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知事記者会見(定例)/平成24年8月3日/庁議報告ほか

会見日時:平成24年8月3日金曜日 11時00分から11時32分まで
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○知事
 私の方からまず庁議案件を1件、第16回北海道・北東北知事サミットについて、ご報告をいたします。
 来る8月29日水曜日に第16回北海道・北東北知事サミットを三沢市の星野リゾート青森屋で開催します。本県での開催は、第1回の十和田湖、第4回の黒石市、第8回及び第12回の青森市についで5回目となります。
 今回は、地域コミュニティの活性化をメインテーマに開催します。北海道・北東北地域は、少子高齢化及び人口減少が他地域と比較して急速に進んでおり、その影響は高齢者の孤立化、相互扶助や人と人とのつながりの希薄化、伝統文化の継承難、山林・田畑の荒廃等多岐にわたります。
 こうした状況を打開するために不可欠な地域コミュニティの活性化について、今後の連携の可能性を探りたいと考えています。
 また、前回の第15回知事サミットの合意事項である「大規模災害に向けた広域連携」に係る具体的な方策の検討状況についての報告を行います。
 プログラムは、地域の課題を地域住民が解決するためのコミュニティデザインに携わるstudio-L(スタジオエル)代表で京都造形芸術大学教授の山崎亮先生からの基調講演と、今回のメインテーマ等についての意見交換をすることが中心となりますが、これを機に、4道県の相互の連携及び交流を一層促進していきたいと考えています。

○幹事社
 幹事社質問3問お伺いします。
 1問目は、7月22日に北海道根室市沖であった米軍三沢基地に所属するF-16戦闘機の墜落事故の所感をお願いします。市民からは青森県内の陸上で同様の事故があったらという不安の声も聞かれます。米軍は機体の安全や隊員の教育が徹底されたとして、F-16戦闘機の飛行を再開しましたが、今後また同様の事故が起きる可能性もあります。県としてはどのように安全性を確認していかれるのでしょうか。
 2問目は、7月5日の竜巻、また16日から17日にかけての大雨と自然災害が続きました。竜巻については激甚災害でないため、災害復旧に国からの補助が出ないと思いますけれども、県として被災者の生活復旧をどう支援していかれるお考えでしょうか。
 最後に、昨日、青い森農林振興公社が民事再生法の適用を申請したことについて、お伺いしたいと思います。こちらは県が約230億円の債権放棄をするということで、破格の県民負担を伴うものですが、知事としてのお考えをお聞かせ下さい。

○知事
 それではまずF-16の関連です。去る7月22日、北海道北東約250マイル(約400Km)で発生した米軍三沢基地所属のF-16戦闘機の着水事故については、県民の皆様方に大きな不安を与え、米軍の安全管理体制に対する不信感を増幅させることにもなり、誠に遺憾であり、非常に厳しく受け止めています。
 県では翌23日、外務大臣、防衛大臣、東北防衛局長及び米軍三沢基地司令官に対し、速やかに事故原因の究明を行い、今後このような事故が発生しないよう、航空機の全点検整備、またパイロットの教育訓練に万全な措置を講ずる事を文書要請致しました。去る7月27日、渉外知事会の要請活動において、佐々木副知事が直接この件を要請したところです。
 今回の事故を踏まえたF-16戦闘機の点検整備等、パイロットへの安全教育については、三沢市が米軍から完了した旨の説明を受け、また事故原因の調査は米太平洋空軍の調査チームに引き継がれると聞いておりますが、安全性も含め、地元自治体である三沢市と連携し、その意向を踏まえながら、東北防衛局三沢防衛事務所等を通じて、確認していきたいと考えております。
 
 2点目の竜巻、大雨に関しての支援ということでのお話ですが、まず、この度の災害により被災された方々には、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く安定した生活に戻れるようお祈りしたいと思います。
 弘前市で発生した竜巻では、住家の半壊5棟などの建物被害や、りんご樹の樹体損傷など多数の被害が発生しました。また、去る7月16日に津軽地域を中心に発生した大雨では、住家の浸水のほか、りんごや水稲などの農作物被害、水田への土砂流入や農業用ため池の決壊等の被害、河岸決壊などの被害が発生しました。
 県では、被災者の生活再建を後押しできるよう、竜巻による住家被害に関しては、弘前市と連携を密にし、「安全安心住宅リフォーム促進支援事業」の活用や、県営住宅の受け入れについて相談に応じています。
 また、りんごについては、個別の実情に応じたきめ細やかな生産指導等に取り組んでいるほか、水稲については、共済金の早期支払いを農業共済組合に要請するなどの取組を行っています。さらに、今回の被害により、農業経営の維持安定が困難な農業者にあっては農業制度資金の活用が可能であることから、その周知も図っているところです。 
 今後も引き続き、市町村や関係団体と連携を密にしながら、被災者の個別の状況に応じて必要とされる対策について適切な対応をして参ります。
 去る7月31日の閣議決定では、今回の全国的な一連の大雨による災害が激甚災害に指定され、全国を対象として、農地や農業施設、林道等の災害復旧事業等について、通常の国庫補助がかさ上げされることとなりました。本県でもこの適用を受けることになりました。その部分もまた活用していくべきと考えております。
 
