知事記者会見
知事記者会見(定例)/令和7年6月3日/庁議報告ほか
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知事記者会見録
会見日時:令和7年6月3日火曜日 11時00分~12時10分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事
○幹事社
ただ今から定例記者会見を始めます。
まずは知事から報告をお願いします。
○知事
【あおもりキッズシッター利用支援の開始】
あおもりキッズシッター利用支援事業を開始いたします。
「突発的な事情で保育をお願いしたい」、「もっと社会参加したい」、「リフレッシュしたい」といった子育て世帯のニーズに応えるため、保護者のキッズシッター利用を支援します。
助成対象は、県の認証事業者が派遣するキッズシッターの利用料で、今月から助成開始となります。
保護者の利用場面としては、通院、残業、冠婚葬祭、サークル活動、趣味の時間、リフレッシュ、兄弟姉妹の学校行事など、幅広く対象にしたいと考えています。
利用対象は、小学校就学前の児童がいる保護者で、1人当たり年120時間が上限となります。
助成金額は、1時間当たり400円が保護者の自己負担となるように設定しています。なお、1時間当たり2,100円が助成の上限です。
認証事業者は、現時点では青森市、弘前市、三沢市の3市にある5事業者です。ぜひ多くの事業者の方々に参加していただきたいと考えています。個人事業主も認証の対象となり、これを機に新規事業を立ち上げた場合にも対象となります。多くの事業者に参画いただき、青森県の中で新しい保育の形を追及していきたいと考えています。
利用の流れとしては、まずご自身で認証事業者を選択し、契約をしてシッターの派遣を受けた後、派遣されたシッターの利用料を支払います。その後、利用者が県に対して助成金を申請し、県から助成金を支払います。
今年はこのような形でスタートしますが、今後事業を進めていくに当たって、より利用しやすいような環境を作っていきたいと考えています。
詳細については、県のホームページをご覧ください。
【治療・受療リテラシー向上事業について】
健康寿命の延伸を目標に、「治療・受療リテラシー向上事業」として、新たな取組を始めます。
具体的には、血圧に着目した取組です。青森県では、40歳以上の県民の5人に1人が高血圧症の未治療者であり、人数にすると約14万9千人と、県民全体の10人に1人以上が未治療者となっています。上が140、下が90以上の方は高血圧ですので、治療が必要な場合があります。
高血圧治療ガイドラインによると、日本の脳心血管病死亡の最大の要因は高血圧となっています。脳心血管病による死亡は、血圧の上昇とともに上がっていて、全脳血管病死亡の50%、脳卒中死亡の52%、冠動脈疾患死亡の59%が、上が120、下が80を超える血圧高値に起因すると言われています。
そこで、青森県では、「高血圧ゼロの県」を目指して取組を始めます。
これまでは、食生活の改善や運動による健康づくりで平均寿命や健康寿命にアプローチしてきましたが、この取組は直接医療の力を借りて、健康寿命増進や死亡率の低下に努めます。
具体的には、2つのキャンペーンを実施します。
まず1つ目は「高血圧症未治療ゼロチャレンジ」で、血圧が高く、初めて降圧剤を処方された方が対象です。応募により、クオカード1万円分やスマートウォッチなどが当たります。ぜひ高血圧の治療を開始してご応募ください。
2つ目は「血圧未測定ゼロチャレンジ」で、血圧を10回測定すると応募できるという仕組みです。クオカードや減塩商品などの企業からの協賛品が当たります。健康な方にもぜひ取り組んでいただきたいですし、身近な人にもチャレンジを推奨してください。
いわゆる「クリニカル・イナーシャ」という、治療が必要であるにもかかわらず、治療に結び付かない人たちへのアプローチとして、このような取組を始めます。高血圧はさまざまな病気の原因となりますので、血圧を測定して、正しく治療して、太く、長く生きていきましょう。キャンペーンの詳細は、それぞれの特設サイトをご確認ください。
【青森空港有料道路の無料開放に向けて】
青森空港有料道路について、令和9年7月中の無料開放に向けた準備を進めてまいります。
関係機関との調整や料金所等の対策工事が必要であるため、すぐに無料開放することは難しいのですが、交通に支障のない範囲で対策工事を進めながら、令和9年7月中の無料開放に向けて取組を始めていきます。
【質疑応答(報告案件について)】
○幹事社
それではただ今の報告に対する各社からの質問としますが、質問は簡潔になるようご協力をお願いします。質問のある方は挙手をお願いします。
○記者
高血圧ゼロキャンペーンについて伺います。青森県は平均寿命が男女共に全国最下位という状況です。寿命を延伸するためには、今まで高血圧で亡くなっていた若い世代の参加も必要だと思います。知事としては、特にどういう年代の人たちにこのキャンペーン参加を呼びかけたいとお考えでしょうか。
○知事
私は、働く世代への取組が一番大事だと考えています。青森県の平均寿命が低いのは、70~80代の方々が長生きできないということではなく、全世代の死亡率が高いことが原因です。
その中でも、脳血管疾患や心疾患が原因で死亡率が高くなっていますので、40代から60代の働く世代の皆さんには、この取組にぜひ参加していただきたいと考えています。
○記者
関連して、未測定ゼロキャンペーンも実施するとのことですが、家に血圧計がある方は少ないのかなと思います。そもそも病院にかからない人たちに血圧を測定してもらうという施策だと思いますが、どのような機会に測定することを想定されていますか。
○知事
公共施設のいたるところ、例えば図書館や公民館、スポーツ施設などには、血圧測定器が設置されています。そういった場所での測定をきっかけに、測定が日常化すると良いと考えています。
また、最近はスマートウォッチも普及していますので、それぞれのスマートウォッチで血圧を気にしていただくことも大事だと考えています。
○記者
空港有料道路の無料開放について伺います。どういった理由で無料開放することに至ったのか、そこに知事としての思いがあれば教えてください。
○知事
償還期限が近づいており、借入金残高を順調に償還しています。
それ以降も有料にするという選択肢もありますが、津軽地域から青森市へ抜けるルートの確保や、青森空港の利用のしやすさという観点からも、無料にした方がいいと判断しました。これから、その準備を進めていくということでご理解ください。
○記者
無料開放期間までに、現在残っている債務は返済される見通しということでしょうか。
○知事
基本的にはそのような見通しを立てています。
○記者
対策工事とは、具体的にどういった工事が必要になるのでしょうか。
○知事
料金所の撤去や、右折レーン、空港へ入る道路のレーン設置などが必要になると考えています。
○記者
現在、往復割引の実証実験が行われていますが、これは令和9年7月まで実施して、その終了と共に無料化が行われるという認識でよろしいでしょうか。
○知事
往復割引をいつまで実施するかについては、まだ決定していません。今日の発表は「令和9年7月中に無料開放する」という発表に留まるものです。
○記者
キッズシッターについてお伺いします。キッズシッターを利用していただくに当たっては、事業者の数がまだ不足している状況だと思います。知事として、どの程度の規模の事業者が必要とお考えでしょうか。
○知事
供給側を整備するためにも、この事業を作っていますので、とりわけ市レベルでは、多くの事業者に参画していただきたいと考えています。
適正な規模ということについては、現時点では申し上げることは難しいですが、できるだけ多くの事業者に参画いただくことで、各地で保育が充実した環境が整うことになります。この発表や皆さんの報道を契機に、制度が広がってこのキッズシッターの事業者も増えてくれることに期待しています。
○記者
キッズシッターについて、予算規模を教えてください。
○知事
担当からお答えします。
○こども家庭部
予算額は約2,200万円になります。
○記者
県の認証を受ける必要があるとのことですが、どのような条件で認証を受けられるのでしょうか。
○こども家庭部
居宅訪問型保育事業者として、県または中核市である青森市、八戸市に届出を行っていただく必要があります。
○記者
空港有料道路について伺います。先ほど、利用のしやすさという政策判断で無料開放に向けた準備を進めるとご説明いただきました。この利用のしやすさとは、どういった部分のことで、無料開放によって期待される効果をもう少し詳しくお聞かせください。
○知事
無料になることで、有料のときよりも多くの皆さんに使っていただけると考えています。
○記者
この道路の位置付けについて、どういった方が利用されている道路で、無料開放によってどのような利用が増えるとお考えでしょうか。
○知事
基本的には、浪岡から青森市内への通行が多いと考えています。そのため、地域の一体感の醸成にもつながると考えています。また、津軽地域と青森市を結ぶルートとして、ネクスコの管理する高速道路、国道7号、そして今回の空港有料道路の3つがありますが、選択肢が広がることで利便性が高まると期待しています。
