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更新日付:2011年8月2日 環境保全課

第一環境(株)産業廃棄物最終処分場設置に係る環境影響評価方法書に対する意見の概要

環境影響評価方法書

住民意見の概要

(1) 産業廃棄物運搬車両の搬入出路について、その走行時における周辺住民への騒音、振動などの予測が記載されていない。明確にすべきである。
(2) 同方法書には、動植物の生息・生育及び生態系に関するものが、青森県行政資料の丸写しの感があり、その点で産業廃棄物最終処分場設置後の動植物への影響につき十分な記載がない。今後明確にされたい。
(3) 本件の最終処分場の廃棄物埋立地は掘込み構造のところ、この地下掘削につれ地下水流向が変化する、及びその発生する大量の土砂が掘削時の排水流に随伴し、水路を下っていく。これらの点をどのように考えているのか。
(4) 同方法書には、何年間経営するのかが明確になっていない。また、何年後にゴミが無害になるのかも記載されていない。これらの点をどう考えているのか。
(5) 計画施設は止水用鋼矢板を打ち込み、グラフトを注入し、かつ、軟質層はセメント固化剤の注入等による地盤改良を行うとしているが、この構造体はどの程度の地震を想定しているのか不明である。
(6) ゴムシートの破れなどを検出するためのモニタリングシステムを構築するとしているが、そのシステムの構造や機能が明示される必要がある。加えて、シート等の破損があった場合、その修復の方法や規模の大小による対処の仕方が明らかにされなければならない。
(7) 大気質の調査時期を2期に分けて1~2週間としているが、通年の調査でなければ当該地域における風力・風向の全体資料、つまり全体像が得られない。この全体像を捉えることによって、悪臭、騒音及び粉じんによる影響範囲が明らかになってくるはずである。
(8) 埋められる産業廃棄物は各々どのような性質をもっているのか、毒性のあるものの有無、そして最終処分場として永年にわたることから、廃棄物の性質や変化の有無が示される必要がある。
(9) 写真、地図、地面など不鮮明なものが多く、判断材料としがたい。
(10) 300mほどのところに、海上自衛隊椛山送信所が在るも、人家などはないとしているが、これは周辺地域を一般的に観察しているだけであって、当該地域の人家や生活の営みが目に入らないのは理解できない。
また、前掲300mとなぜ限定するのか。加えて、写真(写 2-1 6ページ)は、きわめて不鮮明で同送信所そのものの映像が見あたらない。

審査会意見

1 総括的事項

(1) 事業実施区域及びその周囲の概況についての既存資料調査が不十分であることから、国、県、市村及び専門家等に確認するなどにより、入手可能な最新の文献資料を選定した上で、地域特性に関する情報を把握し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
 なお、その結果を踏まえて、環境に対する影響が新たに想定される場合は、環境影響評価項目並びに調査、予測及び評価の手法を必要に応じて見直すこと。
(2) 調査、予測及び評価の手法については、具体的な記述がないもの、また、その選定理由が明確に示されていないものがあることから、今後の調査、予測及び評価に当たっては、青森県環境影響評価技術指針マニュアルを参考とし、また、専門家から意見を聴くなどにより、具体的な調査、予測及び評価の手法を検討し、その結果及び選定理由を環境影響評価準備書に記述すること。

