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更新日付:2014年4月1日 県民活躍推進課

青森県女性ロールモデル 矢田千穂美さん

結婚・出産を機に仕事を辞めてしまうのはもったいないことです。
女性が、少しでも長く、少しでも楽しく、働き続けられればいいなと思っています。

矢田千穂美さん
株式会社ラグノオささき マーケティング部マネージャー
矢田 千穂美さん(弘前市)

【プロフィール】
 平成2年、株式会社ラグノオささきに入社。販売員を10年間、店舗営業を2年間経験し、平成18年に商品企画室で商品の開発・販売促進に携わる。平成20年からマネージャー職を務め、流通センターや販売企画を経て現在のマーケティング部へ。

矢田千穂美さんの主な分野 「就業・キャリアアップ」

チャレンジのきっかけは?

時代の変化と心境の変化

 私が勤めている会社は女性が多い会社です。働き始めた頃は、販売員は女性しかいませんでしたし、販売員の募集をかけるときは「女性販売員」というふうに、「女性」をつけて募集をしていました。しかし、それを支える管理職などの役員はほとんどが男性で、企業とはそういうものと思い込んでいました。

 また、「結婚や出産をしたら必ず辞めなければいけない」という慣習は会社にはなかったのですが、やはり世の中の流れなのか、当初私がお世話になった人たちは結婚・出産を機に退職する方が多かったですね。そういう先輩を見てきましたから、「私も結婚をして出産をしたら仕事を辞めるんだろうな……」と漠然と思っていました。

 ですが、販売員をしている10年間で世の中はどんどん変わっていきました。そんな中で、私自身、結婚しても仕事を続けようと考えるようになっていましたし、出産をする時期には育児休業も導入され、実際に取得する人が増えていきました。ですから、「これだけ制度を整えてもらっているのに辞める理由なんてどこにもないな」と思い始めたのです。勤務年数を重ねるごとに求められることが増え、達成したときの充実感が、働くことの楽しさにもつながりました。そして、「女性でも頑張れば成果は認められるんだ!」と、何かの拍子で気付いたのをきっかけに、結婚・出産を機に仕事を辞めるという選択肢がなくなりました。

「働く女性」を意識する

 やはり女性が多い職場ですので「働く女性」は常に周りにいますし、「『働く女性』がどうやって仕事をしているのか?どうやって家庭と両立しているのか?プライベートは充実させられているのか?」など意識するようになってきました。その意識が特に強くなったのは、平成25年に県が主催した「あおもりハンサムウーマンセミナー」への参加がきっかけです。セミナーの中で異業種の人たちと話をしたとき、「働く女性」について自分の中に響くものがありました。

 私は会社という組織の中のひとりなので、制度を変えるというような大きなことはできないかもしれませんが、それでも「組織の中では微々たる存在だけど、それぞれが会社に働きかけることが大事なんだ」ということを感じるようになりました。

 今でも結婚や出産を機に仕事を辞めている女性はたくさんいます。1年間でも働いたら仕事はものすごい身につくのに、辞めてしまうなんてもったいないことです。「少しでも長く続けられる会社がもっともっとあればいいな」という思いから、「働く女性」のひとりとして女性が働くことの必要性や活躍する場の必要性を次第に考えるようになりました。

これまでのみちのり

販売員として走り回った10年

 販売員として採用されたのは平成2年でした。入社してから10年間は販売員として弘前市内の店舗で商品販売をしてきました。販売員をしていた10年は先輩から学んだこと、お客様との接客の中で学ぶことが多く、今に役立っていることが多いです。

 私の中の基本がこの時期に培われたと思います。

 そして、10年も販売をやっていると、後半は新人さんに教えるような立場になり、この頃もまた教えながら学ぶことが多かったと思います。

 その後は店舗営業という、各店舗を回って従業員の要望を聞いたり、各店舗の商品を調整したりしていました。弘前市内にいるのが中心でしたが、市外へ配達にいったり、秋田の方にも出店し始めていた頃だったので、商品移送のために秋田まで車を走らせたこともありました。販売員や店舗営業をしていた頃は、本当に「元気だったなぁ」と自分でも思いますね。

商品企画室、店舗のリニューアル、そして産休へ

 そこから、今のマーケティング部の前身でもある商品企画室という部署に異動になり、2年間働きました。商品企画室は、商品を開発する人と、販売促進をする人が一緒の部署だったので、そこで初めて「うちの商品はこうやってできているんだ」と感じたわけです。商品が並ぶまでの過程を見ることができたので、とても新鮮な気持ちでしたね。

 行事に合わせて商品を発売するので、企画開発するのはずっと早い時期です。例えばクリスマスケーキ。ゴールデンウィークが終わると商品の開発を進め、セール用のパンフレットの撮影は真夏です。初めて関わった仕事で大変でしたが毎日が新鮮でした。

 商品企画室の後、平成18年に本社1階にある店舗のリニューアルに関わりました。オリジナルのパンやケーキに加え、新しく洋風のお総菜も扱うことになったので、それまでと比べて営業時間も長くなりましたし、喫茶のほうも充実させて始めることになりました。営業に慣れている販売経験者ということで私が選ばれたのではないかなと思います。