○記者
令和9年7月中の無料開放とのことですが、これは債務の償還期限に当たる期間という理解でよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
これに向けて債務を解消する目途がたったため、無料開放に向けて準備を進めるということでよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
高血圧事業に関連して質問させていただきます。県ではこれまでも減塩などにより健康増進に取り組んできた経緯がございますが、今回の高血圧対策は、短命県返上に向けた効果的な対策かと感じました。知事の受け止めや思いをお聞かせください。
○知事
要所をとらえた対策が必要だと考えています。各種の取組を通じて、青森県の平均寿命の絶対値は上がっています。全国の各都道府県に比べると低いかもしれませんが、世界的な水準でみると、青森県の平均寿命も低いわけではありません。この要所はどこだろうという話をした時に、もちろん運動や食事などによる健康づくりや健診制度も大事です。しかし、病気に直接アプローチする部分はどこかといえば、やはり高血圧だということで、今回このような政策の形にしました。多くの皆さんに取り組んでいただけることで、確実に死亡率が低くなると考えています。
○記者
キッズシッターについてお伺いします。助成金額について、1時間当たり400円が自己負担となるように設定しているとのことですが、この算定根拠があれば教えてください。
○知事
担当からお答えします。
○こども家庭部
同様の事業である「こども誰でも通園制度」は1時間当たり300円、一時預かり事業は1回当たり300円の自己負担となっていますので、こういった事業との均衡を考えて1時間当たり400円と設定しております。
○記者
空港有料道路の無料開放についてです。現行の料金徴収期間は令和9年7月まで延期されています。この時期までの料金徴収で債務を償還できる見通しが立ったため、この時期に設定したという理解でよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
この時期の開放に向けて国交省との調整を開始しているということは、この時期よりも早く債務が償還できた場合でも、無料開放が早まる可能性はないということでしょうか。
○知事
無料開放が早まることは恐らくないと考えています。開放に向けては工事が必要であり、工事の設計や施工には時間がかかるためです。令和9年7月までに準備が整うような形にしていきたいと考えています。
○記者
その他の有料道路に関しては、同じように国交省などと協議を進めていらっしゃるのでしょうか。
○知事
みちのく有料道路や第2みちのく有料道路については、それぞれ償還期限がまだ先になっていますので、具体的な協議をする段階ではありません。
○記者
高血圧キャンペーンについて、実際に利用者の方に話を聞いたところ、ご褒美があると嬉しいという方もいらっしゃる一方で、医師に聞くと、高血圧は症状に乏しく、無症状であるため危機感を感じない人が多い点を特に課題として挙げていました。そのあたりをどのように克服していくのかということが、大きなポイントになってくると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○知事
今回のキャンペーンは2つあり、未治療チャレンジの方は、まさに治療が必要な人を対象にしていますが、未測定の方は、自分の血圧を知ることが大事だというキャンペーンですから、今のご質問については、この血圧未測定ゼロチャレンジの方でフォローしていきたいと考えています。
○記者
都道府県別の平均寿命を見ると、青森県はかなり差があっての47位ということになっていますが、この事業を進めていく中で、短期的または長期的な数値目標などは設定されていますか。
○知事
今のところ数値目標は設定していません。県民の皆さんにどの程度取り組んでもらえるか、私たちも挑戦しながら進めていきます。やればやるほど高血圧の方が減ることは間違いありませんので、市町村とも連携して、しっかりと進めていきたいと考えています。
○記者
有料道路の無料開放についてお伺いします。国交省など関係機関との調整を開始したとのことですが、どういったことを調整していらっしゃるのでしょうか。また、この調整の過程で懸念点等があって、令和9年7月中の無料開放が延期になる可能性はないのでしょうか。
○知事
有料道路の料金については国土交通大臣の認可事項であるため、そういったところの調整がまず必要です。特に懸念点はありませんが、調整が必要な事項があるため、このように手続きとして記載しました。
○記者
対策工事の設計に着手するとのことですが、工事スケジュール等が固まっていれば教えてください。
○知事
現時点で細かい話は決まっていませんが、令和9年7月の無料開放に向けて、令和8年の冬、雪が降る前までには終わらせたいと考えています。
○記者
関連して、現状の料金徴収は受益者負担の考え方に基づいているかと思いますが、無料開放によって県の負担がどれだけ増えるのか、試算はございますでしょうか。
○知事
まずご理解いただきたいのは、有料道路制度というのは、建設費を料金で賄うというのが原則です。今回の場合は、最大60年間で建設費を償還したら、無料となるのが前提となっています。その後、県として負担が増えるということは、もともと折り込んでいる話です。
具体的に今回この道路を無料開放した後、道路の維持費が年間どれぐらいかかるかということについては、担当からお答えします。
○県土整備部
空港有料道路は、延長でいうと1.7キロほどございます。無料になると、通常の一般道路の管理と同じになりますので、無料開放にしたからといって負担が大きく増えるということはありません。現時点では、概算でいくらかという算定はしていませんが、通常の維持管理を行う予定でございます。
○知事
大幅に負担が増えるわけではないということです。
【質疑応答】
○幹事社
次に、報告以外の案件に対する質問に移ります。まずは幹事社の方から質問させていただきます。
知事選の投開票からまもなく2年がたち、任期の折り返しを迎えます。知事はこれまで、子育て支援や教育改革、物価高騰対策などに取り組んできました。
この2年間のさまざまな改革で大きく前進した分野、これから力を入れていきたい分野についてお聞かせください。
また、思いどおりに進んでいないと考える分野があれば、その理由と今後の意気込みをお聞かせください。
○知事
この件については、この場で短くお答えできるような話ではありませんので、別に時間を取って、もう少し政策分野を絞って、ご質問いただきたいと考えています。就任2年目に関する話については、各社そのような対応をお願いします。
○記者
知事就任後、青森県再生可能エネルギー共生条例の策定など、先進的な取組を進めていらっしゃると認識しています。脱炭素社会の実現に向けて風力発電の導入も進んでいますが、秋田県では風車事故等もありましたので、自分事として心配していらっしゃる住民の方もいらっしゃるかと思います。
安全対策について、事業者に望むこと、また知事としてのお考えをお聞かせください。
○知事
秋田県で発生した事故により、お亡くなりになられた方には心よりご冥福をお祈り申し上げます。
風力発電は基本的に、事業者が設置し運営する事業ですので、安全対策については事業者の方でしっかりと責任を持って取り組んでもらいたいと考えています。
○記者
共生条例と共生税条例についての事業者説明会が開催されていると伺っておりますが、条例は7月1日の施行ということでよろしいでしょうか。
○知事
共生条例は7月1日から施行されます。税条例は、総務省との協議の結果を見てからとなります。
○記者
現状では未定ということでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
政府の備蓄米の対応についてお伺いします。現在、米の価格高騰への対策として、国が随意契約で備蓄米の売り渡しを始めています。県内ではまだ店頭に並ぶのは先のようですが、一般の銘柄米の価格低下などに向けて、この施策は有効なものだとお考えでしょうか。また、5キロ当たりの米の適正価格について、知事としてはどの当たりが適正価格だとお考えか教えてください。
○知事
まず、米の価格制度についてご説明しますが、かつては1942年の食糧管理法に基づき、公定価格で決められていました。1995年にこの食糧管理法が廃止されて以降、需要と供給のバランスで価格が決められるようになりました。その一方で、減反政策や生産調整が行われてきたという背景があります。
今回の国の対応は、米の小売価格に対して直接アプローチするという意味では、食管法廃止以降の大きな政策転換であると受け止めています。
備蓄米の2,000円という価格が適正かどうかということについては、私は判定できません。なぜなら、これは通常の需給バランスとは関係ない世界の中で流通しているためです。一方で、消費者に広く受け入れられる価格になっていると報道を通じて把握しており、緊急的な物価高騰対策として、スピード感を持った非常に優れた対応であると受け止めています。
