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更新日付:2014年1月17日 三内丸山遺跡センター

連載企画『縄文遊々学』

第76回 遺跡地図を知っていますか(1)

 遺跡は過去の人々の生活や活動の痕跡が土地に残されたもので、我が国の歴史と文化の成り立ちを考える上で欠かすことができないことから、国民共有の財産とされています。集落や貝塚、古墳、城跡などさまざまな種類があり、時代の違いも見られます。また、ほとんどが地中に埋まっていますが、その深さもまちまちですし、ごくまれにですが地表に顔を出している場合もあります。
 遺跡は古いものというイメージがありますが、最近では太平洋戦争に関するものも遺跡として保存する例も見られるようになっていますので、50年を経過すると遺跡となることもあるわけです。
 青森県内では現在のところ約4700カ所の遺跡が確認されていますが、自然豊かで暮らしやすい本県ですので、実際にはさらに多くの未知なる遺跡が地下に埋まっているものと考えられます。

 遺跡の存在は、現地踏査や分布調査によって確認されます。基本的には現地を歩き、「脚」で見つけているわけです。畑などでは耕作によって埋もれていた土器や石器などが掘り起こされますので、比較的容易に遺跡かどうか判断できる場合もあります。水田も用水路や畦道などで土器や石器を見つけることができます。しかし、りんご園ですと一面に草が生えて地面を覆っていますので、なかなか見つけにくいと言えます。これらの調査は地権者の了解をいただいて行うことが必要です。
 遺跡をあまり知らない方と分布調査に出かけると、簡単に土器や石器を見つけるので、不思議がられることがありますが、これは慣れてくると地面をざっと見ただけで一目でわかるようになります。土器は焼き物ですし、石器も使用される石の種類はそんなに多いわけではありませんので、経験を重ねると判別はできるようになります。
 ベテランになりますと地形を見ただけで、おおよそ遺跡かどうかの判別が付けられる場合もあります。今も昔も生活しやすい場所は日当たりや風向き、水の確保など共通性があるからです。でも、最後の決め手は土器や石器などの遺物が確認出来るかどうかになります。

 発見された遺跡は直ちに『青森県遺跡台帳』に登録され、そして遺跡地図と遺跡地名表に記載されます。遺跡地図は地形図に遺跡の範囲を示し、遺跡地名表には所在地、遺跡の時代や種類などが書き込まれます。この遺跡地図と遺跡地名表は青森県教育委員会のホームページから見ることができます。
 現在、遺跡の認定や登録は地方分権が進み都道府県教育委員会や政令市に権限委譲されています。台帳に登録された遺跡は周知の埋蔵文化財包蔵地と呼ばれ、文化財保護法による保護の対象となり、その中で行われる工事や発掘調査は原則として事前の届出が必要となり、勝手に地面の掘削が出来なくなります。こうして遺跡は保護されているわけです。
 
※遺跡地図は「青森県遺跡地図」(http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-bunka/isekitizu.html)で見ることができます。
  • 青森西部の遺跡地図
    青森西部の遺跡地図 

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電話:017-782-9463  FAX:017-781-6103

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