ホーム > 生活・環境 > 環境・エコ > 6.不適正処分の再発防止策

更新日付:2009年3月1日 環境保全課

6.不適正処分の再発防止策

1 検証委員会の設置
 本事案に係るこれまでの県の対応状況を第三者の視点で検証し、県行政上の問題点及び責任を明らかにするとともに、今後の廃棄物行政の的確な運営を図ることを目的に、平成14年10月1日検証委員会を設置した。
県境不法投棄懸賞委員会委員
2 検証委員会の検証結果報告
(1)行政責任について
 平成8年6月6日以前の県の対応については、様々な問題点があるものの落ち度があったとまでは言い切れない。
 平成8年6月6日、三栄化学工業が賃貸借契約解除を理由に同社の実質的な事業用地への立入りを拒否した以降、県は同社が不法投棄を行っている蓋然性が高いものと認識し、可能な限りの手段を用いて事実把握に努めるべきであった。
 しかし、県は、事実把握や業者への対応について、他に採り得る方法があったにもかかわらずそれを行っておらず、また、他の採りうる方法の検討さえも行っておらず、ここに県の落ち度があると判断する。

(2)平成8年6月6日以前を含む全般的問題
ア.三栄化学工業に対する認識の甘さ

 県は、三栄化学工業が行政指導を受け入れ、その都度改善策を講じていたので、とりわけ悪質な業者であるとの認識はなかったとしている。
 しかし、住民から多くの情報が寄せられていたこと、平成7年には燃えがらの不法投棄が発覚していることをもあわせ考えれば、このような認識は甘かったと言わざるを得ない。

イ.事実確認の甘さ
 
 不法投棄を疑わせる様々な兆候があったにもかかわらず、調査、確認を行わなかった。

・管理型最終処分場が空であった。
・不法投棄の主要現場について、昭和56年に届出した産業廃棄物最終処分場(約100ヘクタール)の一部であると県職員に主張していた。
・平成8年5月に新たな不法投棄を疑わせる事実を保健所職員が発見していた。

ウ.業者への対応の甘さ

・行政指導を主とした県の対応が、三栄化学工業が県をみくびることとなった。
・平成7年の燃えがらの不法投棄発覚から処分まで1年以上の時間を要しているのは、処分の基礎となる事実確認に慎重を期すためとはいえ、遅きに失したと言わざるを得ない。
・事業停止の行政処分手続きの進行中に、業者から処理業に動植物性残さを追加したい旨の相談を受けた際、「申請は行政処分後にして欲しい。」旨の説明をしている。
(3)平成8年6月6日以降の問題点
ア.行政調査を尽くさなかったこと
 平成8年6月6日以降、県は、不法投棄を行っている可能性が高いという認識を持ち、三栄化学のとる法的技巧を乗り越える方途を見出して行政調査を行うべきであったにもかかわらず、実際には十分な調査は行われなかった。調査が不十分であったことは、県の落ち度であると言わざるを得ない。

イ.警察への情報提供・連携が不十分であったこと
 平成8年6月6日、立入りを拒んだ時点で、不法投棄を疑うに足る状況にあったというべきであり、この時点で、行政独自の対応をとることと並行して、県警への情報提供をすべき機が熟していたと考えられるが、県警への情報提供を行わなかったことは不適切であり、ここに県の落ち度があると言わざるを得ない。

ウ.  他部局との連携が不十分だったこと
 廃棄物担当部局は、他の部局と十分な連携をとっていたとは言えないし、他の部局も、環境への被害が懸念される情報を速やかに廃棄物担当部局に伝える態勢をとっていたとは言い難い。
 廃棄物担当部局は、本事案に関係する他の部局に協力を要請し、連絡を密にすべきであった。それをしなかったところに、県の落ち度が認められる。

(4)再発防止策の提言
ア.業者に対する毅然とした態度
 悪質業者に対する場合には、行政が毅然とした厳しい態度で臨む必要がある。行政処分の権限の発動に過度に抑制的になることなく、必要があれば積極的に 権限を行使すべきであろう。

イ.適切な情報収集
 不法投棄や不適正処理が疑われる場合には、廃棄物処理法上の立入検査、報告徴収権限を最大限行使して、情報収集と事実把握に努めるべきである。

ウ.担当職員の意識・感覚の重要性と監視活動の継続性・一貫性の確保
 環境行政、廃棄物行政に携わる者には、情報の真に意味するところを的確に認識し、その背後にあるものを推し量る感覚が重要となる。また、職員の異動により担当者が変わっても、継続性・一貫性のある監視活動が行えるような態勢を整えることが必要である。

エ.廃棄物担当部局と他の部局との連携強化
 不法投棄等を示唆する情報を得た部局は速やかに廃棄物担当部局に情報提供するという態勢を構築すべきであるし、また、廃棄物担当部局でも、必要に応じて、他の部局に協力を仰ぐという仕組みを作る必要がある。

オ.警察との連携強化
 不法投棄が疑われるが、行政の手に余るという場合は、警察へ情報提供し、捜査を促す必要がある。大切なことは、どの程度までを行政レベルで処理し、どこからを警察に委ねるかという見極めである。