備蓄米以外の銘柄米について、5キロ当たりの適正価格は、知事が決めるものではありません。適正価格は、需要と供給のバランスによって決まるものですから、私から具体的な金額を申し上げることはできません。
○記者
昨日発表がありました特定利用空港・港湾の指定の受け入れについてお伺いします。指定を了承したことの理由として、まずインフラ整備が進むことが期待されるということと、災害時の避難などが円滑に進むことの大きく2点あったかと思います。
インフラ整備に関して、例えば道路や空港・港湾関連設備の整備、あるいは現在やっている事業の促進など、国に力を入れてもらいたいことはございますか。
○知事
現状、特にありません。
○記者
下北地域の統合校についてお伺いします。先月行われました、県教育委員会の地域住民向け説明会では、むつ工業高校の敷地内で校舎を新築せず、現在ある校舎を改修して使い続ける可能性について、初めて言及されました。
参加者からは、計画の白紙撤回を求める声も相次いでいましたが、知事として教育委員会にどのような対応を求めたいかお願いします。
○知事
教育委員会でしっかり検討していただきたいと考えています。また、地域から白紙撤回の声が出ることは当然のことだと考えています。
○記者
白紙撤回の声が出るのは当然だというのは、どういうことでしょうか。
○知事
今までの説明と異なる方針を示して、その説明がしきれていないわけですから、白紙撤回の声が出ても仕方がないと考えています。
○記者
先月、むつ市教育委員会から県教育委員会に対して、方針が決まってからではなく、決まるまでの間もしっかり情報共有してほしいという要望も上がっていました。その当たりについてはどのようにお考えでしょうか。
○知事
県教育委員会とむつ市、むつ市教育委員会の中でしっかり整理をして、丁寧な議論を進めていただきたいと考えています。
○記者
陸奥湾ホタテについてお伺いいたします。先日、6月中に県としての総合対策をとりまとめるという考えを示されましたが、総合対策のとりまとめの時期と柱となる内容があれば教えてください。
○知事
6月中にしっかりまとめて発表したいと考えています。
○記者
各漁協や漁連からの要望を受けた内容を踏まえた結果ということでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
昨日、平内町漁協が自民党県連に要望した際、県連会長が知事とも認識を共有しているということで、国への要望も一緒に行うことを模索している方向だという発言がありましたが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
○知事
報道でその内容を知りまして、そのように進んでいるのだろうと受け止めています。
○記者
県産りんごについてお伺いします。先週、農水省から発表がありまして、県産りんごの収穫量が2年連続で40万トン割れになりました。今年も大雪の影響で減収が見込まれると思いますが、今後の見込みなどについて、お考えがあれば教えてください。
○知事
収量予測は、毎年8月に発表していますので、8月の発表をお待ちください。
○記者
県政と直接関係しない話題で恐縮ですが、プロ野球・巨人元監督の長嶋茂雄氏が今朝亡くなられました。県内の野球少年や高校球児に大きな影響を与えた人物かと思います。
知事自身の訃報の受け止めと、長嶋さんにまつわる思い出などありましたら、ぜひ教えてください。
○知事
まず、長嶋茂雄さんご逝去に際し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私は小中学生の頃、野球をやっていましたが、その当時は、テレビ中継は巨人戦が中心でしたので、巨人が好きか嫌いかで分かれていたと思います。我が家では、父親や弟も含めてみんな巨人が好きで、私が最初に買ってもらったグローブも、原辰徳さんのモデルのものでした。
私の父は長嶋さんの活躍を知る世代でしたので、長嶋さんのエピソードは父からたくさん聞いていました。チャンスに強くて、愉快な性格で、みんなを明るくする人だということで、まさに昭和のスターであり、野球少年にとっての憧れの存在であったと聞いています。松井秀喜さんとともに国民栄誉賞を受賞したシーンなども思い起こされます。
今ご質問いただいて知ったので、大変ショックを受けています。野球界のスターの先駆けとなる方であったと感じています。
○記者
中国による水産物の禁輸措置の解除について伺います。知事コメントも出していただきましたが、改めて受け止めをお聞かせください。また、県としては禁輸措置を受けて販路拡大に向けた取組を進めてきたと思いますが、今回のこの解除を受けて、県の方針に変更点等はございますでしょうか。
○知事
この禁輸措置は、非科学的で非合理的なものでしたので、解除されたことは当然のことだと受け止めています。私も中国に行く機会があったので、このことについては中国政府に申し入れています。今回の成果は、政府一丸となった取組の成果であり、結果が出てよかったと感じています。
今後、県の対応が変わるということはなく、ひとつの国に偏るリスクを解消しなければならないと考えているので、欧米も含めた販路の開拓は必須であると考えています。そのため、中国だけではない輸出相手国をさまざま模索していくという県の方針に、特に変更はありません。
○記者
ホタテについてお伺いします。陸奥湾産ホタテはかなり厳しい状況が続いていて、加工業者でも高値で材料を買わざるを得ない状況にあるかと思います。
そうした中で、漁業関係者からはホタテ離れを懸念する声も上がっていますが、県としてそうしたホタテ離れに対してどのように対処していくか、国内外への販売について何か考えがありましたら教えてください。
○知事
実際にホタテ離れが起こっているというデータがあればぜひ教えてください。現時点では、高い値段であっても、一定の需要はあると見ています。
我々はホタテの生産県ですから、持続可能な形でホタテの生産ができて、生産に携わっている方々が安定した収入が得られる環境を、どのように作っていくかということが大事だと考えています。消費者への対応は、全体の物価高騰対策により対応するものだと考えています。
○記者
クロマグロの資源回復について伺います。昨日、水産庁からもクロマグロの資源の追加枠について発表がありました。青森県の大型魚の枠がまた増えましたが、その部分について受け止めをお願いします。
○知事
漁獲枠が広がるということは、大変良いことだと受け止めています。クロマグロの漁師の皆さんや水産関係者からは、資源は回復しているどころか増えていると伺っています。
クロマグロの漁獲量は、国際機関が世界的な漁獲枠を決めて、その割り当てが日本にきて、さらにその割り当てが青森県にきて各漁協に割り当てられているという仕組みです。まず、国際枠を確保するということが大事なので、ぜひ国としても2年に1回の会議等で漁獲枠の確保に向けて頑張っていただき、より一層クロマグロを捕獲できるような環境を作っていただきたいと考えています。
○記者
2015年から小型クロマグロの漁獲規制が実施され、漁業者も努力を続けてきましたが、最近では漁獲枠がもともと少なかった八戸など太平洋側で、定置網にマグロが入ったりして、被害も出ていると伺っています。こうした状況について、何か対策などお考えになっていることはありますか。
○知事
その点については我々には権限がありません。国としてしっかり枠を確保して、その枠を私たちに提供いただければ、網に入ったマグロを戻す必要もなくなります。枠がない場合、捕獲したマグロを放流せざるを得ませんが、その際にマグロが生きているかどうかは不確かです。
それは逆に資源を無駄にしているような気がするので、そういったことも含めて、国でしっかり考えていただきたい。新しい農林水産大臣にはぜひクロマグロのことも頑張っていただきたいと考えています。
○記者
青い森鉄道の青い森セントラルパークへの新駅整備構想についてお伺いします。
昨日、知事も出席された青い森鉄道線の利活用推進協議会の総会で、青い森鉄道の事業計画の説明があり、その中に、新駅設置の検討状況を踏まえて、必要な協力をするという文言が新たに盛り込まれました。改めて、新駅設置に関する現在の検討状況をお伺いします。
○知事
これから青森市と連携して、需要調査を進めていきます。
○記者
この件に関して、青森市の西市長が我々の取材に、知事とは新駅を整備することで話がついていると明言しました。知事と市長の間で新駅整備の確約がなされたのか、事実関係をお聞かせください。
○知事
確約というよりも、調査をして整備に向けてお互い進んで行きましょうというお話はもちろんさせていただいています。
○記者
あくまで確約ではないということですね。
○知事
それは言葉遊びで、確約かどうかということに意味があるとは考えていません。
○記者
検討に関して、調査や検討のスケジュールなど、いつまでに結論を出すかの予定はございますでしょうか。
○知事
まずは調査をしてみなければ、駅の需要があるかどうかはわかりませんので、これからしっかり需要調査をするということが第一段階だと考えています。
○記者
需要調査の実施時期について、いつ頃までにというのはありますか。
