対応できないといったことがありました。もう少し職場の理解を広めて、こういった理由で未取得とならないように、取組を進めたいと考えています。
 これからの対応としては、トップメッセージの発信ということで、私自身が職員に声かけをすることも大事だと考えています。また、今年度から始まった共済組合からの手当金についても周知していきます。
 また、育休職員の業務を代替する職員への人事評価での加点について周知していくことや、業務分担や人事配置の見直しを適切に行っていくことで、業務の進捗への不安や周囲の職員への心苦しさの軽減を図っていきたいと考えています。
 県では、こども・子育て「青森モデル」を、青森県政の一丁目一番地として位置付けています。その中で、県庁が男性職員の育休取得率100%を達成できていないというのは、私自身も非常に忸怩たる思いです。事業主として、育児休業をしっかり取得できる環境を作っていきたいと考えています。

【青の煌(きら)めきあおもり国スポ・障スポの開催に向けて】
 「青の煌めきあおもり国スポ・障スポ」についてのお知らせです。
 まず1点目は、「青の煌めきダンスコンテスト」についてです。参加申込は7月31日までです。部門は、キッズ部門、ジュニア部門、一般部門に分かれており、イージー、スタンダード、フリースタイルの3種類のバージョンがあります。
 コンテストの決勝大会は、9月20日に青森市のカクヒログループスーパーアリーナで開催いたします。イメージソングを歌っていただいているりんご娘の皆さんにも審査員としてご参加いただくほか、会場でのライブパフォーマンスもありますので、ぜひ多くの皆さまに決勝大会を見に来ていただくとともに、コンテストへのご応募もお待ちしております。
 続いて、「競技別リハーサル大会」についてです。国スポ・障スポのInstagramやFacebookなどでもPRを行っていますが、まだ十分に広まっていないという実感があります。報道機関の皆さまにもご協力いただいて、どこでリハーサル大会が行われているのかを、報道を通じて県民の皆さまにお伝えいただけるよう、ご協力よろしくお願いいたします。
 最後に、企業協賛制度と募金についてです。既に多くの企業や団体の皆さまから、協賛金や物品等のご支援をいただいております。このことに、改めて感謝申し上げます。
 引き続き、協賛企業・団体の募集を行っております。協賛金や協賛物品に係る経費は、広告宣伝費として損金算入できるほか、さまざまな特典があり、企業の広報にも活用できますので、ぜひご検討ください。
 また、募金も各地で募集しております。特に、今回は青森県で初めて開催される全国障害者スポーツ大会となります。全国から来る障がいのある方々や関係者の皆さま、そして県内の障がいのある方々や関係者の皆さまに快適に大会へ参加していただける環境をしっかり作りたいと考えています。
 そして、この大会を、障害者スポーツ行政や障害者行政が進展するきっかけにしたいと考えていますので、ぜひそのような意図をくみ取っていただいて、多くの皆さまからのご支援をお願いします。

【質疑応答(報告案件について)】
〇幹事社
 それでは、ただ今の報告に対する各社からの質問とします。質問のある方は挙手をお願いします。

〇記者
 全国知事会議についてお伺いします。
 全国の知事が集まって、青森県の課題を全国に発信できる機会にもなると思いますが、青森県特有の課題など、全国知事会議で発信したいと考えているテーマはございますか。

〇知事
 若者の県外流出は、青森県最大の課題でもありますし、各県でも悩みを抱えている課題だと考えています。
 そのため、こういった課題感を共有して、国の政策につながるような提言を一緒に考えていきたいと考えています。

〇記者
 知事は就任後、子育て支援の関係では給食費無償化などを全国に先駆けて実施しておられますが、知事会議の中で国に求めていきたい人口減少対策や子育て支援があればお伺いします。

〇知事
 当然、給食費の全国一律の無償化や、さまざまな子育てに関する費用の無償化政策を国が主導して実施することは、全体の声として出てくると考えています。
 ただ、青森県としては、先ほど述べたように若者の県外流出について、提言していきたいと考えています。

〇記者
 具体的に新しい組織や分科会の設置を求めるお考えでしょうか。それとも、今ある枠組みの中で1つの議論のテーマとしてご提案されるという認識でしょうか。

〇知事
 1つの議論のテーマとして取り上げていただくことが基本になると思いますし、そのような声が大きければ、次のステップとして、委員会の設置や専門の部隊ができあがることも考えられます。少なくとも、今の時点では、1つのテーマとして、今ある組織の中で提案することを考えています。