2 個別事項

(1) 浸出液処理施設の設計に当たっては、搬入する廃棄物の種類及び埋立量の計画に基づいて、原水の水質を設定した上で、適切な処理方法を選定する必要があることから、類似施設における実績を参考にするなどにより、具体的な施設設計を行い、その概要を環境影響評価準備書に記述すること。
(2) 事業実施区域の緑化については、周辺の植物に影響を与えないような植栽種を選定するなどの検討を行い、具体的な緑化計画を環境影響評価準備書に記述すること。
(3) 計画施設の設置では、深度約20mまで掘削する計画であるため、地下水の流れが分断されるおそれがあると考えられることから、ボーリング調査を実施した上で、地下水の水文に対する影響を予測及び評価し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(4) 事業実施区域における既存の地下水の水質試験結果において、鉛と砒素が環境基準値を超過していることから、ボーリング等により地下水及び土壌の汚染状況を詳細に調査した上で、工事中の排水及び残土並びに供用時の地下水の処理の方法について検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(5) 加藤沢湿地及び加藤沢沼には、重要な種が生育・生息していることから、より詳細な調査を実施すること。
また、「事業実施区域~加藤沢沼」及び「古川~陸奥湾」については現地調査の対象としていないが、重要な種が生育・生息し、排水の影響を受ける可能性があると考えられることから、現地調査の必要性を検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(6) 哺乳類の現地調査の手法はフィールドサイン法としているが、小型哺乳類(ネズミ目、モグラ目、コウモリ目)の生息状況を正確に把握するためには、捕獲調査や自動撮影法が不可欠であることから、当該手法を追加し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(7) 陸生動物の現地調査時期は3季(春~秋)としているが、冬季における足跡等の調査を追加し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(8) 昆虫類の調査の手法はラインセンサス法としているが、当該調査手法では昆虫類の生息状況を十分に把握できないと考えられることから、調査の手法を検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(9) 廃棄物運搬船の航行や埠頭における廃棄物の陸揚げについて、釜臥山展望台からの視認の状況を調査、予測及び評価し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(10) 人と自然との触れ合いの活動の場の予測対象時期について、「工事の影響を的確に把握できる時期」及び「供用後の稼働が安定状態に達した時期」としているが、季節等により人と自然との触れ合いの活動の場の利用状況が異なると考えられることから、季節や曜日による利用状況の変化に着目した調査を実施した上で、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。

知事意見

1 総括的事項

(1) 事業実施区域及びその周囲の概況についての既存資料調査が不十分であることから、国、県、市村及び専門家等に確認するなどにより、入手可能な最新の文献資料を選定した上で、地域特性に関する情報を把握し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
 なお、その結果を踏まえて、環境に対する影響が新たに想定される場合は、環境影響評価項目並びに調査、予測及び評価の手法を必要に応じて見直すこと。
(2) 調査、予測及び評価の手法については、具体的な記述がないもの、また、その選定理由が明確に示されていないものがあることから、今後の調査、予測及び評価に当たっては、青森県環境影響評価技術指針マニュアルを参考とし、また、専門家から意見を聴くなどにより、具体的な調査、予測及び評価の手法を検討し、その結果及び選定理由を環境影響評価準備書に記述すること。

