ホーム > 組織でさがす > 環境エネルギー部 > 環境保全課 > (仮称)ウィンドファームつがる風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する意見の概要

関連分野

更新日付:2013年1月7日 環境保全課

(仮称)ウィンドファームつがる風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する意見の概要

環境影響評価準備書

説明会における住民意見の概要及び事業者の見解

  • 建設期間中車輌のNOxを低減するような運転をするのか。
    →建設中は建設業者に対して運転に配慮するよう注意喚起する。
  • 工事車両が増えて二酸化炭素がどの程度増加するのか。
    →一般的な排出値から工事期間中の二酸化炭素は、2~3%程度になると思われるが、現在正確な数値を持ち合わせていない。
  • 今後事業計画が変更になった場合、調査はどうするのか。
    →変更内容にもよるが、必要に応じて再調査するなどする。
  • 風車が回転すると温度変化はないのか?
    →風車の翼が最下部にきた場合でも地上高40m弱もの高さがあるので、影響はないと考える。
  • 風車の音源から地面に振動は伝わるのか?
    →真下でも振動はほとんど伝わらないものと考える。
  • ラジオの電波障害はないのか。
    →当該地と民家の間に中継局がないので問題にはならない。

住民意見の概要

  • 実施区域は湖沼、湿地、林地があり、湿地・草原の鳥類と林の鳥類が生息している。また、北海道と本州を往来する鳥類の玄関口である竜飛崎が北にあることから多種鳥類の移動ルートとその休息地になっており、地理的にも、環境的にも我が国鳥類の保全上極めて重要な地域である。
    特に、事業区域南部の平滝沼、ベンセ沼、大滝沼周辺はチュウヒ、オオセッカ、コジュリンをはじめ各種重要鳥類の繁殖・生息地であり、ガン・ハクチョウ・カモ類の休息地として保全されなければならない。
    本調査の結果からも平滝沼・ベンセ沼・大滝沼周辺の出現鳥類、飛翔行動域等から当地が鳥類保護上重要な地域であることが再確認された。
    環境影響評価準備書掲載の風力発電機の設置位置で鳥類保護上特に不適と判断されるのは、平滝沼北部5地点、平滝沼からベンセ沼西部3地点、大滝沼東部と南部2地点であり、その設置位置を変更すること。
    これらの位置は水鳥や猛禽類のバードストライクや湿地付近に生息・繁殖する鳥類の低周波による生息地の放棄が懸念される。
    本事業全般にわたり発電機稼働後の影響調査を実施し、問題があれば当該発電機の撤去や稼動停止・休止などの是正措置を行うことを要望する。

    →対象事業実施区域はベンセ沼や大滝沼を含む津軽国定公園を外すよう計画したものです。また、本書に記載した配置計画は、チュウヒやオオタカの生息地、行動範囲や、ガン・カモ・ハクチョウ類の田光沼との間の移動経路から離隔をとるよう検討したものとなっております。ご指摘のような湿地周辺に生息する重要な鳥類に対しては、可能な限り影響を回避、低減できるよう配慮してまいりましたが、今後の評価書作成時までにはさらに検討を加え、より影響を低減することができるよう努めてまいります。
    なお、運転開始後はバードストライクに関する事後調査を行い、その結果は事後調査報告書として公開します。調査の結果、特定の風力発電機において衝突が集中するなど、重大な影響が認められた場合には、関係機関や専門家等にヒアリングを行いながら、必要な対応を行うものとします。

