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更新日付:2014年3月11日 

第277回定例会提出議案知事説明要旨(平成26年2月)

本日ここに、県議会第277回定例会が開会され、平成26年度当初予算案をはじめ各般にわたる議案について御審議いただくに当たり、県政運営に関する基本的な方針について、申し上げたいと思います。
 私は、知事就任以来、県民が安んじて生きられる、そして輝いて生きられる生活創造社会を実現するために、青森県の「今」に的確かつ迅速に対処するとともに、「未来」を見据えた取組みを一つひとつ着実に進めてまいりました。
 「青森の元気は経済の元気から。そして雇用の場づくりから。」との考えのもと、これまで、産業・雇用の創出を県政の重要課題と位置づけ、県経済の活性化に全力で取り組んできた結果、昨年12月の本県の有効求人倍率は過去二番目の高水準となる0.76倍となり、また、平成25年の年間平均有効求人倍率が0.69倍と過去最高を記録するなど、本県の雇用環境は、着実に改善しているところであります。
一方、政府においても、「強い経済」を取り戻すべく、いわゆる「三本の矢」を一体として強力に推し進め、長引くデフレからの早期脱却と経済再生に取り組んでいるところでありますが、景気回復の実感が地方の隅々に及ぶまでには至っていないのが実情であり、県経済の活性化は道半ばであります。
 本年4月からの消費税率の引上げを控え、国では、持続的な経済成長の確保に向け、経済の好循環を実現するための経済対策を実行することとしていますが、県としては、こうした対策も効果的に活用しながら、県経済を活性化し、県民の皆様が一日も早く景気の回復を実感できるよう、今後とも、「日本の元気を青森から」との強い思いを持って、本県の元気と活力が湧き上がる効果的な施策を積極果敢に進めてまいります。
今、我が国の農業は、米政策の見直しをはじめ、農地中間管理機構や日本型直接支払制度の創設など、国の新たな農業・農村政策のもと、大きな転機を迎えています。
私は、生産現場に混乱を生じさせることなく、これまで生産者や関係団体が努力を積み重ね、築いてきた水田農業の取組みをしっかりと守っていくことが何よりも重要であると考え、地域の水田農業の維持強化に向け、個々の農業者や生産組織が将来の経営展望を描くことができるよう、国に対し、地域の実情を踏まえた支援等の充実強化を強く求めてきたところであります。
また、こうした考えに立ち、一連の政策の見直しが、本県の水田農業等に及ぼす影響や課題を整理するとともに、今月4日には、生産者からの営農相談にきめ細かに対応するため、各地域県民局に相談窓口を設置したところでありますが、今後とも、国に対し、現場の声を踏まえた具体的な施策提案を積極的に行っていく考えであります。
 このように、直面する喫緊の課題に迅速かつ適切に対応していくことはもちろんのこと、私に課せられたもう一つの重要な責務は、これから青森県が進むべき方向を的確に捉え、一人でも多くの県民が未来に希望を持ち、目標に向かって果敢にチャレンジすることができるよう、その仕組みづくりをしっかり進めることであると考えています。
私は、これまで、「攻めの農林水産業」の推進や「次世代型ライフ関連産業」の創出、「保健・医療・福祉包括ケアシステム」の構築や「良医を育むグランドデザイン」に基づく医師確保対策など、青森県が未来に向かって確かな歩みを進めていくための仕組みづくりに取り組んできました。
私が知事に就任した十年前、本県の農林水産業が、全国に誇れる優れた産品を生産していながらも、それが必ずしも販売へと結びついていない現状を何としても変えたいという思いで、いち早く「攻めの農林水産業」を打ち出し、将来を見据えた取組みを進めてきました。
この結果、本県の農業産出額は、八年連続で東北第一位を堅持し、この十年間の伸び率も、全国のトップを確保するなど、着実な成果が現れているとともに、これまでの取組みを通じて、多くの方々との信頼関係を構築し、人とのつながりが得られたことは、今後、更なる発展を図っていくうえでの大きな財産となるものであります。
また、本格的な人口減少社会を迎える中で、本県の農山漁村地域の持続的・自立的発展を図っていくための「地域経営」の確立に向けた取組みを県内各地域で進めているところであり、その中核を担う経営体が着実に育ってきております。
農林水産業を取り巻く環境が、大きな岐路に立っている今こそ、こうした取組みを更に前進させていかなければならないとの思いを強くしたところであります。
人口減少や少子化、高齢化の進行、経済のグローバル化の進展など、変化の激しい時代であればこそ、現実をしっかりと受け止め、将来を見据えた対策、青森県が未来に向かって確かな歩みを進めていく仕組みづくりを地道に進めていくことが重要であります。
今日の人口減少の急速な進行は、将来の青森県の姿に大きな影響を与える重要な課題であり、また、平均寿命が全国最下位であるという厳しい現実があります。
「乗り越えるべき大きな課題がある時こそ、そこに大きなチャンスがある。」
これまでの取組みを通じて得られた様々な成果や可能性、恵まれた自然環境などの地域資源、そして優れた人財など、本県が持つ多くの強みを最大限に生かしながら、新たな発想、新たな視点で考え、チャレンジしていくことこそが、本県の新たな可能性を切り拓く鍵となります。
私たちの未来は私たち自身の手で創造し、変えていくという気概を持ち、長期的展望に立って、これらの課題解決に向けて、県を挙げて取り組んでいくことが、今こそ必要であると確信するものであります。
本年1月、県では、将来を見据えた挑戦の一つとして今後進めていくこととしている「青森県ロジスティクス戦略」を策定いたしました。
消費市場と生産市場とが、時間、距離、コスト、情報の壁を乗り越えて円滑につながる環境づくりとして、ロジスティクス基盤の育成・整備を行い、本県と国内・世界との経済交流の拡大を実現しようとするだけではなく、長期的には、アジア・北米航路や将来の北極海航路を見据え、国際基幹航路としての重要性が高まる津軽海峡を本県の強みとして生かし、県勢発展の強力な武器にしていこうという取組みであります。
