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更新日付:2013年8月30日 県民活躍推進課

青森県女性ロールモデル 知野三賀子さん

その人の「今!」があるはずです。何も焦ることはありません。
じっくり優先順位を選んで、ご自分のペースで進んでいってください。

知野三賀子さん
社会福祉法人寿栄会いしどう寿楽荘居宅介護支援事業所 主任介護支援専門員
知野 三賀子さん(八戸市)

【プロフィール】
平成13年 社会福祉法人寿栄会採用。寿楽荘ヘルパーセンター配属(契約社員)。
平成16年 この間勤務しながらヘルパー1級資格、介護福祉士資格を取得し、正職員として採用。
平成18年 寿楽荘デイサービスセンターに異動。
平成20年 寿楽荘居宅介護支援事業所に介護支援専門員として配属。
平成25年 いしどう寿楽荘居宅介護支援事業所配属、主任介護支援専門員として勤務中。事業所介護支援専門員の指導に当たっている。

知野三賀子さんの主な分野 「就業・キャリアアップ」「子育て・介護」

チャレンジのきっかけは?

「勉強をして、裏付けのある正しいサービス提供ができる人材になりなさい」

 障がいを持つ祖母と娘と3人暮らしであった私は、20代の頃勤めていた職場を辞めた際、祖母の世話にいつか役に立つだろうと思い、ヘルパー2級の資格を取りました。それが、今、こうしてヘルパーの資格を生かし、福祉に携わる仕事をするとは、その頃全く想像できませんでした。

 平成13年にヘルパー事業所契約社員として採用されました。その時、30代後半だった私は、次々と仕事を変えるという年齢ではなかったですし、中学生の娘を抱え生活していかなければなりませんでしたから、できれば安定して長く勤めたいという気持ちでした。

 ですが、福祉の仕事も初めてで最初はおむつ交換も大変でしたし、自分一人で訪問し、介護補助をしなければいけなかったので、「このままヘルパーの仕事を続けていくことができるのかな?」と、とても不安でした。私は以前サービス業の経験があり、サービス業であればお客様に喜んでいただくために普通にできることが、ヘルパー職として介護の仕事ではできないようなことが多くあります。ヘルパーの仕事には、介護保険制度の範囲により行うこと、また、お手伝いしたくてもその人が自立してできるようなら手を貸してはいけないなどといった、いろいろな制約があるからです。慣れない仕事内容と、「喜んでいただけることなのにやってはいけない」などという問題に直面し、理解できず悩んだこともありました。

 そんな中、気さくに声をかけてくださったのが、先代の理事長でした。理事長から、「気持ちは分かる。あなたは勉強をしなさい。勉強をして制度を知り、裏付けをもって正しいサービス提供ができる人になりなさい」という励ましを受けました。気持ちを分かってもらえたこと、認めてもらえていたことに私は安心し、同時に、福祉の勉強を深めて本当に意味のあるサービス提供ができる人材になろうと決意したことを今でも覚えています。

これまでのみちのり

自分に足りないものを補いたいという一心で

 先代の理事長の言葉を受け、まずはできる範囲で少しずつ勉強していこうと考えました。
 
『福祉の仕事』は関連した資格や興味の対象が、仕事を行っていくうちにたくさん見えてきます。

 ヘルパーや介護の仕事は、3年間の実務経験があれば介護福祉士の受験資格、5年間の実務経験で介護支援専門員の受験資格が得られますので、資格取得に向けて目標や計画をもって取り組むことができました。

 ヘルパー事業所に勤務していた平成14年にヘルパー1級資格を取得し、サービス提供責任者として勤務することになりました。実務経験3年が経過した平成16年に介護福祉士資格を取得し、このときに正職員として採用されました。平成18年にデイサービスに配置換えとなった時には、利用者にデイサービス利用時の時間を楽しんでいただきたいとの思いから、平成19年にレクリエーションインストラクターの資格を修得し、翌年には福祉レクリエーションワーカーの資格も修得しました。

 介護実務経験5年が経過した平成19年には、介護支援専門員の資格を取得しました。平成20年からは居宅介護支援事業所にて介護支援専門員勤務として務め、介護支援専門員として実務経験を積み、その後主任介護支援専門員の資格を修得し、現在に至ります。

 当初ヘルパー2級の資格で採用されたけど、ヘルパー1級という資格もある、じゃあ勉強してその資格を取ろう。デイサービスに配属になった、支援方法のひとつに福祉レクワーカーという資格があるらしい、じゃあ勉強してその資格を取ろう、でもその前にはレクリエーションインストラクターの勉強をすればいいらしい……ということをやっているうちに、様々な資格を取得できたのです。自分に知識や技術が足りないから補いたいという一心で、夢中で勉強をしていきました。