〇記者
 アナログ規制の点検についてお伺いします。
 さまざまな分野があると思いますが、関係する事業者の方が多い分野として、例えばどのようなものがありますか。

〇知事
 例えば、理髪店や美容院、飲食店では、証明書を紙で掲示しなければならないという規制になっています。紙で掲示するのは当然のこととしても、デジタルの媒体がないということ自体は不便なことだと考えています。そういったところは、県民の皆さまから好意的に受け止めてもらえる分野だと考えています。

〇記者
 今後、整理していくというお話でしたが、規制改正や解釈通知の発出について、スケジュール感はどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 基本的には、今年度中に終わらせたいと考えています。

〇記者
 整理票の作成と通知発出は二段階だと思いますが、整理票をいつ頃までにまとめて、通知をいつ頃までに発出することになりますか。

〇知事
 147の条項がありますので、できるところからどんどんスタートしていきます。整理票をいつまでに、のように順番に取りまとめながらやるというよりは、それぞれの分野でそれぞれ取り組んで、今年度中に一定の成果が出るようにしていきます。

〇記者
 知事部局では147の条項があるとのことで、もちろんアナログの方が良ければ残るものもあると思いますが、この中でどれぐらいの割合をデジタルに見直せそうでしょうか。

〇知事
 そこはやってみないと分かりませんが、結果はご報告します。

〇記者
 アナログ規制についてお伺いします。非常に合理的で、行政サービスに資する取組だと思います。一方で、国レベルでは、まだまだアナログな手法が多かったりすると思います。県がデジタルを進めても、国でアナログな手法が残っていると、国との事務の中で県職員の負担が減らない部分もあると想像しています。そういった部分について、知事として感じていることや、国への働きかけの予定など、ご見解があれば教えてください。

〇知事
 日本社会全体がデジタル化に向かっているという流れは、私自身も強く感じています。方向性としては間違いなくそのとおりだと考えています。
 国のデジタル化について、現時点で要望したいことは特にありません。人手不足を解消するためには生産性を高める必要があり、そのためにはデジタル化を進めていく必要があります。これは、国だけではなく、県や市町村、一般企業など、全ての事業者に求められていることです。今回は、県としてできることをやっていきますという発表であり、このことによって国に何かを要求するものではありません。
 見直しを進めていく中で、国が進んでいないことによる支障がある場合、そこは次の段階として、国に提案することもあるかもしれませんが、基本的には知事から要望する話ではないと考えています。

〇記者
 アナログ規制の見直しについてお伺いします。
 規制の見直しによって、県民にどのようなメリットが生まれると考えていらっしゃいますか。

〇知事
 例えば、資格の更新のために対面講習を受講する必要がある場合、大体は青森市が会場となります。その場合、遠い人だと移動に3~4時間かかるので、1日がかりで受講しなければなりません。
 これが、オンラインでの講習を認めることになれば、受講にかかる時間が短縮され、県民の皆さまにとって圧倒的にメリットのある規制緩和ということになると考えています。

〇記者
 いわゆるインフラ系ですと、きちんと現場で目視した方がいい場面等も考えられますが、そのあたりはどのように整備していくお考えでしょうか。

〇知事
 いまや映像技術は進歩しており、目で見るよりカメラで見た方が正確な場合があります。しかも、ただ単に対象を映し出すだけではなく、表面温度や中の構造など、さまざまな形で映し出せるカメラもありますので、遠隔からカメラで確認する方が良い可能性もあると考えています。
 10年前のカメラではできなかったことが、今のカメラではできることもあるので、そういった観点からも、やるべきことを精査していくことが大事だと考えています。

〇記者
 職員の育休取得についてお伺いします。男性の育休取得率100%という目標を掲げていらっしゃいますが、100%に達することによって、どのような効果があると考えていらっしゃいますか。

〇知事
 100%になれば、取得する方が当たり前という環境になります。そのような環境になることが、まずは第一ステップだと考えています。

〇記者
 これを庁内で実現することによって、県民に対してどのようなメッセージを伝えていきたいと考えていらっしゃいますか。

〇知事
 青森県は、子育てを大切にする県であり、県庁がそのことを率先して実践していくというメッセージにつながると考えています。

〇記者
 全国知事会議についてお伺いします。
 去年の「福井宣言」の中には、原子力の使用済燃料対策、バックエンド、そして高レベル放射性廃棄物の最終処分というテーマでの提言も盛り込まれました。
 バックエンド施設の立地県として、使用済燃料対策を含めたバックエンドに関して、今年は高レベル放射性廃棄物の初回の搬入から30年が経つ節目でもあることから、議論に対して知事のお考えがあればお聞かせください。

