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更新日付:2021年3月29日 総合政策課

青森の価値を生み出す人たち~イラストレーター 柿崎こうこさん~

柿崎こうこさん
【プロフィール】
 青森市出身、東京都在住。イラストレーター。セ ツ・モードセミナー美術科卒業。
 食をはじめ、美容、健康、旅などライフスタイルをテーマに、雑誌や書籍、広告媒体などで活躍中。
―柿崎さんが東京でイラストレーターとして活動することになった経緯と、現在の仕事内容について教えてください。
 子どもの頃から絵を描くのが好きで、漠然とイラストレーターや漫画家に憧れていました。
 高校卒業後は、地元のデパートに数年間勤めていたんですが、どうしても絵を描く仕事があきらめきれなくて…。
 それで、東京の美術専門校に入学し2年間デッサンを勉強しました。
 現在は、雑誌や書籍、広告媒体などでイラストレーターとして活動しています。
―仕事をする上で青森とのつながりはありますか?
 以前は、あまり機会がなかったのですが、十数年前にイラストエッセイを出版したことを機に青森とのご縁が生まれました。
 現在は、地元の新聞や県の広告媒体などでもお仕事をさせていただいています。
―青森の県民性についてどのように感じますか?
 青森にはシャイな人が多いですよね。外から来た人や旅行者に対して最初は少し距離をおきますが、何かの拍子に急にフレンドリーになる。
 以前、青森に遊びに来た東京の友人から、「青森の人は、北欧のフィンランドの人に似ているよね」と言われたことがありました。
 彼女曰く、フィンランドの人も最初はシャイな感じだけど、ひとたび打ち解けると温かくて本当に優しい人ばかりだと。それを聞いて、北国ならではの気質というか、共通点があるのかなと思いました。
―東京、また青森での暮らしはいかがでしょうか?
 東京で暮らして約30年になりますが、デメリットは家賃や物価が高く生活コストがかかること。
 一方で、青森のデメリットは、強いて言えば交通の利便性が良くないことでしょうか。
 青森は車での移動が主流ですが、高齢化が進む中、ミニバスのような小回りの利く乗り物が住宅街の中を走ってくれたらいいのにと思います。
―若い人の中には、クリエイティブな仕事をするためには東京に行かないといけないと思っている人もいます。
 東京に行かなければ、必ずしもクリエイティブな仕事ができないということではないと思います。
 私のようなイラストの仕事もオンラインでのやり取りがメインなので、場所の制約はありません。
 もし、自分を奮い立たせるものが青森にあるのであれば、青森で活動するのもいいと思いますし、あるいは、東京の空気を感じながら仕事をしたいのであれば、一度東京に出るのもいいのかなと思っています。
柿崎こうこさん
―青森を離れてみて、改めて感じる青森の良さはありますか?
 私は自他ともに認める「健康・美容オタク」ですが、青森に帰ってくると肌がきれいになって「青森肌」になるんです。
 でも、東京に戻るとまたすぐに戻ってしまう。青森はそれだけお水がいいんですね。
 青森県民は、普段からそういうお水を飲んだりお湯に浸かったりしているので実はすごく贅沢です。
 私は大の温泉好きなので、帰省した時は家のお風呂には入らずに温泉や銭湯に行きます。
 東京の銭湯は水道水を沸かしたものですが、青森では銭湯のほとんどが天然温泉。
 マイカーに、温泉セットを常備している人もたくさんいますしね。こんな「青森あるある」を東京の友人に話すと、「それってすごくない?」と、驚かれます。
 青森は、食べ物もおいしいですよね。青森に帰る時は、あれとあれは買って帰ろうとか計画を立てて買い物にでかけています。
―他にはない青森の魅力、変わらないで欲しいと思うものはありますか?
 いい意味での田舎の風景、青森らしさは残って欲しいなと思います。
 たまに青森に帰ると、青森の駅前もだいぶ様変わりしたなと感じます。今は、全国どこの駅に降り立っても景色が変わらなくなりました。
 でも、青森のように駅前の路地を入れば昔ながらの駄菓子屋さんや市場があり、人々が行き交う光景が見られるのは本当に貴重です。私自身も、帰省してその光景に出会うと、たまらない気持ちになります。
 県外から来た人は、そうしたその土地でしか出会えない光景や体験できないものを求めているのではないでしょうか。
―青森の可能性について、どのように感じますか?
 東京は人が多いだけに、何か新しいことを始めようと思っても既に誰かがやっているなど、なかなか先駆者にはなれません。
 その点、青森の場合、一番になれる可能性やすき間があると思います。
 また、最近では、全国放送で青森が取り上げられる機会も多くなってきましたが、それでも青森のニッチな魅力はまだまだ知られていません。
 地元の人が当たり前に思っているモノやコトのなかに、大きな可能性が潜んでいるのではないかと思います。
―青森のここが変わって欲しいというところはありますか?
 私自身、イラストを描く仕事をしているので、青森のものづくりにも関心があります。
 以前、取材で、青森のある伝統工芸の現場を訪ねた時に、オーダーメイド品の価格があまりに安くて驚いたことがありました。
 県外からも高く評価されている手仕事であり、首都圏ではもっと高値で売買されているにもかかわらず、地元ではその価値に気づいていない。
 価値に見合った価格を設定し発信することで、青森の魅力や価値を正しく伝えることができるのではないかと思います。
―最後に青森に住む若者へメッセージをお願いします。
 私も一度地元を離れたからこそ見えてきたものも多く、自分が若い時に感じていた「何にもない青森」というイメー ジは大きく変わりました。
 おいしい食べ物や自然環境、温泉資源、青森ならではの文化など、青森にはむしろ東京の人が羨やむ要素がたくさんあります。
 青森に住む若い方たちは地元に誇りを持ち、もっともっと青森を自慢して欲しいと思います。
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※掲載内容は2019年の取材時点のものです。

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