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更新日付:2014年9月11日 環境保全課

つがる南風力発電事業環境影響評価準備書に対する意見の概要

環境影響評価準備書

審査会意見

  • 工事用資材の搬出入に係る騒音、振動については、運行経路となる国道101号沿線に保全対象とすべき民家があることを踏まえ、予測地点を適切に選定して、追加の調査、予測及び評価を行うとともに、必要に応じて工事計画の見直しを図ること。
  • 対象事業実施区域は、ミサゴ、ハチクマ、オジロワシ、チュウヒ等多くの猛禽類の採餌場として利用され、また、隣接する冷水沼等を塒にして、多数のマガンやヒシクイ、ハクチョウが飛来し、そこから周辺の水田や農耕地へ移動して行く移動空間地帯となっている。特にチュウヒについては現在、県内で貴重な繁殖地の一つとなっている地域である。特に風力発電設備No.1~4及びNo.8は、これら鳥類の行動圏に重なることにより繁殖等への影響が懸念されるため、設備配置の変更等、影響を回避する環境保全措置の必要性について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域は、絶滅危惧種であるオオセッカの重要な生息地であり、特に風力発電設備No.7及びNo.8の工事及び存在は、オオセッカの生息環境に影響を及ぼすおそれがあることから、オオセッカの生態特性を専門家の助言を受けるなどして適切に把握した上で、設備配置の変更等、影響を回避する環境保全措置の必要性について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 実施することとしたバードストライクに係る事後調査の方法が明確に示されていないことから、定期調査以外にも繁殖期、渡り時期等の調査を加えるなど、綿密な調査となるよう検討し、その結果を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 鳥類の生息状況に係る事後調査については、希少猛禽類を対象とし、稼働後1年間、繁殖期に月1回程度行うこととしているが、オオジシギ、コジュリン等、生息情報がありながら現地調査において確認されなかった重要種もあることから、希少猛禽類以外も調査対象とし、工事期間も調査期間に加え、また、現地調査で確認されなかった重要種が確認された場合は専門家から意見を聴き適切に対応する等、事後調査の方法を再検討し、その結果を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 生態系に係る注目すべき種への影響予測においては、採餌・繁殖環境における恒久的な改変の程度から判断しているが、水の濁りが発生し、動植物の生息環境が変化する等、生態系を構成する環境要素への間接的な影響についても検討し、予測及び評価を行うこと。
  • 日本自然百選にも指定された地域であるベンセ湿原からの眺望の予測結果において、風力発電設備が岩木山の稜線を切断し、主要な眺望景観に影響があることから、風力発電設備配置の変更を含めた更なる環境保全措置について検討すること。

知事意見

 対象事業実施区域は、複雑な生物群集が形成される屏風山湖沼群の南部に位置し、また、希少な動植物が多数生息・生育する津軽国定公園に隣接する、動植物及び生態系に対する十分な配慮が必要な地域である。当該事業の実施が自然環境に及ぼす影響に鑑み、環境影響評価の今後の手続を行うに当たっては、以下の事項について環境保全上の最大限の配慮を行うこと。

1 総括的事項

  • 環境影響評価書の作成に当たっては、「第四次青森県環境計画」に基づく環境配慮指針との整合を図り、各配慮事項への対応状況について記述すること。
  • 環境影響評価の手続中に、重要な動植物が確認されるなど新たな事実が生じた場合は、専門家から意見を聴くなどにより、これらの種の生息・生育環境に対する影響が最小となるよう適切な環境保全措置を検討し、その内容を環境影響評価書に記述すること。
  • 事後調査の結果を踏まえ、必要に応じて追加的な環境保全措置を講じること。追加的な環境保全措置を実施した場合は、その内容及び結果についても公表すること。