 農林公社の関係です。私は、知事就任時から公社経営を改善するため、新規造林の取りやめや公庫出資金の低利資金への借り換えのほか、自己負担を伴わない定額助成事業の導入などの支出抑制策や、利用間伐の推進など収入増加対策を講じてきました。また、国や公庫に対して、機会を捉えて公社の経営改善に対する支援を要請してきましたが、国においては、抜本的な経営改善につながる対策は講じられませんでした。
 このため、平成22年12月に、外部有識者からの提言や、県議会各会派、関係市町村・団体・各界各層からの意見も踏まえて、県民負担を可能な限り軽減することを基本に、分収林の持つ地域経済の振興や公益的機能の発揮など、県民共通の「公共財」としての性格を考慮して、県が分収林を引き継ぐことを決断したところでした。
 今回の民事再生手続きについては、第三セクター等改革推進債を活用して債務処理をするためにも、公平性や透明性を確保した公的整理等が求められていることから、分収林の県移管手続きの一つと認識しています。
 県としては、繰り返しとなりますが、今後とも県民負担を可能な限り軽減するよう最大限の努力を払いながら、分収林を県民共通の「公共財」として、適切に管理・経営していくことが、私どもの責務であると考えています。以上です。

○幹事社
 それでは、各社からの質問をお願い致します。

○記者
 今の(青い森農林振興)公社の件でお願いします。
 可能な限り県民負担圧縮ということですが、今のところ350億(円)くらいですか、債務、債権放棄や公庫への債務保証も含めると多額の県民負担が生じる見込みがありますが、県の責任をどのように考えていらっしゃるか、また公社の経営責任もどのように考えていらっしゃるか、お願いします。

○知事
 非常に、歴史的に長い長い部分がある。ご存知だと思いますけど、昭和45年からの経緯等がありますので、いずれ一連として説明していくということになるんでしょうけれども、当時は国の政策、施策の中において、この山の資源というものを、いかに守っていくか、或いはそれを分収林という形で、民間の方々にも参加していただきながら、山を守り、また発展させていこうという、当時、昭和45年としては、木材の単価等も含めて、きちんと上がっていくという流れの中での段取りをしてきたんだと思います。
 しかしながら、こうした状況に至る、少なくとも知事就任の時に、様々な引継案件というんでしょうか、処理しなければいけないものがたくさんある中において、もちろん財政再建の方が物凄い状況にあったんですけれども、こういった公社等それぞれの課題についても、自分としては、要するにトータルとして県民負担(の軽減)、或いはトータルとして県としての利益になるべく処理していこうという思いのひとつでございました。
 従って、自分としてはということになりますけれども、少なくとも新しく分収造林することは停止し、そして様々な改善策を講じ、全国共通の課題でございましたから、どのような手段が最もいいかなということで、ここまで色々検討してきたという思いがございます。
 従って、県としてということでごさいますが、非常に長い経緯がある中において、国・県含めて、山の公共財としての、或いは公益的資源としての山の在り方ということについて、その部分も勘案しながらということになるんですけれども、それにしてもやはりこれだけ大きなご心配をおかけする状況に至ったということにつきましては、私としても、忸怩たる思いがある訳でございます。
 しかしながら、この案件については、本当に就任以来様々に手を講じる段取りをしてきたということだけは、申し述べておきたいと思っております。
 繰り返し申し上げたいのは、この全国おしなべて同じ状況になってしまったという、制度設計上の基本的な課題について、80年代、外材が来て、木の値段ががたっと(下がって)いった、もっとかなり早い段階で、様々な国家としての手を打つべきこと等を含めて、やはりこの公的機関それぞれとして、随分長くこの課題に対しての対応の仕組みを、うまく出せなかったということについては、やはりうちだけじゃなくて、国も、制度設計をした方々も含めて、やはりちょっと宜しくなかったんじゃないかなということを言えると思いますけども、何せあまりにも長い話になるもんですから、それについて昭和45年に立ち返ってどうこう言えるものでもないなとは思っています。
 要するに、今まで、財政再建も含めて、とにかく、どうしたら我々青森県が将来に向かってしっかりと生き残っていくか、立ち上がっていけるかということで、自分がやる限りにおいて、様々に背負っている重き荷をいかに軽減していくかということを徹底してやってきたということは、この分野だけでなくて、財政の部分も含めて、ご理解頂ければと思っている次第でございます。
 そこにまた震災、津波ということ等もありということでございますが、この課題も含めて、しっかりとですね、トータルとして県民利益につながるように、或いは繰り返しになりますけれども、森林は公共財としての価値が物凄く高いです。その部分も含めて我々としてどうこれを守り、しかしその一方で収益ということについて、林野庁にも提案しましたけれども、今後復興に日本の森林資源を使っていこうと、そうしたら本県でやっている(県産材エコ)ポイント制度とか、非常に受け入れてくれたんですけども、そういった形で価値を高めることによって、この今の数字の部分をいかにさらに落としていくか、勿論金利とかさまざま落としていける訳ですけれども、更に(負担額を)落としていくかということに、また全力でやっていこうと。
 このマイナスからプラス、前に向かっていくということで踏ん張るという意欲は持っています。ということは言わせてください。

