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更新日付:2013年11月12日 県民活躍推進課

青森県女性ロールモデル 風張知子さん

女性だから、というプレッシャーは必要ありません。
なぜ「私」にこの仕事が与えられているのかを考えながら仕事をしてください。

風張知子さん
八戸ポータルミュージアムはっち 館長
風張 知子さん(八戸市)

【プロフィール】
 八戸高校卒業後、八戸市役所に入庁。総務課、秘書課、出納課、管財契約課を経て、平成13年に男女共同参画室長に就任。その後も、東京事務所所長、観光課長、中心市街地活性化推進室長など、「女性初」を冠に持つ職を務め、平成18年から「八戸ポータルミュージアムはっち」の館長を務めている。

風張知子さんの主な分野 「就業・キャリアアップ」「まちづくり」

チャレンジのきっかけは?

特に高い意志があったわけではありません

 大学受験を考えていた高校3年の時、父親の急逝により大学進学をあきらめざるを得なくなりました。その時、担任の先生から「これからは公務員がいいだろうから、とりあえず試験を受けてみないか」と勧められました。受験した当時は就職氷河期で、高い倍率だったのですが、大学受験に向けてある程度は勉強していたので、八戸市役所に入庁することができたのだと思います。

 この当時は社会的に、女性が働くことに関して、腰掛程度にしか思われていない時代でしたし、当の私も何か高い意志を持って就職したわけではありませんでした。

 入庁1年目に配属されたのが総務課です。ここでは、お茶汲みや庶務的な仕事などをしていました。1年後に配属になったのが秘書課でした。私はもともと好奇心が強かったですし、物怖じしない性格だったので、秘書課でも庶務的な仕事をしながら、秘書課を訪れるマスコミ関係者や、当時の部長たちの話を興味深く聞き、様々な知識を身に付けたような気がします。

これまでのみちのり

仕事と家庭の両立を心がける

 24歳の時に結婚し、5年間所属していた秘書課から出納室に配属になりました。

 出納室審査班は、市役所の支出に関しての最終チェックをする部署でしたので、支出に関する契約や出納事務など法律的なことも含め、覚えなければならないことがたくさんありました。そこでは2度の出産をさせてもらいましたが、育児休業制度のない時代でしたので、幼い子を抱え、「退庁時間になったら帰らなければならない」という状況と、「でも仕事で覚えなければならないことがたくさんある」という状況の中で、勤務中で手の空いた時間には、必死に勉強をしました。

 ただし、子育てをしながら働き続けることに関して、夫は理解をしていましたし、むしろ、民間企業で働く夫は、女性が家庭のことを理由に一切残業をしないことなどを嫌がっており、「やらなければならない仕事は男も女も関係なく仕事をしなければいけない」と常々言っていました。それゆえ、お互いの調整がつく中で、必要に応じ残業することにも理解を示してくれていました。でも私は、効率的に仕事を進める方法などを考えながら勤務時間内で仕事を終えることを目標にしていました。

仕事の合理化を考える

 子どもが急に病気になるかもしれないということもあり、いつでも休みやすい環境を作りたい。そのため、私だけが抱えている仕事を持っていては、組織として迷惑をかけることにもなるので、誰でもわかるような仕事の手引や出納審査における基準などをどんどん作り、併せて仕事の合理化を図りました。当時、私はまだ20代でしたが、仕事で前向きな意見は臆することなく上司にも伝えました。

 出納室で8年間働いた後、管財契約課に異動になりました。まだ子どもが小さいこともあり、そこでも家庭と仕事の両立のため、退庁時間に帰ることを心がけました。そのため、庶務的な仕事にも整理整頓をはじめ、合理性という視点を持って取り組みました。とにかく、誰もが少しでも簡単に仕事を進められる方法を探していました。また、庶務という型通りの仕事の中では、合理的な方法を探すことが楽しくもあり、やりがいでもありました。「残って仕事ができる」という気持ちがあるといつまででも残業してしまいますが、「絶対に残れない」という気持ちがあれば、なんとしても時間内に仕事を終えようと、合理的に集中して仕事はできるものです。その時代に作った手引書やシステムが、今でも後輩たちに利用されていることは嬉しいことです。

現在の活動状況や今後の目標など

「私のため」ではなく「皆さんのため」

 いろいろなことを通して言えるのは、「私個人のため」という視点ではなく、「皆さんにも喜んでもらえる」という視点で意見を言ってきたということです。これをすることが「私を含めた皆にとっていいことのはず」ということでの意見は、上司にも堂々と提案ができます。また、そうしたことを理解してくれた上司にも恵まれたことも幸せでした。

女性だから、というプレッシャーは必要ない

 平成13年から男女共同参画室長をはじめ、その後、八戸東京事務所長、観光課長、中心市街地活性化推進室長、八戸ポータルミュージアム館長、部長職と、いずれも「女性初」という冠をつけられた職を拝命してきましたが、「女性だから」というプレッシャーは感じないようにしてきました。ただ、男女共同参画の仕事をしている時に、私が一貫して伝えてきたことは「機会均等と政策方針決定の場への女性の登用」でしたので、「女性初」の道を与えられ、私が仮に断ってしまえば「やっぱり女性はできない」ということで女性に負のレッテルが貼られ、次に続く女性職員の道が途絶えることもあると思い、与えられた職務は私なりに応じてきました。だからといって、「女性だから」ということでがむしゃらに成果を出さなければいけないと考えていたわけではありませんでした。「自分に与えられた仕事をまずは自分が後悔しないようにやる」という気持ちでこれまでの仕事に取り組んできました。