2 個別事項

  • 対象事業の目的及び内容には、事業計画地及び規模の選定理由が示されていないことから、選定理由、検討経緯及び検討に当たって環境に配慮した事項を環境影響評価書に具体的に記述すること。
  • 工事用資材の搬出入に係る騒音、振動については、運行経路となる国道101号沿線に保全対象とすべき民家があることを踏まえ、予測地点を適切に選定して、追加の調査、予測及び評価を行うとともに、必要に応じて工事計画の見直しを図ること。
  • 風力発電設備の稼働に伴う騒音及び超低周波音の予測に推定パワーレベルを用いているが、別機種の諸元により回帰式予測を行うことには不確実性が伴うことに加え、推定パワーレベルの算出において、規模が大きな機種ほど低風速時のデータを用いており、結果として最も規模の大きい導入予定機種のパワーレベルを過小評価している可能性がある。
    導入予定機種の騒音及び超低周波音のパワーレベルに基づく適正なデータを用いて予測及び評価を行うこと。
  • 風力発電設備の稼働に伴う騒音、超低周波音及びシャドーフリッカーの予測については、その予測条件等の不確実性を勘案し、事後調査の必要性について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域は、ミサゴ、ハチクマ、オジロワシ、チュウヒ等多くの猛禽類の採餌場として利用され、また、隣接する冷水沼等を塒にして、多数のマガンやヒシクイ、ハクチョウが飛来し、そこから周辺の水田等農耕地へ移動して行く移動空間地帯となっている。さらに、チュウヒについては、現在、県内で貴重な繁殖地の一つとなっている地域である。特に風力発電設備No.1~4及びNo.8は、これら鳥類の行動圏に重なることにより繁殖等への影響が懸念されるため、設備配置の変更等、影響を回避する環境保全措置の必要性について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 対象事業実施区域は、絶滅危惧種であるオオセッカの重要な生息地であり、特に風力発電設備No.7及びNo.8の工事及び存在は、オオセッカの生息環境に影響を及ぼすおそれがあることから、オオセッカの生態特性を専門家の助言を受けるなどして適切に把握した上で、設備配置の変更等、影響を回避する環境保全措置の必要性について検討し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • ガンカモ類、ハクチョウ類は、夜間の飛行移動も多いことから、専門家から意見を聴き、必要に応じてこれらの種の幅広い移動期を通じた夜間の調査を行うなど、昼夜の飛翔状況を適切に把握し、バードストライクに係る予測及び評価を行うこと。
  • 実施することとしたバードストライクに係る事後調査の方法が明確に示されていないことから、定期調査以外にも繁殖期、渡り時期等の調査を加え、複数年実施するなど、綿密な調査となるよう検討し、その結果を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 鳥類の生息状況に係る事後調査については、希少猛禽類を対象とし、稼働後1年間、繁殖期に月1回程度行うこととしているが、オオジシギ、コジュリン等、生息情報がありながら現地調査において確認されなかった重要種もあることから、希少猛禽類以外も調査対象とし、工事期間も調査期間に加え、また、現地調査で確認されなかった重要種が確認された場合は専門家から意見を聴き適切に対応する等、事後調査の方法を再検討し、その結果を具体的に環境影響評価書に記述すること。
  • 埋め立て予定とされる、水辺環境を形成する窪地については、その改変による水生動植物への影響を適切に予測及び評価し、環境保全措置の内容に係る検討経緯とともにその結果を環境影響評価書に記述すること。また、水面の一部を埋め立てる際に残存する水面部分の水質及び水生動植物の生育環境等に係る環境保全措置について記述すること。
  • 生態系に係る注目すべき種への影響予測においては、採餌・繁殖環境における恒久的な改変の程度から判断しているが、水の濁りが発生し、動植物の生息環境が変化する等、生態系を構成する環境要素への間接的な影響についても検討し、予測及び評価を行うこと。
  • 地域を特徴づける生態系の注目種等として特殊性の視点から屏風山湖沼群を選定しているが、注目すべき生息地のみならず、繁殖地や分布地が限られている貴重種であるオオセッカやオオセスジイトトンボについても選定した上で、事業の実施による生態系への影響を適切に予測、評価し、その結果を環境影響評価書に記述すること。
  • 日本自然百選に指定された地域でもあるベンセ湿原においては、ニッコウキスゲやノハナショウブの大群落が生育し、背景に岩木山を配した湿原や沼の風景がこの地域一帯の原風景として地域を特徴づける代表的な景観資源となっている。その風景において特に岩木山に重なって風力発電設備が複数立地することは、景観上の影響が大きい。
    ベンセ湿原からの眺望景観の予測結果において、風力発電設備が岩木山の稜線を切断するなど、主要な眺望景観に影響があることから、風力発電設備配置の変更を含めた更なる環境保全措置について検討すること。

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環境保全課 水・大気環境グループ
電話:017-734-9242  FAX:017-734-8081

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