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更新日付:2014年7月17日 環境保全課

県境不法投棄事案アーカイブ本編 7.不適正処分の再発防止策

7 不適正処分の再発防止策

(1)県境不法投棄検証委員会の設置

 県境不法投棄問題について、県の対応状況を第三者の視点で検証し、県行政上の問題点や責任を明らかにするとともに、今後の廃棄物行政の的確な運営を図るため、青森県は平成14年10月に、廃棄物処理、行政関係法関係の学識経験者や弁護士、一般県民の5名の委員で構成する「県境不法投棄検証委員会」を設置しました。

(2)検証委員会の検証結果報告

 検証委員会では、平成8年6月に三栄化学工業が賃貸借契約解除を理由に実質的な事業用地への立入りを拒否した以降、不法投棄を行っている可能性が高いとの認識を持ち、可能な限りの手段を用いて事実把握に努めるべきところ、十分な調査が行われず、また、他部局との連携や警察への情報提供・連携が不十分であったとし、県行政に一定の落ち度があったことを認定し、以下のような再発防止策が提言されました。
検証委員会の再発防止策提言概要
・悪質業者に対しては、行政処分の権限行使など、毅然とした態度で臨むこと。
・不法投棄が疑われる場合には、立入検査等の権限を最大限行使し、情報収集に努めること。
・異動により担当者が変わっても、継続性・一貫性のある監視活動を行う体制を整えること。
・廃棄物担当部局と他の部局との連携強化
・警察との連携強化

(3)県警による強制捜査後の県の対応の問題点

 青森県は、押収資料が警察署から返却されたら連絡するよう三栄化学工業の社長に依頼していました。
 資料返却の情報を入手した県は、平成13年10月、資料借用について代理人である弁護士と交渉しましたが、提供は拒否され、資料は全て焼却するとの回答がありました。
 平成14年5月、廃棄物処理法に基づき報告の徴収を行いましたが、代理人である弁護士から、資料は全て廃棄又は散逸してしまったとの回答がありました。
 廃棄物の搬入状況の実態、排出事業者情報を把握するための重要な書類を早期に確保しておく必要があったのに、
 ○資料返却について事前に連絡してもらう体制とすべきところ、警察との連携が不十分だった。
 ○資料提供は任意に委ねず厳正に対処すべきところ、報告徴収を行ったのは焼却判明後だった。
ことなどから、結果として資料は廃棄又は散逸してしまいました。

(4)関係職員の処分

 青森県は平成15年8月、関係職員の処分を行いました。
 平成8~11年度までの間に、行政調査を尽くさず、警察や他部局との連携が不十分であったため、結果として大量の不法投棄を見過ごし、県民の信頼を大きく損なったとして、5名が戒告、5名が訓告の処分を受けました。
 また、業務管理が適切でなかったため、重要な資料を県が確保する前に三栄化学工業に廃棄されたとして、3名が訓告の処分を受けました。

(5)再発防止策

業者に対する毅然とした態度
 毅然とした態度で適正処理を指導し、指導に応ぜず改善が見られない場合は積極的に行政処分を発する等厳正に対処しています。
担当職員の意識・感覚の重要性と監視活動の継続性・一貫性の確保
 研修による担当職員の資質向上を図るとともに、平成13年度からは警察官OBを環境管理専門員として環境管理事務所に配置し、監視・指導体制の強化を図っています。
不法投棄の防止対策
 ○県民の意識啓発、排出事業者に対する説明会開催等により産業廃棄物の適正処理を周知
 ○環境管理事務所による監視・指導の強化等、不法投棄の未然防止・早期発見の取組
 ○不法投棄撲滅青森県民会議(平成14年度設置、平成21年度に通報体制定着により解散)
 ○悪質・巧妙化するケースに対処するため、チームを組み夜間・早朝・休日に監視を実施
 ○全市町村に配置している廃棄物不法投棄監視員による巡回監視の実施
 ○警察と連携して廃棄物積載車両の点検を年数回行い、適正な取扱いを指導
 ○ヘリコプターを活用し、上空から地上確認が困難な山間部・森林部の不法投棄を監視
 ○硫酸ピッチ(不正軽油密造の際に発生する有害廃棄物)搬入防止対策として、平成17年度
  から夜間・早朝に大型車両の積荷の確認に重点を置いた車両一斉点検を実施
 ○警察官2名を環境政策課に配置し、悪質事案は警察に通報する等、警察と連携して対応
 ○県警察本部、海上保安部と不法投棄事案について随時情報交換するとともに、農林水産業や
  建設業から排出される産業廃棄物について関係部局と連携して調査・指導等を実施
産業廃棄物処理対策
 産業廃棄物の適正処理については、立入検査等の監視・指導体制の強化により、産業廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止し、生活環境の保全に努めています。特に、産業廃棄物保管基準の遵守状況、産業廃棄物管理票の確認を重点的に指導することにより、指導を強化しています。
  • 不法投棄及び投棄量の推移
    不法投棄及び投棄量の推移
    ※グラフをクリックすると拡大します。

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電話:017-734-9261  FAX:017-734-8081

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