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臨時会見/平成20年度補正予算(専決第2号)等に係る記者発表

会見日時:平成20年10月24日(金) 15:45〜16:15
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○総務部長
 それでは、ただ今から知事の会見を行います。

○知事
 まず、降ひょうによるりんご等農作物災害対策についてお話いたします。
去る9月26日に発生した降ひょうによるりんご等農作物災害に係る県の支援について、専決処分により対応することといたしましたので、ご説明いたします。
本年は、4月中旬から6月中旬にかけて、県内の広い範囲で降霜・降ひょうによりりんご、おうとうなどの農作物で被害が発生し、面積で約9,200ヘクタール、約80億円の被害額に及びました。
 このため、被害を受けた農家の方々の経営安定に向けた農業災害経営資金対策や、被災園地における病害虫防除対策、さらに被害りんごの特別販売等の支援策を講ずるなど、県として、りんご産地の維持に積極的に対応してきたところであります。
 しかしながら、この災害による傷が癒えないうちに、9月26日、再び、降ひょうにより、西北地域を中心にりんごを主体とした農作物に大きな被害が発生し、10月23日現在で被害面積が約7,200ヘクタール、被害金額が約28億円となっています。
 私も、9月28日に直接被災園地を視察させていただき、収穫間近のりんごやぶどうの生々しい傷跡を目の当たりにしました。
 特に、りんごのひょう被害としては、春先と合わせると、約8,400ヘクタールと本県のりんご栽培史上、例を見ない大きな災害となっているところであり、被害にあわれた農家の皆様には、心よりお見舞い申し上げる次第であります。
 こうした状況や、りんごの取引価格が低迷している状況にあることを総合的に勘案し、今般、農作物災害に係る災害対策関連経費として、被災農業者の経営の安定を図るため、青森県農林漁業災害経営資金融通助成条例を発動することに伴う農業災害経営資金の利子補給に対する助成に要する経費、被災園地における健全果と被害果の選別等のための助成に要する経費、さらには、ひょう害りんごの販売機会の拡大及び健全果の価格向上に要する経費について、総額1億979万円を措置したところです。
 その内容について、ご説明いたします。
 農業災害経営資金については、7月に設定した農業災害経営資金の融資枠を8億円追加し、16億円に拡大するとともに、その償還に当たり据置期間を設け、被害農家の経営安定に万全を期すことといたしました。
 また、被害果選別緊急対策として、市場価格の安定化を図るため、りんご等の被災園地における健全果と被害果の選別等を丁寧に実施していただくため、被害果実の選別・調整作業に要する経費を助成することといたしました。
 さらに、青森りんご緊急販売強化対策として、
・被害果の販売機会の拡大
・青森りんごの戦略的な広報宣伝活動
を実施することといたしました。
なお、詳細につきましては、この後、農林水産部長から改めて説明することとしています。
 この分野、以上であります。

 続いて、中小企業者に対する金融対策についてであります。
 本県では、個人消費が弱めの動きとなっていることなどから、企業マインドも低調であり、厳しい経済状況にあります。
 中小企業にとって、運転資金の確保は正に命綱でありますが、米国発の金融不安の影響もあり、年末・年度末を控えて、今後の資金繰りに不安を抱いている企業の皆さんも多いことと思います。
 そこで、県では、中小企業者に対する新たな金融対策として、緊急経営安定対策を10月31日付けで実施することといたしました。
 具体的には、新たな運転資金の確保対策として、経営安定化サポート資金の経営安定枠の融資限度額を現行の2千万円から4千万円に引き上げます。
 また、既存債務に対する資金繰りの緩和対策として、経営安定化サポート資金に創設された、総額100億円の借換枠につきまして、現行の原油関連枠の要件を満たした場合に加えて、経営安定枠の要件を満たした場合も対象とします。
 次は、原油価格高騰に関連した金融対策についてであります。
 原油価格は、このところ落ち着きを見せていますが、原材料価格については、未だに高止まり状態にあるなど、中小企業の事業活動への悪影響が当面継続することが予想されますことから、今月末で期限切れとなる原油価格上昇に対する金融対策については、年度末まで延長することといたしました。
 さらに、金融機関に対し、ただ今申し上げました県の対策の適切な活用と、中小企業者の既存債務の条件緩和や運転資金の確保など、中小企業金融の円滑化について直接要請することとしているほか、来月中旬より県内8か所で移動経営金融相談を実施し、対策が最大の効果を発揮するよう万全を期します。
 県としては、今後とも関係機関と連携を密にしながら、県内中小企業者に対する一層の金融支援に努めて参ります。

 引き続きでございますが、このたび、農林水産部及び県土整備部の国庫補助事業、2002から06年度分について、一部不適正な経理処理が確認されました。
 このような事態は、県民の皆様の県行政に対する信頼を損なうものであり、深くお詫び申し上げたいと思います。
 私は、この課題に対応するため、職員の財務事務に関する意識を徹底するよう、副知事名で依命通達を発すると共に、知事部局の国庫補助事業に係る事務費の執行状況について、厳正に調査するよう、本日招集した臨時庁議において指示いたしました。
 この調査結果については、県民の皆様にお示しいたしますと共に、対応が必要な点があれば、適切に対処し、財務事務の一層の適正化に取り組みます。