審査会意見

  • 対象事業の目的及び内容には、事業規模の選定経緯、理由及び必要性が示されていないことから、事業規模の検討経緯及び検討に当たって環境に配慮した事項等を環境影響評価書に具体的に記述すること。
  • 大規模な造成は行わないことを理由として、地形及び地質に係る環境影響評価項目を選定しないとしているが、施設の供用後における砂丘地形に及ぼす影響についても検討した上で、必要に応じて地形及び地質に係る環境影響評価項目の選定について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 動植物の既存文献調査が不十分であることから、国、県、市及び専門家等に確認するなどにより、入手可能な最新の文献資料を選定した上で地域特性に関する情報を把握すること。
  • 対象事業実施区域の南半分は「オオタカ」及び「チュウヒ」など多くの重要な鳥類の行動圏となっており、特に平滝沼の北部及び東部、ベンセ沼及び大滝沼の東部に設置される風力発電機の周辺については、鳥類及びコウモリ類の繁殖及び生息環境に重大な影響を及ぼすおそれがあると考えられ、工事及び施設の供用に伴う影響が小さいとは考えにくいことから、当該区域における鳥類等に及ぼす影響について再検討の上、客観的かつ具体的な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
    なお、その結果を踏まえて鳥類等への影響が想定される場合には、鳥獣保護の観点から風力発電機の設置位置を変更するなどの環境保全措置を検討すること。
  • 鳥類の予測結果では、騒音による生息環境及び餌資源に与える影響は小さいとしているが、根拠が不十分であることから、風向や風速等の影響を受けて大きく変動する風車騒音の特性を踏まえた上で、鳥類に及ぼす影響の程度を数値等を用いて可能な限り定量的に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 「オオジシギ」については、繁殖行動のディスプレイ飛翔時にブレードへの接近、接触が懸念されることから、当該種の行動圏と風力発電機の設置位置を重ね合わせるなどにより適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 工事の実施による重要な鳥類の予測結果について、7種の水鳥及び「コジュリン」は、土地改変に伴う営巣環境の減少・喪失はないとしているが、7種の水鳥が明示されていないこと、また、7種の水鳥に含まれる「サンカノゴイ」及び「オオジシギ」並びに「コジュリン」は、陸域にも生息する種であることから、水域に改変が及ばないから影響は少ないとする根拠は不適切であるため、適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 鳥類の予測結果では、改変面積が小さく、迂回するための空間が十分に確保されているため、ブレード、タワー等への接近・接触の可能性は低く、移動経路の遮断・阻害による影響は小さいとしているが、鳥類が風力発電機を認識し迂回するとした理由、また、移動経路の変更あるいは分散が期待できるとした根拠を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 工事の実施、土地又は工作物の存在及び供用における重要な鳥類への影響について、「オオセッカ」等の湿性草地から湖沼に生息する重要種については、予測及び評価が不十分であると考えられることから、「営巣可能な種」及び「渡りなどにより一時的に立ち寄る種」の選定手法を再検討するとともに、必要に応じて追加の調査を行った上で、適切な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 越冬や渡りなどにより出現する種の繁殖・採餌に係る移動経路の予測結果について、改変面積が小さく、迂回する空間が広いから影響は小さいという根拠は不十分であると考えられることから、現地調査の結果を踏まえて適切に予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • カモ類に関する予測について、現地調査における確認回数が少なかったことをもって、移動経路の遮断・阻害が生じる可能性が低いとしているが、根拠が不十分であることから、必要に応じて追加の調査を行った上で、適切な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • ガン類、ハクチョウ類及びカモ類の採餌場移動に係る予測について、「秋季のカモ類の移動は、夜にも行われていること、集団で行うことから、衝突確率が上昇する可能性も考えられる。」としているが、移動時のカモ類は、ブレードの回転高度(40m~119m)を通過する個体数が非常に多いことから、衝突を回避するための具体的な方策について検討し、その内容を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域及びその周辺に生息する可能性が高い重要種である「キタアカシジミ」及び「オオヨシゴイ」が現地調査で確認されていないことから、当該種の生態を的確に把握した上で、追加の調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 工事の実施に伴う水生生物の予測については、事業の実施による生息・生育環境の減少・損失はないとしているが、土地改変に伴う工事中の濁水の影響が懸念されることから、濁水対策及び残土の処理の方法を明らかにした上で、水生生物の生息・生育環境に与える影響を適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • ベンセ湿原等からの景観については、見る者によっては違和感を覚える可能性が考えられるとしながらも、住居地域から820m離したことにより影響は低減されると評価しているが、対象調査地点ごとに客観的な評価がなされていないことから、垂直視覚等の数値を用いて可能な限り定量的に評価すること。
    なお、その結果を踏まえて新たに影響が想定される場合には、風力発電機の設置位置を変更するなどの環境保全措置及び事後調査の必要性を検討すること。
  • 人と自然との触れ合いの活動の場に係る環境保全措置として、関係車両の走行台数が平均40台となるよう、平準化に努めるとしているが、夏季に工事を行う場合、出来島海水浴場及びマグアビーチ公園のアクセスルートへの影響も懸念されることから、夏季における影響の有無を明らかにした上で、走行台数を40台とした根拠を環境影響評価書に記述すること。

