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更新日付:2016年3月10日 青森県環境保健センター

理化学部 - 食品中の有害物質検査

食品中の有害物質検査
  • GLP
 GLPはGood Laboratory Practiceの略であり「検査データの信頼性を確保するシステム」と訳されています。すなわち、検査内容を外部に対して透明なものとするため、検査業務のすべてを文書により標準化(標準作業書)し、検査経過は生データも含めすべて記録、保管します。また、検査精度の信頼性を確保するため、内部精度管理、外部精度管理を計画的に行います。さらに、信頼性確保部門を検査部門から独立して設け、検査業務について定期的に内部点検を行うというものです。平成9年度から食品衛生法に係る検査の業務管理(GLP)が義務づけられており、青森県でもGLP体制で検査を実施しております。

  • 農産物の残留農薬検査
 野菜や果物などを育てる上で、害虫や病気などから植物を守り安定した栽培を行うため農薬が使用されています。しかし、使用された農薬が残留して人の健康に影響を与えることがないよう食品衛生法により基準値が定められています。
 当センターでは、ポジティブリスト制度に対応するため、限られた人員や時間の中で多くの農薬を検査するために簡易で迅速な分析法を検討し、長いも、りんご、玄米、キャベツ等の県産農産物を対象に約250種類の農薬について検査を行っています。
『ポジティブリスト制度』
 ポジティブリスト制度とは、食品中の残留農薬の基準として、平成18年5月29日から新たに施行された制度で、これまで残留基準の設定されていない農薬が、一定量以上残留する食品の流通を禁止するものです。これにより、今までは残留基準値が設定されている農薬のみが規制対象となっていましたが、これからはすべての農薬が規制対象となり、基準を超えた食品の流通は禁止となります。

  • 遺伝子組換え食品の検査
 平成13年4月1日から食品衛生法により、遺伝子組換え食品の安全性審査が義務化され、安全性が審査されていない遺伝子組換え食品の販売等は禁止されています。また、安全性審査済みの遺伝子組換え食品については、食品衛生法及び農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)により、表示が義務化され、遺伝子組換え食品を使用している場合には、その旨を表示しなければならないことになっています。
 当センターでは、県内に流通している豆腐の原材料となる大豆穀粒を対象として、表示が適正に行われているかどうかを確認するため、安全性審査済みの組換え遺伝子(Round up Ready Soybean)の混入率について検査を行っています。これまでに行った検査の結果では、すべて5%以下(※1)となっており、表示義務が生じるような混入率は検出されていません。
※1
 遺伝子組換え食品においては、非遺伝子組換え食品と遺伝子組換え食品が混ざらないようにするための分別流通管理(IPハンドリング)(※2)を適正に行っている場合においても、意図せざる混入は避けられないため、混入率5%以下(大豆及びとうもろこし)であれば表示義務はない。
※2
 遺伝子組換え食品及び非遺伝子組換え食品を生産、流通及び加工の各段階で分別及び管理を行い、そのことが書類により証明されている管理のこと。

  • 動物用医薬品の検査
 動物用医薬品とは飼育している家畜や養殖魚・蜜蜂などの病気の予防並びに治療のために使われているもので、抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫駆除剤、ホルモン剤、抗炎症剤などがあります。
 これら物質については、食品ごと、医薬品ごとに食品衛生法による残留基準が定められています。更に、農薬と同様に、これらの物質についても、平成18年5月29日からポジティブリスト制度が施行されました。残留基準のあるものは従来どおり、基準を守って使用していればよいのですが、今まで基準の設定されていなかった動物用医薬品についても規制対象となりました。
 当センターでは毎年、保健所で収去した鶏卵、牛乳を検査して、基準に適合しているかどうか調べています。これまでに行った検査の結果では、すべて不検出でした。