〇知事
 フロントからバックエンドまでの全ての原子力・核燃料サイクル関連施設を有している本県で、全国知事会議が行われることは、大きな意味があることだと考えています。
 そのため、何らかの前向きな発信や協力要請等を行っていきたいと考えています。
 この場で言うと会議で言うことがなくなってしまうので、ぜひ会議を聞きに来てください。

〇記者
 「青森宣言」の中に、原子力・バックエンド対策を盛り込むことは考えていらっしゃいますか。

〇知事
 「青森宣言」は、会議を踏まえた総合的な宣言になりますので、今から何を盛り込むかについては、申し上げにくい部分があるとご理解ください。
 ただ、少なくとも人口減少対策については、今までの慣例上、必ず盛り込まれるのではないかと考えています。

〇記者
 全国知事会議の関係でお伺いいたします。
 先ほど、若者の県外流出についての課題感を共有したいというお話でしたが、そこに関する提案として、知事として現時点で改善策など、何か提案したいものがあればお聞かせください。

〇知事
 詳しいお話は会議の中でさせていただきますので、ぜひ取材に来ていただいて、報道してください。

〇記者
 男性の育休取得率についてお伺いします。
 年々の取得率の変動を見ますと増加傾向にあるとのことですが、どういったことが背景にあって伸びているとお考えですか。

〇知事
 目標が100%であることは庁内で共有していますので、それぞれの職場での理解が進んできていると考えています。目標を達成していないのは、理解がまだ十分ではないからだと分析しています。

〇記者
 未取得理由の中には、配偶者が終日育児を行っている、親族のサポートがあるので取得不要というものがあります。他の経済的な理由などについては、職場の改善で進むと思いますが、こちらの理由に関しては個人の考えによるものであり、なかなか難しいところがあると思います。100%を目指す上で、こういった考えの職員にどういった呼びかけをしていきますか。

〇知事
 こどもの成長は、一生にその瞬間しかありません。立ち上がる瞬間や歩き出す瞬間、言葉を話す瞬間など、全て親として感動する瞬間です。
 次のこどもが産まれる時でいいと思わずに、その子の成長はその瞬間しかないので、これを見逃さないように、そういう瞬間を大切にする親であってほしいと考えています。
 私自身もそうでしたが、こどもの成長を見守ることは人として成長するきっかけとなり、そのことは必ず仕事にも生きてくると考えています。

〇記者
 アナログ規制についてお伺いします。
 県がこうした取組を進めている一方で、県内自治体では職員数の不足やノウハウ不足により見直しがなかなか進んでいないという問題もあると思います。全国的には、デジタル庁が希望する自治体への職員派遣などを実施していますが、県として、今後、県内自治体と連携して見直しを進めていくお考えはありますか。

〇知事
 当然、市町村側からアドバイスを求められれば、県として必要な対応を行っていきます。その中で私たちも学ぶことがあるでしょうから、市町村に共有できることは共有していきたいと考えています。

〇記者
 男性職員の育休取得について、出生予定届/子育て計画書の提出を必須にするとのことですが、これまで任意だったものを必須にするということは、少し言葉が強いですが、強制力を持たせることになると思います。強制力を持たせることで得られる効果について、どのようにお考えでしょうか。

〇知事
 女性の場合、こどもが産まれるということは分かりますが、男性の場合は申告がなければ把握することができません。そのため、強制するという意味ではなく、職員に対して育児休業の取得を促すために提出を必須にしたということでご理解ください。

〇記者
 今後の対応策として、所属長との面談の徹底が挙げられていますが、現段階で所属長との面談が上手くいかないことで育休取得に不具合が生じているという認識なのでしょうか。

〇知事
 上手くいっていないということではなく、より円滑に進めるための対応です。
 例えば、所属に迷惑をかけたくない、今の業務が自分にしかできない、育休後の復職時に対応できないと感じている職員もいるようです。職場としてしっかりケアをして、安心して取得できる環境を作りたいと考えています。そのために、出生予定届/子育て計画書を提出してもらい、所属長と面談を実施していきます。所属長からは、今私が言ったようなことを話してもらいたいと考えています。

