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第八十八回臨時会提出議案知事説明要旨(平成18年7月)

 本日開会されました県議会第八十八回臨時会は、原子力施設安全確保体制の強化に係る所要の予算措置について御審議をお願いするためのものであります。
 以下、上程されました議案第一号「平成十八年度青森県一般会計補正予算案」について、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。

 原子力施設の安全確保については、事業者が責任をもって安全対策に取り組むとともに、法令に基づいて一元的に安全規制を行っている国がその役割を果たしていくことが基本です。
 一方、県としても、県民の安全を守るという立場から、原子力施設について立地村とともに事業者と安全協定を締結して、施設への立入調査や環境の監視を行っているところです。

 今回の補正予算は、六ケ所再処理工場におけるアクティブ試験開始後の事態の推移にかんがみ、早急に原子力施設に係るより高度な専門的知見を得ることで、本県における原子力施設安全確保体制の一層の強化を図るため、原子力施設に関する技術顧問を設置するのに要する経費として、二百四十余万円の予算措置を講ずることといたしたものであります。
 歳入については、今回の補正予算の財源として、普通交付税を計上いたしております。
 その結果、今回の補正予算額と既決予算額とを合計いたしますと、平成十八年度青森県一般会計の予算規模は、七千二百二十一億四千五百七十余万円となります。
 以上をもちまして、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職をはじめ関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 何とぞ慎重御審議のうえ、原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、この機会に議長のお許しを得て、六ケ所再処理施設アクティブ試験等について御報告いたします。
 六ケ所再処理施設のアクティブ試験については、本年三月三十一日に開始されたところでありますが、七月七日、日本原燃株式会社は、第一ステップの試験結果を取りまとめた「再処理施設アクティブ試験中間報告書(その一)」(七月十二日付け一部補正)を原子力安全・保安院へ提出しました。
 また、六月二十四日に再処理施設分析建屋において作業員の内部被ばくのおそれがあると確認された事象について、同社は、七月三日、「日本原燃株式会社再処理事業所再処理施設における内部被ばくに係る調査結果について」(七月十一日付け一部補正)を原子力安全・保安院へ提出しました。
 この内部被ばくのおそれがあると確認された事象が発生したことを踏まえ、六月二十七日、蝦名副知事から広瀬原子力安全・保安院長に対して、
  • 一 事業者に対し責任をもって、より一層厳正な安全規制・指導を行うとともに、これらの状況について 適時適切に国が県等に説明をすること。
  • 一 現地における保安検査体制を強化すること。
について強く要請しました。
 さらに、七月十一日、私から二階経済産業大臣に対し、
  • 一 事業者に対し責任をもって、より一層厳正な安全規制・指導を行うとともに、これらの状況について 適時適切に県等に対し説明をすること。
  • 一 事業者の品質保証体制の向上については、今後とも、「六ケ所再処理施設総点検に関する検討会」にも 諮り、責任をもって厳しく指導すること。
  • 一 分析作業員や保修要員などの教育・研修は非常に大切であり、事業者の長期的研修計画について、そ の実効性を担保するため、国において厳しくチェックする体制を構築すること。
  • 一 現地における安全規制体制をなお一層充実強化すること。
  • 一 体内被ばくの発生について、県民の多くが大きな不安を感じることから、放射線に関する国民の理解 を深める対策及び正しい知識の普及に国を挙げて取り組むこと。
について強く要請しました。
 二階大臣からは、
  • 一 再処理工場での作業員の被ばくについて、経済産業省としては、作業員の被ばく等について、再発防 止のために十二分に厳格に対応し、これらの状況は、県等に説明していく。
  • 一 現地における安全規制体制の強化について、本年十月を目途に、安全規制を統括する管理職を青森県 に常駐させるようにする。
  • 一 放射線に対する国民の理解については、青森県を含む国民の理解を深める対策及び正しい知識の普及 は極めて重要であると考えている。政府としては、今後とも広聴・広報活動に積極的に取り組んでいく。
との回答がありました。
 広瀬原子力安全・保安院長からは、
  • 一 品質保証の向上については、引き続き「六ケ所再処理施設総点検に関する検討会」に諮りながら、今 後とも厳しく事業者を指導していき、その実施状況についても厳しくチェックし、実効性の担保を確認 していく。
  • 一 長期的な教育・研修計画についても、厳しくチェックし実効性の担保を確認していく。
との回答がありました。
 また、七月十四日、原子力安全・保安院薦田審議官から私に対して、
  • 一 第一ステップにおいて、環境への放出放射能量といった基本的な安全性を含め十九の試験項目が実施 され、いずれも所期の目的を達していることを確認した。
  • 一 第一ステップで発生した不適合等について、日本原燃株式会社が実施した調査結果、その原因究明及 び是正措置、並びに再処理施設における作業員の内部被ばくに係る教育の強化等の再発防止策等につい て、妥当なものと判断した。
  • 一 日本原燃株式会社は、第二ステップまでに是正が必要な三十一件の是正措置をすべて終えた段階で第 二ステップに入っていくことになるが、原子力安全・保安院としては、同社における保安活動・品質保 証体制の向上等については、第二ステップにおいても、「六ケ所再処理施設総点検に関する検討会」に諮 りつつ、保安検査及び現地の巡視点検を通じて、厳しく確認していく。
との報告がありました。
 また、同日、兒島社長から私に対して、
  • 一 第一ステップにおいて、前処理工程をはじめとする、それぞれの工程において、当初想定していた各機器等の機能が確保されていることに加え、基本的な安全性が確保されていることを確認した。
  • 一 アクティブ試験に係わる不適合が数件発生したが、安全上重要な施設の安全機能に係わる不適合はなかった。
  • 一 分析作業員の内部被ばくに関しては、排気機能を備えた分析装置用フードの設置などのハード面と汚染トラブルに関する教育や作業管理者の配置などのソフト面の両面からの対策を進める。特に教育については、協力会社作業員も含めて「技術・技能認定制度」を一層充実させる。また協力会社と日本原燃株式会社が一体となって、ヒューマンエラー防止小集団活動を社長自らがトップとなり、積極的かつ継続的に展開し、企業風土として定着させる。
などの報告がありました。

 私は、原子力安全行政については、県行政の中でも特に重要なものと認識しており、今後とも、県民の安全、そして安心に重点を置いた対応をすべく、安全確保を第一義に厳しくかつ慎重に対処するという姿勢を堅持して参りたいと考えております。

 以上、御報告といたします。

過去の議会説明要旨

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