 男性、女性に関係なく、素晴らしい人は素晴らしくて「かなわないな」と思う男性もいますが、「あれだったら私の方がいいわ」と思う男性がいるのも確かなことです。男性や女性ということではなく、その考えや行動が素晴らしいと思えば、その人を見習いますし、素直に教えを乞います。だからといって、その人と全く同じになる必要はないと思います。「なぜ私にこの仕事が与えられているのか」ということを必ず考え、自分なりにその意味と目的を考えて仕事をしてきました。

働くことは一生の財産

 公務員という仕事は、自分のまちに自分の足跡を残していくことができる仕事です。自分たちが関わってきたことで少しずつ変化が現れ、その変化が良い方向に向かうことは、市民の一人である自分にとっても嬉しいことであり、満足感が得られます。

 例えば、観光課長の時、「八戸の観光はなにもない」と言われましたが、そんなことはありません。地元の人にとっては日常のことでも、それが観光客にとっては珍しいものであったり、素晴らしい資源であったりします。八戸の朝市や横丁もそのひとつです。朝市や横丁を売り出せば、県内外を問わず、多くの方が八戸に泊まるはずです。私は朝市や横丁のマップづくりやPRに力を入れました。それまでは、八戸に視察に来た議員たちも宿泊は別の地を選んでいたこともありましたが、今では、他の地域の視察のついでに、朝市や横丁に行くためにわざわざ八戸を宿泊場所に選ぶようにまでなってくれました。朝市と横丁は八戸の立派な観光資源となり、市内外の多くの人で賑わっています。このように、自分の力を入れたことが足跡として残っていることはとても嬉しいことです。

 「後悔しない仕事がしたい」といつも私は思っています。自分のまちを良くする仕事です。後からあんなこともやりたかった、こんなこともやりたかったと思うのではなく、精一杯のことをすることで、自分自身が納得したいと思っています。「ここまでしかできなかったけど、私は精一杯やった」という納得ができる仕事がしたいと思っています。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

制度に甘えている部分はありませんか?

 男女共同参画社会の中で、組織の中においては、新採用から数年後の間、女性たちには、特に様々なことを経験させるべきだと思っています。女性は産む性を持っていますので、いずれ出産や子育てで休む時期がきます。その場合、育児休業をとりながらも、若い時に得た仕事の知識や意欲は冷めることなく、職場復帰後は、子どもを通した母親の目で様々な知識を出しながら、将来を見据えた社会に貢献できる仕事をすることができると思います。そして、その経験からいずれ役職にも起用され、政策方針を決定できる職務の中でその力を発揮していくべきだと思います。

 しかし、女性を変に大事にする意味なのか、新採用の男性に比べて、比較的楽であったり、単調な仕事を与えている傾向があるように思います。そのことに慣れてしまえば、子育て中の家庭と仕事の狭間の中では、つい家庭重視となり、仕事がおろそかにもなりかねません。女性の働く環境が整ってきていることを、女性がそれらの制度を単に既得権と捉え、甘えているだけでは、真の男女共同参画にはなりません。仕事に対しての責任感を強く持ちながら、母親としての視点を政策方針決定の場に生かすことは、社会を良くするためには欠かせないことなのです。社会には男女の視点が不可欠です。そのことが男女共同参画のめざしていることでもあると思っています。

 どんな仕事でも、そこに自分が置かれている理由があるはずです。自分の中でその意味を考え、自分なりの目標設定をすることがやりがいにもつながると思います。家庭と仕事の両立は避けられないことです。どちらにも責任と楽しみをもって臨むことが大事だと思っています。

支えてくれる人が必ずどこかにいます

 私のやり方が必ずしも皆さんに通じるものでもないと思います。私は「なぜ自分にこの仕事が与えられているのか」を常に考え、自分なりの目的設定をしてきました。そうしないと、モチベーションが上がらないこともありますし、とにかく後悔しない仕事がしたいと思い、自分にできることを精一杯してきました。

 どんな仕事をしていても、反対する人や自分にとっての壁となる人が必ず出てきます。でも一方で、やはり賛成してくれる人や自分の味方になってくれる人も必ずいるわけです。皆が喜んでくれることのために、自分の信じる道を進むしかありません。支えてくれる人は、職場の仲間であったり、市民の方であったり、友人であったり、そして家族であったりします。支えてくれる人がいる限り、いろんなことがあっても、頑張れると思っています。支えてくれる人がいる限り、様々なことがあっても頑張れると思っています。そうした人たちに感謝しながら、あくまでも自分らしく、自然体で仕事にも人にも誠実に向き合うことが大事なことだと思っています。

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青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

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