〇記者
 全国知事会議についてお伺いします。
 初日のエクスカーションでは、三内丸山遺跡や青森県立美術館に行かれるとのことです。先ほどの質問にもありましたが、青森県は核燃料サイクルを引き受けている土地であるということから、再処理工場を視察するということもあり得ると思います。今回、そのようなことにならなかったのはなぜでしょうか。

〇知事
 知事たちはタイトなスケジュールで動いているので、移動に時間のかからない青森市内を中心に選定しました。皆さん青森空港を利用されるので、弘前市であれば1時間弱で移動できるので、弘前市も選定しました。
 六ケ所村の再処理工場を視察したいというご希望があれば、別の日程で来ていただければご案内できると考えます。

〇記者
 会議での具体的な議論について、当日を待ってくれということで承知はしましたが、今までずっと全国知事会議で議論してきたものや、昨年では103万円の壁、知事ご自身がご提案された2024年問題のように、その年ごとのテーマや課題があると思います。今回は、どのようなテーマがあると考えていらっしゃいますか。

〇知事
 今回は、個別のテーマということよりも、7月22~24日というスケジュールがポイントになると考えています。7月20日の参議院選挙の結果次第では、国政が流動化する可能性があります。
 そのような中で全国の知事が集まって、新しい国政の中で、青森県を舞台にどのような提案をまとめていくのかということが、一番大きな論点になると考えています。

〇記者
 そもそも、毎年、夏真っ盛りの時期に、忙しい全国の知事たちが1か所に集まって、3日間にわたって議論を行うという、全国知事会議の役割というのを改めてどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 とても意味があることだと考えています。
 会議では1つのテーマについて、妥協なく議論が交わされます。あらかじめ作成された提言の中に盛り込む要望について、テーマごとにそれぞれ取りまとめた知事からのご発言があり、それについて賛同か修正か、あるいは反対か。賛同だとしてもこういうことを付記してほしい、このような理由で修正してほしい、このような理由で反対である、といったやりとりが2日間にわたって議論されます。事務局が一番大変だと思いますが、参加する我々も集中しないといけない会議です。ぜひ現場の臨場感を楽しみにしていただきながら、報道につなげていただきたいと考えています。

〇記者
 青森県では初開催となりますが、青森県を舞台にした全国知事会議の場でどういった成果を残したいか、どういった会議にしたいかをお聞かせください。

〇知事
 参議院選挙の結果次第では、新しい政治の流れができる可能性があります。
 全国の知事は、それぞれの地域を命がけで守っており、また地域の成長をけん引していると自負しています。
 そのメンバーが一堂に会して、1つの提案をしていくことは、やはり国が大きく動くきっかけにもなると考えています。参加知事の1人として、そういった会にしていきたいですし、会長である村井知事もそのように思っていただいていると考えています。

【質疑応答】
〇幹事社
 次に報告以外の案件に対する質問に移ります。
 まず、幹事社から1件、質問させていただきます。
 参院選の公示が目前に迫りました。知事は今回の選挙について、何が争点になるとお考えでしょうか。

〇知事
 生活者目線でいえば、もっぱら物価高騰対策が争点になると考えています。
 一方で、私自身は、各政党がどのような中長期的な成長シナリオを描いているかという点に注目しています。
 今回の結果次第では、さらに国政が流動化することになりますので、政策連携が軸になるような連立の動きも生じるかもしれません。
 その中で、目先の対策だけに注目するのではなく、中長期的な国の成長戦略、成長シナリオを描いてほしいと考えています。

〇記者
 今、長期的な目線が大事だというお話があった中で、短期的な見方になってしまうかもしれませんが、物価高については、各政党、大きく分けると給付か消費税減税かというふうに分かれています。以前知事は、消費税減税について、肯定的なお考えをお示しになられていましたが、改めて各政党の公約が出揃ったところで、消費税の減税か給付かという考え方についてお伺いします。

〇知事
 今回の選挙の各党の公約について、今の時点で論ずるのは避けたいと考えています。それを発言することで、どこかを応援するような、あるいは応援しないような形になってしまいます。政党とは等距離でという自分のスタンスを貫くためにも、政党の公約に踏み込んで答えるのは避けたいと考えていますので、そこはご了承ください。
 ただ、私は、過去に言ったことを現時点で否定するつもりはないということだけは申し上げておきます。

