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更新日付:2025年12月1日 

知事コラム(2025年12月)

世界を見たい。

1993年。当時中学1年生だった私は親に無理を言って、アルペンスキー世界選手権雫石大会へ。ノルウェーのK.A.オーモット選手の全盛期。ワールドカップをビデオテープに録画して見ていた時代に、注目の一戦をライブで、いざ岩手へ。

会場のゴール付近には巨大な観覧席が設けられ、ヨーロッパの街を移設したかのような瀟洒な木造のヒュッテが並ぶ。各国のスタッフや関係者が行き交い、まるで外国に来たかのような、あるいはテレビの中に入ったかのような雰囲気。子どもながらに、これは一生に一度の体験だと全身で感じた。

各国の選手たちがスタート地点に結集する中、胸の高まりを押さえ、見学場所を決めるため、コースの脇を登り始めていたその時、突然の、そして、驚天動地(きょうてんどうち)のアナウンス。

「本日の競技は悪天候のため中止となりました」

続けて、コース内を選手が滑走するとの放送。次の瞬間、世界一流の選手たちが帰路につくため一気にコース内を滑走。その時、中止のアナウンス以上の衝撃が全身を駆け抜けた。

スピード、雪しぶき、身体やスキーの使い方、そして何よりもエッジが雪面を切る鋭い音。静寂に包まれた馴染みのある白銀の世界が分断され、現実感がなくなった。瞬く間に通過したオーモット選手を見て、“世界とは、かくも遠く、そして近くにあるのか”と感じた。今でも鮮明な瞬間で、昨日のことのようだ。

いよいよ青の煌(きら)めきあおもり国スポ冬季大会が始まります。全国から集う日本のトップアスリートは、次々に世界につながる世界レベルの技を見せてくれることでしょう。青森県内の身近な環境で、こどもたちの視線が世界へとつながっていきます。

国スポ、障スポは、“スポーツで青森県が一つ”に、“私たち県民の心が一つ”になる。そんな大会をめざしています。
そして、こどもたちも含めて全ての県民にとって、想い出に残る大会にしていきたいと思います。皆で盛り上げていきましょう。

追伸:世界を見た少年のその後。国スポ会場視察の様子です。
(青森県知事の新時代チャンネルA-Tube#86知事が滑る!国スポ会場を徹底視察in大鰐温泉スキー場)


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