○記者
 民事再生法の適応が必要だということは、今まで一切説明がなかったと思うんですが、説明責任はどう考えますか。

○知事
 説明はしてます。では実務者から説明します。

○農林水産部長
 今、知事の方から説明がありました通り、平成22年12月に、公庫の損失保障の関係については第三セクター債を使うという方向を打ち出しております。その為には、法的処理が必要だということで、この今回の民事再生手続きを申し立てするという、一連の手続きの中で進めている内容と理解しております。

○記者
 第三セクター等改革推進債を利用することは聞いておりますが、法的な債務処理をするという話はなかったと認識していますが。

○農林水産部長
 最終的に第三セクター等改革推進債を利用するということはお話しており、具体的な手続きは、県と公社で、第三セクター等改革推進債が利用出来る条件づくり、県民の負担が一番少ないように行うためどうすれば良いかを話しあってきたということです。
 
○記者
 少なくとも、今回のような法的な債務処理が必要だという説明はなかったということでよいですね。

○農林水産部長
 第三セクター等改革推進債を使うためには、法的整理が必要になってくるので、(法的整理の)ひとつとして、民事再生手続きが必要となったという事務の手続きの中での(今回の)話だと思っております。

○記者
 もう一点。少しでも県民負担を圧縮させる為に、例えば公社の役員の報酬ですとか、個人的な資産を供出させるよう、県から要請する考えはありますでしょうか。

○農林水産部長
 今回の手続きは、債務者の事業を再生する為の手続きで、破産してその事業を精算する手続きとは異なるので、そこまで経営責任を問うかは、別の課題と思っています。
 
○記者
 使用済み核燃料の返還について、六ケ所村長が、再処理工場が稼働すれば、返還の必要が無いという発言をされたんですけれども、県も同じ考えなのでしょうか。改めて燃料返還に関する考えをお聞かせください。
 それと、燃料返還の根拠となっている覚書は日本原燃と県と六ケ所村の三者で行っていますが、覚書上は著しく再処理が困難になった場合は、返還もあるという内容だと思うんですけれども、その著しく困難という文言の解釈について、県と六ケ所村で意見のすり合わせがなされているのでしょうか。

○知事
 サイクル事業がきちんと進めば、再処理されていくわけだから。要するに、再処理事業がスタートし、きちんきちんと処理されていくことは、非常に重要なことだし、処理されるのであれば、県から、どうこういうことには至らない。青森県を最終処分場にしないという点については、しっかりと守っていただくし、また、この再処理事業そのものがしっかりと進められるということは、再処理後は、最終処分場に持って行ってもらうという仕組みができていることになります。

○記者
 今、核燃サイクルについて、政府が検討しており、現状の政策は、全量サイクル路線だと思うのですが、例えば、それが、直接処分も併せた併存ということになった場合、六ケ所村長は、そう(併存方式に)なったとしても、再処理工場が稼働すれば、燃料の返還は、私は考えていないと発言をされたのですが、同じ考えだということでよろしいでしょうか。

○知事
 青森県を最終処分場にしないという大前提の下に、(サイクル事業が)組み立てられている訳だし、そのためには、再処理が順調にきちんと進んでいくということは、非常に重要なことだと思います。
 要するに、最終処分場にしないということは、当然、我々とすれば、原子力委員会の新大綱策定会議の場面でも、確認しているし、なおかつ、現政権も前の政権も含めて、しっかりと確認した上で、サイクル事業に協力していることだと思います。

