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更新日付:2013年3月26日 県民活躍推進課

青森県女性ロールモデル 田中弘子さん

出会い、つながり、動き出すことを楽しく続けてほしい

田中弘子さん
特定非営利活動法人あおもりNPOサポートセンター
社会福祉法人抱民舎 理事長

田中 弘子さん(弘前市)

【プロフィール】
 1970(昭和45)年、弘前市役所に勤務。
 2002(平成14)年、弘前市行政職で初の女性管理職として、文化会館長兼中央公民館長に就任した後、2005(平成17)年に市民会館長となる。2007(平成19)年、弘前市役所を退職。同年4月にセミナー・ハンサムウーマン代表、6月に特定非営利活動法人あおもりNPOサポートセンター理事長に就任し、2011(平成23)年4月より社会福祉法人抱民舎理事長に就任(兼務)し、現在に至る。

  • 主な活動歴
    2007年 「文化ボランティア全国フォーラムin弘前2007」実行委員長
    2009年~ 国際子ども文化芸術交流実行委員会理事として「国際子ども文化芸術交流ジュニア・アーティストフェスティバル」開催
    2011年11月 韓国大邱(テグ)で「社会的企業としてのNPO」講師
    その他、現在、青森県総合計画審議会委員、あおもり新しい公共支援事業運営委員会委員、弘前市まちづくり1%システム審査委員として活躍している。

田中弘子さんの主な分野 「就業・キャリアアップ」「NPO・ボランティア」

チャレンジのきっかけは?

出会い つながる 動きだす

 大学で専攻していた社会福祉の恩師に、「問題意識を常に持ちなさい」と言われたことがいつも心の底にあります。子どもたちが小・中学校時代に、PTA会長を経験したときも、PTA活動そのものに少し疑問があったので、先生と父母と一緒に、役員の決め方や、実態にあった予算の割り当て方を検討するなど、常におかしいと思った時は変えてみるということをしてきました。何に対しても「これで良いのかな?」という意識が、私の活動の糧になっていると思います。

 教育委員会で社会教育の仕事をしていた時に、地域で活動をしている人たちや地区公民館、文化活動をしている方々との出会いから、ネットワークが展開しています。

 社会福祉、行政マンの先輩で社会福祉法人抱民舎初代理事長との出会いがあり「セミナー・ハンサムウーマン」を設立して、いろいろな分野の方たちとつながることができたし、国立女性教育会館主催のNPO分科会で名古屋市のNPO法人「ウイン女性企画」の理事長と出会ったことから、弘前で開催する研修会の講師を紹介していただくなど、名古屋を中心とした多様な人材とつながりました。そして、NPO法人青森県男女共同参画研究所のメンバーとの出会いがあり、男女共同参画ネットワーク・津軽広域が動き始めました。

 また、「ボランティア」というと「無償、奉仕」というイメージが強いことに疑問を持っていたことから、NPOを学び、NPO推進フォーラムを開催するメンバーと出会いました。そして、青森県第1号NPO法人あおもりNPOサポートセンターの設立に関わり、中間支援組織としての役割から、全国のNPO活動メンバーとつながり、「文化ボランティア全国フォーラム」「こども☆ひかりプロジェクト」開催へとつながり、ネットワークが全国に拡がり始めたのです。

これまでのみちのり

明日は明日の風が吹く

 小・中学校のPTA会長を経験したことで、私がいろいろと活動をする上で夫や子どもたちからの理解と協力は得やすかったのですが、共働きやボランティアに対して反対だった同居の義母の理解を得るのは至難の業でした。やはり年齢の差もあるし教育の受け方などもそれぞれ違うので、無理矢理は納得させられない、でも言うべきことは言わなくてはと思い、私の仕事や活動の歴史は色々な人たちから支えられてきたことや、自分の人生は自分でデザインすることを何度となく話してきました。多分きちんと理解はできていないでしょうが、私は理解したものと勝手に思い込んで今に至っています。何でも前向きに考えようと思ったんです。

 役所勤めのころ、一時期、仕事で深く考え込みすぎて眠れなくなり、寝酒するようになった時、アルコール依存症になるのはこういうことかということに気づいたり、子どもが小さい時に、職場の人間関係や仕事のことで思い悩んで登庁拒否を起こした事もあったりしたのですが、それらを経験して、ケセラセラ、明日は明日の風が吹くと切り替えられるようになりました。それは未だに困難にぶつかった時は考えています。

 かえって、アルコール依存症の患者さんに対する見方が少し変わったり、話のきっかけにしたり、仕事で不登校の子どもさんと接する時もその気持ちがよくわかるようになるなど、対応の仕方に自分の経験が活かされているのではないでしょうか。

ヒト、モノ、カネの壁にぶつかった時は、ネットワーク

 生活に密着している女性の視点を大切にすれば、市民の視点を大切にすることにつながるのではと考え、そういう意識を共有できる女性職員達が集まり、自主研究グループ「うきうきクラブ」を設立しました。そこでは「こんな市役所がほしいワークショップ」を実施したり、「公共施設の検証」で施設の良いところ、悪いところを市職員に伝えるためにかわら版を発行したりしました。

 このことがあって、弘前市の女性の登用もかなり進んだと思います。ちょうどその頃、男女共同参画基本法が制定されたことも追い風となり、行政職で初の女性管理職として、文化会館長・中央公民館長・市民会館長を歴任することとなりました。