二十年、三十年先を見据えたとき、津軽海峡は本県の発展の礎であるのみならず、日本経済の成長を支える基軸の一つであると確信しているところであり、海洋国家日本としての戦略の構築、国家的関与の必要性を、引き続き国に対して強く働きかけていくとともに、戦略に基づく短期的な取組みを、関係者の皆様とともに着実に進めていきたいと考えています。
このように、私は、今に対応するだけではなく未来をも見据え、青森県の新たな可能性を切り拓くため、本県の「未来を変える挑戦」に県民の皆様とともに積極果敢に取り組んでいく覚悟であります。
そこで、平成26年度の重点施策について御説明申し上げます。
「青森県基本計画未来を変える挑戦」では、生活創造社会の実現に向けて、これまでの取組みを通じて本県の優位性が明らかになった「アグリ(農林水産業)」、「ライフ(医療・健康・福祉)」、「グリーン(環境・エネルギー)」といった成長分野に係る取組み等の一層の推進と、人口減少の進行や平均寿命が全国最下位であること等の課題の克服に向け、「強みをとことん、課題をチャンスに」という基本理念のもと、県民の皆様と思いを共有して果敢にチャレンジしていくことといたしております。
このため、新たな基本計画の初年度となる平成26年度においては、従来の戦略キーワードに加え、取組みを進める「産業・雇用」、「安全・安心、健康」、「環境」、「教育、人づくり」の四つの分野を横断して、特に重点的に取り組むべき事項について、新たに戦略プロジェクトを設定し、各分野に共通する本県の強みや課題に県が一丸となって取り組み、その成果の発現に努めることといたしました。
以下、三つの戦略プロジェクトに沿って、その概要を御説明申し上げます。
第一の戦略プロジェクトは、「人口減少克服プロジェクト」であります。
人口減少は、地域経済の縮小や地域コミュニティの弱体化など、本県の社会経済への様々な影響が懸念されることから、人口減少のスピードを少しでも緩やかにするとともに、人口減少社会への対応を着実に進め、将来的には人口の増加につなげることが重要であります。
そこで、急激な人口減少に歯止めをかけ、持続可能な地域経済の維持や県民生活を守るため、結婚支援、若年層の県内定着を促進するための雇用の創出・拡大、安全で快適な生活環境の確保、平成27年度の北海道新幹線開業を踏まえた多彩な地域の魅力の活用による交流人口の拡大、そして社会を築き支える人財育成などの取組みを進めます。
第二のプロジェクトは、「健康長寿県プロジェクト」であります。
本県の平均寿命は、年々延びているものの、依然として男女とも全国最下位の状況が続いています。
喫煙率、肥満者の割合、食塩摂取量が全国平均より高く、一日当たりの歩行数や野菜摂取量も全国平均より少ないほか、がんや心疾患などの死亡率は全国平均を大きく上回るなど、数多くの課題を抱えています。
こうした課題を乗り越えるためには、県民一人ひとりが、健康に関する情報を適切に利用し、健やかに生きていくための力であるヘルスリテラシー、すなわち「健やか力」の向上に取り組むことが重要であります。
現在、県では、全国最下位の短命県を克服すべく、「今を変えれば!未来は変わる!!」のスローガンのもと、社会全体で一丸となって健康づくり運動を進めているところです。
そこで、県民が健康で長生きすることの価値を認識し、生涯にわたって健康で活力ある生活を送ることができるよう、豊かな自然や食環境を生かしながら、生活習慣の改善やスポーツを通じた健康づくりなど、健康長寿の青森県をめざした取組みを進めます。
第三のプロジェクトは、「食でとことんプロジェクト」であります。
 新たに策定した「攻めの農林水産業」推進基本方針では、これまでの取組みにより培われた信頼・人とのつながり、世界に誇れる豊富な農林水産資源とそれを育む「きれいな水」や「健康な土」に加え、若く元気のある人財が育っているという本県の強みを最大限に発揮する施策を展開し、農林水産業の更なる成長産業化をめざすこととしています。
 そこで、その価値が世界に通じる可能性を十分に有する本県の「食」について、産業・雇用分野でこれまで以上にその強みを生かし、外貨獲得や域内循環をより一層拡大させます。
 さらに、その他の分野でもこの強みをとことん活用することにより、青森県産品の多角的な価値を創出し、食の価値を総合的に高めて、食といえば青森県と言われるよう取組みを進めます。
 このほか、基本計画に掲げている四つの分野ごとの取組みの方向性を示した戦略キーワード、「成長産業の創出・拡大と産業競争力強化による働く場づくり」、「命と暮らしを守る環境づくり」、「人と自然が共生した低炭素・循環型社会づくり」、「ふるさとに誇りを持ち、未来を切り拓く人づくり」に基づき、各分野ごとの課題やニーズに対応していくこととしています。
 また、地域県民局においては、引き続き地域に密着した地域づくりを進めるため、それぞれの地域の特性をしっかりと捉え、地域のめざす姿とその実現に向けての方向性を示した地域別計画に基づく取組みを積極的に展開してまいります。
一方、こうした施策を将来にわたって着実に推進していくためには、これを支える安定した行財政基盤の確立が不可欠であるとともに、限られた行財政資源を効果的かつ戦略的に活用し、成果を最大化させていく最適な行財政運営体制を構築することが必要であります。
このため、昨年12月に改定した「青森県行財政改革大綱」に基づき、これまでの改革の歩みをゆるめることなく、全庁を挙げて行財政改革に取り組むことといたしております。
社会経済情勢など県政を取り巻く環境変化が大きい時代の中にあって、今後とも、その変化に柔軟に対応しつつ、生活創造社会の実現に向けた歩みを次世代へと確実に引き継いでいけるよう、「行財政基盤の安定なくして県政なし」という信念に基づき、新たな改革の推進にしっかりと取り組んでまいります。