〇記者
 閉館した棟方志功記念館についてお伺いします。
 昨日、青森商工会議所の方で、棟方志功の偉業を顕彰する施設として速やかに再生して、再び開館するように青森市に要望するという方針を決めました。2年前に青森県と青森市は、建物と庭を残して活用する考えを示しておりましたが、今でもまだ具体的な利活用の方向性が見えない状況です。その点に対して知事はどうお考えでしょうか。

〇知事
 利活用の方向性については、地域のことですので、まずは市の方でしっかり検討していただきたいと考えています。
 また、棟方志功の作品については、現在、県立美術館で展示しており、7月19日からイベントも開催します。私は、県立美術館の展示スペースで棟方の作品群を見た時、すごく安心しました。県立美術館の収蔵で、棟方の作品や棟方の魂が県内に収まって、県民の皆さまに広く知れわたるきっかけが作れたと考えています。記念館の話は、一旦、市にお預けして、少なくとも棟方の作品については、非常に良い形で継承できたと考えています。

〇記者
 志功の疎開先である富山では、現在も町ぐるみで記念館を大事にしていますが、出身地の青森では、名前の付いた施設が閉館してしまいました。今年は没後50年という1つの節目でもありますが、そういったところも踏まえて、名前の冠が付いたような施設というのは必要なのではないでしょうか。

〇知事
 そのような思いをお持ちの民間の方々と青森市を中心に、ぜひ取り組んでいただきたいと考えています。
 私たちは、しっかりとした形で県立美術館に作品を収めて、没後50周年を記念した特別展を7月19日から開催しますので、そちらに多くの県民の皆さまや青森市民の皆さまに足を運んでいただきたいと考えています。

〇記者
 旧記念館の利活用にあたっては、県の方から支援などのお考えはございますか。

〇知事
 全てを県が支援しなければならないということではありません。それぞれの自治体や民間の方々が大切にしたいものがあるということについて、私は尊重します。ぜひ皆さんで取り組んでいただきたいと考えています。

〇記者
 県も力を入れている、Jリーグキャンプの誘致に関してお伺いします。視察に訪れた強豪クラブの方も施設を大変高く評価されていました。
 改めて、この誘致について、県としての取組の意義とこうした評価の受け止めをお願いします。

〇知事
 スポーツ振興、特にプロスポーツ振興について、これまで県や県内市町村では、なかなか本格的に力を入れられなかった部分でもあります。気候変動により、本県がスポーツに適した地域となってきていることや、県内各地で施設が整備されていることを踏まえると、私たちにもチャンスがあるということで、今、誘致活動に取り組んでいます。
 できれば、複数のチームに来ていただきたいと考えていますし、そのことで相乗効果が生まれ、こどもたちにサッカー熱が広がって、県民の皆さまにも試合のある日を楽しみにするという新しいサイクルができることに期待しています。

〇記者
 複数のクラブを誘致したいとのことですが、青森市がFC町田ゼルビアと協議を進めているようです。そのあたりの動きについてはいかがでしょうか。

〇知事
 相手があることですので、交渉の過程をお話しすることはできません。
 さまざまなことが決まれば、皆さんにお伝えします。

〇記者
 国政についてお伺いします。
 今回の通常国会では、与野党が政策ごとに連携しながら法案を通していくという動きがございます。この動きについてのご見解をお伺いします。

〇知事
 中長期的な視点に立った経済政策や成長戦略が必要だと考えています。
 少数与党による連立政権という状況で、政策ごとの連携となると、どうしても身近な話題や今年何をするかという議論になりがちです。
 ですが、今の経済の状況を見ていると、物価高騰に実質賃金が追いついていないというのが課題です。こちらは、2020年を100とした時の物価と実質賃金のグラフですが、これを見ますと、青森市の消費物価指数は114.7%、つまり14.7%物価が上昇しています。名目賃金も少しずつ上がってきていて106.2%、2020年から6.2%給料が上がっています。しかし、重要なのは実質賃金で、実質賃金は92.6%と下がっています。
 この差を埋める経済政策がなければ日本は絶対に浮上しないと考えています。そこには、新しい産業への投資や新しいイノベーション、あるいは傾斜のようなものが必要になってくると考えています。対日本国投資みたいなものもそうなってくるでしょう。
 そのような政策がなければ、この差は埋まらずに、物価だけ上がって苦しんでいくことになります。そのような状況で消費税だ給付金だと言っても、結果は変わりません。これこそが日本社会の、日本経済の課題だと考えています。

