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臨時会見/雇用・金融等緊急経済対策について

会見日時:平成20年12月17日(水)9:30〜9:50
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○商工政策課長
 ただいまより、雇用・金融等緊急経済対策にかかります臨時記者会見を行います。

○知事
 お時間いただきましてありがとうございます。
 まず最初に今日は市長会長さん町村会長さんもご出席いただいたわけでございますが、その分野からお話させていただきます。

 最初に公立小中学校施設の耐震化対策に関してであります。
 世界各地で大変大規模な地震が発生し、校舎の倒壊によって多くの子どもたちが犠牲になっているケース等がございます。失われた子どもたちの未来は取り返しがつかないわけであります。また、国内におきましても岩手・宮城県の内陸地震など、大きな地震が発生いたしております。このような地震は決して他人事ではなく、いつ起こるかもしれない災害から青森の未来を担う「財(たから)」でございます、何ものにも代え難い子どもたちの命を守り、県民の安全と安心を確保することが私たちに課せられた重要な責務であるとの思いから、今般、青森県市長会長及び青森県町村会長と協議し、集中的に耐震化対策を実施することといたしました。

 公立小中学校施設は児童生徒の学習生活の場であり、災害発生時には応急の避難場所としての役割も果たします。従って、その安全性の確保は極めて重要でございます。しかしながら平成20年4月1日現在の本県の公立小中学校における耐震診断の第二次診断実施率は25.3%、耐震化率は52.0%と耐震化が遅れております。県内の市町村において、公立小中学校の耐震化を図るとすれば、県の試算では約160億円と、多額の事業費が見込まれるところですが、市町村が積極的に取り組めるよう、県では特別に平成23年度まで耐震診断及び耐震補強工事を実施する市町村に対し、市町村負担の軽減措置を講じることといたしました。補助の内容は、耐震補強工事費の市町村負担への補助と、耐震診断を実施した結果、補強不要と判定され、国の補助対象外となる耐震診断費への補助であり、規模とすれば約十数億円の補助を想定いたしております。児童生徒の安全性確保のため、各市町村は今回の支援措置を利用し、積極的に耐震化を進めていただきたいと思います。なお、県においても県立学校の耐震化を平成23年度までの計画に前倒しし、約11億円の規模で進めていきたいと考えております。その結果、市町村分と県分を合わせて、総額では約171億円の事業費となります。

 一方、県内経済は景気後退の度合いを増しておりまして、このところの金融情勢にも大きな変化が見られるなど、県内中小企業を取り巻く環境は、かつてないほど厳しい状況にございます。さらには、雇用情勢につきましても非正規労働者の方々の雇い止めや、倒産、事業縮小に伴う整理解雇が行われるなど、深刻な状況となってきております。県では、このような情勢を踏まえまして、この度、雇用・金融等緊急経済対策を実施することといたしました。

 まず、中小企業金融対策でありますが、県ではこれまで10月31日付けで創設されました国の緊急保証制度に呼応して、同日付けで緊急経営安定対策を実施するなど、県内中小企業の資金繰りを支援してきたところであります。しかしながら、景気の先行きはその後も後退感を強めており、先の定例県議会においても、県内中小企業の資金繰り支援を求める声をいただきました。このため県では、新たな中小企業金融対策として、国の緊急保証制度を始めとした信用保証制度が円滑に推進されるよう青森県信用保証協会の体質強化を図るため、7億円を限度として県が措置することとします。これによりまして、県信用保証協会の与信力を補完し、約2,000億円の保証枠を創出することによりまして、県内中小企業の資金繰り緩和に大きな役割を果たせるものと考えております。

 なお、公立小中学校施設に対する耐震化の支援と、青森県信用保証協会に対する措置の今年度負担分につきましては、今年度の補正予算案として来年2月予定しております定例県議会に提案させていただくこととします。

 次に、「青森県緊急雇用対策本部」の設置についてであります。世界的な経済危機の下で、本県においても非正規労働者の方々の雇い止め、企業倒産に伴う解雇や、新規学校卒業予定者の内定取り消しなどが発生し、極めて深刻な雇用状況となっており、こうした事態がさらに進めば、一層の景気後退を招くことも懸念されるわけであります。そのため、本日、私を本部長とし、県、労働局、市長会、町村会、経済団体、労働団体から構成されます「青森県緊急雇用対策本部」を設置し、この本部を中心として、県内の雇用対策に全力で取り組んでいくことといたしました。
なお、国において、第二次補正予算で都道府県に基金を設置し、雇用創出することを目的とする総額2,500億円の「ふるさと雇用再生特別交付金事業」と総額1,500億円の「緊急雇用創出事業」を盛り込むこととされております。県としては、労働局、市町村、経済団体、労働団体と緊密に連携し、これらの基金を最大限に活用して、雇用の確保に万全を期していきたいと考えております。私からは以上、報告させていただきます。