さて、知事就任直後に、住民生活の安全・安心確保を第一に考え、全量撤去という大きな決断をいたしました本県と岩手県境における不法投棄産業廃棄物の全量撤去が、昨年12月、完了いたしました。
当時の県財政は、財政再建団体への転落も危惧される危機的状況にあり、今後の県財政をいかに立て直していくかという大きな課題があった中で、全量撤去を決断したのであります。
あれから十年の歳月をかけて、地道に取組みを進め、この壮大なプロジェクトを無事に成し遂げることができたことを感慨深く受け止めております。
他方、その県財政についても、「決して次世代に負担を残さない、増やさない。」という強い決意のもと、これまで徹底した行財政改革努力を積み重ね、財政健全化を着実に前進させてきたところであります。
また、全国的に問題となっている分収造林事業に係る債務についても、将来の県民負担の拡大に歯止めをかけるべく、いち早くこれを整理することを決断し、既にその清算手続きを完了させているところであります。
このように、私は、常に、県民のトータルとしての利益を考え、県民目線での県政運営に努めてまいりました。
そして、本県の将来を見据え、解決すべき課題については、たとえ困難な道のりであっても、安易に先送りすることなく、しっかりと対処してきました。
地道に、そして丁寧に、ものづくりに勤しむ県民性、正直で生真面目な県民性、また、誰も成し遂げたことのないことに取り組む、進取の気性に富んだ県民性、私たちが先人から受け継いだこうした優れた精神を持ち続け、希望を抱き、未来へ向かってチャレンジし続ける限り、青森県は、自立する地域を創っていくことができると確信しております。
そして、まさに平成26年度は、新たな基本計画のもとでめざす生活創造社会の実現に向けて、その第一歩を踏み出す年であります。
「自らの力で自分たちの未来は変えられる。」そう信じ、職員一同、思いを新たにして、皆様とともに「未来を変える挑戦」を進めていく覚悟です。
 議員各位並びに県民の皆様の御協力と御支援をよろしくお願い申し上げます。
 次に、提出議案について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、議案第1号「平成26年度青森県一般会計予算案」について申し上げます。
本県財政は、平成15年度の財政改革プラン策定以降の行財政改革により、極めて厳しい歳入環境の中にあっても、財源不足額(基金取崩額)の圧縮を図るとともに、県債発行総額の抑制に努めるなど、財政構造改革を着実に前進させてきました。
 また、こうした取組みを進める中においても、生活創造社会の実現や東日本大震災からの創造的復興に向け、県政の重要・緊急課題に積極的に対応してきたところであります。
 平成26年度当初予算の編成に当たっては、平成25年12月に策定した「青森県基本計画未来を変える挑戦」と「青森県行財政改革大綱」を踏まえ、本県の新たな挑戦のスタートとして、財政健全化努力を継続しながらも、平成26年度の戦略プロジェクト及び戦略キーワードによる施策の重点化と部局間の更なる連携強化を図り、人口減少社会における課題の克服、県民の健康と暮らしを守る取組みの推進、「食」をはじめとする本県の強みを生かした産業競争力の強化など、各種施策を積極果敢に展開することといたしました。
 また、消費税率及び地方消費税率の引上げに伴う歳入歳出への影響については、適切に措置することといたしました。
 以上の結果、年間総合予算として編成した平成26年度一般会計当初予算は、規模としては、6,910億円、平成25年度当初予算対比85億円、1.2パーセントの減となりました。
 なお、国の経済対策にも呼応しながら、施策効果を最大限に発揮するため、国の補正予算等関連の平成25年度2月補正予算を一体で編成し、予算総額の確保に努めたところであります。
 また、財源不足額(基金取崩額)については、更なる圧縮を図り、ほぼ実質的な収支均衡を達成するとともに、県債発行総額についても可能な限り抑制し、中長期的視点に立った財政健全性の確保に努めるなど、持続可能な財政構造の構築に向けて着実に前進させることができたところであります。
 以下、平成26年度の主要施策について、三つの戦略プロジェクト及び四つの戦略キーワードに沿って、その概要を申し上げます。
 第一の戦略プロジェクト「人口減少克服プロジェクト」についてであります。
まず、「人口減少社会においても持続可能な地域をつくる」については、
 人口減少社会の進行に伴う様々な地域課題に対応するため、県内過疎地域における行政サービスの提供方策等について調査するとともに、高齢化が進む地域等で貢献できる産地直売所の新たな経営展開について検討・実証するほか、西北地域における空き家化の予防と利活用を促進するための仕組みづくりなどに取り組むことといたしております。
 また、集落の維持・活性化を図るため、課題解決に向けた地域の主体的な活動を支援するほか、農山漁村の「地域経営」の確立に向けた取組みを引き続き推進するなど、持続可能で元気な地域づくりを進めることといたしております。
 次に、「人口増加につながる仕組みをつくる」については、
 あおもり出会いサポートセンターによる独身男女の出会いの機会の創出や、結婚支援活動を行う関係機関のネットワークの形成に取り組むとともに、上北地域における独身農業後継者等を対象としたマッチングや若手農業者の企画による交流の場づくりを進めるなど、結婚支援に取り組むほか、県外の大学生等のUターン就職の促進や若年者の早期離職防止を図るとともに、創業・起業意欲の醸成やニュービジネス展開、UIターン創業の推進など、雇用の場の創出に取り組むことといたしております。
 また、「交流人口を増やす仕組みをつくる」については、
北海道新幹線の開業に向けて、本県の多様な地域資源や魅力を活用し、国内外への戦略的な情報発信に県を挙げて取り組んでいく必要があります。
 このため、県民が主体となった観光地域づくりの推進や、おもてなしの心の醸成に取り組むほか、大都市圏からの誘客促進を図るため、旅行エージェントに対するセールス活動の強化や県立美術館における戦略的な広報展開などに取り組むことといたしております。