知事意見

 対象事業実施区域は、津軽国定公園の区域に隣接し、また、希少な動植物が多数生息・生育する「平滝沼鳥獣保護区」及び「屏風山鳥獣保護区」の一部であるため、鳥類をはじめとする動植物及び生態系に十分な配慮が必要な地域である。当該事業は自然環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると考えられることから、環境影響評価の今後の手続を行うに当たっては、以下の事項について環境保全上の最大限の配慮を行うこと。

1 総括的事項

  • 資機材等運搬道路の新設・拡張場所及び土捨場等の土地改変場所を具体的に示した上で、適切に対象事業実施区域を設定するとともに、専門家の意見を踏まえて環境影響評価項目並びに調査、予測及び評価の内容を再検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 調査、予測及び評価の結果については、最新の知見を踏まえて根拠となった数値等を具体的に示すとともに、環境影響の程度についても、数値等を用いて可能な限り定量的に記述すること。
  • 環境影響評価の手続中に、重要な動植物が確認されるなど新たな事実が生じた場合は、速やかに県、関係市町村及び関係機関に報告するとともに、専門家から意見を聞くなどにより、これらの種の生息・生育環境に対する影響が最小となるよう適切な環境保全措置を検討し、その内容を環境影響評価書に記述すること。
  • 環境影響評価書の作成に当たっては、「第三次青森県環境計画」に基づく環境配慮指針との整合を図ること。
    なお、本事業計画については、許認可等の関係部局に確認を行うとともに、住民及び関係機関に対する説明を行い、関係地域の意向を十分に踏まえること。