(5)結語
 本事案について県行政に一定の落ち度があったことを認定し、再発防止策を提言したが、本委員会としては、県がこれを真摯に受け止め、検証結果を今後の廃棄物行政に生かし、二度とこのような事態を引き起こすことのないよう、県において十分な対策をとることを求めるものである。
3 県警による強制捜査後の県の対応の問題点
(1)マニフェストが焼却された経緯
 二戸警察署が押収した関係資料について、廃棄物の搬入状況の実態を解明し、また、排出事業者や再委託業者、収集運搬業者で不適切な事務処理が認められる者の存在を確認するため、平成12年11月に同署の承諾を得て、同署内においてマニフェストの一部をカメラで撮影した。
 この撮影の直後には、三栄化学工業の社長に対して、押収された資料が警察署から返却されたら、県に連絡するよう依頼し、その後何度か返却されていないか確認をしたところである。
 平成13年8月に押収資料が返却されたとの情報を同年10月前に入手し、同月、三栄化学工業社長に対し資料の借用を依頼したが、同社の代理人となっている弁護士と交渉するようにと言われた。
 県は、代理人である弁護士と交渉したが、弁護士からは、マニフェストの県への提供は、三栄化学工業の不利益になることも想定されるので、提供は拒否し、資料は全て焼却するとの回答があった。
 同年11月に三栄化学工業社長に対し、資料の処分について確認したところ、既に焼却したとの回答があった。
(2)廃棄物処理法に基づく報告の徴収
 平成14年5月に、廃棄物処理法に基づき報告の徴収を行ったが、代理人である弁護士からは、資料は全て廃棄又は散逸してしまったとの回答があった。
(3)問題点
 マニフェストは、廃棄物の搬入状況の実態、排出事業者情報を把握するための重要な書類であり、本件事案を解明するためには、県においては早期に確保しておく必要があった。
 しかし、結果として、三栄化学工業が保管していた全てのマニフェストが廃棄又は散逸してしまった原因は


ア.押収資料を返却する際は、警察署から県に事前に連絡をしてもらえるような体制にしておくべきであったが、警察との連携が不十分であった。

イ.押収資料の提供を三栄化学工業の任意に委ねるのではなく、厳正に三栄化学工業に対処すべきであったにもかかわらず、廃棄物処理法に基づく報告の徴収を行ったのは、焼却が判明した後であったこと。


にある。

4 関係職員の処分
 県は、平成15年8月28日、本事案について、関係職員の処分を行った。
 その内容は、次のとおりである。

ア.県境不法投棄検証委員会から、落ち度として指摘された平成8年度から11年度までの間に、

・行政調査を尽くさなかった。
・警察への情報提供・連携が不十分であった。
・廃棄物担当部局と他の部局との連携が不十分であった。

ことにより、結果として大量の不法投棄を見過ごし、国内最大規模の不法投棄事案に発展させ県民の県に対する信頼を大きく損なった。
イ.重要な排出事業者情報であるマニフェストを県が確保する前に、三栄化学工業に廃棄されたことは、排出事業者情報確保のための業務管理が適切でなかった。
5 今後の再発防止策
(1)業者に対する毅然とした態度
 過去数次にわたる廃棄物処理法の改正による規制の強化と平成17年8月の行政処分の方針に関する国の通知を踏まえ、県では、毅然とした態度で適正処理を指導するとともに、行政指導に応ぜず改善が見られない場合は、積極的に行政処分を発する等厳正に対処している。
(2)適切な情報収集
 住民からの通報への対応に加え、平成10年度からは全市町村に廃棄物不法投棄監視員を配置し、広く情報収集を行うとともに、積極的に立入検査・報告徴収を行い、事実の把握に努めている。
 さらに、平成14年6月には、行政・事業者・関係団体が一体となった監視・通報体制を構築するため「不法投棄撲滅青森県民会議」を設置し、一層の情報収集に努めている。
 なお、不法投棄や不適正処理が疑われる場合は、夜間・休日を含め継続して監視に当たり事実把握に努めている。
(3)担当職員の意識・感覚の重要性と監視活動の継続性・一貫性の確保
 担当職員については随時職場内外の研修を受けさせ資質向上を図るとともに、平成13年度からは警察官OBを環境管理専門員として環境管理事務所に配置し、その警察官としてのノウハウを監視・指導業務に取り入れるなど、監視・指導体制の強化を図っている。
 また、本庁と環境管理事務所とは、随時情報・意見交換を行うとともに、事案によっては、本庁と環境管理事務所が一体となって対処し、適正処理の推進を図っている。
(4)廃棄物担当部局と他の部局の連携強化
 これまでも、必要に応じ個別の事案について他部局と連携し対応しているが、平成14年6月に、庁内関係課も構成員とした「不法投棄撲滅青森県民会議」を設置し、恒常的な連携体制を構築している。
(5)警察との連携強化
 本庁への警察官3名の出向を受けて、警察本部との連携を強化するとともに、警察官OBを環境管理専門員として配置することにより一線署との連携も図っている。

関連タグ

この記事についてのお問い合わせ

環境保全課
電話:017-734-9261  FAX:017-734-8081

この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • googleplus
  • LINE

フォローする

  • facebook
  • twitter

みなさんの声を聞かせてください

このページの内容に満足しましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

送信前に確認

このページの県民満足度

県民満足度