 また、今般、本県が開発したりんご品種「あおり21」、「あおり27」及び花のデルヒニウム品種「スカイスピアー」、「ブルースピアー」、「イエロースピアー」が、種苗法による品種登録が取り消されました。
 品種登録は種苗法に基づき、県が開発した品種を県内で優先的に活用していくために行っているところですが、この登録を守るための登録料の納付がなされなかったため、登録が消滅したことが10月17日の官報に登載されました。
 このような事態となったことについて、行政のトップとして、りんご生産者、りんご関係者の皆様に心よりお詫びを申しあげます。
 特に、りんごの2品種につきましては、自分自身が本県の最有望品種として、また、夏場を戦える販売戦略の要として、この3年間、全国各地のキャンペーン等を通じ、直接に市場関係者や量販店の皆様に、懸命に宣伝してきただけに、私自身、言葉に表せない残念至極な思い、忸怩(じくじ)たる思いで一杯であります。大変悔しい思いであります。
 なぜこのようなことが発生したのか、どこに原因があるのかなどを徹底して調査し、厳正に対処するよう、指示をいたしました。
 現在、県では、登録が取り消された品種について、苗木や種苗を供給している事業者の方々に、県外へ流出させないよう、緊急にお願いしているところであります。
 また、りんごにつきましては、商標の取得を早めることや、苗木の生産者への供給を急ぐことで、どこにも負けない青森県の独自ブランドとしての確立と浸透を図っていくため、りんご生産者と県・市町村、関係団体一体となって、不退転の気持ちで取り組んで参る決意であります。
 今回の事案により、知的財産権を守る体制が如何に不備であるかが明らかになったことから、県として、皆様の財産を守る「知的財産支援センター(知財センター)」の設置の必要性を改めて痛感いたしました。
 この件につきましては先日ご案内のとおり勉強会をスタートさせたわけでございますが、知財センターについても、早急に検討を行うよう、指示したところであります。
 なお、詳細については、後ほど、農林水産部長から改めて説明させます。

 さて、この度の事案につきまして、県庁自ら深く反省し、県民の信頼に応えていくための対応策を、早急に講じていく必要があります。
 このため、本日、午後4時45分から西棟8階大会議室において、私から幹部職員に対して訓示を行うことといたしました。
 県職員全体が、公務員としての基本に立ち返り、県民の皆様のため、適正かつ、迅速に公務を遂行し、県民の信頼回復のため、誠心誠意取り組んで参りますので、県民皆様のご理解を賜りますよう、切にお願い申し上げます。

○記者
 品種登録の取り消しについてなんですが、知事は、いつこれを聞かれたんですか。

○知事
 一昨日でございます。

○記者
 県というか担当としては、これはいつ判明したことなんですか。

○知事
 20日の日にということで、一昨日話を承りました。

○記者
 会計検査院の検査についてですが。知事が出張前に得られておった情報とですね、その後の情報と多分違うと思いまして、現時点でこの問題をどのように認識されているというのが一つ、またこの責任のあり方についてはどう考え、場合によっては関係者の処分等も検討するということなのかそれもお願いします。

○知事
 後半は総務部長に話させますが、私どもはご案内のとおり、この国庫補助金のあり方についていわゆる交付金制度等については知事会、六団体とも進めているわけですが、まず私ども現場がルールを守ること、ルールをきちんと守ってこそ、この補助金のあり方についての議論に至れるわけでありまして、その意味におきましても大変に残念に思っておる次第でございます。

○総務部長 
 処分も含めて、なんと考えるかということですが、まずその県民の懸念を払拭するために、会計検査院の対象以外の補助金も含めて調査を全庁的に行っていきます。
 したがって、まだ結果が出ておりませんが、今後の会計検査院の動向なども見守りつつ必要な検討を行い、厳正に対処して参りたいと思います。

○記者 
 当初知事が会計検査院の件をお知りになった直後は、担当の2つの部だけに徹底した調査を指示されたと言うことですが、今回は全庁調査に拡大したというわけですか。

○知事
 私の思いとして先ほども申しましたけど、補助金制度について、我々、思いがあるわけですが、我々は、今回この2部だけではなく、きちんとルールを守っているか、あるいはルールを守るという県庁の体制であるかということを、自分自身がしっかりと確認しないといけないという強い思いなんです。

○記者
 そうであれば最初にお知りになった時点で、その指示をするべきではなかったのかと。対応が遅いのではないかということなんですが。

○知事
 当初の段階においては、いわゆる私自身、率直に、やり取りの中で記者から逆に話を聞くという土曜の朝の状態だったわけですが、会計検査院から、「いわゆる意志形成中の課題であり、限定した2部の案件についての事であり、いわば対応については会計検査院の方に直接するよう」にとの指示があったと報告を受けていたわけです。
 ご案内のとおり、その後、各部局を集め、私としてはこの2つの部についてどうなっているのかということと、それからそれぞれの各部についても調査すること、要するに厳命する前の段階でございまして、調査としてどうなっているのか、きちんとするようにという、お話しをしたわけでありまして、それを今回、副知事から依命通達をさせるとともに、やはりこの際、県民の皆様方に対して県の行政はどうなっているんだというような、誤判を与えるような、そういったことを私としては、この機会にきっちりとするためにも、今回さらに厳しく、きちっと調べて報告するようにと指示したわけであります。
 したがって流れとしては、私としては順番は踏んできていると思っております。