○交通・地域社会部
青森市とはこれから、どういう調査をしていくべきなのか、どういう体制でやっていくのかなどを詰めていきたいと思っています。
その結果を踏まえて、どういうふうな予算計上をしていくのか、いつになるのかを判断したいと考えています。
○知事
少なくとも今年度の予算にはまだ入っていません。
○記者
米の話に戻りまして、一連の米価の高騰などを受けて、米の増産というところが国の方で議論に挙がるようになりました。
この米の増産に関する議論について、現段階で知事として何かお考えございましたらお伺いします。
○知事
増産は当然のことだと思います。現在、備蓄米が71万トン不足しており、今年度は全国で40万トンの増産が計画されています。そうすると、普通の主食用米の需給バランスでいったとしても、備蓄米に回す分が31万トン不足するということであり、来年度も需給バランスは改善せず、むしろ価格が上がる可能性があります。
再来年度どうするかという話が大事で、青森県の水田はまだポテンシャルがあって、飼料用米の水田や大豆、輸出用米など、主食用米の田んぼに回すところはいくらでもあり増産は可能です。ただ、適正価格というのは、需給バランスで決まるわけですから、国が需給をどのようにコントロールできるかにかかっていると考えています。
○記者
増産すべきだというふうなお話で、青森県も米どころのひとつであります。増産することについて、県として県内の米農家の皆さんに対してどのように取り組んでいきたいかなどのお考えはございますか。
○知事
あくまでも経済の原則でいくと、需要があれば供給した方がいい、作ればいいという話になります。国全体で米がどれぐらい必要なのかという需要の部分は、今年度のはもう作ってしまっていますが、来年度の分は、今年度の9月から来年作付けするまでの需給バランスを見て増やすかどうかを決めていくという、ただ単にそれだけのことだと思います。
○記者
米の増産の一方で、米農家の酒米から主食用米への切り替えが進んでおり、酒造会社にとっては深刻な問題となっています。各県を見ると市町村単位での助成が多い現状かと思いますが、県としての考えや受け止めをお伺いします。
○知事
経済の基本構造の話になりますが、仮に酒米が高くなったとしても、お酒の価格に転嫁できれば必ず利益は出ます。価格に転嫁できないほど原材料の米の値段が上がっているということであれば、何らかの措置が必要です。しかし、現時点で支援が必要かどうか、まだ見極めができていません。
これは酒米だけではなく、飼料用米も同様で、鶏肉や豚肉、牛の値段が上がった分を価格に転嫁できなければ、事業者が経営的に大変な状況になります。
問題の根幹は、給料が上がらないことにあると考えています。物価が上がる以上に給料が上がっていれば、問題にならないはずです。
そのような経済の好循環を作り出す仕組みを政府は作らなければならないし、政府の取組を私たちが応援しなければなりません。物価高騰対策だけやっていても、必ずどこかで支障が出て、何も生まれません。
そこはすごく大事なポイントだと思うので、県の応援というよりは、経済成長の基本の循環を作り出していく国の政策が今最も求められていると考えています。
○記者
物価高騰対策についてお伺いします。東京都が物価高騰対策として、都内全ての一般家庭を対象に、今年の夏の水道の基本料金を4ヶ月分無償化することを発表しました。これに必要な経費は368億円とのことです。他県の知事からは、東京都以外の道府県ではできないと思う、財力があるからこそできる政策だ、というような意見もありました。
この取組に対して知事のお考えや、受け止めがあれば教えてください。
○知事
東京都がさまざまな改革の中で捻出した財源でやっている政策ですので、そのことについて私から何かコメントすることはありません。
○記者
今年の7月、青森県での全国知事会議の開催を控えています。例年の全国知事会議では、東京一極集中や偏在是正などが話題になっていると思いますが、今回の知事会議でどういった議論をしたいかや、どういったところを集中的に議論したいかなどがあればお考えを伺います。
○知事
それは会議当日を楽しみにしていてください。
○記者
私も米の関連でお伺いします。
先ほど知事も増産すべきだというお話がありましたが。
○知事
少なくとも需要が追い付いていない今の状況では増産すべきだという話で、ずっと増産すべきだということではありません。
○記者
その流れで、飼料米や大豆等から水田に戻せるところもあるというお話もありましたが、今後の国の農政改革について、現在も飼料米に誘導するような政策補助金がある中で、期待するところがあればお伺いします。
○知事
農政改革はマグロも含めてあらゆる場面で必要ですが、米に関しては、需給バランスを把握してほしいということだけです。
米を作ったのにどこに行ったかわからないという状況になって、今混乱が起こっています。流通の全過程が明らかになっておらず、現時点で誰がどれぐらいストックを持っているかも分からないという状況を改善しなければ、需給バランスを取って適正価格、つまり国、消費者、生産者それぞれが適正と思える価格にはなっていかないと考えています。
○記者
生産現場というよりもまずは流通の部分を第一に取り組むべきということでしょうか。
○知事
生産から消費者に渡るまでの全体像がはっきり見えるようにすることが大事だと考えています。
○記者
政務の関係でお伺いします。7月3日に今年の参院選が迫っております。知事としてどなたかの応援の依頼があった際には、応援演説に立つ可能性があるのかどうかお伺いします。
○知事
青森県内では応援演説の予定はありません。
○記者
その理由をお伺いしたいのと、県内ではというのは、県外ではあるのでしょうか。
○知事
県外では、国土交通省の先輩が出馬を予定していますので、そこは検討していますが、少なくとも本県での候補者の応援に立つということはありません。
知事としては、各政党と等距離で仕事をするのが適切だと考えていますので、そのような観点からどなたの応援もしません。皆さん選挙に出る方々ですから、皆さんの応援はさせていただいています。
○記者
米の増産について、需給バランスとはまた別の観点ですが、農業者からは人手不足の中で急に主食用米を増やすのは難しいという意見もあります。また、長い目で見ると、増産に転じた場合にまた主食用米価格が下落するという懸念もあります。今後、国が水田政策を議論する上で、米の生産県として注意してほしい点があれば教えてください。
○知事
米の流通過程も含めて、今どれだけの米が市場の中にあるかが全く見えないという状況になっていること自体を解消しないといけません。
備蓄米は政府が保管しているものであり、100万トンが保管されています。
また、民間の倉庫にも、何年か前の米はあるはずであり、そういうことも含めて、今この日本国中にどれだけの米があるかということを、正確に把握しないと需給バランスは取れません。だからそこからまずやらないといけないと考えています。
○記者
ホタテについて、月内に総合戦略をパッケージで出すというお話でした。先ほど持続可能な産業にすべきというお話もありましたが、漁師や加工場の皆さんが求めているような短期的な対応や、高水温や餌不足などの中長期的な対応が必要なところ、両方あるかと思います。月内に示す政策の中で、県としての込める思いをお聞かせください。
○知事
そういった点も含めてまとめていますので、発表までしばらくお待ちください。
○記者
米の話ですが、どういうふうに流通しているかわからない部分が問題だということでしたが、一番の原因になっている部分はどこだとお考えですか。
○知事
米のストックの総量を把握していないことです。総量が分からなければ、供給側の供給曲線が作れないので、価格は決まりません。供給側として、どれぐらいストックがあるかが分からなければ、どれぐらい増産したらいいか、どれぐらい減産したらいいかも判断できません。
その結果、ある日突然需給バランスが逼迫して、米の値段がどんどん上がっていくことになったり、逆に作りすぎて米の値段が下がってしまったといった話になる可能性もあります。
そのため、ストックベースでどれぐらいあるかを、まず把握すべきであるという話をさせていただきました。
○幹事社
最後に知事からお願いします。
○知事
先日、高校総体の視察に行ってきまして、高校生たちがはつらつとスポーツに励む姿を見ました。種目としてはアーチェリー、ソフトテニス、バスケットボールを見ましたが、青春の輝きの瞬間を見ることができて、私自身もすごく感銘を受けました。
また、昨日、高校サッカー史に残る大きな出来事がありました。全国でも強豪校の青森山田高校を破り、野辺地西高校が初めて高校総体の全国大会出場を決めました。400勝を超える連勝、25連覇がかかるプレッシャーの中、あれだけの戦いを見せてくれた青森山田高校、毎年挑戦を重ねて今回勝ち上がり、全国の舞台に行く野辺地西高校、両校をたたえたいと思いますし、誇らしく感じています。
今回、野辺地西高校の皆さんから、挑戦することの意味を学びました。また、負けから学ぶことも多いと思いますので、青森山田高校も挑戦を続けてさらに強いチームになってくれると期待しています。
