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「青森県知的財産による新事業等の創出の推進に関する条例」の解説

更新日:2010年4月1日 新産業創造課

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「知的財産による新事業等の創出の推進に関する条例」

制定の経緯
 本県の産業構造を全国と比較すると、農林水産業、建設業、政府サービス生産者の割合が著しく高く、経済波及効果の高い2次産業の割合が極端に低いことが特徴となっている。また、本県の産業構造は、県内生産のみでは県内需要を満たすことができず、多くの商品及び役務を他の都道府県から調達せざるを得ない状況にあり、生産活動によって生み出される付加価値額も低くなっていること等から県民所得が全国でも最下位クラスに留まっているなど経済が低迷している状況にある。
 このため、県では、平成18年3月に知的創造サイクル推進方策を策定し、知的財産の創造施策として公設試験研究機関の研究開発面での取組強化、産学官連携の推進を実施し、知的財産の保護施策として、県有特許の出願目的の明確化、目的に応じた知的財産の適正な管理を実施し、知的財産の活用施策として県有特許等の技術移転活動の展開、知的財産情報提供の充実、技術ニーズ、・シーズのマッチング活動の促進を実施してきたところである。
 しかしながら、依然として、産業構造の転換、経済への波及効果が十分でない状況にある。
 資金、専門的な人材が不足している本県にとって、知的財産は、有力な経営資源の一つであることから、県では、さらに知的財産の創造、保護及び活用の推進に関する計画を立て、責任を持って率先して実施するとともに、事業者の取組を、大学、公設試験研究機関、金融機関、産業支援機関、行政の学・官・金が連携して支援していくことにより、本県における新たな事業の創出及び本県の産業における付加価値の創出を通じて本県の経済の健全な発展、本県における雇用の場の創出及び県民生活の安定向上を図ることを県民に対し示すため条例を制定するものである。
主な条文の解説
第3条 県の責務
 県は、知的財産による新事業等の創出を推進していくための基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施する。

 県は、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を推進することで本県における新たな事業の創出等を図り、最終的に本県の経済の健全な発展等を目指すこととしており、知的財産とは何か、知的財産の活用した場合のメリットに関するセミナーや無料相談会等の啓蒙普及など知的財産に関する基本的な施策の実施から事業化、商品化を行う上で、知的財産を活用した事業化のための支援を行うものである。
第4条 事業者の取組
 事業者は、知的財産及び知的財産による新事業等の創出に対する理解と関心を深めるとともに、その事業活動を行うに当たっては、知的財産による新事業等の創出に主体的に取り組むよう努める。

 事業者が知的財産を活用した新たな事業の創出等を図ることは、本県の経済の活性化等にとって大変重要であることは言うまでもない。しかし、本県事業者の知的財産に関する理解と関心の度合いはまだまだ低く、「自ら創造した、または他者と共同で創造した、あるいは、他者が創造した特許、実用新案等を活用して、画期的な新製品を開発する」「意匠や商標に凝って、より売れる製品づくりを目指す」等、知的財産を活用した事業活動が少ない状況にある。
 また、自らの有する知的財産を適切に管理する(例:権利化する、権利化した後は他者からの権利侵害に対し毅然と対応する等)意識が低く、結果として利益を得る機会を逸する等の損害を被ってしまうなどの状況が生じる可能性がある。
 このため、事業者にあっては、県による広報活動等を通じて知的財産に関する理解と関心を深めるとともに、あくまで主体的に、知的財産の創造、保護及び活用に取り組むことを期待するものである。
第5条 大学等の取組
 大学その他の研究機関は、本県における新事業等の創出に役立つ研究やその成果の普及に自主的かつ積極的に取り組むよう努める。

 知的財産の創造において大変重要な役割を果たす大学等であるが、特に大学及び高等専門学校については、憲法により、学術研究活動やその成果の発表について公権力により妨げられないとする「学問の自由」が保障されている。
 このため、県が大学等に特定の役割を強制すべきではないが、研究開発等に十分な資金的、人的資産を投入することが困難な中小・ベンチャー事業者にとって、大学等の持つ技術シーズ、設備、知見を活用することは、新たな事業の創出等を図る上で有効な手段であると考えられることから、そうした役割を大学等に期待するものである。
第6条 金融機関の取組
 金融機関は、知的財産による新事業等の創出に取り組む事業者に対する支援など新事業等の創出に役立つ業務の実施に主体的に取り組むよう努める。

 金融機関も本県の産業振興と取引先の支援を目的に、現行の融資に絞った支援策ではなく、ベンチャー企業や、技術を持った企業への育成や、県が実施している産学官金推進事業における金融機関側として、ファンド等の拠出や産学官連携推進会議の参加による情報交換により地域に貢献するなど、積極的に対応している状況にある。
 このため、事業者が知的財産を活用した新たな事業の創出または当該事業の円滑な実施を図るため、金融機関は引き続き当該事業者の資金調達等において重要な役割を果たすことを期待するものである。
第7条 連携の強化
 県は、知的財産による新事業等の創出の効果的な実施が図られるよう、県、事業者、大学等、金融機関その他関係機関の連携の強化を図る。

 中小事業者は、単独では新技術・新製品の開発に十分な資金面、人的資産を投入できないことから、豊富な技術シーズを有する大学等との連携(大学等との共同研究、大学等からの技術移転等)が必要とされるところである。
 このため県では、引き続き、産学官金連携推進窓口の設置、連携推進会議等の開催等の取組みを継続し、産学官金連携を推進することとする。
第8条 啓発
 県は、事業者の知的財産及び知的財産による新事業等の創出に対する理解と関心を深めるために必要な措置を講じる。

 知的財産の創造、保護及び活用を図るためには、県民全体が「『知的財産とは何か』を知る」「優れた知的財産を創造する意欲を持つ」「優れた知的財産を活用するよう心がける」「他者の権利を侵害しないよう努める」ことが重要になってくる。
 このため、これまで行ってきた知的財産制度研修会等の各種セミナーの開催、「子どもの創造性の育成」等の活動を継続する。
 また、実際に権利化に携わる事業者、研究者、支援機関の職員等に対しては、それぞれの役割に役立つ専門的なセミナー等も開催する。
第9条 相談処理体制の整備
 県は、知的財産による新事業等の創出に関する相談を適切かつ迅速に処理するための体制を整備する。

 本県にはこれまで、知的財産に関する総合的な相談窓口がなく、県(商工労働部、農林水産部)、社団法人発明協会青森県支部、青森県知的所有権センター等が個別に相談対応を行ってきた(相談内容の例:知的財産権取得手続、知的財産権の活用方法、知的財産権侵害への対応等)。
 このため、必ずしも相談を希望する者にとって相談しやすい体制とはなっておらず、適切かつ迅速な対応に支障をきたす等、知的財産の創造、保護及び活用における障害となっていたところである。また、中小事業者にあっては、自前で知的財産部(知的財産の管理、活用戦略の策定等を担当する部署)を設置する余裕もないことから、それをある程度代替する機関も必要とされているところである。
 このため、県は平成21年4月に「青森県知的財産支援センター」を設置し、同センターでは、特許、実用新案等のあらゆる知的財産に関する総合的な相談に応じていく。

お問い合わせ

青森県知的財産支援センター
電話:017-722-1111(代表)   直通:017-734-9417(直通)   FAX:017-734-8116
利用時間:午前8時30分〜午後5時30分  
休日:土・日曜日、祝祭日、年末年始  
所在地:〒030-8570 青森市長島1丁目1番1号(県庁北棟1階)
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