 また、北海道新幹線の仮称「奥津軽駅」の開業を見据え、二次交通や津軽海峡交流圏フリーパスの検討を進めるとともに、開業効果を最大限に獲得するため、県民の気運醸成に向けたプロモーション活動の展開や、地域資源の活用の検証、PRイベント等を実施するほか、津軽半島における観光コンテンツの掘り起こし、モデルコースの検討等を進めることといたしております。
 さらに、道南地域から本県への進学促進を図るため、県内の大学等による合同進学説明会等を函館で開催するほか、本県及び道南地域のサイクリングエリアを一体的かつ強力に情報発信するなど、交流人口の拡大を図ることといたしております。
なお、これらの取組みに加え、JR東日本と連携した首都圏等における観光PRキャンペーンの実施など、北海道新幹線開業を見据えた関連事業については、「λ(ラムダ)プロジェクト」と位置づけ、関係部局及び地域県民局連携のもと、集中的に事業を展開することといたしております。
第二の戦略プロジェクト「健康長寿県プロジェクト」についてであります。
まず、「地域を挙げて取り組む『健活』」については、
 平均寿命の延伸に向けて、県民一人ひとりが「健やか力」を身に付け、食生活の改善や、運動習慣の獲得など健康づくりの実践につながる環境づくりを進めるとともに、子どもたちの健康的な生活習慣の定着に向けた取組みを進めることといたしております。
 このため、健康教育サポーターの育成などの人財育成や、市町村長や企業経営者等に対する働きかけ、「健やか力」検定の実施や健診受診率の向上など、県を挙げた健康改善活動に取り組むとともに、本県の肥満傾向にある子どもの割合の減少を図るため、保育所で肥満防止保育プログラムを実施するほか、学校、家庭、地域が連携し、児童生徒の運動量の確保や体力向上、食育の推進などに取り組むことといたしております。
 また、野菜摂取量の増加に向けたキャンペーン等を展開し、食生活の改善を図るとともに、「あおもり食命人」の育成を通じて、県内の外食・中食産業において健康的な食を選択できる環境整備を進めることといたしております。
 さらに、下北地域の健康課題を改善するため、下北地域県民局と下北教育事務所が連携し、健康づくりの気運醸成や、健康的な「中食」の開発、ウォーキング等に親しむ環境づくり、子どもの生活習慣の改善に取り組むなど、下北地域が一体となって健康なまちづくりを進めるほか、西北地域県民局においては、西北地域の大型ショッピングモールを活用したモールウォーキングや、管内の飲食店等における禁煙等の店頭表示を推進することといたしております。
 次に、「自然環境や地域資源を生かした健康づくり」については、
青森県の強みである豊かな自然環境や地域資源をとことん活用した特色のある健康づくりを進めるとともに、地域資源の利活用と保護に対する県民の意識醸成を図ることといたしております。
 このため、世界遺産登録二十周年を契機に白神山地の更なる保全と利活用の推進に向けて、巡視活動の充実による自然環境情報の収集・発信や、健康づくりの視点を含めたエコツアープログラムの作成及び民間主導のエコツアー提供体制の構築などに取り組むほか、国道103号奥入瀬(青橅山)バイパスの整備を見据え、奥入瀬渓流の環境保全と利活用に向けたエコロードフェスタの開催など健康づくりに資する新たな観光の仕組みづくりを検討することといたしております。
 また、中南地域県民局において、地域の特長を生かしたランニング等のコースマップの作成・情報発信、健康増進型イベントを開催するとともに、上北地域県民局において、小川原湖周辺の資源を組み合わせた健康志向型の体験観光コンテンツの提供体制づくりを進めることといたしております。
 次に、「地域の保健・医療・福祉をサポート」については、
 県民の健康づくりを支えるため、市町村長等を対象としたセミナーや地域保健活動の要である中堅期保健師の育成など、予防を重視した包括ケアシステムの充実を図るとともに、若手医師の県内定着に向けて、総合診療医の育成体制の強化や地域医療を支える医師としてのキャリアパス・モデルの作成等を行うことといたしております。
 また、本県の優位性を生かしたライフ分野関連産業の創造と集積による地域経済の活性化と雇用の創出を図るため、「青森ライフイノベーション戦略」に基づき、医療福祉機器開発に向けた研究開発支援や、ヘルスプロモーションカーの活用をはじめとする地域医療等の課題解決に向けたヘルスケアサービスモデルの構築、健康・美容分野における商品開発やプロテオグリカン関連産業の集積に向けた支援等を行うことといたしております。
第三の戦略プロジェクト「食でとことんプロジェクト」についてであります。
まず、「食の生産力・商品力を極める」については、
本県の高い食料自給率や米、野菜、果実、畜産、水産など幅広い品目にわたってバランスの取れた生産が行われている強みをとことん伸ばし、高品質な青森県産品を更に安定的に供給できる体制づくりを進めることといたしております。
 このため、「特A」評価の取得を目指すあおもり米新品種の平成27年のデビューに向けて、名称の公募や販売対策、一定の品質確保に向けた生産技術の普及等に取り組むほか、県内の六次産業化の取組拡大のため、意欲ある農林漁業者の掘り起こしや個別相談活動等の実施、農商工連携等による商品開発や販路開拓の初期経費に対する支援を行うことといたしております。
次に、「食の販売力を極める」については、
 販売を重視した「攻めの農林水産業」の推進により、これまで多くの関係者と地道に築き上げてきた信頼関係などの強みをとことん生かし、更なる販路の拡大により、外貨獲得を推進することといたしております。
 このため、高鮮度出荷による中部地方以西への販路拡大に向けて、物流関連企業と連携した航空輸送試験を実施するほか、青函連携による食と観光のプロモーションの首都圏等での展開、青函交流商談会の開催など、国内における更なる販路拡大に取り組むことといたしております。