高校生から挑戦の大切さを学んだ数日間でした。私自身も挑戦を支え、挑戦する県庁の一人として挑戦し続けたいと考えています。みんなで挑戦する青森県を目指していきましょう。ありがとうございました。
ただ今から定例記者会見を始めます。
まずは知事から報告をお願いします。
○知事
【あおもりキッズシッター利用支援の開始】
あおもりキッズシッター利用支援事業を開始いたします。
「突発的な事情で保育をお願いしたい」、「もっと社会参加したい」、「リフレッシュしたい」といった子育て世帯のニーズに応えるため、保護者のキッズシッター利用を支援します。
助成対象は、県の認証事業者が派遣するキッズシッターの利用料で、今月から助成開始となります。
保護者の利用場面としては、通院、残業、冠婚葬祭、サークル活動、趣味の時間、リフレッシュ、兄弟姉妹の学校行事など、幅広く対象にしたいと考えています。
利用対象は、小学校就学前の児童がいる保護者で、1人当たり年120時間が上限となります。
助成金額は、1時間当たり400円が保護者の自己負担となるように設定しています。なお、1時間当たり2,100円が助成の上限です。
認証事業者は、現時点では青森市、弘前市、三沢市の3市にある5事業者です。ぜひ多くの事業者の方々に参加していただきたいと考えています。個人事業主も認証の対象となり、これを機に新規事業を立ち上げた場合にも対象となります。多くの事業者に参画いただき、青森県の中で新しい保育の形を追及していきたいと考えています。
利用の流れとしては、まずご自身で認証事業者を選択し、契約をしてシッターの派遣を受けた後、派遣されたシッターの利用料を支払います。その後、利用者が県に対して助成金を申請し、県から助成金を支払います。
今年はこのような形でスタートしますが、今後事業を進めていくに当たって、より利用しやすいような環境を作っていきたいと考えています。
詳細については、県のホームページをご覧ください。
【治療・受療リテラシー向上事業について】
健康寿命の延伸を目標に、「治療・受療リテラシー向上事業」として、新たな取組を始めます。
具体的には、血圧に着目した取組です。青森県では、40歳以上の県民の5人に1人が高血圧症の未治療者であり、人数にすると約14万9千人と、県民全体の10人に1人以上が未治療者となっています。上が140、下が90以上の方は高血圧ですので、治療が必要な場合があります。
高血圧治療ガイドラインによると、日本の脳心血管病死亡の最大の要因は高血圧となっています。脳心血管病による死亡は、血圧の上昇とともに上がっていて、全脳血管病死亡の50%、脳卒中死亡の52%、冠動脈疾患死亡の59%が、上が120、下が80を超える血圧高値に起因すると言われています。
そこで、青森県では、「高血圧ゼロの県」を目指して取組を始めます。
これまでは、食生活の改善や運動による健康づくりで平均寿命や健康寿命にアプローチしてきましたが、この取組は直接医療の力を借りて、健康寿命増進や死亡率の低下に努めます。
具体的には、2つのキャンペーンを実施します。
まず1つ目は「高血圧症未治療ゼロチャレンジ」で、血圧が高く、初めて降圧剤を処方された方が対象です。応募により、クオカード1万円分やスマートウォッチなどが当たります。ぜひ高血圧の治療を開始してご応募ください。
2つ目は「血圧未測定ゼロチャレンジ」で、血圧を10回測定すると応募できるという仕組みです。クオカードや減塩商品などの企業からの協賛品が当たります。健康な方にもぜひ取り組んでいただきたいですし、身近な人にもチャレンジを推奨してください。
いわゆる「クリニカル・イナーシャ」という、治療が必要であるにもかかわらず、治療に結び付かない人たちへのアプローチとして、このような取組を始めます。高血圧はさまざまな病気の原因となりますので、血圧を測定して、正しく治療して、太く、長く生きていきましょう。キャンペーンの詳細は、それぞれの特設サイトをご確認ください。
【青森空港有料道路の無料開放に向けて】
青森空港有料道路について、令和9年7月中の無料開放に向けた準備を進めてまいります。
関係機関との調整や料金所等の対策工事が必要であるため、すぐに無料開放することは難しいのですが、交通に支障のない範囲で対策工事を進めながら、令和9年7月中の無料開放に向けて取組を始めていきます。
【質疑応答(報告案件について)】
○幹事社
それではただ今の報告に対する各社からの質問としますが、質問は簡潔になるようご協力をお願いします。質問のある方は挙手をお願いします。
○記者
高血圧ゼロキャンペーンについて伺います。青森県は平均寿命が男女共に全国最下位という状況です。寿命を延伸するためには、今まで高血圧で亡くなっていた若い世代の参加も必要だと思います。知事としては、特にどういう年代の人たちにこのキャンペーン参加を呼びかけたいとお考えでしょうか。
○知事
私は、働く世代への取組が一番大事だと考えています。青森県の平均寿命が低いのは、70~80代の方々が長生きできないということではなく、全世代の死亡率が高いことが原因です。
その中でも、脳血管疾患や心疾患が原因で死亡率が高くなっていますので、40代から60代の働く世代の皆さんには、この取組にぜひ参加していただきたいと考えています。
○記者
関連して、未測定ゼロキャンペーンも実施するとのことですが、家に血圧計がある方は少ないのかなと思います。そもそも病院にかからない人たちに血圧を測定してもらうという施策だと思いますが、どのような機会に測定することを想定されていますか。
○知事
公共施設のいたるところ、例えば図書館や公民館、スポーツ施設などには、血圧測定器が設置されています。そういった場所での測定をきっかけに、測定が日常化すると良いと考えています。
また、最近はスマートウォッチも普及していますので、それぞれのスマートウォッチで血圧を気にしていただくことも大事だと考えています。
○記者
空港有料道路の無料開放について伺います。どういった理由で無料開放することに至ったのか、そこに知事としての思いがあれば教えてください。
○知事
償還期限が近づいており、借入金残高を順調に償還しています。
それ以降も有料にするという選択肢もありますが、津軽地域から青森市へ抜けるルートの確保や、青森空港の利用のしやすさという観点からも、無料にした方がいいと判断しました。これから、その準備を進めていくということでご理解ください。
○記者
無料開放期間までに、現在残っている債務は返済される見通しということでしょうか。
○知事
基本的にはそのような見通しを立てています。
○記者
対策工事とは、具体的にどういった工事が必要になるのでしょうか。
○知事
料金所の撤去や、右折レーン、空港へ入る道路のレーン設置などが必要になると考えています。
○記者
現在、往復割引の実証実験が行われていますが、これは令和9年7月まで実施して、その終了と共に無料化が行われるという認識でよろしいでしょうか。
○知事
往復割引をいつまで実施するかについては、まだ決定していません。今日の発表は「令和9年7月中に無料開放する」という発表に留まるものです。
○記者
キッズシッターについてお伺いします。キッズシッターを利用していただくに当たっては、事業者の数がまだ不足している状況だと思います。知事として、どの程度の規模の事業者が必要とお考えでしょうか。
○知事
供給側を整備するためにも、この事業を作っていますので、とりわけ市レベルでは、多くの事業者に参画していただきたいと考えています。
適正な規模ということについては、現時点では申し上げることは難しいですが、できるだけ多くの事業者に参画いただくことで、各地で保育が充実した環境が整うことになります。この発表や皆さんの報道を契機に、制度が広がってこのキッズシッターの事業者も増えてくれることに期待しています。
○記者
キッズシッターについて、予算規模を教えてください。
○知事
担当からお答えします。
○こども家庭部
予算額は約2,200万円になります。
○記者
県の認証を受ける必要があるとのことですが、どのような条件で認証を受けられるのでしょうか。
○こども家庭部
居宅訪問型保育事業者として、県または中核市である青森市、八戸市に届出を行っていただく必要があります。
○記者
空港有料道路について伺います。先ほど、利用のしやすさという政策判断で無料開放に向けた準備を進めるとご説明いただきました。この利用のしやすさとは、どういった部分のことで、無料開放によって期待される効果をもう少し詳しくお聞かせください。
○知事
無料になることで、有料のときよりも多くの皆さんに使っていただけると考えています。
○記者
この道路の位置付けについて、どういった方が利用されている道路で、無料開放によってどのような利用が増えるとお考えでしょうか。
○知事
基本的には、浪岡から青森市内への通行が多いと考えています。そのため、地域の一体感の醸成にもつながると考えています。また、津軽地域と青森市を結ぶルートとして、ネクスコの管理する高速道路、国道7号、そして今回の空港有料道路の3つがありますが、選択肢が広がることで利便性が高まると期待しています。
○記者
令和9年7月中の無料開放とのことですが、これは債務の償還期限に当たる期間という理解でよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
