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更新日付:2013年3月18日 青少年・男女共同参画課

青森県女性ロールモデル 一二三ゆう子さん

物おじせずに、まずは始めてみること。そうすればきっと周りの人たちも応援してくれます。

一二三ゆう子さん
ひふみハニーファーム 代表
一二三 ゆう子さん(八戸市南郷区)

【プロフィール】
結婚を機に夫婦で養蜂業を始め、昭和50年に独立
昭和63年 県内で初めてモロヘイヤ栽培に取り組む
平成8年 直売所「ヤッサイなんごう友の会」の初代会長を務める
平成10年 県内で初めてルッコラを導入
平成14年 青森県農業賞(個別経営部門)奨励賞受賞
平成19年度青森県いきいき男女共同参画社会づくり表彰奨励賞「女性のチャレンジ部門」受賞

  • 認定資格等
    平成6年 青森県ViCウーマン
    平成15年 青森県農業経営士

一二三ゆう子さんの主な分野 「起業」「農林水産」

チャレンジのきっかけは?

 昭和50年に独立して養蜂業を始めた矢先に夫が病で倒れ、看病、子育て、養蜂が一手に私の肩にかかりました。入院費のために会社勤めをした時期もありましたが、悩んでばかりではどうにもならないと必死で働きましたね。

 「経営は行動力」だと思っているので、消費者が求めているものを素早く察知しながら頑張ってきました。健康に良いとされる南郷の特産品のソバやブルーベリーの花から蜂蜜を採るなど、地域の素材を活かした商品開発も、小規模だからこそ、大手養蜂家がやらないことをやるという私の経営方法で今日まできました。

これまでのみちのり

直売所の立ち上げ

 当時の南郷村に直売所などの複合施設がつくられると聞いて、じゃあ何かやろうと生産者の仲間たちと「ヤッサイなんごう友の会」をつくり、平成8年9月に直売所をオープンしました。店は予想以上にお客さんが来てくれたのですが、それまで商売を経験したことがない農家が多いので、朝に1回納品はするけれど、物がなくなっても補充しないとか、毎月の定例会への出席や直売所の掃除などの決まりごとも守られず、最初は結構大変でした。たまらず、「この場所は誰のものでもなく、会員一人一人が経営者なのに、こんな調子では経営する資格もないし、私自身も引っ張っていけません。今後3ヶ月の間に改善しないようであれば、会長として私の力不足なのでもう辞めます」と宣言したところ、ようやく会員皆さんの気持ちが一つになりました。

 野菜が少ない冬の時期だったので、野菜を干したものやりんごや豆を煮たものなど、皆さん工夫して出してくれて、そうして売れるようになって収入も増えてくると、皆さんおもしろくて頑張る力が出てきたんでしょうね。そのうち物を売るだけでは物足りなくなり、何かイベントをやろうと動き出し、今では毎月のようにイベントをやっています。野菜でつくった雛人形などは、みんなのアイディアがいっぱい詰まった自信作です。

 会長職というのは、どんなにできる人でも3期以上はやるものではないと思っています。1期2年ですが、初めは単に前任者の後を引き継ぐだけで、2年目で自分の力を発揮できるようになり、3年目には自分のカラーが出てきて、そして4年目になれば飽きられます。

 ですから、職についているうちに後継者を育てて、長くやらずに次の人に渡すことで、常に新しい風を送り込むようにするべきだと思っています。

農のひなまつり 野菜でつくった雛人形

県内初の取組への挑戦

 モロヘイヤの栽培は、野菜の中でも特に栄養価が高いと聞き、平成元年に仲間とモロヘイヤ研究会を立ち上げて取り組むようになりました。村の助成金を利用しハウスを建てて栽培を始めたものの、県内ではまだ誰も手がけておらず知識も乏しかったので、なかなかうまく育ってくれず、あちこちに相談して助けてもらいながらようやく商品化にこぎつけ、「南郷クレオパトラモロヘイヤ」と名付けて販売を始めました。

 最初は、消費者もバイヤーもまったく知らない野菜なので、市場に出すためにとても苦労しました。栄養の分析表やレシピを添えるだけでなく、市場でバイヤーを集めてみそ汁やてんぷらなどを実食してもらい宣伝するのですが、それでもなかなかうまくいかず、スーパーなどで直接消費者に実演して見せて、食べ方を紹介しながら販売しました。

 売り上げを伸ばすため、加工品にも挑戦しました。野菜の中でもカルシウムが一番多い野菜と言われているので、季節に関係なくもっとよく摂取できるようにとパウダーを作り始めた頃、ちょうどテレビ番組でモロヘイヤが体にとてもいいと取り上げられ、それを契機にどんどん飛ぶように売れるようになったんです。そして、このパウダーを使ってせんべいやうどん、ドーナツなども考案し商品化してきました。

 「ジャズ菜」もモロヘイヤと同じくエジプトが原産ですが、モロヘイヤよりも栄養価が高い野菜があると県の方から紹介されて、すぐに飛びつきました。ところが、種の入手が困難で、培養に挑戦しても失敗してしまいます。ある時、味や形が似ている野菜の種を見つけて植えてみたらまさしくその野菜で、ようやく手に入れることができました。原産地名の「ガルギール」で探していたのですが、日本名では一般的に「ルッコラ」と言われていたのでなかなか見つけられなかったようです。ここ南郷は、ジャズの街なのでそれにちなんで「ジャズ菜」と命名し、現在販売しています。

  • ラベンダー蜂蜜を持つ一二三ゆう子さん
  • 蜂蜜とモロヘイヤドーナツ

現在の活動状況や今後の目標など

花に囲まれてゆとりのある生活を目指して

 今は、花いっぱい運動と称して、ひまわりやラベンダーなどで畑を一面花にすることに挑戦しています。最初は、友人からラベンダーで蜂蜜をとったと聞き、その蜂蜜がとりたくて、弘前にあるラベンダー通りをヒントに始めたのですが、ラベンダーの紫とひまわりの黄色のコントラストがきれいではと思い、ひまわりを植えたり、時期をずらして楽しめるようにコスモスを植えたりと、色々とアイディアが浮かんでは実践しています。

 活動は一人ではできないので、仲間と「南郷の環境を考える会」をつくってやっています。その会では、水や景観をきれいにしようと、空いている土地の整備や草刈りなどもボランティアでやっています。これからも、協力金を募ったりしながら続けていきたいと思っています。花が咲く美しい風景をカメラマンの方とかがよく写真を撮りにきていますが、ブログなどで紹介されるとそれを見た人がまた来てくれたりして、そういう繋がりがとてもうれしいです。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

物おじせずに、まずは一歩

 あまり物おじしないことをお勧めします。私自身、あまり計画を練る方ではなく、いいと思えばすぐ行動に移すタイプですが、やってみてうまくいかなければ一度下がればいいと思っています。そして、うまくいったらどんどん進めばいいので、最初からあまり心配しないで、前に出ていくべきです。よく、この役をやってほしいとお願いすると、「できません」とすぐ引っ込んでしまう人がいますが、「私でよかったらやらせてもらいます」というくらいの気持ちを持ってほしいと思います。

 全ての条件が整ってから始めようと思っていても、何もできません。多少、困難なことがあったとしても、結構、誰かが助けてくれて物事が進んでいくものです。そういう意味では、私は周りの人たちに随分助けられたと思っていますし、感謝しています。まずは、なんとかなると小さなことからでも始めれば、例え失敗したとしても大したことがないくらいの気持ちで挑めるのではないでしょうか。

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この記事についてのお問い合わせ

青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

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