 また、県産農林水産物の有望な市場として期待される東南アジア諸国をターゲットに、市場性調査を踏まえた輸出ルートの開拓に取り組むほか、産地一体となったりんご輸出体制を構築するため、生産者による台湾での即売会や販売状況調査等を実施するとともに、台湾卸売業者等の招聘による産地視察等の取組みを支援するなど、輸出の拡大に取り組むことといたしております。
 次に、「安全・安心で環境にやさしい食を極める」については、
 夏季冷涼な気候や全県で取り組んでいる健康な土づくりなどの強みをとことん生かし、消費者に安全・安心な青森県産品を届ける体制を強化することといたしております。
このため、地域を支える土づくり体制の再構築に向けた支援や認証GAP取得を推進するとともに、環境にやさしい農業に取り組む生産者の掘り起こしや消費者理解の促進など、「日本一健康な土づくり運動」を加速させるほか、農業分野でのICT活用による付加価値向上と生産システムの効率化を図るため、ICT利活用メニューの作成や農業アプリのモデル実証、りんごトレーサビリティモデルの構築に取り組むことといたしております。
 また、県産食品のブランド化を食品安全対策の側面から支援するため、本県独自のハサップ認証の実施や県内事業者に対する衛生指導等を行うほか、食の安全を担う獣医師職員を確保するため、新たに修学資金の貸与を行うこととし、今回、関係条例案として、議案第33号「青森県獣医師修学資金貸与条例の一部を改正する条例案」を提案いたしております。
 次に、「食を支える人づくりを極める」については、
 本県の一次産業の担い手が全国と比較して若く、若手の意欲ある生産者も数多く存在するなどの強みを更に強化し、将来の一次産業を支える人財の育成を進めるほか、食産業においても新たな人財の育成を進め、雇用創出と所得向上に取り組むことといたしております。
 このため、中間加工に取り組む食品製造業者が、新たに食品加工従事者を雇用し、加工・品質管理技術等を有する人財を育成する取組みを支援するとともに、上北地域の若手農業者等で構成する「上北次世代野菜塾」を設置し、新野菜の導入に向けた取組みを進めるほか、商談力・販売力を兼ね備えた人財を育成するため、六次産業化や販路開拓に取り組む事業者を対象とした研修会の開催や、首都圏における県産品フェアを活用した実践指導等を行うことといたしております。
以上が、三つの戦略プロジェクトに基づく施策であります。
 続いて、四つの戦略キーワードに沿って、概要を御説明いたします。
 第一は、「成長産業の創出・拡大と産業競争力強化による働く場づくり」についてであります。
まず、農林水産業分野の成長産業化については、
 青森県産業技術センターが、生産者や流通・販売事業者とコンソーシアムを形成し、市場ニーズに対応した高付加価値商品の創出に取り組むとともに、りんご黄色品種の高品質安定生産や消費拡大、販売促進に向けた取組みを支援するほか、本県の主力魚種であるほたてがい、まなまこ、みずだこについて、生産・供給体制及び資源管理対策の強化を図ることといたしております。
 次に、環境・エネルギー関連産業の振興についてであります。
 エネルギーの安定供給とエネルギーコストの低減のためには、原子力、火力、再生可能エネルギーそれぞれのメリットを最大限活かしたベストミックスを図っていくことが重要であり、多様なエネルギー関連施設が立地する本県のポテンシャルを、産業振興、雇用創出につなげていくことが必要であります。
 このため、国のエネルギー政策等を踏まえ、新たなエネルギー産業振興戦略の策定やエネルギーマネジメントシステムの導入拡大に向けた検討を行うほか、原子力人材育成・研究開発拠点施設の整備に向けた基本設計及び実施設計を行うとともに、施設の管理運営体制や人材育成・研究開発の内容等について調査・検討することといたしております。
 なお、今後の施設整備等に当たり、国からの交付金を財源の一部として活用するため、今回提案しております議案第17号「青森県原子力人材育成・研究開発推進基金条例案」で当該基金を設置することといたしております。
 また、原子力施設の立地に伴う県内市町村の均衡ある地域振興を図るため、公益財団法人むつ小川原地域・産業振興財団が行う原子力施設の立地・周辺以外の市町村を対象とした地域振興事業に対して支援するとともに、原子力施設の立地に伴う全県的な地域振興や産業振興を図るため、同財団が地域・産業振興プロジェクト支援事業を実施するための運用資金を貸し付けることといたしております。
 次に、戦略的な青森ならではのツーリズムの推進については、
平成27年度末の北海道新幹線開業や海外の観光需要の拡大を契機として、JR東日本との連携による首都圏等における観光PRキャンペーンや、旅行エージェントに対する旅行商品の造成の働きかけ等を通じた戦略的な誘客促進に取り組むほか、韓国をはじめ、東アジアや東南アジアからの外国人観光客の誘客促進に向けた取組みを強化することといたしております。
次に、青森県の強みを生かした地域産業の振興については、
 県内中小企業の首都圏等におけるビジネスチャンス獲得のため、販路開拓や大手企業とのビジネスマッチング等を伴走型で支援するビジネスサポートステーションを運営するほか、産学官金が連携して新産業を創出するため、県内金融機関との連携による認定支援機関の機能強化を図るとともに、競争的研究資金の導入や県外企業との技術マッチングの支援を促進することといたしております。
また、特別保証融資制度における「未来を変える挑戦資金」のうち、創業や県の重点推進分野等に係る取組みについては、信用保証料を軽減するための支援を行うこととし、創業や中小企業の新たな挑戦を促進することといたしております。
さらに、大規模な企業立地の促進と雇用機会の拡大を図るため、一定規模以上の設備投資及び新規雇用を行う誘致企業等に対する助成措置を拡大するほか、六ケ所工業用水道事業の安定的な運営を図るため、企業債の繰上償還を行うことといたしております。