これに向けて債務を解消する目途がたったため、無料開放に向けて準備を進めるということでよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
高血圧事業に関連して質問させていただきます。県ではこれまでも減塩などにより健康増進に取り組んできた経緯がございますが、今回の高血圧対策は、短命県返上に向けた効果的な対策かと感じました。知事の受け止めや思いをお聞かせください。
○知事
要所をとらえた対策が必要だと考えています。各種の取組を通じて、青森県の平均寿命の絶対値は上がっています。全国の各都道府県に比べると低いかもしれませんが、世界的な水準でみると、青森県の平均寿命も低いわけではありません。この要所はどこだろうという話をした時に、もちろん運動や食事などによる健康づくりや健診制度も大事です。しかし、病気に直接アプローチする部分はどこかといえば、やはり高血圧だということで、今回このような政策の形にしました。多くの皆さんに取り組んでいただけることで、確実に死亡率が低くなると考えています。
○記者
キッズシッターについてお伺いします。助成金額について、1時間当たり400円が自己負担となるように設定しているとのことですが、この算定根拠があれば教えてください。
○知事
担当からお答えします。
○こども家庭部
同様の事業である「こども誰でも通園制度」は1時間当たり300円、一時預かり事業は1回当たり300円の自己負担となっていますので、こういった事業との均衡を考えて1時間当たり400円と設定しております。
○記者
空港有料道路の無料開放についてです。現行の料金徴収期間は令和9年7月まで延期されています。この時期までの料金徴収で債務を償還できる見通しが立ったため、この時期に設定したという理解でよろしいでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
この時期の開放に向けて国交省との調整を開始しているということは、この時期よりも早く債務が償還できた場合でも、無料開放が早まる可能性はないということでしょうか。
○知事
無料開放が早まることは恐らくないと考えています。開放に向けては工事が必要であり、工事の設計や施工には時間がかかるためです。令和9年7月までに準備が整うような形にしていきたいと考えています。
○記者
その他の有料道路に関しては、同じように国交省などと協議を進めていらっしゃるのでしょうか。
○知事
みちのく有料道路や第2みちのく有料道路については、それぞれ償還期限がまだ先になっていますので、具体的な協議をする段階ではありません。
○記者
高血圧キャンペーンについて、実際に利用者の方に話を聞いたところ、ご褒美があると嬉しいという方もいらっしゃる一方で、医師に聞くと、高血圧は症状に乏しく、無症状であるため危機感を感じない人が多い点を特に課題として挙げていました。そのあたりをどのように克服していくのかということが、大きなポイントになってくると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○知事
今回のキャンペーンは2つあり、未治療チャレンジの方は、まさに治療が必要な人を対象にしていますが、未測定の方は、自分の血圧を知ることが大事だというキャンペーンですから、今のご質問については、この血圧未測定ゼロチャレンジの方でフォローしていきたいと考えています。
○記者
都道府県別の平均寿命を見ると、青森県はかなり差があっての47位ということになっていますが、この事業を進めていく中で、短期的または長期的な数値目標などは設定されていますか。
○知事
今のところ数値目標は設定していません。県民の皆さんにどの程度取り組んでもらえるか、私たちも挑戦しながら進めていきます。やればやるほど高血圧の方が減ることは間違いありませんので、市町村とも連携して、しっかりと進めていきたいと考えています。
○記者
有料道路の無料開放についてお伺いします。国交省など関係機関との調整を開始したとのことですが、どういったことを調整していらっしゃるのでしょうか。また、この調整の過程で懸念点等があって、令和9年7月中の無料開放が延期になる可能性はないのでしょうか。
○知事
有料道路の料金については国土交通大臣の認可事項であるため、そういったところの調整がまず必要です。特に懸念点はありませんが、調整が必要な事項があるため、このように手続きとして記載しました。
○記者
対策工事の設計に着手するとのことですが、工事スケジュール等が固まっていれば教えてください。
○知事
現時点で細かい話は決まっていませんが、令和9年7月の無料開放に向けて、令和8年の冬、雪が降る前までには終わらせたいと考えています。
○記者
関連して、現状の料金徴収は受益者負担の考え方に基づいているかと思いますが、無料開放によって県の負担がどれだけ増えるのか、試算はございますでしょうか。
○知事
まずご理解いただきたいのは、有料道路制度というのは、建設費を料金で賄うというのが原則です。今回の場合は、最大60年間で建設費を償還したら、無料となるのが前提となっています。その後、県として負担が増えるということは、もともと折り込んでいる話です。
具体的に今回この道路を無料開放した後、道路の維持費が年間どれぐらいかかるかということについては、担当からお答えします。
○県土整備部
空港有料道路は、延長でいうと1.7キロほどございます。無料になると、通常の一般道路の管理と同じになりますので、無料開放にしたからといって負担が大きく増えるということはありません。現時点では、概算でいくらかという算定はしていませんが、通常の維持管理を行う予定でございます。
○知事
大幅に負担が増えるわけではないということです。
【質疑応答】
○幹事社
次に、報告以外の案件に対する質問に移ります。まずは幹事社の方から質問させていただきます。
知事選の投開票からまもなく2年がたち、任期の折り返しを迎えます。知事はこれまで、子育て支援や教育改革、物価高騰対策などに取り組んできました。
この2年間のさまざまな改革で大きく前進した分野、これから力を入れていきたい分野についてお聞かせください。
また、思いどおりに進んでいないと考える分野があれば、その理由と今後の意気込みをお聞かせください。
○知事
この件については、この場で短くお答えできるような話ではありませんので、別に時間を取って、もう少し政策分野を絞って、ご質問いただきたいと考えています。就任2年目に関する話については、各社そのような対応をお願いします。
○記者
知事就任後、青森県再生可能エネルギー共生条例の策定など、先進的な取組を進めていらっしゃると認識しています。脱炭素社会の実現に向けて風力発電の導入も進んでいますが、秋田県では風車事故等もありましたので、自分事として心配していらっしゃる住民の方もいらっしゃるかと思います。
安全対策について、事業者に望むこと、また知事としてのお考えをお聞かせください。
○知事
秋田県で発生した事故により、お亡くなりになられた方には心よりご冥福をお祈り申し上げます。
風力発電は基本的に、事業者が設置し運営する事業ですので、安全対策については事業者の方でしっかりと責任を持って取り組んでもらいたいと考えています。
○記者
共生条例と共生税条例についての事業者説明会が開催されていると伺っておりますが、条例は7月1日の施行ということでよろしいでしょうか。
○知事
共生条例は7月1日から施行されます。税条例は、総務省との協議の結果を見てからとなります。
○記者
現状では未定ということでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
政府の備蓄米の対応についてお伺いします。現在、米の価格高騰への対策として、国が随意契約で備蓄米の売り渡しを始めています。県内ではまだ店頭に並ぶのは先のようですが、一般の銘柄米の価格低下などに向けて、この施策は有効なものだとお考えでしょうか。また、5キロ当たりの米の適正価格について、知事としてはどの当たりが適正価格だとお考えか教えてください。
○知事
まず、米の価格制度についてご説明しますが、かつては1942年の食糧管理法に基づき、公定価格で決められていました。1995年にこの食糧管理法が廃止されて以降、需要と供給のバランスで価格が決められるようになりました。その一方で、減反政策や生産調整が行われてきたという背景があります。
今回の国の対応は、米の小売価格に対して直接アプローチするという意味では、食管法廃止以降の大きな政策転換であると受け止めています。
備蓄米の2,000円という価格が適正かどうかということについては、私は判定できません。なぜなら、これは通常の需給バランスとは関係ない世界の中で流通しているためです。一方で、消費者に広く受け入れられる価格になっていると報道を通じて把握しており、緊急的な物価高騰対策として、スピード感を持った非常に優れた対応であると受け止めています。
備蓄米以外の銘柄米について、5キロ当たりの適正価格は、知事が決めるものではありません。適正価格は、需要と供給のバランスによって決まるものですから、私から具体的な金額を申し上げることはできません。