〇記者
 参院選の結果次第では、連立の組み換えや大連立ということも話題になっていますが、このあたりについて知事のお考えはいかがでしょうか。

〇知事
 政争に国民を巻き込まないようにしてほしいと考えています。大事なことは政策であり、成長のシナリオだということを国政に携わる方々に強く求めていきたいです。

〇記者
 話題変わりまして、中国の水産物の禁輸の関係です。つい先日、中国側が輸入再開を正式に発表しました。このことについて、改めて、知事のご見解をお伺いします。

〇知事
 昨日、農水省が中国向けの輸出再開に向けた手続きを公表したところであり、今後、関連事業者が国に対して申請し、中国政府による審査の結果、登録ができたところから、輸出再開となります。県内でも輸出を希望する事業者がいると思いますので、迅速に手続きが進むことを期待しています。
 ただ、特にホタテについては、中国一辺倒ではなく、東南アジアや欧米を含めて、全世界の販路拡大に取り組むことに変わりはないということは申し上げます。

〇記者
 禁輸の期間、輸出先の多様化の取組を進めてきた中で、改めて中国というマーケットについてのご認識や、販売先としての中国の位置付けをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

〇知事
 私自身も中国を訪れる機会がありましたが、圧倒的な人口規模を背景とする巨大なマーケットであるということは間違いありません。ただ、今回の禁輸措置によって、政府の信頼が著しく損なわれたということはあるので、過度に依存することなく、そういったリスクも踏まえた形で付き合うことが大切な国であると改めて感じています。

〇記者
 米についてお伺いします。
 小泉農林水産大臣が、JAグループに対し概算金制度を見直して、直接買い取りにすることを求めています。米どころである青森県の知事として、この取組に対してどのようなご所感をお持ちでしょうか。

〇知事
 実は、小泉大臣から要請があり、明日お会いすることになっています。その中で青森県のこれからについてお話ししたいと考えていますが、詳細については、現在まとめているところです。

〇記者
 内容については、明日中に公表してくださるということでしょうか。

〇知事
 そのとおりです。

〇記者
 話題変わりまして、ボールパークについてお伺いします。
 先日の県議会一般質問でも話題となりましたが、プロ野球の公式試合ができる球場として、県内にボールパークとはるか夢球場の2施設ができることになります。しかし、プロ野球の試合が年に1試合しか開催されないとなると、弘前市との取り合いになるのではないかという懸念もあります。担当部長の方からは、弘前市と協議していきますという答弁がありましたが、その協議というのは、ボールパークが完成する前からなのか、それともボールパークが完成して、プロ野球が実際に来るとなった時に初めて協議するものなのか、そのあたりのスケジュール感や、調整について教えてください。

〇知事
 結論から申し上げると、どのように協議するかは今の時点では考えていません。
 プロ野球の試合を開催するためだけにボールパークを整備するわけではありません。少年野球や女子野球、高校野球、社会人野球などでの活用のほか、プロ野球の試合や大規模コンサートの開催、また、近くにスケート場も出来ますので、スポーツパークのようにしてスポーツが楽しめる施設にしたいという思いで進めています。弘前市から一軍戦を奪うという発想はありませんし、私も答弁を聞いて協議が必要だということを認識しました。
 現在は、仕様や概要を検討しているところであり、それが出来上がってから、これであればプロ野球の試合が開催できるという話になるので、まだこれからの話です。

〇記者
 米に関する小泉大臣との面会について、概算金の見直しを含めて、どのようなテーマとご認識されていますか。

〇知事
 現在、最終的な提案設計を含めて準備しているところです。

〇記者
 基本的には米政策のことでしょうか。

〇知事
 そのとおりです。

〇記者
 先ほど、関係閣僚会議で石破首相が2025年産から米の増産を進めるという考えを表明されたようです。
 知事はこれまでも増産についてのお考えを示しておられましたが、この表明に対する受け止めと知事のお考えをお伺いします。

〇知事
 2025年産はすでに作付けが始まっていますので、これ以上の増産はできないと考えています。そういったことも含めて、明日、少し議論したいと考えています。

〇記者
 米価について、現状、備蓄米の放出などで市場価格が下がっており、農家の収入面への影響が懸念されています。増産となった場合、生産者への所得補償のような政策の必要性について、知事はどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 価格というのは基本的に、需要と供給のバランスで決まるものですので、需給バランスがどうなっているのか、需要がどれぐらいあって、供給がどれぐらいあるかということを正確に把握していない以上、価格の議論はできないと考えています。