 このほか、「青森県ロジスティクス戦略」に基づき、将来の北東アジアにおけるグローバル物流拠点化をめざし、農林水産品の流通拡大、貨物の集積及び航路の充実に向けた取組みを行うとともに、津軽海峡を通過している北米航路等の寄港可能性の研究を進めることとしているほか、震災の影響により減少した八戸港のコンテナ貨物取扱量の増加を図るため、八戸港を利用して輸出入を行う荷主企業に対する支援を行うことといたしております。
 なお、青森県産業技術センター弘前地域研究所については、施設の老朽化を解消し、時代の変化や高度化する中小企業ニーズに柔軟に対応できる施設とするため、移転改築を行うことといたしております。
 次に、安定した雇用の確保と県民の活動を支える基盤の整備については、
 国の戦略産業雇用創造プロジェクトを活用し、本県の強みである食分野及び次世代成長分野の製造業において安定的に雇用を創造するための取組みを進めるほか、緊急雇用創出事業臨時特例基金を積極的に活用し、約千百人の新規雇用の創出や在職者の処遇改善を図ることといたしております。
 また、航空路線の維持・拡充、主要幹線道路ネットワークの整備など、産業や県民生活を支える交通体系の充実に向けた取組みを推進することといたしております。
 第二は、「命と暮らしを守る環境づくり」についてであります。
 県民の命と暮らしを守るためには、安全で安心して暮らすことができる環境づくりを進めていく必要があります。
 そのため、保健・医療・福祉サービスの充実と質の確保、「防災公共」の推進をはじめとした防災対策の充実、安全な生活を営むために必要な防犯や事故防止対策などに引き続き取り組むことといたしております。
このうち、「防災公共」の推進については、インフラ整備などハード面の取組みを着実に進めるほか、ソフト面の取組みとして、施設管理者ごとの既存台帳システムの一元化を図り、防災・災害関連情報の整理、情報提供を行うシステムを構築するとともに、被災四市町において、津波災害警戒区域の指定に向けて必要となる基礎調査を行うことといたしております。
 また、昭和56年以前に建築された不特定多数の者が利用する大規模建築物等の耐震診断に対する支援等を行うことといたしております。
 なお、耐震強度が不足するとともに老朽化が進行している県庁舎について、耐震・長寿命化改修に係る実施設計を行うとともに、老朽化した防災ヘリコプター「しらかみ」を更新するほか、老朽・狭隘化した大間警察署の新庁舎を移転整備することといたしております。
原子力施設については、安全確保を第一義に、国や事業者に対して施設の安全確保対策や情報公開の徹底を求めるとともに、県としても防災対策を強化し、県民の安全・安心を守ります。
 第三は、「人と自然が共生した低炭素・循環型社会づくり」についてであります。
 低炭素・循環型社会、自然共生社会の実現に向けては、ごみの減量やリサイクルなどの3R活動、省エネルギー対策などに取り組むほか、省エネや3Rなどと環境のつながりを意識しながら、親子が一緒に、環境について実践的かつ継続的に学習できる環境づくりを進めることが必要です。
そこで、民生部門における二酸化炭素排出量の削減を図るため、家庭での省エネ・エコ活動に関する情報発信やエコ体験教室の開催等により県民の環境配慮行動を促すとともに、一般廃棄物の減量化とリサイクル率の向上を図るため、紙類等の集団回収の促進や市町村が行う衣類回収への支援、食品廃棄物の減量化に向けた普及啓発等に取り組むことといたしております。
第四は、「ふるさとに誇りを持ち、未来を切り拓く人づくり」についてであります。
 人口減少、少子化、高齢化など、社会構造の変化の中にあって、青森県の未来を創造する人財育成の取組みを更に進める必要があります。
 このため、あおもりの未来をつくる人財の育成については、
 国際社会で活躍できる人財を育成するため、高校生の郷土に対する理解を深め、職業観を醸成するとともに、県内及び韓国で集中的な体験型英語プログラムの実践研究を行うほか、学校・家庭・地域でのキャリア教育の一層の充実を図るため、地域企業と連携したキャリア教育の実践やキャリアノートを活用した実践研究、働く背中を見せるキャンペーン等を実施することといたしております。
また、いじめ防止体制を強化するため、いじめの予防に関する取組事例等の普及を行うとともに、スクールソーシャルワーカーやソーシャルメディア等監視員を配置することといたしております。
このほか、青森県立学校校舎等利活用検討委員会の検討結果等を踏まえ、旧青森戸山高校及び旧八戸南高校の校舎等について、それぞれ青森商業高校及び八戸第二養護学校が利活用するための改修設計を行うことといたしております。
 なお、教室不足が著しい八戸第二養護学校については、高等部を単独校として分離移設するとともに、職業教育の充実を図るため、産業科を新設することといたしております。
 また、私立学校については、経常費補助をはじめ、特色教育支援経費補助、私立幼稚園特別支援教育費補助等の助成を行い、特色ある教育の振興を図るとともに、国の高等学校等就学支援金の拡充等により、保護者負担の更なる軽減を図ることといたしております。
 このほか、国の制度創設により、県立高校及び私立高校等の低所得世帯の生徒に対し、授業料以外の教育費負担を軽減するための給付金を給付することといたしております。
次に、あおもりの今をつくる人財の育成については、
 女性リーダーの育成とネットワークの形成を図るため、「奥入瀬サミット」を開催するとともに、県内企業の技術力の強化とものづくり人財の育成を図るため、企業を対象とした技術演習や研修支援等を行うことといたしております。
次に、あおもりの今と未来をつくる文化・スポーツの振興については、
 三内丸山遺跡をはじめとする「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録の早期実現に向け、世界遺産登録推薦書案の作成のほか、国際的合意形成の促進、戦略的な情報PRによる気運醸成や知名度の向上に加え、縄文をテーマにした芸術面での発信力を強化することといたしております。