2 個別事項

  • 対象事業の目的及び内容には、事業計画地及び規模の選定理由が示されていないことから、選定理由、検討経緯及び検討に当たって環境に配慮した事項を環境影響評価書に具体的に記述すること。
  • 工事に関する事項については、工事用資機材の運搬ルート、使用する車両及び重機の種類並びに稼働台数並びに影響が最大となる時期を可能な限り詳細に環境影響評価書に記述すること。
  • 騒音及び低周波音の調査・予測地点は、対象事業実施区域の北側にはないが、風力発電機の設置位置からの距離が近い高山稲荷神社付近の住居についても影響を把握する必要があると考えられることから、当該地点を追加選定した上で、環境影響が最大となる条件で調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 大規模な造成は行わないことを理由として、地形及び地質に係る環境影響評価項目を選定しないとしているが、施設の供用後における砂丘地形に及ぼす影響についても把握する必要があると考えられることから、地形及び地質に係る環境影響評価項目の選定について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 動植物の既存文献調査が不十分であることから、国、県、市及び専門家等に確認するなどにより、入手可能な最新の文献資料を選定した上で地域特性に関する情報を把握すること。
  • 動植物の現地調査手法は、時期、期間、地域及び地点の選定理由が不明であり、地域特性を的確に把握していないと考えられることから、調査手法を再検討した上で、追加の調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域及びその周辺に生息する可能性が高い重要種である「キタアカシジミ」及び「オオヨシゴイ」が現地調査で確認されていないことから、当該種の生態を的確に把握した上で、追加の調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域の南半分は「オオタカ」及び「チュウヒ」など多くの重要な鳥類の行動圏となっており、特に平滝沼の北部及び東部、ベンセ沼及び大滝沼の東部に設置される風力発電機の周辺については、鳥類及びコウモリ類の繁殖並びに生息環境に重大な影響を及ぼすおそれがあると考えられ、工事及び施設の供用に伴う影響が小さいとは考えにくいことから、当該区域における鳥類等に及ぼす影響について再検討の上、客観的かつ具体的な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
    また、その結果を踏まえて鳥類等への影響が想定される場合には、鳥獣保護の観点から風力発電機の設置位置を変更するなどの環境保全措置を検討すること。
  • 鳥類の予測結果では、騒音による生息環境及び餌資源に与える影響は小さいとしているが、根拠が不十分であることから、風向や風速などの自然条件の影響を受けて大きく変動する風車騒音の特性を踏まえた上で、鳥類に及ぼす影響の程度を数値等を用いて可能な限り定量的に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 工事中及び施設供用時における重要な鳥類への影響について、「オオセッカ」等の湿性草地から湖沼に生息する重要種については、予測及び評価が不十分であると考えられることから、「営巣可能な種」及び「渡りなどにより一時的に立ち寄る種」の選定手法を再検討するとともに、必要に応じて追加の調査を行った上で、適切な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 工事の実施による重要な鳥類の予測結果について、7種の水鳥及び「コジュリン」は、土地改変に伴う営巣環境の減少・喪失はないとしているが、7種の水鳥が明示されていないこと、また、7種の水鳥に含まれる「サンカノゴイ」及び「オオジシギ」並びに「コジュリン」は、陸域にも生息する種であることから、水域に改変が及ばないから影響は少ないとする根拠は不適切であるため、適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 「オオジシギ」については、繁殖行動のディスプレイ飛翔時にブレードへの接近、接触が懸念されることから、当該種の行動圏と風力発電機の設置位置を重ね合わせるなどにより適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 鳥類の予測結果では、改変面積が小さく、迂回するための空間が十分に確保されているため、ブレード、タワー等への接近・接触の可能性は低く、移動経路の遮断・阻害による影響は小さいとしているが、鳥類が風力発電機を認識し迂回するとした理由、また、移動経路の変更あるいは分散が期待できるとした根拠を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 越冬や渡りなどにより出現する種の繁殖・採餌に係る移動経路の予測結果について、改変面積が小さく、迂回する空間が広いから影響は小さいという根拠は不十分であると考えられることから、現地調査の結果を踏まえて適切に予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • カモ類に関する予測について、現地調査における確認回数が少なかったことをもって、移動経路の遮断・阻害が生じる可能性が低いとしているが、根拠が不十分であることから、必要に応じて追加の調査を行った上で、適切な予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • ガン類、ハクチョウ類及びカモ類の採餌場移動に係る予測について、「秋季のカモ類の移動は、夜にも行われていること、集団で行うことから、衝突確率が上昇する可能性も考えられる。」としているが、移動時のカモ類は、ブレードの回転高度(40m~119m)を通過する個体数が非常に多いことから、衝突を回避するための具体的な方策について検討し、その内容を環境影響評価書に記述すること。
  • 工事の実施に伴う水生生物の予測については、事業の実施による生息・生育環境の減少・損失はないとしているが、土地改変に伴う工事中の濁水により「日本の重要湿地500」に選定されている「屏風山湿原池沼群」に及ぼす影響が懸念されることから、濁水対策及び残土の処理の方法を明らかにした上で、水質及び水生生物の生息・生育環境に与える影響を適切に予測及び評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 動植物の環境保全措置及び事後調査については、追加の調査及び予測の結果を踏まえて内容を再検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • ベンセ湿原等からの景観については、見る者によっては違和感を覚える可能性が考えられるとしながらも、住居地域から820m離したことにより影響は低減されると評価しているが、対象調査地点ごとに客観的な評価がなされていないことから、垂直視覚等の具体的な数値を用いて可能な限り定量的に評価すること。
    また、その結果を踏まえて新たに影響が想定される場合には、風力発電機の設置位置を変更するなどの環境保全措置及び事後調査の必要性を検討すること。
  • 人と自然との触れ合いの活動の場に係る環境保全措置として、関係車両の走行台数が平均40台となるよう、平準化に努めるとしているが、夏季に工事を行う場合、出来島海水浴場及びマグアビーチ公園のアクセスルートへの影響も懸念されることから、夏季における影響の有無を明らかにした上で、走行台数を40台とした根拠を環境影響評価書に記述すること。

関連ページ

この記事についてのお問い合わせ

環境保全課 水・大気環境グループ
電話:017-734-9242  FAX:017-734-8081

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • twitterでフォローする