 仕事を続けていく中で様々な失敗がありました。そのたびに同僚に支えてもらい、また、上司からは的確な指導を頂いていましたから、仕事を辞めたいと思ったことはありません。勝手な自分の行き詰まりなどはありましたけれど、会社(施設)からしっかりとした道筋をつけていただきましたから、本当に感謝しています。

様々な場面が、人生経験・勉強につながっている

 むしろ、壁と言えるのは今なのかもしれません。同居している祖母が、施設に入ってもおかしくないような状態で家にいるのですが、こういう仕事柄、今の祖母は本当に幸せと思える気持ちで生活しているのか?と自問自答することがあります。利用者の家族と同じく「同居し、介護している」という観点では同じですが、やはり介護支援専門員として接するのと自分の家族に対して接するのではギャップが発生しており、家族としてのストレスのようなものも感じています。その意味では、今、精神的な壁があるのかもしれません。

 ですが、私の身の回りには素晴らしいお手本がたくさんあります。何より仕事で伺う先の利用者、ご家族からたくさん勉強させていただいています。

 私が担当で伺う先のご家庭は単身、老老介護など様々です。日々、ご家族が対象者を本当に大事にし、介護に取り組む姿勢を目の当たりにしています。また、介護のサービス専門職だけでなく、家族・地域・みんなで一緒に頑張って協力し合っています。そんな利用者本人・家族の方々を支えるのが私の仕事です。介護支援専門員として担う役割のほかに、介護している家族としての気持ちも幾分知った上で助言などできるのは、祖母という存在のおかげだと思い感謝しています。様々な場面で人生経験をさせてもらっているなと感じています。

現在の活動状況や今後の目標など

介護、育児、出会い、全てが自分の勉強になる

 在宅の介護サービスに関わって早くも12年が経ちます。

 12年間、祖母の介護や娘の育児をしながら、様々な資格を取得し、様々な方と出会いました。どの出会いも刺激があって、こんな歳の取り方をしている方がいるのだな、素敵だなと思える方がたくさんいました。この方々と向き合って仕事をしていくのだったら、私も勉強していかなければいけないなと思い、今も仕事をしながら楽しく勉強をさせてもらっています。

 50歳を前にして、会社員として仕事をする時間ももう何年かしかありません。今思えば、勤めはじめの頃はしゃにむに働いてきました。その中で本当にいい出会いをし、本当にいい勉強をさせてもらえました。今は主任介護支援専門員として後輩への指導的な役割もあります。まずは自分が育ててもらったように、今の自分の仕事を全うすることが一番だと考えています。

 また、介護支援専門員でも、新人もいれば中堅もいます。担当する利用者の個々のケースも全く違います。私は、風通しの良い環境で一緒に話し合って解決していくという姿勢を大事にしています。考え方についても若い職員から勉強させられることもありますし、男性からの違う視点や意見も見逃せません。様々な人の視点が活かされなければならない職業なので、「女性」も「男性」も必要なのだなと実感しています。

高齢・障がい・児童の垣根を越えた窓口を作りたい

 将来は、自分の子育てや介護の経験から、高齢・障がい・児童の垣根を越えた、例えば富山型デイサービスのような活動に携わりたいと考えています。介護保険の対象になる方を一括りでまとめることはできません。「65歳以上からお年寄りなんて誰がいつ決めたの?」という気持ちがあります。40代で介護保険の対象になる方もいれば、障がい制度から移行する方もいます。地域福祉という観点で考えると、お年寄りとか、障がい者とか、子どもとか、そういった垣根はなくてもいいのでは、と思うのです。何か必要な方々の窓口、もしくは心の居場所というものがあればいいなと考えています。私はまだ、高齢福祉の部分でしか福祉に携われていないため、これからは違う分野でも少しずつでも知識を深めるべく研さんしていきたいと考えています。

業務にあたる知野三賀子さん

これからチャレンジする女性へのメッセージ

自分の「今!」を大切にしてください

 「今でしょ!」という言葉が流行しています。私は30代後半から福祉の仕事に携わって、少しずつですが福祉に関係する資格を取得することができました。

 まさしく「今!」からでも遅くないということを実体験し現在に至っています。

 その人の「今!」が必ずあるはずです。

 年齢や職種に関わらず、仕事や生活のことで悩みながら、働いている方がたくさんいらっしゃると思います。ゆっくりでもいいので、自分のペースで前進してくことが本当に大切だと思います。目標を持って勤めていれば自然に道が開けてくることもあります。何にも焦る必要はありません。自分の中で優先順位を考えて「今!」を大事に。まずはできることから始めてはいかがでしょうか。

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