  • ホタテガイの有機スズ化合物検査
 トリブチルスズ(TBT)やトリフェニルスズ(TPT)などの有機スズ化合物は昭和30年代半ば頃から、船底や漁網に貝や藻類が付着するのを防ぐための船底防汚塗料として使用されてきました。
 しかし、これら有機スズ化合物の製造及び使用量の増加に伴い海洋汚染や魚介類の汚染などの問題が生じ、日本においては平成2年に製造・輸入が禁止制限される特定化学物質に指定され、平成3年には船底及び漁網の塗料への使用が禁止となりました。
 海に溶け出した有機スズ化合物は化学的に安定で長期間にわたり環境中に残留するため、生物濃縮により魚介類を汚染することが懸念されています。また、巻貝などの生殖障害を引き起こすなどの内分泌撹乱物質としての新たな有害性も指摘されています。
 当センターでは県産ホタテガイの有機スズ化合物の残留状況を明らかにするため、有機スズ化合物のうちトリブチルスズ、ジブチルスズ及びトリフェニルスズ化合物について長期にわたり調査を行っていますが、検出されることは少なく、検出された場合でもヒトの暫定1日摂取許容量と比較すると問題となる濃度は検出されていません。

  • 魚介類のPCB検査
 PCBはポリ塩化ビフェニルといい、化学的に安定で、主にトランス、コンデンサーなどの絶縁油、熱媒体、複写紙などに使われていましたが、分解されにくく体内に蓄積されることから、使用が禁止されました。また、一部のPCBはダイオキシンと同等の毒性があることや、ホルモン様作用があると言われています。食品衛生法に基づき食品中の暫定的規制値が設定されています。
食品中の暫定的規制値(当センターの検査関連規制値のみ)
:魚介類
遠洋沖合魚介類(可食部) 0.5ppm
内海内湾(内水面を含む)魚介類(可食部) 3ppm

 当センターでは、県産魚介類の安全性を確保するため、PCBについて長期にわたり検査しています。

  • 魚介類のクロルデン類検査
 クロルデン類は白アリ駆除剤として使用されてきましたが、毒性が高く、生物濃縮によって魚介類中の濃度が高まり問題になりました。
 当センターでは、県産魚介類を対象にクロルデン類6種類(ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキシド、オキシクロルデン、シスクロルデン、トランスクロルデン、トランスノナクロル)について長期にわたって調査していますが、ほとんど検出されることはありません。

  • 魚介類の水銀検査
 昭和48年に、食品衛生法に基づき魚介類の水銀の暫定的規制値(総水銀0.4ppm、メチル水銀0.3ppm)が設定されました。当センターでは、県産魚介類の安全性を確保するため、県内で収去された魚介類の総水銀を長期にわたって調査していますが、規制値を超えた魚介類はありません。

  • パツリン
 パツリンは、ペニシリウム属やアスペルギルス属等の真菌によって産生されるカビ毒であり、真菌が付着した果実等から検出され、パツリン汚染の可能性の高い主要食品としてりんご果汁が知られています。りんご果汁についてパツリンの汚染実態調査が行われ、一部のものから比較的高濃度のパツリンが検出されたことから、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の審議結果を踏まえ、清涼飲料水の成分規格の一部を改正し、りんごジュース及び原料用りんご果汁について、パツリン規格が設定されました。
 当センターでは、県内における実態を把握するため、平成14年度から県産りんごジュースについてパツリンの検査を行っています。

  • アレルギー物質を含む食品の検査
 平成14年4月1日から食品衛生法によりアレルギー症状を引き起こすことが知られている食品25品目について、原材料として含む旨の表示が義務付けまたは推奨されるようになりました。
表示が義務化されたもの
(7品目)
小麦、そば、卵、乳、落花生、えび、かに
表示が推奨されているもの
(20品目)
 あわび、いか、いくら、さけ、さば、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、くるみ、大豆、まつたけ、やまいも、鶏肉、豚肉、牛肉、ゼラチン、バナナ、カシューナッツ、ゴマ

 当センターでは、加工食品に表示が義務化されている5品目(小麦・そば・卵・乳・落花生)について、これらが含まれているかどうか検査を行い、原材料の表示が適正であるか確認を行っています。

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