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更新日付:2019年6月13日 

第298回定例会提出議案知事説明要旨(令和元年6月)

 本日ここに、県議会第二百九十八回定例会の開会に当たり、県政運営に関する所信の一端と上程されました議案の概要を御説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様の深い御理解と御協力をお願い申し上げます。
 私は、この度、県民の皆様の温かい御支援を賜り、引き続き知事の重責を担うこととなりました。今後の県政運営に思いをいたすとき、私に課せられた使命と責任の重大さに、改めて身の引き締まる思いがいたします。
 平成十五年の知事就任以来、私は、ふるさと青森県の成長と発展のため、そして県民の命と暮らしを守るため、「青森県を絶対につぶさない」、そして「暮らしやすさではどこにも負けない地域として発展させる」との決意を胸に、持続可能で自立した「生活創造社会」の実現をめざし、本県の仕事づくりと雇用の場づくり、県民の命を守る仕組みづくり、本県を支える人財の育成などに愚直に取り組んでまいりました。
 これまでの道のりを振り返りますと、知事就任当時の危機的な財政状況や、地方交付税の大幅削減、その後の世界的な金融危機と世界同時不況による経済の低迷、東日本大震災など、幾多の苦難に直面しましたが、それらを乗り越えるべく全力を尽くしてきました。
 財政面においては、「行財政基盤の安定なくして県政なし」という強い信念のもと、県議会及び県民の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、徹底した行財政改革を進めてきた結果、厳しい歳入環境が続く中にあっても、財源不足額の大幅な圧縮を図り、収支均衡を実現するとともに、県債残高を県政史上初めて減少局面に転換させ、将来世代の 負担軽減を図るなど、持続可能な財政構造の確立に向けて着実に前進することができました。
 政策面においては、全国に先駆けて取り組んだ「攻めの農林水産業」の展開をはじめ、「経済を回す」仕組みづくりにより、農業産出額や県産農林水産品の輸出額が順調に伸び、外国人延べ宿泊者数や創業・起業を行う方が大幅に増加しているほか、保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築や医師の県内定着に向けた取組みも着実に進展が見られているところです。また、課題となっている平均寿命の延伸、ごみ排出量やリサイクル率の改善などについても明るい兆しが見えてくるなど、本県の成長と発展のために進めてきた様々な取組みが確実に実を結んでいるものと認識しています。
 一方で、人口減少、少子化・高齢化の進行はもとより、各種産業における労働力の確保や技術の継承、二〇二五年以降の超高齢化時代における地域社会や生活機能の維持・確保といった課題も顕在化しています。また、グローバル化の更なる進展や第四次産業革命への対応など、本県を取り巻く社会経済環境は、急激に変化しており、まさに時代の転換点を迎えるものと考えています。
 私は、選挙期間中、県内各地を回り、県民の皆様方のたくさんのお声を伺いました。対応を急がなくてはならない多くの課題や、県政に対する大きな期待を肌で感じたところであります。そして同時に、本県が有する豊かな地域資源や意欲あふれる多くの人財に触れ、青森県の潜在力や発展可能性の大きさを改めて認識したところであります。思えば青森県には、平和と自然との共生を原点として、縄文の古より脈々と受け継がれている、この地を愛し、この地と共に生きる、生まじめで英明な人財があります。
 再選を果たした今、私がなすべきことは、何よりも青森県の次代を担う子どもたちのため、この素晴らしい人財である県民の皆様方と力を合わせ、このふるさと青森で安心して暮らしていける仕組み、命が守られる仕組み、そして人財が育まれる仕組みをしっかりとつくり、確かな未来を築くことであります。
 そのため、これからの四年間は、これまで進めてきた諸施策の成果・課題等を踏まえ、次の三つの姿勢を大切にし、県政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
 まず、「経済元気、暮らし向上」は、安定した経済的基盤の上にこそ、安心して暮らせる地域をつくることができるとの認識のもと、本県の強みである農林水産資源や地域資源をさらに活かし、企業誘致や創業・起業の促進、地域産業・新 産業の振興により、本県の経済をしっかりと回します。