○記者
 事業がうまくいけば、返還の必要はないということでしょうか。

○知事
 事業が進んでも、高レベル廃棄物は、50年程度の冷却後、必ず搬出してもらうということになっています。

○記者
 再処理工場が稼働する事、ガラス固化体が搬出されることが確約されれば、使用済み燃料の返還の必要はないというお考えだということですか。

○知事
 使用済み燃料については、処理されなければ、持って帰ると(事業者が)はっきりと宣言しているので、約束を守ってもらうということになると思います。

○記者
 その部分が担保されれば、シナリオがどうこうという話ではなくて、返還の必要はないということですか。政策シナリオが変わる可能性がある訳じゃないですか。決まってはいないですが、現行路線から併存ということになるかもしれない。ただ、今、おっしゃっていることだと、工場が動くということと最終的にガラス固化体が県内にあり続けるという事態がなければ、問題はないということですか。

○知事
 もちろん、基本的に全量再処理されるということが条件についてるけれども。要するにガラス固化体に関わってくる。全量再処理とガラス固化体とはリンクするものだから。

○記者
 全量再処理じゃなければ返還するということなんですか。全量再処理が変更になって併存になれば返還されるということなんですか。

○知事
 全量再処理の概念がいろいろある。要するに今の状況でも、別に直接処分を含めて研究してないわけではない。前の時代からそうだけれども、それは研究する等書いてある。
 今、前々から言っていることが、まるで内容が変わったみたいに、皆さま方も特定の政治関係の方々も話していること自体が変だなと思っているんです。要するに基本中の基本は、青森県についてはこれを最終処分場としない。処理されない使用済み燃料については、もちろん中間貯蔵されることはあり得ないし、これは当然お持ち帰り条項で持って帰ってもらう、ということに全体として網が掛かっています。ただ、いろんな研究については妨げないということもあり、かなり前からそういうことで研究していこうとした。
 大体にして、中間貯蔵というものが始まってきたのもついこの間な訳だし、こういうふうに最初からの流れを整理してもらえば、特にごちゃごちゃした話ではなくて、再処理がきちんと行われて、そのことによってガラス固化体も含め、使用済み燃料も含め、青森県を最終処分場にしない、というふうに理解してもらいたい。

○記者
 実態として、今の全量再処理から例えば併存になったとしても、確かにその条件は変わらない可能性はあるんですけれども。

○知事
 うちには置いておけないということです。併存だろうが何だろうが、持って帰れという話。

○記者
 例えば、今とほとんど同じ状況で併存になりましたとなっても、さっき言われたような再処理工場が動くこともある。

○知事
 本県においては処理されないことは許されないと書き込んであるわけです。「置いておくよ」はあり得ないということです。来たものは全部処理して出すということで流れができている。その後、国が、どこで何をどう考えてどうするかは県の関連するところではなく、青森県としては、ガラス固化体も含めて最終処分場ではあり得ないということについて、しっかりとした確約を何度もしつこくして聞いているという流れです。

○記者
 政策変更されても、その部分(最終処分場ではあり得ないということ)と再処理工場が稼働する限りは、返還という事は考えないという事でいいですか。

○知事
 処理されない物は返還するに決まっている。中間貯蔵が絡んでくるから表現が微妙なことになるけれども、処理されない前提のものは、私どもとしては存在があり得ないというふうに考えていただきたい。

○記者
 さっきの公社の話に戻りますが1点だけ。今回、360億円の県費負担となる訳です。今回、2年前から分かっていたと思われるんですが、その時点でこれだけかかりますというふうに公表されなかった。今回、県民負担としてこういう大きい額が出ることについて、知事から県民にメッセージはないでしょうか。

○知事
 積算はしていなかったから分かっていなかったと思う。繰り返し申し上げているのは、いかにしてさらにこれを(圧縮するか)。今の数字はこうだけれども、要は森林だから、いかにこの単価を上げ、これを育ててきっちりと売り抜け、回復していくかということにかかっていると思っている。したがって、私としては、これまでも、これだけではなくさまざまな分野、さまざまなジャンルにおいて、県としての総合的利益というものをいかに守るかということで、相当な苦心をしてきました。それは、行財政改革を含めてこの9年間を思い返していただければお分かりいただけると思います。今の数字からさらに下げるかということと、公共財としての在り方としての意味も含めて、県民の皆さま方に、更にこれを圧縮し、育てて売り抜け、その単価を上げて、回復するということに、ご協力いただける方々のためにも、きちんと育てきちんと売っていくということによって最大限(負担を)圧縮したい。私はこれまでだっていろんなことをそうやって現実にやってきた、そういう思いがあります。またやります、というふうにお話ししておきたいと思います

-以上-

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