 文化会館長時代には、それまで、点であった弘前市内の公設民設のギャラリーを線でつなぎ、そして面となるように、「ギャラリーネットワークひろさき」を設立しました。そして観光客等がギャラリー巡りができるように、弘前市が人材育成のために実施した「ひろさき創生塾」の卒塾生メンバーで結成された「弘前見探図」にギャラリーマップの作製を依頼し、そのグループの活動支援につなげました。

 中央公民館時代は、夢を持っていたり何かをやりたいと思っている若者に声をかけ10人くらい集め、「青年プロジェクト塾」を立ち上げました。そこではNPOや地域活動のことなどの講座を組みながら、実践するための方法などを教えましたが、第一期生の一人が「NPO法人スポネット弘前」を設立しています。また、全国でも珍しい「子ども小鼓クラブ」を設立して、現在、理事として係わっている「国際子ども文化芸術交流実行委員会」とつなげることができ、ジュニア・アーティストフェスティバルにも参加するようになりました。

 市民会館長の時も、「ギャラリーネットワークひろさき」の音楽版を作りたくて、会館で定期的にコンサートをやっている団体が情報交換できるように、「音楽ネットワーク弘前」を設立しました。今では、その主催で「弘前音楽祭」や「小中学校への出前コンサート」、また、10月の最終日曜日に弘前に行くとどこの場所でも音楽が流れているという、「街角コンサート」を開催しています。その時に弘前の市民会館に文化ボランティアを導入しましたが、行政の機構改革でその機能が危うくなったので、「弘前文化ボランティア協会」を設立し、事務局として文化ボランティアの活動を継続中です。

 このように、いろいろと活動してきましたが、ほとんどがネットワークのつながりによるもので、「モノ・ヒト・カネの壁にぶつかった時は、ネットワークで乗り越えよう」とよく言っています。

 現在、三沢市が実施している第4回「みさわ女性まちづくり講座まち・きらきらセミナー」の講師をしており、これは、2009年の第1回セミナーのときに講師を引き受けたことが縁で頼まれたものです。女性の視点で三沢のまちをどうやってきらきらさせるか、今あるものをどのように活用させて、PRしていくかということから始まったセミナーですが、グループ毎にいろいろな題材をテーマにワークショップを行っています。

 セミナーの第一期生のメンバー達が「ウィメンズビジョン」というグループを作って活動をし始めているのですが、このように講座を担当して一番嬉しいのは、青年プロジェクト塾の時もそうですが、その中から自立したグループができてくるということですね。今は、三沢に行くと一期生のメンバーたちが待っているのでやっぱり楽しいです。

学習会で講師を務める田中弘子さん

現在の活動状況や今後の目標など

 NPO法人あおもりNPOサポートセンターは、仮認定NPO法人青森県第一号に認定されたので、本認定に向けて進みたいと思っています。

 それと、少子化は、何事においても全て大変なことになるという危機意識を持っているので、この少子化に歯止めを掛けるためにも、男女共同参画社会を推し進めて、男とか女とかにとらわれずに、個人が持っている個性と能力を認め合い発揮できる生きやすい社会に向かっていきたいと思っています。結婚や出産についてどうしようと考えている人にも、やっぱり子どもを産んで良かったなと思われるような社会にしていきたいし、働いていても閉塞感があって不安で雇用もまた厳しいですが、いろいろな能力が生かせるということが分かれば変わってくると思うんです。そして、しょうがいのある人でも、地域で生きていかれる豊かな社会を推し進めていきたいと思っています。

 また、亡くなられた河合隼雄元文化庁長官が提唱された「文化ボランティアで日本を元気に」を共有した実行委員で「文化ボランティア全国フォーラム」を継続させていくつもりです。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

 私は私らしく、あなたはあなたらしく、自分を尊重して人とともに生きる力をつけていって自分の生き方は自分で決める。未来につながる子どもたちの人生がそんな人生であることを願い、女だから男だからにとらわれないで、個人のやりたいこと、その人の関心や思いを大事にする個性と能力を発揮していってほしいと思います。

 そして、家族の、特に異世代の理解を得るためにもコミュニケーション力をつけることと、仕事や人間関係で困った時は、直球や緩急をつけるなど相手に合わせたキャッチボールの戦略方法を磨いていくことも大事だと思います。投げる時も、あまり考えすぎず怖れないことです。

 「つながる楽しさ」を知るためにも、ミッション(できることをやる)を大切にし、パッション(まちへの情熱)を持ち続け、仲間たちと対等・平等な関係を築きながら、柔軟な対応と進化していくための工夫を学んでください。そして出会い、つながり、動きだすことを、楽しく続けてほしいと思います。

 前を向いて歩くためには、ストレスは溜めておかないで、汗をだし、声をだし、涙をだし、快便しましょう。思いやりと愛することは、使わないと忘れてしまいます。そして、いっぱい感動し、どんなにちっぽけなことでもいいから楽しかったことを見つけてみましょう。聞く人の立場を想像する聞く耳を磨くことも大事です。

 いろいろな人たちと出会ってください。自分が好きになり、つながることが楽しくなり、そして動き出します。
女性の活躍を私たち先輩が、応援・支援していきます。

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青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

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