 次に、「人口減少に、ひるまず挑戦」は、県政の最重要課題である人口減少の克服に向け、粘り強く、臆することなく、これまで以上に果敢にチャレンジするとともに、生業と生き方の可能性・多様性にあふれる青森の魅力を発信し、若者や女性の県内定着・還流に全力で取り組みます。
 次に、「初心忘れず、県政に邁進」は、青森を良くしたい、絶対につぶさないとの初心を忘れず、常に県民の皆様と思いを共に、清新な発想のもと令和の新時代を創造します。
これら三つの姿勢のもと、具体的には、県政が抱える諸課題を踏まえ、誰もが健やかで安全・安心に暮らしていける「この国の『ゆりかご』あおもり」、食と観光の連携で一層の成長をめざす「世界へ打って出るあおもり」、多様な働き方・生き方が実現できる「住んでよしのあおもり」、ふるさとを愛し、元気にする人財を育む「人財(たから)きらめくあおもり」、時代の変化や新たな課題にしっかり対応する「行財政改革を続けるあおもり」の五本の柱からなる政策を「確かな未来へ!ステージアップあおもり」として掲げたところであります。
 これらの政策の実現に向け、「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」と「青森県行財政改革大綱」のスタートとなる今年度は、財政健全化努力を継続しつつ、人口減少克服をはじめとする本県の重要課題に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、引き続き県政運営を担うに当たっての私の基本的な考え方について申し上げました。
 県民の皆様が、この地で生きる喜びを実感しながら、安心して働き、暮らしていける青森県、そして国内外から、まさに「選ばれる青森県」の実現をめざし、引き続き全身全霊を傾けていく覚悟でありますので、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
 それでは、上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
 まず、条例案について御説明いたします。
 条例案は、議案第一号から議案第十七号までの十七件であります。
 その主なるものとして、
 議案第一号「選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例案」は、国の選挙における選挙長等の報酬の基準が引き上げられたことから、県の選挙においても選挙長等の報酬の額を引き上げるものであります。
 議案第二号「青森県県税条例等の一部を改正する条例案」は、地方税法の改正に伴い、法人の事業税について所得割及び収入割の税率を改め、自動車税について環境性能割及び種別割の税率を改める等の改正を行うものであります。
 議案第十二号「青森県立学校設置条例の一部を改正する条例案」は、青森県立黒石高等学校と青森県立黒石商業高等学校を統合することとし、既存の青森県立黒石高等学校のほか、新たな青森県立黒石高等学校を設置するためのものであります。
 議案第十三号「青森県警察職員定員条例の一部を改正する条例案」は、職員の定数の適正を図るため、警察の一般職員の定員を改めるものであります。
 議案第十七号「青森県暴力団排除条例の一部を改正する条例案」は、暴力団員が事業者から金品等の供与を受けること等を禁止し、暴力団員が他人の名義を利用することを禁止するとともに暴力団員に自己の名義を利用させることを制限する等の改正を行うものであります。
 なお、条例案のうち手数料の改定に係るものは、消費税率及び地方消費税率の引上げに伴う、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正に準じ、所要の改定を行うものであります。
 その他の議案は、議案第十八号から議案第二十三号までの六件、報告案件は十六件であります。
 その主なるものとして、
 議案第二十三号「青森県収用委員会の委員及び予備委員の任命の件」は、青森県収用委員会委員猪原健、伊藤史行、山寺利夫の各氏及び予備委員長谷河亜希子氏の任期が来る八月七日をもって満了いたしますので、後任の委員及び予備委員として引き続き各氏を再任いたしたく、御同意を得るためのものであります。
 以上をもちまして、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 なにとぞ、慎重御審議のうえ、原案どおり御議決並びに御同意を賜りますようお願い申し上げます。 

過去の議会説明要旨

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