 また、将来、国民体育大会やオリンピック等において活躍できるアスリートの育成を図るため、優れたジュニア選手の発掘・育成を行うとともに、公益財団法人青森県体育協会から招致要望のあった第80回国民体育大会のあり方等について検討するための懇話会を開催することといたしております。
 なお、「青森県スポーツ振興基盤整備計画」において、老朽化した県有体育施設のうち優先整備することとされた陸上競技場の移転整備を行うほか、八戸市が整備する屋内スケート場については、整備に向けた基本設計等に対する支援を行うことといたしております。
最後に、各地域県民局が行う地域づくりに関する施策について申し上げます。
 東青地域県民局では、北海道新幹線の仮称「奥津軽駅」の開業効果を最大限に獲得するため、地域資源の活用に向けた検証やPRイベント等を実施するとともに、青森港周辺の賑わい創出や誘客促進を図るため、戦略的な情報発信や新たな取組みの掘り起こし、親水空間の活用促進に向けた可能性調査を行うことといたしております。
 中南地域県民局では、地域内のものづくり企業間の取引拡大に向けたニーズ調査やマッチング等を実施するとともに、りんご園地を雪害から守るため、市町村と地域が連携した効果的な農道除雪や雪害復旧技術等の検証・普及等を行うことといたしております。
三八地域県民局では、三八地域のものづくり企業の取引拡大を図るため、企業の情報発信力の強化に向けた講習会や展示会を開催するとともに、三陸復興国立公園の知名度向上による観光振興を図るため、観光ルートづくりやトレッキングツアーによる新たな魅力を情報発信することといたしております。
 西北地域県民局では、北海道新幹線の仮称「奥津軽駅」開業効果の最大限の獲得に向け、津軽半島北部における観光コンテンツの磨き上げ等によるモデルコースの検討や情報発信を行うとともに、地域の水田農業の担い手となる大規模稲作経営体を育成するため、直播栽培を核とした省力・低コスト栽培技術体系の確立に取り組むことといたしております。
 上北地域県民局では、十和田湖の歴史的・文化的魅力の発信により十和田湖周辺地域の活性化と誘客促進を図るため、地元関係者による検討会の開催やガイドブックの制作等を行うとともに、働き盛り世代の男性の生活習慣病の予防やこころの健康づくりを推進するため、出前健康講座やイベント等を活用した普及啓発活動を行うことといたしております。
 下北地域県民局では、地域づくりを担う若い世代の人財の発掘・育成を図るためのワークショップや調査研究等を行うとともに、台湾からの誘客促進を図るため、台湾人観光客の受入れに対する地域関係者の気運醸成や観光商品の造成に向けた検討等を行うことといたしております。
 また、地域の資源や特性を生かした地域づくり等を進めるため、市町村が自発的、主体的に実施する取組みについては、総額2億6,000万円の「地域の元気支援事業費補助」により支援することといたしております。
 以上が、平成26年度の主要施策の大綱であります。
次に、歳入予算の主なるものについて御説明申し上げます。
 県税については、地方税制改正の内容、本県経済の動向、地方消費税率の引上げ等を踏まえ、1,249億1,540万円余を計上いたしております。
 地方消費税清算金については、地方消費税の都道府県間における清算金375億7,470万円余を計上いたしております。
 地方交付税については、原資総額の伸び率及び国の算定方針を基礎に、過去の交付実績等を勘案して普通交付税の交付見込額を推計したうえで、当初予算において2,037億8,400万円を計上したほか、特別交付税については、34億円を計上いたしております。
 県債については、地方債計画、その運用方針等を勘案して積算のうえ、857億2,060万円余を計上いたしております。
 繰入金については、「青森県行財政改革大綱」に基づく取組みを通じて、財源不足額の更なる圧縮を図り、財政調整基金及び県債管理基金からそれぞれ5億円、合わせて10億円を繰り入れることといたしております。
 このほか、国庫支出金等については、主として歳出との関連において計上いたしております。
 以上が「平成26年度青森県一般会計予算案」の概要であります。
このほか、上程されました議案の主なるものについて御説明申し上げます。
議案第2号から議案第16号までは、青森県公債費特別会計等の特別会計及び青森県病院事業会計等の企業会計に係る予算案であります。
 議案第40号「青森県医療療育センター条例の一部を改正する条例案」は、青森県立あすなろ医療療育センター及び青森県立さわらび医療療育センターを福祉型障害児入所施設とすること等に伴い、これらの施設の名称及び業務を改め、並びに施設入所支援料を徴収し、並びに使用料の額を改める等の改正を行うものであります。
議案第42号「青森県むつ小川原工業基地企業立地促進基金条例の一部を改正する条例案」は、基金をむつ小川原地域における産業の振興に寄与する事業を促進するための措置に要する経費の財源に充てることとし、基金の名称を「青森県むつ小川原地域産業振興基金」に改めるものであります。
議案第67号「青森県立高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例案」は、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の改正に伴い、専攻科に係る授業料以外の授業料及び受講料を徴収しないこととする特例を廃止し、並びに高等学校等就学支援金の受給資格の認定の申請をした生徒等に係る授業料及び受講料の納付期限の特例を定める等の改正を行うものであります。
なお、条例案のうち使用料、手数料等の改定に係るものは、諸経費の状況等を勘案して通常の見直しを行うほか、消費税率及び地方消費税率の引上げに伴い、財貨サービスの提供者である地方公共団体としても消費税等の円滑かつ適切な転嫁の措置等を講ずる必要があることから所要の改定を行うものであります。
 議案第75号「公の施設の指定管理者の指定の件」は、青森県武道館の指定管理者を指定するものであります。