〇記者
 参院選の関係でお伺いします。今年の雪害でりんごの園地などが大きな被害を受けて、これに関しては、県からの国への要望などもあって、生産者への補償が手厚くなっていると思います。このあたり、与党である自民党などは実績としてアピールする部分でもあると思いますが、どういう成果で実ったというお考えでしょうか。

〇知事
 生産者に対する補償の政策はありませんので、おそらく事実誤認があるのではないでしょうか。

〇記者
 今朝、一部報道で五所川原市内の障害者施設で職員による虐待があるという記事がありました。市から県にそのような報告は上がっていますでしょうか。

〇知事
 担当からお答えします。

〇健康医療福祉部
 まだ来ておりません。

〇記者
 もし、虐待が事実として確認された場合、県としての対応と知事のお考えをお願いします。

〇知事
 仮定の話にはお答えできませんが、一般論としては、施設における虐待はあってはならないことです。まず、市の方で障害者虐待防止法に基づく権限を行使して、その事実関係を明らかにします。
 その後、県として、社会福祉法や障害者総合支援法などの権限を使って、施設に対して法的な措置を講ずる可能性はありますが、少なくとも市から報告がまだ来ていない段階で、県として動ける状況ではないとご理解ください。

〇記者
 選挙の関係で1点お伺いします。
 前回の衆議院選後の会見で、投票率が低かったことに対して知事は残念だというご所見を述べられていました。
 今回の投票率に関して、県民の投票行動に期待することがあればお願いします。

〇知事
 国政選挙は非常に大事なものであり、地方自治体では手の届かない制度を思いきって変えられるのが国政です。
 特に若い人たちの投票率が低いのが、本県の大きな課題です。選管では、若い世代の投票を促すキャンペーンソングを発表する予定です。
 それらの取組がどれぐらい効果があるのか分かりませんが、少しでも啓発活動につながってほしいと考えています。

〇記者
 八戸市のみちのく記念病院の関係でお伺いします。
 4月の記者会見では、現時点で明らかにできることはないとのことでしたが、その後の対応などで明らかにできることがございましたらお願いします。

〇知事
 現時点でお話しできることはありません。
 検査の過程の話になりますので、そのプロセスについてはなかなか申し上げづらいということはご理解ください。

〇記者
 1点確認ですが、現時点で措置命令は出していないということでよろしいでしょうか。

〇知事
 まだ出していません。

〇記者
 下北地域の統合校の関係で質問させていただきます。
 先日、市長が要望を行った際、知事としても県教育委員会のアクションを求められていましたが、その後、何か動きはありましたか。

〇知事
 県教育委員会でしっかり検討していただいていますので、なるべく早く地域に説明に行っていただきたいと考えています。

〇記者
 むつ市長は、県議会の予算上程のスケジュールも念頭に、8月までに施設の整備案について示してほしいという見解を示していますが、知事はどのような見解をお持ちでしょうか。

〇知事
 教育委員会において、そういった要望をしっかり受け止めて判断していただきたいと考えていますし、早急に対応していただけることを期待しています。

〇記者
 明日、小泉大臣とお会いになるとのことですが、これは個別で面会されるのでしょうか。それとも農林水産省関係の会議に出席するということでしょうか。

〇知事
 個別でお会いします。

〇記者
 参院選の公約についてお伺いします。知事がご発言することによる影響を懸念されていますが、可能であればお答えください。
 一般論として、現金給付は効果があるとお考えでしょうか。

〇知事
 現時点では回答を差し控えさせていただきます。

〇幹事社
 最後に知事からお願いします。

〇知事
 本日で、私の任期も折り返しを迎えました。日頃からA-Tubeにて会見をご覧いただいている皆さまに心から感謝申し上げます。また、報道機関の皆さまも、いつも真剣にさまざまな疑問をこの場で質問という形で私に投げかけていただいて、この場を通じて県政への理解が深まっていると考えています。報道機関の皆さまにも本当に感謝申し上げます。
 今年も暑い夏になりそうな予報となっております。県民の皆さま、特に農家の皆さまにおかれましては、くれぐれも熱中症にお気を付けください。熱中症は、死に直結する重大な病気ですので、水分補給などの熱中症対策をした上で、外の農作業、あるいはご自宅でお過ごしください。
 今日もありがとうございました。

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