○記者
昨日発表がありました特定利用空港・港湾の指定の受け入れについてお伺いします。指定を了承したことの理由として、まずインフラ整備が進むことが期待されるということと、災害時の避難などが円滑に進むことの大きく2点あったかと思います。
インフラ整備に関して、例えば道路や空港・港湾関連設備の整備、あるいは現在やっている事業の促進など、国に力を入れてもらいたいことはございますか。
○知事
現状、特にありません。
○記者
下北地域の統合校についてお伺いします。先月行われました、県教育委員会の地域住民向け説明会では、むつ工業高校の敷地内で校舎を新築せず、現在ある校舎を改修して使い続ける可能性について、初めて言及されました。
参加者からは、計画の白紙撤回を求める声も相次いでいましたが、知事として教育委員会にどのような対応を求めたいかお願いします。
○知事
教育委員会でしっかり検討していただきたいと考えています。また、地域から白紙撤回の声が出ることは当然のことだと考えています。
○記者
白紙撤回の声が出るのは当然だというのは、どういうことでしょうか。
○知事
今までの説明と異なる方針を示して、その説明がしきれていないわけですから、白紙撤回の声が出ても仕方がないと考えています。
○記者
先月、むつ市教育委員会から県教育委員会に対して、方針が決まってからではなく、決まるまでの間もしっかり情報共有してほしいという要望も上がっていました。その当たりについてはどのようにお考えでしょうか。
○知事
県教育委員会とむつ市、むつ市教育委員会の中でしっかり整理をして、丁寧な議論を進めていただきたいと考えています。
○記者
陸奥湾ホタテについてお伺いいたします。先日、6月中に県としての総合対策をとりまとめるという考えを示されましたが、総合対策のとりまとめの時期と柱となる内容があれば教えてください。
○知事
6月中にしっかりまとめて発表したいと考えています。
○記者
各漁協や漁連からの要望を受けた内容を踏まえた結果ということでしょうか。
○知事
そのとおりです。
○記者
昨日、平内町漁協が自民党県連に要望した際、県連会長が知事とも認識を共有しているということで、国への要望も一緒に行うことを模索している方向だという発言がありましたが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
○知事
報道でその内容を知りまして、そのように進んでいるのだろうと受け止めています。
○記者
県産りんごについてお伺いします。先週、農水省から発表がありまして、県産りんごの収穫量が2年連続で40万トン割れになりました。今年も大雪の影響で減収が見込まれると思いますが、今後の見込みなどについて、お考えがあれば教えてください。
○知事
収量予測は、毎年8月に発表していますので、8月の発表をお待ちください。
○記者
県政と直接関係しない話題で恐縮ですが、プロ野球・巨人元監督の長嶋茂雄氏が今朝亡くなられました。県内の野球少年や高校球児に大きな影響を与えた人物かと思います。
知事自身の訃報の受け止めと、長嶋さんにまつわる思い出などありましたら、ぜひ教えてください。
○知事
まず、長嶋茂雄さんご逝去に際し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私は小中学生の頃、野球をやっていましたが、その当時は、テレビ中継は巨人戦が中心でしたので、巨人が好きか嫌いかで分かれていたと思います。我が家では、父親や弟も含めてみんな巨人が好きで、私が最初に買ってもらったグローブも、原辰徳さんのモデルのものでした。
私の父は長嶋さんの活躍を知る世代でしたので、長嶋さんのエピソードは父からたくさん聞いていました。チャンスに強くて、愉快な性格で、みんなを明るくする人だということで、まさに昭和のスターであり、野球少年にとっての憧れの存在であったと聞いています。松井秀喜さんとともに国民栄誉賞を受賞したシーンなども思い起こされます。
今ご質問いただいて知ったので、大変ショックを受けています。野球界のスターの先駆けとなる方であったと感じています。
○記者
中国による水産物の禁輸措置の解除について伺います。知事コメントも出していただきましたが、改めて受け止めをお聞かせください。また、県としては禁輸措置を受けて販路拡大に向けた取組を進めてきたと思いますが、今回のこの解除を受けて、県の方針に変更点等はございますでしょうか。
○知事
この禁輸措置は、非科学的で非合理的なものでしたので、解除されたことは当然のことだと受け止めています。私も中国に行く機会があったので、このことについては中国政府に申し入れています。今回の成果は、政府一丸となった取組の成果であり、結果が出てよかったと感じています。
今後、県の対応が変わるということはなく、ひとつの国に偏るリスクを解消しなければならないと考えているので、欧米も含めた販路の開拓は必須であると考えています。そのため、中国だけではない輸出相手国をさまざま模索していくという県の方針に、特に変更はありません。
○記者
ホタテについてお伺いします。陸奥湾産ホタテはかなり厳しい状況が続いていて、加工業者でも高値で材料を買わざるを得ない状況にあるかと思います。
そうした中で、漁業関係者からはホタテ離れを懸念する声も上がっていますが、県としてそうしたホタテ離れに対してどのように対処していくか、国内外への販売について何か考えがありましたら教えてください。
○知事
実際にホタテ離れが起こっているというデータがあればぜひ教えてください。現時点では、高い値段であっても、一定の需要はあると見ています。
我々はホタテの生産県ですから、持続可能な形でホタテの生産ができて、生産に携わっている方々が安定した収入が得られる環境を、どのように作っていくかということが大事だと考えています。消費者への対応は、全体の物価高騰対策により対応するものだと考えています。
○記者
クロマグロの資源回復について伺います。昨日、水産庁からもクロマグロの資源の追加枠について発表がありました。青森県の大型魚の枠がまた増えましたが、その部分について受け止めをお願いします。
○知事
漁獲枠が広がるということは、大変良いことだと受け止めています。クロマグロの漁師の皆さんや水産関係者からは、資源は回復しているどころか増えていると伺っています。
クロマグロの漁獲量は、国際機関が世界的な漁獲枠を決めて、その割り当てが日本にきて、さらにその割り当てが青森県にきて各漁協に割り当てられているという仕組みです。まず、国際枠を確保するということが大事なので、ぜひ国としても2年に1回の会議等で漁獲枠の確保に向けて頑張っていただき、より一層クロマグロを捕獲できるような環境を作っていただきたいと考えています。
○記者
2015年から小型クロマグロの漁獲規制が実施され、漁業者も努力を続けてきましたが、最近では漁獲枠がもともと少なかった八戸など太平洋側で、定置網にマグロが入ったりして、被害も出ていると伺っています。こうした状況について、何か対策などお考えになっていることはありますか。
○知事
その点については我々には権限がありません。国としてしっかり枠を確保して、その枠を私たちに提供いただければ、網に入ったマグロを戻す必要もなくなります。枠がない場合、捕獲したマグロを放流せざるを得ませんが、その際にマグロが生きているかどうかは不確かです。
それは逆に資源を無駄にしているような気がするので、そういったことも含めて、国でしっかり考えていただきたい。新しい農林水産大臣にはぜひクロマグロのことも頑張っていただきたいと考えています。
○記者
青い森鉄道の青い森セントラルパークへの新駅整備構想についてお伺いします。
昨日、知事も出席された青い森鉄道線の利活用推進協議会の総会で、青い森鉄道の事業計画の説明があり、その中に、新駅設置の検討状況を踏まえて、必要な協力をするという文言が新たに盛り込まれました。改めて、新駅設置に関する現在の検討状況をお伺いします。
○知事
これから青森市と連携して、需要調査を進めていきます。
○記者
この件に関して、青森市の西市長が我々の取材に、知事とは新駅を整備することで話がついていると明言しました。知事と市長の間で新駅整備の確約がなされたのか、事実関係をお聞かせください。
○知事
確約というよりも、調査をして整備に向けてお互い進んで行きましょうというお話はもちろんさせていただいています。
○記者
あくまで確約ではないということですね。
○知事
それは言葉遊びで、確約かどうかということに意味があるとは考えていません。
○記者
検討に関して、調査や検討のスケジュールなど、いつまでに結論を出すかの予定はございますでしょうか。
○知事
まずは調査をしてみなければ、駅の需要があるかどうかはわかりませんので、これからしっかり需要調査をするということが第一段階だと考えています。
○記者
需要調査の実施時期について、いつ頃までにというのはありますか。
○交通・地域社会部
青森市とはこれから、どういう調査をしていくべきなのか、どういう体制でやっていくのかなどを詰めていきたいと思っています。
その結果を踏まえて、どういうふうな予算計上をしていくのか、いつになるのかを判断したいと考えています。
○知事
