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更新日付:2025年6月1日 

知事コラム(2025年6月)

夏休みが嫌いな小学生

小学生の頃、夏休みと冬休みが「大嫌い」でした。なぜなら学校が「大好き」だったからです。ともかくもしばらくの間、学校に行けなくなるのが残念でした。普通とは逆かもしれません。

私は、学校には普遍的な価値があると信じています。それは「学び合うこと」です。先生や職員・用務員さんたちと児童生徒、そして児童生徒同士。全てのこどもたちに平等に準備されているかけがえのないものだと思います。これは、勉強や学習とも本質的に異なるもので、コロナ禍の小学校のオンライン学習を見て気付きました。

普段の授業では、先生の話が速くて追い付けない子がいれば、隣の子がページをめくってあげます。分からないことがあれば、後ろを振り返って聞く子がいます。消しゴムを忘れた子がいれば、隣の子が貸してあげます。私たちが経験するこんな学校の日常は、個人が切り離され全員が一つの画面に閉じ込められたオンライン学習では全く起こりません。日常が価値あるものと理解した瞬間でもありました。

THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトさんが「たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけ」と学校を表現したように、もちろん、こどもたちにとって学校だけが全てではありません。さまざまな事情で学校に行けないこどもたちもいますし、たくさんの居場所がこどもたちに必要なことも言うまでもないことです。

ただ、せっかくですから、「同じ年に生まれ」「同じ部屋に集められた」こどもたちが、学校を舞台によりよく成長していくことを願っています。

こんな例え話があります。木こりが刃先のこぼれた斧で一生懸命に木を切っていました。通りかかった人が、そんな刃では切れないのではと伝えました。木こりは、「忙しくて刃を研ぐ時間がないんだよ」と言って木を切り続けました。

教育改革がこどもたちの「好き」を支えることになるよう、こどもを真ん中に教育改革を進めていきましょう。多忙な方も多くいらっしゃると思います。現場の全ての皆さんを応援しています。

追伸:給食と休み時間が好きでした。夏休みと冬休みが嫌いなこどもが増えるといいですね。

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