 議案第83号「青森県教育委員会委員の任命の件」は、青森県教育委員会委員鈴木秀和氏から来る3月31日をもって辞職したい旨の申出があったことから、補欠の委員として野澤正樹氏を、また、青森県教育委員会委員橋本都氏の任期が来る3月31日をもって満了いたしますので、後任の委員として中村充氏を任命いたしたく、御同意を得るためのものであります。
議案第84号「青森県人事委員会委員の選任の件」は、青森県人事委員会委員遠間敏子氏の任期が来る3月31日をもって満了いたしますので、後任の委員として同氏を再任いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 議案第85号「平成25年度青森県一般会計補正予算案」は、さきに成立した好循環実現のための経済対策に係る国の補正予算に呼応し、所要の予算措置を講ずるものであります。
 議案第86号「青森県農地集積・集約化対策基金条例案」、議案第87号「青森県消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例案」、議案第88号「青森県自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例案」及び議案第89号「青森県緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例案」は、補正予算案に関連し、それぞれに定める事業に要する経費の財源に充てるための基金の設置、設置期間の延長及び対象事業の追加をするものであります。
その他の議案につきましては、各議案の末尾に記載されている提案理由等のとおりであります。
 「エベレストに登るという夢を持った途端、人生が変わった。そして、夢を持てば実現できることを改めて知った。」
 「夢を見ること、チャレンジすることが私のテーマだと思っている。」
 昨年5月、80歳という世界最高齢でのエベレスト登頂を成功させた本県出身の三浦雄一郎氏の言葉であります。
 高齢社会に突入した我が国にあって、今なお、夢に向かって果敢にチャレンジし、強い決意を持ってそれを成し遂げようとする氏の姿から、青森県人が有するチャレンジ精神の素晴らしさを改めて認識したところであります。
 まさに、「夢に向かってチャレンジ」することこそが、私たちの未来を切り拓いていく第一歩であり、そのことを県民の皆様と共有し、挑戦を続けていく覚悟であります。
以上をもちまして、県政運営に関する基本的な方針を申し述べるとともに、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決、御同意並びに御承認を賜りますようお願い申し上げます。

第277回定例会追加提出議案知事説明要旨(平成26年2月)

 ただいま上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、議案第九十号「平成二十五年度青森県一般会計補正予算案」について御説明いたします。
 今回の補正予算は、青森中核工業団地における独立行政法人中小企業基盤整備機構の持分承継等に要する経費、県産材の需要拡大及び林業・木材産業の成長産業化を図るための支援等に要する経費、県管理道路等の除雪に要する経費等について所要の予算措置を講ずることとしたほか、現年発生災害復旧費等の増減額の調整を行うとともに、青森県特別保証融資制度貸付金等について減額を行うことといたしました。
 また、「青森県行財政改革大綱」に基づき、将来負担に備える観点から財政調整基金に積立てを行うとともに、県庁舎の耐震・長寿命化改修に係る後年度負担の軽減と「青森県基本計画未来を変える挑戦」に基づく諸施策の着実な推進等を図るため、公共施設等整備基金及び地域振興基金に積立てを行うのに要する経費について予算措置を講ずることといたしました。
 その結果、今回の補正予算額は、歳入歳出とも七十五億五百六十万円余となり、これと既決予算額及び今定例会に既に提出しております補正予算額とを合計いたしますと、平成二十五年度青森県一般会計の予算規模は、七千二百九十一億四千九百三十万円余となります。
 計上の主なるものについては、
 まず、独立行政法人中小企業基盤整備機構及び県が共同で整備した青森中核工業団地における分譲業務について、同機構の業務を行う期限が今月末までとなっていることに伴い、同機構の持分を承継するとともに、県の業務を代行する県土地開発公社の金利負担を軽減するための貸付金二十三億八千五十万円余を計上いたしました。
 また、県産材の需要拡大及び林業・木材産業の成長産業化を図るため、木材加工流通施設等の整備や木質バイオマスエネルギーの導入促進等に対する支援及び基金の造成に要する経費八十三億七千百六十万円余を計上いたしました。
 このほか、県管理道路の除雪に要する経費十二億千四百九十万円余を計上するとともに、青森空港の滑走路等の除雪に要する経費一億六百万円余を計上いたしました。
 歳入については、歳出との関連等において、国庫支出金、繰入金、諸収入、県債等について、それぞれ増減額を調整のうえ計上したほか、財政調整基金からの繰入金九億円を減額計上するとともに、県税について七十二億五千百万円余、地方譲与税について三十五億三千七百十万円余をそれぞれ計上いたしました。
 また、普通交付税については、交付決定額と既計上額との差額三十八億七千六百七十万円余を計上いたしております。
 以上が、「平成二十五年度青森県一般会計補正予算案」の概要であります。
 このほか、上程されました議案についてでありますが、議案第九十一号から議案第百四号までは、特別会計十二件及び企業会計二件の予算補正に係るものであります。
 その他の議案については、各議案の末尾に記載されている提案理由のとおりであります。
 以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。

過去の議会説明要旨

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