少なくとも今年度の予算にはまだ入っていません。
○記者
米の話に戻りまして、一連の米価の高騰などを受けて、米の増産というところが国の方で議論に挙がるようになりました。
この米の増産に関する議論について、現段階で知事として何かお考えございましたらお伺いします。
○知事
増産は当然のことだと思います。現在、備蓄米が71万トン不足しており、今年度は全国で40万トンの増産が計画されています。そうすると、普通の主食用米の需給バランスでいったとしても、備蓄米に回す分が31万トン不足するということであり、来年度も需給バランスは改善せず、むしろ価格が上がる可能性があります。
再来年度どうするかという話が大事で、青森県の水田はまだポテンシャルがあって、飼料用米の水田や大豆、輸出用米など、主食用米の田んぼに回すところはいくらでもあり増産は可能です。ただ、適正価格というのは、需給バランスで決まるわけですから、国が需給をどのようにコントロールできるかにかかっていると考えています。
○記者
増産すべきだというふうなお話で、青森県も米どころのひとつであります。増産することについて、県として県内の米農家の皆さんに対してどのように取り組んでいきたいかなどのお考えはございますか。
○知事
あくまでも経済の原則でいくと、需要があれば供給した方がいい、作ればいいという話になります。国全体で米がどれぐらい必要なのかという需要の部分は、今年度のはもう作ってしまっていますが、来年度の分は、今年度の9月から来年作付けするまでの需給バランスを見て増やすかどうかを決めていくという、ただ単にそれだけのことだと思います。
○記者
米の増産の一方で、米農家の酒米から主食用米への切り替えが進んでおり、酒造会社にとっては深刻な問題となっています。各県を見ると市町村単位での助成が多い現状かと思いますが、県としての考えや受け止めをお伺いします。
○知事
経済の基本構造の話になりますが、仮に酒米が高くなったとしても、お酒の価格に転嫁できれば必ず利益は出ます。価格に転嫁できないほど原材料の米の値段が上がっているということであれば、何らかの措置が必要です。しかし、現時点で支援が必要かどうか、まだ見極めができていません。
これは酒米だけではなく、飼料用米も同様で、鶏肉や豚肉、牛の値段が上がった分を価格に転嫁できなければ、事業者が経営的に大変な状況になります。
問題の根幹は、給料が上がらないことにあると考えています。物価が上がる以上に給料が上がっていれば、問題にならないはずです。
そのような経済の好循環を作り出す仕組みを政府は作らなければならないし、政府の取組を私たちが応援しなければなりません。物価高騰対策だけやっていても、必ずどこかで支障が出て、何も生まれません。
そこはすごく大事なポイントだと思うので、県の応援というよりは、経済成長の基本の循環を作り出していく国の政策が今最も求められていると考えています。
○記者
物価高騰対策についてお伺いします。東京都が物価高騰対策として、都内全ての一般家庭を対象に、今年の夏の水道の基本料金を4ヶ月分無償化することを発表しました。これに必要な経費は368億円とのことです。他県の知事からは、東京都以外の道府県ではできないと思う、財力があるからこそできる政策だ、というような意見もありました。
この取組に対して知事のお考えや、受け止めがあれば教えてください。
○知事
東京都がさまざまな改革の中で捻出した財源でやっている政策ですので、そのことについて私から何かコメントすることはありません。
○記者
今年の7月、青森県での全国知事会議の開催を控えています。例年の全国知事会議では、東京一極集中や偏在是正などが話題になっていると思いますが、今回の知事会議でどういった議論をしたいかや、どういったところを集中的に議論したいかなどがあればお考えを伺います。
○知事
それは会議当日を楽しみにしていてください。
○記者
私も米の関連でお伺いします。
先ほど知事も増産すべきだというお話がありましたが。
○知事
少なくとも需要が追い付いていない今の状況では増産すべきだという話で、ずっと増産すべきだということではありません。
○記者
その流れで、飼料米や大豆等から水田に戻せるところもあるというお話もありましたが、今後の国の農政改革について、現在も飼料米に誘導するような政策補助金がある中で、期待するところがあればお伺いします。
○知事
農政改革はマグロも含めてあらゆる場面で必要ですが、米に関しては、需給バランスを把握してほしいということだけです。
米を作ったのにどこに行ったかわからないという状況になって、今混乱が起こっています。流通の全過程が明らかになっておらず、現時点で誰がどれぐらいストックを持っているかも分からないという状況を改善しなければ、需給バランスを取って適正価格、つまり国、消費者、生産者それぞれが適正と思える価格にはなっていかないと考えています。
○記者
生産現場というよりもまずは流通の部分を第一に取り組むべきということでしょうか。
○知事
生産から消費者に渡るまでの全体像がはっきり見えるようにすることが大事だと考えています。
○記者
政務の関係でお伺いします。7月3日に今年の参院選が迫っております。知事としてどなたかの応援の依頼があった際には、応援演説に立つ可能性があるのかどうかお伺いします。
○知事
青森県内では応援演説の予定はありません。
○記者
その理由をお伺いしたいのと、県内ではというのは、県外ではあるのでしょうか。
○知事
県外では、国土交通省の先輩が出馬を予定していますので、そこは検討していますが、少なくとも本県での候補者の応援に立つということはありません。
知事としては、各政党と等距離で仕事をするのが適切だと考えていますので、そのような観点からどなたの応援もしません。皆さん選挙に出る方々ですから、皆さんの応援はさせていただいています。
○記者
米の増産について、需給バランスとはまた別の観点ですが、農業者からは人手不足の中で急に主食用米を増やすのは難しいという意見もあります。また、長い目で見ると、増産に転じた場合にまた主食用米価格が下落するという懸念もあります。今後、国が水田政策を議論する上で、米の生産県として注意してほしい点があれば教えてください。
○知事
米の流通過程も含めて、今どれだけの米が市場の中にあるかが全く見えないという状況になっていること自体を解消しないといけません。
備蓄米は政府が保管しているものであり、100万トンが保管されています。
また、民間の倉庫にも、何年か前の米はあるはずであり、そういうことも含めて、今この日本国中にどれだけの米があるかということを、正確に把握しないと需給バランスは取れません。だからそこからまずやらないといけないと考えています。
○記者
ホタテについて、月内に総合戦略をパッケージで出すというお話でした。先ほど持続可能な産業にすべきというお話もありましたが、漁師や加工場の皆さんが求めているような短期的な対応や、高水温や餌不足などの中長期的な対応が必要なところ、両方あるかと思います。月内に示す政策の中で、県としての込める思いをお聞かせください。
○知事
そういった点も含めてまとめていますので、発表までしばらくお待ちください。
○記者
米の話ですが、どういうふうに流通しているかわからない部分が問題だということでしたが、一番の原因になっている部分はどこだとお考えですか。
○知事
米のストックの総量を把握していないことです。総量が分からなければ、供給側の供給曲線が作れないので、価格は決まりません。供給側として、どれぐらいストックがあるかが分からなければ、どれぐらい増産したらいいか、どれぐらい減産したらいいかも判断できません。
その結果、ある日突然需給バランスが逼迫して、米の値段がどんどん上がっていくことになったり、逆に作りすぎて米の値段が下がってしまったといった話になる可能性もあります。
そのため、ストックベースでどれぐらいあるかを、まず把握すべきであるという話をさせていただきました。
○幹事社
最後に知事からお願いします。
○知事
先日、高校総体の視察に行ってきまして、高校生たちがはつらつとスポーツに励む姿を見ました。種目としてはアーチェリー、ソフトテニス、バスケットボールを見ましたが、青春の輝きの瞬間を見ることができて、私自身もすごく感銘を受けました。
また、昨日、高校サッカー史に残る大きな出来事がありました。全国でも強豪校の青森山田高校を破り、野辺地西高校が初めて高校総体の全国大会出場を決めました。400勝を超える連勝、25連覇がかかるプレッシャーの中、あれだけの戦いを見せてくれた青森山田高校、毎年挑戦を重ねて今回勝ち上がり、全国の舞台に行く野辺地西高校、両校をたたえたいと思いますし、誇らしく感じています。
今回、野辺地西高校の皆さんから、挑戦することの意味を学びました。また、負けから学ぶことも多いと思いますので、青森山田高校も挑戦を続けてさらに強いチームになってくれると期待しています。
高校生から挑戦の大切さを学んだ数日間でした。私自身も挑戦を支え、挑戦する県庁の一人として挑戦し続けたいと考えています。みんなで挑戦する青森県を目指していきましょう。ありがとうございました。
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