 異動後まもなくオープンを控えている状態だったので、毎日走り回っていました。ただ、いろいろと経験を積んできた分、「無事にオープンできるのか?こんなことできるのか?」など余計な心配をするようになった時期でもありましたね。心配をよそに店舗は無事オープンし、いろいろ模索しながら半年が過ぎた頃1人目の妊娠が分かりました。新店舗を立ち上げ、オープンを見届け安心して産休に入ったような感じです。そのあと1年間の育休も取得しました。育休明けにまた店舗営業に戻りましたが、戻る環境が普通に整えられていましたので、子育てしながら「働く女性」をやっていましたね。

流通センター

 「商品の発注→仕分け作業→出荷」を一気に担うのが流通センターで、この部署には1年間在籍しました。
この部署で私は主に発注に関する仕事をしていました。業務内容は日々の仕事をこなしながら覚え、「こんなに物覚えが悪かったけ?」と思うくらい覚えるのが大変でした。

 また、作業量も多く家に帰ると1歳になったばかりの子どもの寝顔……という日が続いたこともありました。「もっといい仕事の方法がないかと改善策を考えたい」と思いながら、実際は日々の業務に追われて過ごした1年でした。

現在の活動状況や今後の目標など

自分に求められているものに対して自分なりに応える

 マネージャー職に就いたのは流通センターに異動になってからですが、流通センター時代は自分のことで精一杯で、今思えばそれこそマネージャーとして一番できていませんでした。「このままではいけない」と思ったので、販売企画に入ったときは、マネージャーとしての責任というか、「自分の力をしっかりと発揮していかなければ」と強く感じましたね。

 同時に、後輩もちゃんと育てて次の人たちのことを考えていかなければ、とも思いました。変に責任を持つとか、そういうことはあまり意識しないようにして、自分に求められているものに対して自分なりに応えられるようにしておこうという意識でいました。あとは自分の考え方や態度が揺れていると、部下にも不安を与えてしまうので、自分のやり方はしっかりと通そう、こうでありたいという姿を自分の中でしっかり持つようにしています。

「私の働き方は間違ってなかった」

 家事は夫の親に頼りっぱなしで、育児は夫に頼りっぱなしです。環境が恵まれていると言われればそれまでなのですが、夫の親でも実家の親でも使えるものはなんでも使わせてもらっています。同居している夫の母は結婚を機に仕事をあきらめた経験があり、働き続けることには協力的です。

 また、子どもたちに対しては、カレンダー通りに休めないし、連休などは忙しい時期でもありますから、子どもたちを置いて出勤することも多々あります。ですが、親が一生懸命仕事をしているということを子どもたちも理解してくれているようで、この前は子どもたちから「大きくなったらママが働いている会社で働きたい」と言われました。それを聞いたときは、すごく嬉しかったし、すごく救われるような気がしました。そこでようやく、「私の働き方は間違ってなかったんだな」と思ったのです。

自分が楽しく仕事をする

 私はいろいろな出張やセミナーに出席しているほうなので、「子どもが小さいのに大変だね」と言われることがあります。しかし、「それじゃいけないな」と思うのです。

 この職場は女性が多い職場ですし、みんな個々に能力をつけていっています。いずれは結婚をして、子どもを産んで、育てながらずっと仕事を続けていってもらいたいと思っています。でも、「また出張なの」とか、「セミナーで出て歩いて大変だね」と「働く女性は大変」と思われると誰もキャリアアップを望まなくなるのではと思うのです。社内外にとらわれず、自分のスキルアップのための場には積極的に出かけて欲しいし、仕事であれば出張も残業もこなして当然と思っています。そのためには、私が大変そうに見られながら仕事をするのではなくて、楽しく仕事をしなければいけないな、と。「大変」なことは誰にでもあって、「大変」だと思えば何でも「大変」です。自分自身、働くことは好きだし、「大変そう」に仕事をしていたつもりはなかったので、これからは意識して楽しく仕事をしたいと思います。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

スケジュールはしっかり立てる。残す仕事も明確に。

 今日はここまで仕事をすると決めたら、絶対にここまでやる。仕事を残すときは明確に残す。この2つは仕事をする上で私が心がけていることです。

 仕事の範囲をきっちり決めていかないと、ある意味、本当に家庭と仕事の両立はできないと思います。また、プライベートな時間が充実しないといい仕事もできません。「仕事がまだあるから」と言って帰る時間を先延ばしにしていると、「あぁまたこんな時間になった」とモチベーションが下がってしまいますよね。ですから、自分の休みと帰る時間をきっかり決めて仕事に取り組んでみたら、少しはモチベーションの維持ができるのではないかなと思います。
 
 また、急な予定が入って誰か他の人に仕事を頼まなければいけないとき、自分だけが分かるような仕事の仕方をしていたら、他の人が困ってしまいますよね。同じ会社や所属にいても、みんな個々にやっている仕事は少しずつ違うと思いますので、できるだけ自分以外の人にとっても分かりやすいような仕事の仕方を心がけてみてください。

少しでも長く、少しでも楽しく

 仕事も遊びも、言ってしまえばどちらも自分の時間です。特に仕事について言えば、1日の半分を会社で過ごしているようなものなので、そこがつまらなかったら毎日が辛いですよね。ですから、「今の仕事ではこうしたい」とか、「今の自分はこうありたい」とか、まずは目標を立てて働くということ。そうすることで、次第に仕事のやりがいや楽しみも感じられるようになってくると思います。また、目標を達成したことによる充実感でモチベーションも上がり、評価されることで働く意欲もわきます。そしてまた新たな目標を持って……とキャリアが積まれるのです。結婚、出産、介護など待ち受けていることはいっぱいありますが、それぞれが少しでも長く、楽しく働き続けられるように意識して欲しいと思います。

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