○記者
 後手後手に回っているという認識はないわけですね。

○知事
 ございません。むしろ全国で最もしっかりとした調査をするという思いでございます。

○記者
 品種登録の話に戻ってもよろしいでしょうか。一昨日お知りになって、今日、発表しましょうとなったのはなぜか。また、開発に要した経費はどれくらいなのか、あとこの払わなければいけなかった登録料というのはどれぐらいなのか。この3つについてお願いします。

○知事
 一昨日、こういう状況があると詳細について、きちんと伺わせてもらおうという中で、我々として当然、現状をきちんと把握し、善後策など、どう進めていくかなどを認識し、ご案内のとおり、戻りましたのが昨日の夜でございますから、基本的には、今日という形になりましたことにつきましてはご理解いただきたいと思っております。

○農林水産部長 
 品種登録料として一件6,000円でございます。ですから今回5件でございますので、3万円ということになっております。
 それから出願した時点で、ちょっと正確な数字は覚えてないですが、約4万7,000円の出願料を要しております

○記者
 開発経費はどのくらいでしょうか。

○農林水産部長
開発経費は、りんごの場合は非常に古くからやってますから詳細に分析するのに時間を要すると思います。

○記者
取引先などにどのような影響があるのでしょうか。

○農林水産部長
品種登録した場合は、育成者が保護されまして、育成者のその承認なくして他の人たちが、この品種を買ったり売ったりできないわけでございます。
 今のところは県内の苗木業者に、この許諾を与え、「県外に出さないこと」といった許諾を与えております。
 この品種登録がなくなりますと、県外に持ち出すことについて、何の抗議もできなくなるということであります。

○記者
品種登録の取り消しですけども、納付期限から取り消し通知まで丁度半年ありますけども、この間で気付いてた方とかはいらっしゃるんですか。それとも取り消しになってから、はじめて県庁内でもこういう騒ぎになったのですか。

○農林水産部長
今月の20日で取り消されるということは、私も分かりませんでした。

○総務部長
 本件につきましては、5時過ぎから農林部長の説明時間を予定しております。

○記者 
 会計検査の件ですが、補助金は返還するというお考えはあるのでしょうか。

○総務部長
 補助金の返還につきましては、補助金を出した各省庁のご判断もありますので、これは今後、各省庁と調整を行い必要な返還額があればそれを返還していくことになると思っています。

○記者
先ほどの質問でちょっと理解できなかったんですが、後手後手に回った訳ではないということですが、他県では発覚した翌日にチームを作ったりと対応している。週明けの月曜日の時点でもすぐそうやって動く方が県民の不信も無くなるのではないかなと思うんですが。

○知事
 月曜にも既に庁議メンバーを集めて指示をしている。どういう形で進めていくかということをとりまとめるようにということで、そのとりまとめがきちんとできたので今日お話したわけです。
 時系列的に(出納)局長から説明したほうがよいのかもしれませんが、そういうことの指示はしてあったというわけです。

○副知事
 10月20日に知事から関係者を集め、調査するよう指示がございました。これをどこで担当してやるかということで、会計管理者、出納局でやるということにし、調査の範囲、調査の方法、調査の年度等も含めて、会計管理者、出納局ともいろいろ検討してきました。
 たまたま知事が出張中ということで電話でいろいろ指示を仰ぎながら、昨日直ちに考え方を報告をし、今日の発表となったわけです。

○記者
 調査報告の話と知事が県外に出ていらっしゃって、それを残っていた人で、今日やることがいいという二つの話がまとまったと思うのですが。

○知事
どの範囲で何をやるか。両部だけはとりあえず先行させましたけど、それを会計管理者の方で段取りをしていたということです。その事務的時間を頂くというのは必要だと私は思います。

○記者
 調査はいつごろを目途に行うのですか。

○出納局長
今のところ事務量の算定が少しできないものですから、明言はできませんが、できるだけ早めに県民の皆様にお示ししたいということから、年内を目途にということで、先ほどお願いをしておきました。

○記者
 先ほど会計検査院の調査について全国的にも進んだ形でやられると
知事からありましたが、それは他県に比べてどういう点でですか。

○知事
 全ての部局に拡げ、なおかつ5年間分しっかりと調査することです。

○記者
 調査範囲と調査の対象期間が長いと言うことですね。

○総務部長
 他県の状況等は口頭で聞いている範囲ですが、例えば国交省、農水省の補助金の範囲に限定しているとか、対象年度が1年とか、それに比べれば、本県は補助金全部で、対象年度も5年間ということですので、他県よりも進んだ調査をしていると認識しています。

 他に質問がなければこれで知事会見を終わらせていただきます。


-以上-

(記録:財政課、農林水産政策課)

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