○商工政策課長
 本日は、青森県市長会佐々木会長さんと青森県町村会工藤会長さんにもお越しいただいております。ただいまの知事の記者発表内容につきまして、ご発言をいただきたいと思います。始めに佐々木会長さんにお願いをしたいと思います。

○佐々木市長会会長
 それでは私から申し上げます。義務教育施設の整備については、各市町村におきましてはそれぞれ重点的にかつ計画的に取り組んでいるところであります。このような中、地震防災対策特別措置法の改正等がありまして、国から大規模な地震によって倒壊の危険性の高い公立小中学校の耐震化を、平成23年度までに完了するように求められておったところであります。もとより各市町村では改築や耐震化事業を通じて、これに対処すべく努力しているところではありますが、厳しい財政環境から、現実的にはその進捗がはかばかしくない状況に置かれておりました。しかしこのたび県で、この現状を打開するために耐震化に向けた市町村の財政負担を軽減する支援策が、ただいまのように講じられましたことは、大変喜ばしく、その取組が強力に推進されるものと認識しております。また、このようなことで子どもたちの教育環境の充実と同時に、工事発注によりまして経済的な効果も相乗的に期待されますので、知事の英断による今回の措置を心から歓迎いたしますとともに、心から感謝申し上げる次第であります。ありがとうございます。

○商工政策課長
 続きまして、工藤会長さんお願いします。

○工藤町村会会長
 まず公立学校施設でございますが、知事も先ほど申し上げてました学習の場であるというのはもちろんでありますけれども、我々自治体にとりましては、災害時の時に、まさしく避難場所となっている、その安全性の確保、これを今までも私ども重点を置いてきているわけでございますけれども、今回の支援ということで、正に一刻も早く我々も手をかけることができますし、まずは子どもたちの安全・安心、そしてまた地域住民の安全・安心ということが確保できてくるなあと、大変感謝をしております。特に、今までは耐震診断、その結果1.7以上の場合には、補助対象にならないと、いわゆる診断料は自治体が全額自己負担ということでなかなか自治体も手をかけれないでいた。今回は、そういう国の補助対象外においても県で支援をしてくれるということで、大変ありがたく思っております。私も今現在、町村会長という立場でありますが、来年まで青森県の公立学校施設整備期成会の会長でもございます。そしてまた去年は、青森県が当番でございまして、全国公立学校施設整備期成会の会長もさせていただきました。中教審(中央教育審議会)の部会、そしてまた自民党の施設整備同盟会の方にも呼んでいただいて、我々の財政状況、そういうことも強く訴えてきておりました。なかなか補助率のアップというのもなかったのですが、今回0.3以上は3分の2以上という風にもなりましたし、東海地区は条件が良かったんです。財政が豊かな所が条件が良くて、財政状況厳しい所が条件が悪いと、まあこういうことも訴えてきたわけですが、今回三村知事の正に英断によって、財政支援が行われるということで、我々町村においても、小中学校の耐震化が急速に進むものと、こう思っておりますので、私からもお礼を申し上げて我々も即刻準備に入りたい。こう思ってございます。

○商工政策課長
 それでは記者の皆さんからご質問をお受けしたいと思います。

○記者
 知事にお願いします。とりあえず今日この大きく分けて3本の対策出されたわけですけれども、これで認識としてですね、十分というのか、それともとりあえず今日急ぐべき対策を出したという認識なのか、その辺の考えを。

○知事
 特に年末に向かっていきますよね。保証協会の部分は特にそうなんですけども、やっぱり枠をきちっと示していくってことは非常に重要だと思っておりました。さきほどお話させていただいたことで、例の国の2,500億円と1,500億円のことも今後あるんですけども、従って、これがまず我々として緊急にいろんな施策として示すことであり、その後またこの二次補正以降さらに我々としては考えていきたい、という思いです。

○記者
 県の緊急雇用対策本部設置なんですけれども、知事のイメージでは具体的に、例えば再就職支援というとどういう人に対して、どういう風なことをしていきたいかということをイメージしているのか。

○知事
 具体は担当から話させますけども、要するに、まず各団体、県市町村含め、労働界含め、産業界含め、横の連携という部分、で実際の実務部分は、それぞれの実務担当者で綿密に連絡取りながらやることになると思います。

○商工労働部長
 ご質問の主旨は本部がどのようなことを行うかということですか。

○記者
 本部というよりも、全体的にどういう人たちを、具体的に、いろいろ書かれてありますけども、もうちょっと目に見える形で、どういう風にやっていきたいのかというのをちょっとわかりやすく。

○商工労働部長
 本部からではなくて、例えば離職を余儀なくされた方ですとか、今雇い止めをされてる方ですとか、そういう方たちに対して、国の二次補正を利用しながら就職の場を確保して、働く場を確保しながら、ということをイメージしております。

