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更新日付:2016年12月28日 青少年・男女共同参画課

青森県女性ロールモデル 葛西恭子さん

「一生懸命」という言葉が好きです。
間違ってもいい。間違ったら、後戻りして、また1から始めればいいんです。

葛西恭子さん
下風呂漁協女性部 部長
葛西 恭子さん(風間浦村)

【プロフィール】
 青森県むつ市(旧大畑町)出身、風間浦村の漁師と結婚。
 平成2年から下風呂漁協女性部の部長として、下北の海の美しさを守るという、環境保全を中心とした活動を開始。その他、魚食普及活動や下北半島の伝統食「べこもち」作りの指導、「べこもち」を加工・販売する「べこもち工房かさい」を立ち上げる等、活動は多岐に渡る。「自分自身も楽しく」をモットーに行う葛西さんの取組は、県内外問わず人気を集めている。
 平成28年度青森県いきいき男女共同参画社会づくり表彰「女性チャレンジ賞」受賞。

葛西恭子さんの主な分野 「起業」「農林水産」「NPO・ボランティア」

チャレンジのきっかけは?

「とりあえず、やってみよう」から始まった「下風呂漁協女性部」の活動

 私は長年PTA活動をしてきて、特に他の活動はしていませんでした。子どもが成長してPTA活動も終わり、生活も落ち着いてきた頃に、「下風呂漁協女性部」ができたのに誰も申し込まない、という話を聞きました。そこで知り合いの女性と「とりあえず、やってみようか?」という軽い気持ちで、下風呂漁協女性部に加入したのが私の様々な活動の始まりです。

 女性部の活動をしていく中で、「琵琶湖の汚染問題」の番組を見る機会がありました。私達が使った洗剤などが大量に含まれる家庭排水が、海や湖に流れ、そして水が汚染されていくのです。自宅の裏はすぐ、海が広がっていますから、その映像が、すごく衝撃的でした。

 汚染が気になって気になって、環境を守りたい一心で、私は動き出しました。

これまでのみちのり

「自分達の海は、自分達で守りたい」何度も何度も、伝え続けた。

 下北のきれいな海を守るため、県に出向いて資料をもらい勉強し、漁協の会合がある度に海の環境保全についてみんなに伝える、というような地道な活動から始めました。

 そんな中「わかしお石けん」という自然に優しい石けんに出会いました。市販の合成洗剤よりは値段が高いのですが、そこは単純に考えました。「私達の団体だけでもこの石けんを使うことで、少しでも海へ流れていく合成洗剤の泡の量が減ればいい」と。このような思いで漁協のみんなに呼びかけ続けました。反応がないなか、しつこいほど、何度も何度も使用を呼びかけました。

 「一気に100にはできない。何でも1から始めればいい。」という前向きな気持ちで。今では口コミで広がって、大間から買いにくる人もいます。

活動の場を、「小学校」へ!

 「大人の意識を変える」ということは、なかなか難しいと感じていたこともあり、風間浦村の「下風呂小学校」(※現在は3小学校が統合され「風間浦小学校」となっている。)で何かできないかと考えました。小さな頃から環境について知ることはすごく大切なことで、それは私達地域の大人が教えるべきことだと思っていました。

 それから機会を得て小学校に出向くことになり、子どもたちの興味はどうすれば引けるのか……あれこれ方法を考えた結果、「石けんができるまで」という紙芝居を作ることにしました。合成洗剤と「わかしお石けん」がどれくらい環境にとって違うものなのか、子ども達に見てもらおうと、合成洗剤の入った水と「わかしお石けん」の入った水でカイワレダイコンを育てて、その様子を記録するなど、様々なことを工夫してやってみました。

 こうやって学校で体験したことを、子どもたちが家に帰って親に話をすることで、地域に広がっていけばいいなと思いながら。子どもたちは、いつも興味津々で参加してくれていますよ。

合成洗剤とわかしおせっけんの違いを子どもたちに教える葛西恭子さん

もっともっとたくさんのことを、伝えていきたい。

 活動をしていく中で、たくさんの出会いがあります。町で子どもたちに会うと、「葛西さん、どこいくの?」って子どもたちが話しかけてくれます。こういう会話がうれしいし、楽しいです。

 「もっといろんな場所で活動がしたい」と思うようになり、今では環境保全に関することだけでなく、風間浦で捕れるいかを使った「いか刺し」や「いかめし」等の調理体験を通じた魚食の普及や、村の伝統食である「べこもち」作り体験の講師をやっています。

 何でもやってみないと気が済まない性格なんです。

べこもちを教える葛西恭子さん

活動を支えてくれているのは、「夫の協力」

 私がこうやって活動を長く、広く続けてこられたのも、パートナーである夫の理解があるからです。夫が、「女だから黙って家事をしていればいい」という態度であれば、私はこうやって活動していられないでしょう。

 支えあう「人」という字、あれはどちらかが常に支える側ということではなくて、時として変わるべきものだと私は思っています。

現在の活動状況や今後の目標など

活動は、「継続していくこと」が大事

 現在は、先に挙げた小学校での取組に加え、「津軽海峡マグロ女子会」が企画する「『マグ女』のセイカン博覧会」で「べこもち」作り体験の受入れをしています。他にも、活動の依頼があれば、可能な限り受けるようにしています。まだまだ道半ばですが、このような普及活動というのは「継続」していくことに意味があると思います。たくさん取り組んできたけれど、まだまだ行き届いていない部分もあります。でも「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」、これが私の精神です。

 私にできること、また、みんなでできることを模索しながら、下風呂漁協女性部のみんなと協力して、これからも活動していきます。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

大きすぎる目標よりも、自然体で。

 大きな目標や夢は持たなくても、小さなことでいいので、「自分でやってみたい!」と思うことに、チャレンジしてみてください。私自身、大きな目標を掲げ、その達成に向けて努力するというよりは、自然体で、自らも楽しみながらもできることが今までの活動の源になっています。まず、自分が楽しまなければ、活動は続きません。

 そして、一生懸命頑張る。「一生懸命」という言葉が私は好きです。間違えたら、また後戻りして、そしてまた頑張ればいい、私はそう思っています。

「大きすぎる目標よりも自然体で」と語る葛西恭子さん

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青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

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