2 個別事項

(1) 浸出液処理施設の設計に当たっては、搬入する廃棄物の種類及び埋立量の計画に基づいて、原水の水質を設定した上で、適切な処理方法を選定する必要があることから、類似施設における実績を参考にするなどにより、具体的な施設設計を行い、その概要を環境影響評価準備書に記述すること。
(2) 事業実施区域の緑化については、周辺の植物に影響を与えないような植栽種を選定するなどの検討を行い、具体的な緑化計画を環境影響評価準備書に記述すること。
(3) 最終処分場の埋立跡地の利用計画としては、緑地及びスポーツ施設(ゲートボール場など)を設けるとしているが、覆土保管場所の跡地の利用計画についても検討を行った上で、その施設計画及び維持管理方法を具体的に環境影響評価準備書に記述すること。
(4) 事業実施区域に隣接している海上自衛隊樺山送信所の通信機能に対する工事中及び供用後における粉じん、振動及び電波障害の影響について、調査、予測及び評価を行うこと。
(5) 廃棄物の陸揚げ場所である大湊港真砂埠頭の直近には、スポーツリクリエーション施設及び老人福祉施設等があることから、廃棄物の海上輸送方法、荷姿、陸揚げ方法及び陸揚げ後の仮置きの有無や陸送の方法を具体的に計画した上で、必要に応じて騒音及びその他影響を受けると考えられる環境影響評価項目を選定し、調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(6) 騒音の調査回数を昼間2回、朝・夕各1回としているが、不足と考えられることから、「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環告64)を確認した上で調査を行うこと。
(7) 建設作業振動及び事業場振動を調査、予測及び評価するとしていることから、事業実施区域及びその周辺を調査地点に追加すること。
(8) 悪臭の調査期間は夏期の1日に1回としているが、事業実施区域の近隣は農業地域であり、季節により悪臭の変動が大きいと考えられ、また、梅雨期の調査も必要と考えられることから、調査の時期及び回数について検討を行い、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(9) 施設の供用後における水質の予測時期は、事業活動が通常の状態に達した後、水質への影響が最大となる時点とすること。
(10) 排水の放流先の下流域では、水田の利水があることから、農業用水基準との整合について評価を行うこと。
(11) 田名部川及び大湊湾には、漁業権が設定されていることから、水産用水基準との整合について評価を行うこと。
(12) 埋立地の地盤改良について、火山灰質土壌とセメント系固化剤を混ぜることにより、セメントに含まれる六価クロムが溶出するおそれがあることから、六価クロムの溶出試験を行った上で、必要に応じて水質、地下水、土壌及びその他影響を受けると考えられる環境影響評価項目を選定し、調査、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(13) 計画施設の設置では、深度約20mまで掘削する計画であるため、地下水の流れが分断されるおそれがあると考えられることから、ボーリング調査を実施した上で、地下水の水文に対する影響を予測及び評価し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
 なお、地下水の水文に影響があると評価された場合は、加藤沢沼及びその周辺の湿原への影響を調査、予測及び評価を行うこと。
(14) 事業実施区域における既存の地下水の水質試験結果において、鉛と砒素が環境基準値を超過していることから、ボーリング等により地下水及び土壌の汚染状況を詳細に調査した上で、工事中の排水及び残土並びに供用時の地下水の処理の方法について検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(15) 加藤沢湿地及び加藤沢沼には、重要な種が生育・生息していることから、より詳細な調査を実施すること。
 また、「事業実施区域~加藤沢沼」及び「古川~陸奥湾」については現地調査の対象としていないが、重要な種が生育・生息し、排水の影響を受ける可能性があると考えられることから、現地調査の必要性を検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(16) 哺乳類の現地調査の手法はフィールドサイン法としているが、小型哺乳類(ネズミ目、モグラ目、コウモリ目)の生息状況を正確に把握するためには、捕獲調査や自動撮影法が不可欠であることから、当該手法を追加すること。
(17) 陸生動物の現地調査時期は3季(春~秋)としているが、冬季における足跡等及び鳥類の渡りの調査を追加すること。
(18) 昆虫類の調査の手法はラインセンサス法としているが、当該調査手法では昆虫類の生息状況を十分に把握できないと考えられることから、調査の手法を検討し、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(19) 生態系の予測対象時期について、表5-2では供用時であるが、表5-18では工事中であり整合していないことから、影響要因を検討し予測対象時期を適切に設定すること。
(20) 廃棄物運搬船の航行や埠頭における廃棄物の陸揚げについて、釜臥山展望台からの視認の状況を調査、予測及び評価すること。
(21) 人と自然との触れ合いの活動の場の予測対象時期について、「工事の影響を的確に把握できる時期」及び「供用後の稼働が安定状態に達した時期」としているが、季節等により人と自然との触れ合いの活動の場の利用状況が異なると考えられることから、季節や曜日による利用状況の変化に着目した調査を実施した上で、予測及び評価を行い、その結果を環境影響評価準備書に記述すること。
(22) 文化財は除外環境要素としているが、事業実施区域周辺には周知の埋蔵文化財包蔵地が多数存在していることから、文化財を環境影響評価項目に選定すること。

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環境保全課 水・大気環境グループ
電話:017-734-9242  FAX:017-734-8081

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