○蝦名副知事
 まずですね、経済団体に対して雇用維持のお願いをしますし、事業主に対する助成金の活用促進とか、離職者に対する再就職支援、国の基金の活用、中小企業の経営安定やりますけども、今一番大事なのは、国が第二次補正で約4,000億円の基金を都道府県につくる。これは平成13年に30万人の雇用プログラムというのがありまして、3,500億円であって、我が青森県に約60億円ありました。これをですね、国の今の考え方は、まあ4,000億円でございますんで、おそらく60億円を超えてですね、特に青森県は雇用情勢が悪いということでございますから、おそらく65か70億円ぐらい期待しておりますけれども、これについては前回、平成13年度はですね、市町村の事業に4割、県の事業に6割ということで、それぞれ配分してやっております。従って、この雇用本部を今立ち上げるということは、労働局と県、市町村とよく連携しながら、雇用をきちっと確保していきたいと。そして、国の補正予算が通ったら21年度の当初予算に、県も市町村も予算措置できるようにしたいということで、これを急いだわけでございます。

○記者
 公立学校の耐震化事業なんですけども、これは、前年度ベースよりも工事が増えるとすると、どのぐらい増えるか何かあるんでしょうか、試算というか。

○教育長
 各市町村でやってるので、例年どのぐらいの工事が出ているかはちょっとわからないですけども。これからですね、関係市町村といろいろ協議することがたくさんございますもんですから、まあいろいろ今後そういうことも含めながらですね、講じていくことになるんじゃないかなあと。現在のところはちょっとわかりません。

○記者
 県の信用保証協会の関係で、7億円を限度として県が措置するというのは具体的にどういうことを指すものでしょうか。

○蝦名副知事
 信用保証協会につきましてはですね、国の緊急融資というのは、保険で80%填補され、そしてその残りの20%のうち16%が、全国信用保証協会連合会が保証協会に対して損失補償しております。従って保証協会のリスクというのは4%あるわけであります。ただ、さまざまな関係から、これを損失補償することはできないので、いま保証協会は、非常に経営状況、財政状況が必ずしも芳しくありません。従って、この緊急保証制度を実施して、将来代位弁済が生じ、信用保証協会に経営的な損失を与えることがないように7億円の資金を補助という形で出していきたい、ということであります。期間につきましては、今後の推移を見極めながら、それぞれ措置をしていくということになります。従って、今保証協会が保証しても、実質的に保証協会がその一銭も損をしないような仕組みを作り上げて、さきほど知事が言いましたように、2,000億円の保証枠を確保して、この年末にどんどん保証していただくという体制を整えるために、この7億円のお金があるわけであります。

○記者
 県緊急雇用対策本部の設置っていうのは、過去これ例がないことなのでしょうか。その辺の思いも含めてもう一度簡単にお願いします。

○知事
 緊急っていうことであれば初めてだよな。

○商工労働部長
 緊急雇用対策本部というのは初めてでございます。

○知事
 百年に一度ってことだから。

○記者
 ここ数日間の報道等で雇用情勢、派遣の打ち切り、非常に厳しくなっているということなんですけど、その辺知事のご見解を伺います。

○知事
 実際に本当に今日も、新聞、報道だけ、報道で見たんだけども、非常に、日本全体として、一気に厳しくなったという思いがあります。で、私たち青森県でも、ご案内のとおり、有効求人倍率が上がったりだとか、千人規模の雇用が発生したりとか、これまで実はさまざまな形で改善が進んできた、そういう思いがあったんですけども、非正規雇用の方々、労働者の方々がですね、雇い止めっていうような方向になってることも大変憂慮しているという思いがあります。だからこそ、15日に労働局長と教育長とで経営者協会等へ出向いて雇用のことについてお願いしてたわけですけれども、また今後、これから(青森県緊急雇用対策本部、金融機関・経済団体への報告及び要請が)ございますけれども、そういったこと等を通しまして、しっかりとした対応策を進めていかなきゃ。その意味においても実は二次補正のトータル4,000億円、この枠っていうのものは非常に最大限有効に、効果的にどう活用するかっていうことで庁内で指示してあって、すぐ成立したら我が方で対応案を出せるっていうところまで詰めさせておるわけです。非常に本当に緊急の状況であると、そう認識しています。だからこそ、今回こうしてさまざまな具体の数字も含めてですね、特に年末控えてまして、自分も中小企業、そういう会社をやってきたという思いの中で、年末っていうのは大変なんですよ。それを察知して、頑張れ、ようし頑張れ、ということです。

○商工政策課長
 それでは記者会見の方を終わらせていただきます。ありがとうございました。


― 以上 ―
(記録:商工政策課)

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